🗣️ 小児の手術①:小児の特徴と術前評価・麻酔一般

さらりーまん

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Contents

📝 問題リスト

🤔 小児の特徴・生理学(

  • 📘 小児の推定循環血液量はどれくらいですか?
  • 📘 乳児が短時間の無呼吸で低酸素血症になりやすいのは何故ですか?
  • 📘 小児が成人に比べて低体温になりやすい理由を説明してください
  • 📘 新生児の循環の特徴を述べてください
  • 新生児の腎機能・肝機能の特徴と薬物動態への影響を述べてください

🤔 気道の解剖と管理

  • 📘 乳児の気道に関して,成人との相違点を挙げてください
  • 📘 乳幼児の気道の評価について説明してください
  • 困難気道が予想される先天異常にはどのようなものがありますか?
  • 📘 小児の喉頭鏡ブレードの選択について述べてください
  • 📘 小児の気管チューブの選択と深さの目安について説明してください
  • 📘 小児の気管挿管においてカフなしチューブを用いるのはなぜですか?
  • 📘 片肺挿管の原因,発見のしかた,対処法について述べてください
  • 📘 小児における声門上器具(SGA)のサイズ選択について述べてください

🤔 小児麻酔の前投薬・術前評価(

  • 📘 一般的な術前診察の際に,保護者に確認しておくことを挙げてください
  • 📘 上気道感染後の小児で待機手術を行う場合の対応を述べてください
  • 📘小児の術前絶飲食で特に注意すべき点を述べてください
  • 📘 あなたの施設での小児の鎮静のための前投薬について説明してください
  • 📘 小児への術前鎮静薬投与(前投薬)を避けるのはどのような場合ですか

🤔 麻酔導入・維持・覚醒(

  • 📘 小児における緩徐導入の利点と注意点について説明してください
  • 📘 新生児の急速導入や迅速導入(RSI)ではどのような麻酔薬が使用されますか?
  • 小児麻酔ではどのような麻酔回路が用いられますか
  • 📘 小児の覚醒時興奮について述べてください
  • 小児の抜管基準を述べてください

🤔 術中輸液・循環管理(

  • 📘 小児に対する術中輸液量の目安について説明してください
  • 📘 小児の術中低血圧の原因を列挙してください
  • 📘 小児の術中徐脈の原因を列挙してください
  • 📘 小児の術中の上室性頻脈性不整脈への対処を述べてください
  • 📘 小児の術中の心室細動,脈の触れない心室頻拍への対処を述べてください

🤔 術後鎮痛・区域麻酔(

  • 小児の区域麻酔における局所麻酔薬の効果の特徴と,その理由を述べてください
  • 📘 小児のアセトアミノフェンの投与量の目安を述べてください
  • 📘 小児のRSBあるいはTAPBは何の局所麻酔薬をどの程度用いますか
  • 📘 小児の鼠径ヘルニア患者の術後鎮痛について説明してください
  • 📘 扁桃手術後の術後鎮痛について述べてください
  • 📘 小児のIV-PCAは何をどの程度用いますか

🤔 先天性疾患(心疾患を除く)(

  • 📘 Down症児の麻酔において注意するべきことにどのようなものがありますか

👥 はじめに

まっすー

小児麻酔嫌いです〜

さらりーまん

苦手な人は苦手だよね.その辺はこども病院の先生たちは子どもの扱い含めてさすがだよね

まっすー

専門医試験的に押さえておくことは何ですか?

さらりーまん

基本的なことでのポイントは,気管チューブのサイズと深さだね.あとは術後鎮痛,特に末梢神経ブロックかな.あとは症例ごとの注意点だね.ピロステとか.先天性疾患ではダウン症候群が多いかな

まっすー

回る病院と期間によっては症例がそれほどつめない場合や,症例の幅に限りがあったりするので一例一例大事ですね.

