📘【想定問題】先天性食道閉鎖

症例設定
【患者】
- 生後2日目.男児.体重2,850g(出生児体重2,880g)
【現病歴】
- 在胎38週5日,自然分娩で出生した.出生直後から多量の唾液分泌と,哺乳時のむせ,チアノーゼを認めた.経鼻胃管の挿入を試みたが,口唇から約10cmの位置で抵抗があり,それ以上進まなかった.
- 先天性食道閉鎖症が疑われ,経口摂取を中止し,上部食道盲端に留置したチューブから持続的に分泌物を吸引している.上体を挙上し,静脈輸液を行っている.
- 胃瘻は造設していない.呼吸・循環状態はおおむね安定しており,気管食道瘻閉鎖および食道吻合による一期的修復術が予定された.
【バイタルサイン・検査所見など】
バイタルサイン
- HR 145/分
- RR 50/分
- SpO₂ 97%(room air)
- 体温 36.8°C
身体所見:
- 哺乳不良と持続的な唾液分泌を認める
- 右肺野の呼吸音がやや減弱している
- 心音は整で,明らかな心雑音を認めない
- 腹部は軟で,著明な膨満を認めない
- 肛門の形成に明らかな異常を認めない
- 四肢に明らかな形成異常を認めない
検査データ:
- 血液検査:WBC 12,500/μL,Hb 17.5 g/dL,Plt 28.0万/μL
- 生化学:Na 138 mEq/L,K 4.2 mEq/L,Cl 104 mEq/L,BUN 8 mg/dL,Cr 0.4 mg/dL,Glu 78 mg/dL,
- 凝固系:PT-INR 1.05,APTT 35秒
- 血液ガス:pH 7.38,PaCO₂ 42 mmHg,PaO₂ 85 mmHg,BE -1.5 mmol/L,Lac 1.2 mmol/L
画像所見:
- 胸部X線:上部食道に留置された造影チューブの先端で途絶(coil-up signあり).右肺野の透過性低下あり.
- 造影検査:下記参照
- 心エコー:明らかな心奇形なし(よかった😊),心機能正常(EF 68%)
Q1. 胸腹部X線では,上部食道盲端と胃・腸管内ガスを認めます.この病型はGross分類で何型ですか.
- Gross分類C型です.
- 上部食道は盲端となり,下部食道と気管との間に瘻孔を有する病型です.先天性食道閉鎖の中で最も多い病型です.
補足・解説
- 胃・腸管内ガスは,気管から遠位食道へ空気が流入する瘻孔の存在を示唆します.
- A型:食道閉鎖のみで,気管食道瘻を伴わない
- B型:上部食道と気管との間に瘻孔がある
- C型:下部食道と気管との間に瘻孔がある
- D型:上部・下部の両方に気管食道瘻がある
- E型:食道閉鎖を伴わないH型気管食道瘻
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