📘 傾向と対策2026:麻酔関連薬

はじめに
さらりーまん薬剤名や細かな受容体だけを単独で聞かれることは,それほど多くないと思うよ.
ただし,症例の中で,
「この薬は中止しますか?」
「この患者には何を使いますか?」
「どの程度投与しますか?」
「効果をどう確認しますか?」
「どうやって拮抗しますか?」
「中毒やアナフィラキシーが起きたらどうしますか?」
という形では,問われてもおかしくないね.



抗血栓薬や筋弛緩モニタリング,局所麻酔薬中毒あたりは,具体的な手順まで言えるようにしておいた方がよさそうですね.



毎日使っている薬ほど,「いつもこうしています」だけではなく,なぜそうするのか,どこをモニターするのか,何が起きたら危険なのかまで説明できることが大切☝️
すべての薬剤を細かく暗記するより,ポイントを優先して整理しよう
♦️ 術前中止薬・継続薬
🔵 概略
- 薬剤の作用機序を単独で答えるより,周術期に中止するか継続するかが重要です.
- 本記事では全体像のみを扱い,糖尿病薬や降圧薬の詳細は,各合併症の記事で整理します.
🔵 確認しておきたい薬剤
SGLT2阻害薬
- 周術期の正常血糖ケトアシドーシスに注意します.
- 予定手術では,術前から休薬が必要です.具体的な休薬日数は,薬剤と最新の国内推奨を確認します(3〜4日前が多い).
- 緊急手術では,血糖値が著明に高くなくても,ケトン体と代謝性アシドーシスを評価します.
その他の経口糖尿病薬・インスリン
- 絶食時間,手術時刻,腎機能,低血糖リスク,術後の経口摂取再開時期を考慮します.
ACE阻害薬・ARBなど
- 術中低血圧との関連を考慮し,手術侵襲,心不全の有無,施設方針などを踏まえて継続・休薬を判断します.
- 薬剤名だけで一律に答えるのではなく,何のために使用されているかを確認します.
ステロイド
- 長期内服歴,投与量,投与期間,手術侵襲を確認します.
- ステロイド内服患者すべてに大量のステロイドカバーが必要なわけではありません.
サプリメント
- 総じて血小板凝集抑制作用を持つものが多いです.もちろん全てではないですが,迷ったら「1週間前くらいから中止する」,と答えてもいいかも…
- 製品名だけでなく成分を確認し,出血,血圧,血糖,鎮静,薬物相互作用への影響を評価します.
- 筆記試験でも時折問われますね.
経口避妊薬・女性ホルモン製剤
- 手術侵襲,術後不動化,患者固有のVTEリスクを評価します.
- 周術期に血栓塞栓症のリスクがあるので,手術の4週前から中止することが多いです.
- 中止する場合には,予期せぬ妊娠のリスクや代替避妊についても考慮する必要があります.
♦️ 吸入麻酔薬
🔵 概略
みなさんデス好きデスか😊?
私は高度肥満患者の長〜い手術ではたまに使ってはいますが,あまり好きではありません.セボと比べて格段に覚めやすい!ってこともなく(使い方が下手?),なんかPONVの頻度が高い気がするんですよね(グラニセトロンとか出てマシになった気もしますが).
吸入麻酔薬としては,麻酔法の選択としての亜酸化窒素,セボフルラン,デスフルランと低流量麻酔,の3つをおさえておけばいいと思いますが,筆記試験の細かな問題は別として,専門医試験を受けるくらいの経験を積んでいれば改めて口頭試問用に何か勉強するほどのことはないと思います.亜酸化窒素ももう使わないだろうし.
- 亜酸化窒素:閉鎖腔ダメ
- セボフルラン:喘息患者と小児緩徐導入に使おう
- デスフルラン:こだわりがある場合は肥満患者の低流量麻酔で使おう.気道刺激で緩徐導入はダメ.
- 悪性高熱症の素因や既往がある場合はTIVAにしよう.
これくらいでいいと思います.
🔵 低流量麻酔概略
低流量麻酔は,口頭試問対策としては優先順位がそれほど高くない一方,麻酔器と吸入麻酔薬を理解するうえで重要です.以前の記事ではかなり詳しく説明しましたが,ここでは要点に絞ります(一問一答は⬆️のリンクから).
- 吸入酸素濃度が患者の酸素消費量の影響を受けやすい
- 呼気ガスの再呼吸量が増える
- 二酸化炭素吸収剤の消費が増える
- 回路内の温度と湿度が保たれやすい
- 結露が増える
- 気化器設定変更が呼気終末濃度に反映されるまで時間がかかる
- 吸入酸素濃度,呼気終末麻酔薬濃度,呼気終末二酸化炭素分圧を注視する
これらの特徴は筆記試験にでも重要なので要チェック.口頭試験では新鮮ガス流量の下限と,デスフルラン使用麻酔における気化器設定値との乖離についても一応チェック.あまり細かく問われることはもうないと思いますが,研修医にドヤ顔するために,今一度復習はしておきましょう笑.
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