🗣️ ペインクリニック・緩和医療①:疼痛の基礎知識

さらりーまん

[📘マーク]:書籍版に記載(重要)
[赤文字]:必須重要ポイント
[・📘マークなし]:基礎・補足・ややマニアック

📝 問題リスト

🤔 疼痛の基礎知識(

  • 📘 疼痛を時間経過で分類してください
  • 📘 疼痛を病因により分類してください
  • 📘 疼痛を原因部位により分類してください
  • 📘 痛みの伝導路について説明してください
  • 📘 末梢性感作と中枢性感作について説明してください

🤔 疼痛の評価(

  • 📘 痛みの評価法にはどのようなものがありますか
  • 📘 VASについて説明してください
  • 📘 NRSについて説明してください
  • 📘 Face Scaleについて説明してください
  • 言語的な痛みの評価法について簡単に説明してください
  • 神経障害性疼痛のスクリーニングツールについて説明してください
  • ペインクリニックで使用される心理テストで,日常の臨床において特に有用な心理テストを挙げて,どのようなものかを簡単に説明してください

👥 はじめに

まっすー

ペイン緩和領域は苦手な人が多いみたいです

さらりーまん

そんなに回ることもないだろうし,独特だからね.でも疼痛評価は術後痛にも使うしその辺はしっかりと

まっすー

はぁい

Keywords

急性痛・慢性痛 侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・痛覚変調性疼痛(ノシプラスチック疼痛) 脊髄視床路 下行性疼痛抑制系 末梢性感作・中枢性感作 先制鎮痛・予防的鎮痛 VAS NRS Face Scale HADS PDAS

🤔 疼痛の基礎知識

📘 疼痛を時間経過で分類してください.
  • 急性痛と慢性痛に分けられます.
  • 急性痛は組織損傷に伴う防御反応としての痛みで,損傷の治癒とともに改善します.通常は数日から数週間で消失します.
  • 慢性痛は、組織の治癒に通常要する期間を超えて持続する痛みと定義され、一般的には3ヶ月以上続く場合を指します.
  • 慢性痛では痛みそのものが疾患として扱われ,末梢・中枢の感作や心理社会的要因が複雑に絡み合い,生活の質に大きな影響を与えます.
補足・解説
  • 歴史的には慢性痛を6ヶ月以上と定義していた時期もありますが,現在はIASP(国際疼痛学会)およびICD-11の定義に基づき,3ヶ月以上とする考え方が主流です.
📘 疼痛を病因により分類してください.
  • 侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,痛覚変調性疼痛(ノシプラスチック疼痛:nociplastic pain)の3つに大別されます.
  • 侵害受容性疼痛は,組織損傷により生じた発痛物質(ブラジキニン,プロスタグランジン,セロトニンなど)が末梢の侵害受容器を刺激することで生じます.NSAIDsやオピオイドが有効です.
  • 神経障害性疼痛は,末梢または中枢神経系の損傷や疾患により生じます.電気が走るような痛みや灼熱感を特徴とし,通常の鎮痛薬が効きにくいことが多く,三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど),プレガバリンなどのα2δリガンド,デュロキセチンなどのSNRIが代表的な薬物療法として推奨されています.患者の背景や副作用プロファイルを考慮して選択します.
  • 痛覚変調性疼痛(ノシプラスチック疼痛)は,IASPが2017年に提唱した第3の疼痛カテゴリで,組織損傷や体性感覚系の病変だけでは十分に説明できない痛みであり,中枢の痛み情報処理の異常(中枢性感作など)が基盤にあると考えられています.線維筋痛症や過敏性腸症候群などがこれに該当し,多角的アプローチが必要です.
  • 実臨床では,複数の疼痛機序が重なる混合性疼痛として現れることが多いです
補足・解説
  • ノシプラスチック(nociplastic)は「侵害受容(noci-)」と「可塑性(-plastic)」を組み合わせた造語で,日本語では「痛覚変調性疼痛」と訳されます.
  • 以前「心因性疼痛」と呼ばれていた概念と重なる部分もありますが完全に同じものではありません.痛覚変調性疼痛は「心理的な問題」のみが原因とされるものではなく,中枢神経系における痛み処理の異常を基盤とした機序による分類です.この定義により,「気のせい」「精神的な問題」として軽視されがちだった患者への理解が進んでいます.
  • ちなみに,痛覚変調性疼痛の定義は「組織損傷や神経障害が全くないこと」を条件としているわけではなく,「それらだけでは痛みの程度や範囲が説明できない」という点がポイントです.したがって,侵害受容性疼痛や神経障害性疼痛と併存することもあります.
📘 疼痛を原因部位により分類してください.
  • 体性痛(表在痛・深部体性痛)と内臓痛に大別され,さらに内臓痛に関連して関連痛という現象があります.
  • 表在痛は皮膚,皮下組織,粘膜の痛みで,局在が明確で鋭い痛みが特徴です.
  • 深部体性痛は筋,腱,関節,骨の痛みで,局在は比較的明確ですが鈍痛が特徴です.
  • 内臓痛は内臓疾患や手術時の内臓操作で生じ,局在が不明確で,絞られるような痛み,圧迫感,膨満感として感じられます.自律神経症状(悪心,発汗,血圧変動)を伴うことが多いのも特徴です.
  • 関連痛(referred pain)は,内臓からの痛み刺激が脊髄後角で体性神経の求心線維と収束(convergence)することで,原因部位と異なる皮膚分節に痛みが出現する現象です.心筋梗塞時の左腕・左肩痛や,胆石発作時の右肩痛などが代表例です.
補足・解説
  • 内臓痛と表在痛・深部体性痛の大きな違いは,侵害受容器の密度と神経支配が関係しています.
  • 内臓は侵害受容器の密度が低く,自律神経(交感神経・副交感神経)を介して脊髄に伝わるため局在が不明確になります.「おなかが痛い」としか表現できないのはこれが理由です.
  • ちなみに,関連痛と放散痛は区別が必要です.関連痛は原因臓器から離れた皮膚分節に出現する痛みであるのに対し,放散痛は神経の走行に沿って広がる痛みです(例:腰椎椎間板ヘルニアで下肢に放散する痛み)

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