まっすー


📘:書籍版に記載
🔵 青文字:重要
🔴 赤文字:最重要
Contents
📝 問題リスト
🤔 術前絶飲食(▼)
- 📘 一般的な術前絶飲食時間はどのように設定されていますか?
- 清澄水(clear fluids)とは具体的に何を指しますか?
- 術前の経口補水や炭水化物負荷飲料の意義について説明してください.
- 📘 胃内容排出が遅延するリスク因子にはどのようなものがありますか?
🤔 予防接種とその対応(▼)
- 生ワクチンに分類されるワクチンを挙げてください.また,その副反応(全身反応)とその発生時期について説明してください.
- 不活化ワクチンに分類されるワクチンを挙げてください.また,その副反応(全身反応)とその発生時期について説明してください.
- 📘 術前・術後の予防接種の時期について簡単に説明して下さい.
- 📘 COVID-19ワクチン接種後の予定手術の時期,および手術後のCOVID-19ワクチン接種まで空けるべき期間について説明してください.
👥 はじめに



COVID-19を除けば,小児科がない施設ではあまり予防接種は問題にならないですね



そうね.ただ,いつそいういう施設にいくかわからないし,突然聞かれてぱっぱらぱーだと恥ずかしいのでちゃんと覚えておくように.
Keywords
術前絶飲食 清澄水 母乳 胃内容排出時間 予防接種 不活化ワクチン 生ワクチン COVID-19 Mendelson症候群 ERAS 炭水化物負荷飲料 迅速導入
🤔 術前絶飲食
📘 一般的な術前絶飲食時間はどのように設定されていますか?
- 一般的に,清澄水は2時間前,母乳は4時間前,人工乳・牛乳は6時間前まで,
- 乳製品・軽食6時間前,脂肪の多い食事は8時間前までが目安です.
補足・解説
- 固形物や乳製品一般についてはエビデンスが乏しいため具体的な時間は規定されていませんが,実臨床では上記の数値が採用されることが多いです.
- 長時間の絶飲食は不快感や脱水を招くだけでなく,インスリン抵抗性の増大や術後回復の遅延にもつながる可能性があります.現在ではERASの考え方も浸透し,¥Strong{清澄水は2時間前まで}が標準的です.
- ただし,重症糖尿病や腎不全の患者さんなど,胃内容排出が遅延している症例では,より慎重な判断が必要です.
【参照】日本麻酔科学会 術前絶飲食ガイドライン(日本麻酔科学会への外部リンク)
清澄水(clear fluids)とは具体的に何を指しますか?
- 清澄水とは,透明で残渣がなく,脂肪を含まない液体のことです.
- 具体的には,水,茶,ブラックコーヒー(ミルクなし),果肉を含まない透明なジュース(りんごジュースなど),スポーツドリンク,炭酸水などが該当します
補足・解説
- 清澄水かどうかの判断の目安は,グラスに入れて向こう側が透けて見えるかどうか,とよく言われます.
- 果肉を含まない透明なジュースは原則clear fluidsに含まれ,日本麻酔科学会ガイドラインでもアップルジュース・オレンジジュース(果肉なし)が清澄水の例として挙げられています.
- ただし,オレンジジュースについては酸性度や濁りの観点から施設や文献により扱いに差があります.試験で清澄水の例を挙げるなら「りんごジュース」で答えておくのが無難です(そんなの聞かれないと思うけど😅).
- 以下は清澄水に含まれないものとされています.
- 牛乳,豆乳などの乳飲料(脂肪・蛋白を含む → 6時間)
- 果肉入りジュース(残渣あり → 6時間)
- ミルク入りのコーヒーや紅茶(少量でも6時間扱いとされることが多い)
- アルコール飲料(胃運動抑制の可能性あり)
- プロテインドリンク
術前の経口補水や炭水化物負荷飲料の意義について説明してください
- 術前2〜3時間前までに炭水化物含有のclear liquid(おおよそ10〜12.5%程度の炭水化物を含む飲料を200〜400 mL程度)を摂取させることで,術後のインスリン抵抗性の軽減,口渇・空腹感・不安の軽減,術後の悪心嘔吐の軽減などが期待されます.
- ERASプロトコルで推奨されている術前管理の一つです.
補足・解説
