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🔷 はじめに
大きな腹部手術の麻酔を準備中――
麻酔科医が準備している薬剤,麻酔の“三本柱”がそろっているはずです👍
この「麻酔の三要素(Classical Triad of Anesthesia)」は,現代の安全な麻酔管理の土台です.
どんな症例でも欠かせないこの3つ,もう一度しっかり押さえておきましょう😊
💡 麻酔を支える3つの基本要素

麻酔は,3つの働きをバランスよく作用させるすることで成り立っています.
それが 「催眠」「鎮痛」「筋弛緩」 の三要素です.
🔷 催眠/健忘(Hypnosis / Amnesia)
意識と記憶を遮断すること.
代表的な薬剤:プロポフォール,揮発性吸入麻酔薬(セボフルラン, デスフルラン)など.
🔷 鎮痛(Analgesia)
手術中・術後の痛みをコントロール.
フェンタニル, レミフェンタニル, 区域麻酔(脊髄くも膜下麻酔や,硬膜外麻酔,末梢神経ブロック) などを組み合わせます.
🔷 筋弛緩(Muscle Relaxation)
気管挿管や手術操作(特に開腹手術や,腹腔鏡手術)を円滑にするための要素.
主に,非脱分極性筋弛緩薬のロクロニウムが使用されます.
⚖️ バランス麻酔がうまく機能する理由
現代麻酔では,これら3要素をバランスよく組み合わせる「バランス麻酔(Balanced Anesthesia)」が主流です(当たり前すぎて,この言葉自体もあまり聞かなくなりましたが・・😅).
単一薬剤を多く使うより,各要素を適切に分担させた方が,副作用を減らしつつ安定した麻酔が得られるためです.
🪑 イメージは「三本脚のスツール」
どれか1本でも欠けるとバランスを失って倒れてしまいますよね.
- 鎮静が足りなければ:体動,術中覚醒
- 鎮痛が足りなければ:血圧上昇・頻脈,体動
- 筋弛緩が足りなければ:バッキングの可能性や,術野が不安定(視野不良など).
どの脚も同じくらい大切です.
🧠 まとめ(Take-Home Message)
- 「催眠」「鎮痛」「筋弛緩」――この三要素を理解し,バランスよく組み合わせること.

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