Keywords

小児麻酔 前投薬 緩徐導入 カフなし 喉頭痙攣 IV-PCA トリソミー21 Down症候群 迅速導入 RSI 上気道感染 絶飲食 覚醒時興奮

🤔 小児の特徴

📘 小児の推定循環血液量はどれくらいですか?
  • 小児の循環血液量は年齢により異なり,未熟児や新生児では成人と比べて体重あたりの量が多いとされています.
  • 目安として,新生児は約80〜90mL/kg,乳児は約80mL/kg,小児は約70〜75mL/kgです.成人はおよそ70mL/kgと言われますが,2歳以降にこの水準に近づきます.
補足・解説
  • 上記はあくまで「目安」であり,個体差も大きいこと前提です.
  • また,肥満児の場合は実体重ではなく標準体重で計算することが推奨されます.未熟児では相対的に循環血液量が多いことにも注意が必要です.
📘 乳児が短時間の無呼吸で低酸素血症になりやすいのは何故ですか?
  • 乳児は酸素消費量が6〜8mL/kg/minと成人(3〜4mL/kg/min)の約2倍あり,生理的に酸素需要が高い状態です.
  • 一方,体重あたりのFRC(機能的残気量)は成人と同様の約30mL/kgですが,クロージングボリュームがFRCに近いため機能的なシャントが多く,また胸郭が柔らかいため容易に末梢気道が閉塞し肺胞が虚脱します.
  • つまり,酸素の貯蔵が少ないのに消費が多いため,無呼吸が短時間でも急速にSpO₂が低下します.
補足・解説
  • 乳児の胸郭は軟骨性で柔らかく,横隔膜も疲労しやすいため,呼吸仕事量が増加すると容易に呼吸不全に陥ります.また,低酸素に対する化学受容体の感受性も未熟なため,無呼吸に陥りやすく,回復も遅れがちです.
  • 新生児・乳児は低酸素に対して成人のように頻脈で代償するのではなく,徐脈を来しやすいとも重要なポイントです.
📘 小児が成人に比べて低体温になりやすい理由を説明してください
  • 解剖学的特徴として,体重あたりの体表面積が大きく,皮膚が薄く血管が豊富で,皮下脂肪が少ないため,熱喪失が大きくなります
  • 生理学的には,体温調節中枢が未熟で,筋肉量が少ないためふるえによる熱産生が不十分です.また,分時換気量が多く呼吸性の熱喪失も大きくなります.
  • 新生児・乳児の熱産生は褐色脂肪細胞による非ふるえ性熱産生に依存しますが,効率が悪く酸素消費量を著しく増加させます.
  • 体内の水分量が多いことも,温度変化の影響を受けやすい要因となります.
補足・解説
  • 低体温は代謝や循環動態に影響を及ぼし,循環不安定化,凝固障害,薬物代謝遅延,覚醒遅延,無呼吸リスクの増大などを来し得ます.術中は少なくとも中心温36℃以上を維持することが目標とされます.
  • 具体的な体温管理の手段として,手術室の室温を高めに設定すること(特に乳幼児では26〜28℃),強制温風式加温装置(ベアハガーなど)の使用,加温輸液の使用が挙げられます.ただし,特に乳幼児では過度の加温によるうつ熱にも注意が必要です.
  • 乳幼児期になるとふるえ性熱産生の能力が向上し,新生児期に比べて体温維持が容易になります.
新生児の循環の特徴を述べてください
  • 新生児の循環の特徴として,心拍出量は心拍数に依存しています.これは心筋のコンプライアンスが低く,一回拍出量の増加による代償が難しいためです.
  • 交感神経系が未熟なため,徐脈への対応能力が低く,低酸素や迷走神経刺激に対して容易に徐脈をきたします.
  • 正常心拍数は120〜160bpmで,100bpm未満は徐脈として対応が必要です.正常血圧の目安として,平均血圧(mmHg)≧在胎週数が使われ,満期産児では収縮期血圧60〜80mmHg程度です.
新生児の腎機能・肝機能の特徴と薬物動態への影響を述べてください
  • 腎機能については,GFRと尿濃縮能が未熟です.ナトリウムや水の負荷に対する調節能力が低いため,輸液過剰に陥りやすく,慎重な輸液管理が必要です.
  • 肝機能については,薬物代謝酵素が未熟で多くの薬剤の半減期が延長します.アルブミン結合能も低いため,遊離(非結合)薬物濃度が上昇しやすく,少量でも作用が強く出ることがあります.
  • これらの理由から,新生児では成人以上に薬物投与量と投与間隔の調整が重要です.
補足・解説
  • プロポフォールは新生児では分布容積が大きく心拍出量が相対的に多いため,初回通過で希釈され必要量が多くなる一方,遷延性の血圧低下の報告もあり注意が必要です.
  • オピオイドは血液脳関門が未熟で中枢移行しやすく,代謝も遅いため呼吸抑制のリスクが高くなります.投与量の減量と慎重なモニタリングが必要です.
  • ロクロニウムは分布容積が大きく初回投与量は成人と同等ですが,作用時間が延長することがあります.