- 国内ではアルジネード®ウォーターなどのマルトデキストリン含有飲料がERASプロトコルの一環として用いられることが多く,多くの施設で術前2時間前までの摂取を認めています(具体的な扱いは施設方針による).
- ERASにおける術前炭水化物負荷のメリットとしては,以下のものが挙げられます.
- 術後のインスリン抵抗性を軽減(術後高血糖の抑制)
- 患者の空腹感・口渇・不安を軽減し,満足度を向上
- 術後悪心嘔吐(PONV)の軽減
- 術後回復の促進
- ただし,コントロール不良の糖尿病,肥満,消化管通過障害など,胃内容排出遅延が疑われる患者では,使用を慎重に判断する必要があります.
📘 胃内容排出が遅延するリスク因子にはどのようなものがありますか?
- 糖尿病(特に自律神経障害を伴うもの)
- 高度肥満(特にGERDや糖尿病を合併する場合)
- 妊娠中後期〜分娩期
- 消化管閉塞・イレウス,
- 外傷・疼痛・強い不安
- オピオイド使用中
- 食道裂孔ヘルニア(GERD)
- 腎不全 などが挙げられます.
補足・解説
- 標準的な絶飲食時間を守っていても,これらのリスク因子がある患者では,胃に内容物が残っている可能性を考慮する必要があります.
- 糖尿病性胃不全麻痺:自律神経障害による胃運動低下が主因.HbA1cだけでなく,普段の消化器症状(腹満感,嘔気など)も確認する必要があります
- 妊婦:プロゲステロンによる消化管平滑筋弛緩+増大子宮による機械的圧迫.妊娠中後期および分娩期ではfull stomachとして対応することが多いです(迅速導入の適応)
- 外傷・疼痛:交感神経の活性化により胃排出が著明に遅延します.絶飲食時間が十分であってもfull stomachとして扱います.
- オピオイド使用中:μ受容体を介した消化管運動抑制が生じている可能性があります.
🤔 予防接種とその対応
生ワクチンに分類されるワクチンを挙げ,副反応(全身反応)とその発生時期について説明してください.
- 生ワクチンには,BCG,麻疹・風疹混合ワクチン,水痘ワクチン,流行性耳下腺炎(ムンプス)ワクチン,ロタウイルスワクチンなどがあります.
- 全身反応としてはアナフィラキシーやじんま疹などのアレルギー反応,発熱,発熱に伴う熱性けいれん,脳症に加えて弱毒化したウイルスによる感染症状が挙げられます.
- 副反応の発生時期としては1〜2週間に多くが発現し,ほとんどは3〜4週までに見られます.
補足・解説
- 生ワクチンは弱毒化した病原体を使用しており、接種後に軽微な症状(軽い発熱や局所の腫れなど)が出現することがあります。これらは免疫応答の一部として期待される正常な反応であり、医学的には「副反応」と分類されますが,病原体による感染とは異なります.
- 免疫不全患者(化学療法中,免疫抑制薬使用中,先天性免疫不全など)では,弱毒化ウイルスでも感染を起こし得るため,生ワクチンは原則禁忌とされています.表は自作.
生ワクチンと不活化ワクチンの比較
| 特徴 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
|---|---|---|
| 原理 | 弱毒化した病原体を使用.感染を模倣して強い免疫応答を誘導 | 不活化した病原体やその成分を使用.感染のリスクなし |
| 免疫応答 | 細胞性免疫と液性免疫の両方を強力に誘導 | 主に液性免疫(抗体産生)を誘導 |
| 効果持続 | 長期間持続(少ない回数で効果あり) | 比較的短期間(複数回接種やブースターが必要) |
| 副反応出現時期 | 1〜2週間後(〜3-4週間) | 直後〜24時間(〜48時間) |
| 免疫不全への投与 | 原則禁忌(感染リスクあり) | 投与可能(ただし個別評価が必要) |
| 妊婦への投与 | 原則禁忌 | 通常は安全(個別評価のうえ) |
| 保存 | 冷蔵保存が必要(温度管理が重要) | 製品による(多くは冷蔵保存推奨) |
| 代表的なワクチン | BCG,MR,水痘,ムンプス,ロタウイルス | インフルエンザ,B型肝炎,HPV,日本脳炎,四種混合+Hib / 五種混合 |
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