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- 📝 ゆるく学ぶ周術期管理目次
Contents
📝 問題リスト
- 術中心筋虚血
- 周術期の冠動脈攣縮の原因にはどのようなものがありますか.
- 術中に冠動脈攣縮が生じた場合にはどのように対処しますか.
- 冠動脈攣縮が解除された後はどのように再発予防を行いますか.
- 術後の急性心筋梗塞への対処について説明してください.
- 心不全
- 心不全患者の術中管理について説明してください.
- 周術期の右心不全の原因にはどのようなものがありますか.
- 右心不全発症時にはどのように対応しますか?
- 肺高血圧・肺高血圧クリーゼ
- 肺血管抵抗上昇因子を列挙してください.
- 肺血管抵抗低下因子を列挙してください.
- 術中に新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)を起こす要因を述べてください.
- 肺高血圧クリーゼとはどのような病態ですか.
- 肺高血圧症を合併した心臓手術患者の麻酔導入・維持において注意すべき点と,その理由を説明してください.
- プロタミン投与後の急性肺高血圧クリーゼの機序について説明してください
- 新生児の肺高血圧クリーゼに対する一酸化窒素(NO)療法の作用機序,使用方法,モニタリング項目について説明してください.NOが使用できない環境での代替療法についても述べてください.
- 肺高血圧クリーゼの治療について説明してください.
👥 はじめに

冠攣縮って怖いですよね



そう.軽い心筋虚血なら少しST下ったね,くらいで冠拡張薬とか輸液とか昇圧でよくなることがほとんどだけど,強い攣縮を起こすとあっという間にST上がってショックになるからね



あとは右心系も意外と問われてますね



左心不全と比べるとやや地味だけど超重要.肺全摘のときや,新生児麻酔,先天性心疾患でも常に念頭に置いておかないとね.
Keywords
冠動脈攣縮 心筋虚血 冠動脈攣縮 ニトログリセリン ドブタミン 右心不全 肺血管抵抗 肺高血圧症 新生児遷延性肺高血圧症:PPHN 肺高血圧クリーゼ PDEⅢ阻害薬 一酸化窒素:NO
🤔 術中心筋虚血
Q. 周術期の冠動脈攣縮の原因にはどのようなものがありますか.
- 手術侵襲やストレスによるカテコラミン放出などの内因性因子,
- β遮断薬の使用や血管作動薬の急な中止などの薬物因子,
- 浅麻酔や血管内容量減少などの麻酔管理に関連する因子があります.
- また,低体温,電解質異常(特にマグネシウム低下),過換気,硬膜外麻酔後の交感神経遮断なども重要な誘因となります.
補足・解説
- 喫煙歴やアルコール多飲の既往,冠攣縮性狭心症の既往のある患者では特に注意が必要です.
- そうしょっちゅう起こることではありませんが,昨年1例経験しました.急激にSTが上昇してショック状態にとあっという間でした.
- 冠動脈造影で誘発して確定診断にいたりました.
Q. 術中に冠動脈攣縮が生じた場合にはどのように対処しますか.
- まず手術操作を中止し,100%酸素を投与します.
- 麻酔深度の確認と過換気状態であれば是正を行います.
- 薬物としては,まずニトログリセリンの持続静注を開始します.必要に応じてカルシウム拮抗薬などを併用することもあります。また、誘因となりうる電解質異常(特に低マグネシウム血症)があれば,マグネシウム製剤の投与などで補正します.
- 血圧低下・徐脈に対しては輸液負荷とアトロピン,必要に応じてノルアドレナリン,イソプロテレノール等で対応します.必要に応じて経皮ペーシングや経静脈ペーシングの準備を行います
- 難治例ではIABP挿入を検討し,術後はICU管理とします.
- また,原因薬剤の中止や体温管理,電解質異常(特にマグネシウム)があれば補正(硫酸マグネシウム2〜4g)を投与します.
補足・解説
- ニコランジルの投与も行われますが,急性期にはより効果発現の早いニトログリセリンとカルシウム拮抗薬が第一選択となります.
- 循環虚脱が悪化する場合(有効な心拍出がない場合)は,ACLS に準じて CPR を行います
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