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♦️ はじめに
手術室やICU、病棟では、毎日たくさんの医療機器が使われています。人工呼吸器、輸液ポンプ、生体情報モニター、麻酔器——どれも「動いて当たり前」と感じてしまいがちですが、機械である以上、いつかは不具合が起こります。とういか,しょっちゅうです😅
この記事では、医療機器の故障率がどう変化するのかを「バスタブカーブ」という考え方で整理し、なぜ始業点検・使用前点検・定期点検といった保守点検が必要なのかを、やさしく解説します。
周術期管理チーム試験でも、故障率の考え方・点検の目的・チームでの機器管理は基本として問われやすい領域です。
😩 医療機器は「壊れる前提」で管理する
まず押さえたいのは、医療機器の安全管理が「壊れないようにする」だけでなく、「壊れる可能性をあらかじめ織り込み、早く気づいて被害を防ぐ」ことを目指す、という発想です。
どれだけ高性能な機器でも、初期不良が紛れ込むことはありますし、長く使えば部品も劣化します。点検は「機械を疑う作業」ではなく、「患者さんを守るための先回り」だと考えると、その意義がつかみやすくなります。
それにしても,保守契約や部品交換,高ぇ😅!💸
🛁 バスタブカーブとは何か?
医療機器の故障率(ある時点でどれくらい故障が起こりやすいか)は、使用期間を通じて一定ではなく、時間とともに変化します。これを縦軸に故障率、横軸に使用時間をとって描くと、浴槽を横から見たような形になります。これがバスタブカーブと呼ばれる、信頼性管理で広く知られた一般的な概念です。
カーブは大きく3つの時期に分かれます。最初は故障率が高く、やがて下がり、長く使うと再び上がっていきます。

🔷 初期故障期 ― 導入直後は受入確認が大切
機器を導入したばかりの時期は、製造上のばらつきや初期不良などにより、故障率が相対的に高くなります(PCやゲーム機でもよくある🎮)。ただし、こうした初期トラブルは時間とともに表面化して取り除かれていくため、故障率は次第に下がっていきます。
だからこそ、新しく入った機器ほど、納入時の受入確認や使い始めの動作確認が大切です。「新品だから安心」とは限らず、むしろ最初こそ丁寧に確認したいところです。
🔷 偶発故障期(有用寿命期)― 日々の点検が安全を支える
初期トラブルを乗り越えると、故障率が低く、ほぼ一定に落ち着く時期に入ります。機器が最も安定して働く、いわば「働きざかり」の期間です。資料によっては偶発故障期、有用寿命期などと呼ばれ、用語に多少の揺れがあります。
この時期に大事なのが、日々の点検です。始業時の点検、使用前の確認、使用中の見守り、終業時の確認、そして不具合に気づいたときの確認——こうした日常的なチェックは、機器の故障率そのものを直接下げるというより、異常に早く気づき、安全に使い続けるための土台になります。派手ではありませんが、毎日の確認こそがこの時期の安全を支えています。MEさん,ありがとう😊
🔷 摩耗故障期 ― 定期点検と更新を考える
長く使い続けると、部品の摩耗や経年劣化によって、故障率はふたたび上昇していきます(まぁ当たり前ですが)。この時期には、専門的な定期点検の役割が大きくなり、状況によっては機器の更新(買い替え)も検討の対象になります。
「まだ動いているから大丈夫」と使い続けると、いつのまにか故障率が高い領域に入っていることがあります。定期点検は、こうした見えにくい劣化を客観的にとらえ、更新のタイミングを判断するための重要な手がかりになります。
大事な機械は早め早めにアピールしておかないと,病院はすぐには買ってくれません!😅
🤔 結局,点検は「どの時期にも」必要
つまり、点検は「特定の時期だけのもの」ではないということです☝️。受入確認も日々の点検も定期点検も、実際にはどの時期でも欠かせません。
ただ、バスタブカーブで眺めると、導入初期では受入確認、安定期では日々の点検、劣化が進む時期では定期点検や更新判断の意味が特に見えやすくなる——そう捉えると整理しやすくなります。
👫 点検はチームで支える
点検でもうひとつ大切なのは、これを個人の注意力だけに頼らないことです。誰か一人が気をつけるのではなく、記録・共有・教育・体制によってチーム全体で支える仕組みが求められます。実際はMEさんにおんぶにだっこな場合が多いですけど・・!😅
役割分担の面では、機器を安全に管理する体制を統括する立場(医療機器安全管理責任者)、専門的に保守・点検を担う臨床工学技士、そして日々機器を使用する医療者が、それぞれの立場で関わります。ここでは細かい制度の話には立ち入らず、「専門的に管理する人」と「使う人」が役割を分担し、つながって機器の安全を守っている、という概念として押さえておけば十分です。
そして点検は、行ったら記録に残すことが基本です。記録があることで、誰がいつ何を確認したかを共有でき、教育や改善にもつなげられます(麻酔器や呼吸器にも点検記録画ありますよね?)。
保守点検の記録には保存期間が定められており、院内指針などでは「3年間」または「有効期間に1年を加えた期間」とされています。ただし、必要な保存期間は機器の種類や関連通知、施設の規程によって異なるため、実務では各施設の医療機器安全管理指針と最新情報に従うことが大切です。
点検は「やって終わり」ではなく、「記録して共有し、次に活かす」ところまでが一連の流れです☝️
📝 まとめ
医療機器の故障率は、初期故障期・偶発故障期・摩耗故障期で変化します。どの時期でも点検は欠かせませんが、バスタブカーブで眺めると、「導入初期は受入確認」「安定期は日々の点検」「劣化期は定期点検と更新」というように、時期ごとに点検の意味が変わります。
そして、その点検を支えるのは個人の頑張りではなく、記録・共有・教育を含めたチームの仕組みです。周術期管理チーム試験でも、3つの時期と点検の意味をセットで整理しておくと、丸暗記ではなく「なぜそうするのか」とつなげて理解できます。
🔑 Key Points
- 故障率は一定ではなく、初期故障期(相対的に高い→低下)偶発故障期(低く安定)・摩耗故障期(再上昇)と変化する
- 各時期に重点が置かれる備え:受入確認/始業・使用前・日常点検/定期点検・更新(どの点検も全期間で必要)
- 点検は記録・共有・教育・体制でチームとして支える
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📚 References & Further reading
- 厚生労働省:「医療機器に係る安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点について」(医政総発0708第1号・医政地発0708第1号 ほか)
- 厚生労働省:医療法施行規則(医療機器安全管理責任者の配置・業務に関する規定)
- 厚生労働省:医療法施行規則における医療機器安全管理責任者の位置づけ
- 日本臨床工学技士会:「医療機器安全性情報の入手・伝達・活用等に関するガイドライン」
- 日本臨床工学技士会:「医療機器安全管理指針」
- 日本臨床工学技士会:医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施に関する指針
⚠️ 免責事項・著作権に関して
🔷 参考資料
- 上記参考文献(References & Further reading)を基にしています.
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- 記事に含まれる情報は医学的助言や治療の代替となるものではありません.
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- 本記事は,周術期管理および集中治療に携わる医療従事者を対象とした教育目的の記事です.
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