🤔 気道の解剖と管理

📘 乳児の気道に関して,成人との相違点を挙げてください.
  • 解剖学的には,後頭部が大きく頸が短い,相対的に舌が大きい喉頭が高位(C3〜C4,成人はC4〜C6)にあり,喉頭蓋は長くΩ型で柔らかく垂れ下がっています.
  • 気道粘膜は脆弱で浮腫を起こしやすく,豊富な分泌物があります.声門下が最も狭い(最近では成人と同様に声門部が最も狭いという説もあります)のが特徴で,気管は細く短いです.
  • 喉頭軟骨は柔軟性が高く,外部からの圧迫により容易に変形し気道閉塞を来すリスクがあります.気管についても成人より短く,片肺挿管を起こしやすい特徴があります(左右の気管支分岐角がほぼ対称であるため,成人と異なり左右どちらにも迷入し得る)
  • 乳児は鼻呼吸が主体で,肋骨は水平に走行し横隔膜呼吸が優位です.胸郭のコンプライアンスが高く,FRCが維持されにくい特徴があります.これらの特徴により,低酸素血症を来しやスく,また,気道抵抗が成人より高くなっています
補足・解説
  • 後頭部が大きいため,仰臥位ではそのまま頸部が屈曲して気道閉塞しやすくなります.必要に応じて肩枕を使用してスニッフィング位をとることで気道を開通させます(成人の頭部後屈あご先挙上とは異なるポイント).
  • 経口エアウェイを使用する場合のサイズは口角〜下顎角の距離を目安とし,挿入は成人と異なり回転させず,舌圧子で舌を押し下げながらそのまま挿入します.
📘 乳幼児の気道の評価について説明してください.
  • まず上気道の評価として後鼻腔閉鎖の有無,鼻翼呼吸の有無,口呼吸の程度を確認します.
  • 下顎の発達と側頭骨下顎関節の可動性を評価します.
  • 口腔内では舌の大きさ,口蓋裂の有無,扁桃の肥大程度を確認します.
  • また,いびきや睡眠時無呼吸の有無,喘鳴の性状,声質の異常なども評価します.
  • 頸部の評価では腫瘤の有無,気管の偏位,頸部可動域を確認します.
  • 術前の画像検査(レントゲン,CT)がある場合は,気道評価の参考にします.
補足・解説
  • 乳幼児は相対的に舌が大きく,喉頭が前上方に位置しているなど,成人とは異なるポイントがあります.
  • ダウン症児ではC1-2の亜脱臼が見逃されていることがあり,注意が必要です.
困難気道が予想される先天異常にはどのようなものがありますか?
  • Cat cry症候群(小下顎),
  • Klippel-Feil症候群(頸椎癒合),
  • Pierre Robin症候群(下顎後退,舌根沈下),
  • Down症候群(巨舌,環軸椎不安定性)
  • Goldenhar症候群(顔面非対称,下顎形成不全),
  • Turner症候群(小顎),
  • Treacher Collins症候群(下顎発育不全,小顎),
  • 頭蓋顔面異形成症,
  • Beckwith-Wiedemann症候群(巨舌),
  • ムコ多糖症(頸部硬直,巨舌)などがあります
補足・解説
  • これらの症候群では,気道確保困難に加えて,先天性心疾患を含め様々な合併症を伴うことがあります.Down症候群とムコ多糖症は過去の専門医試験で出題歴があります.

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