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Contents
📝 問題リスト
- 妊娠高血圧症候群基礎
- 妊娠高血圧症候群(HDP:Hypertensive disorder of Pregnancy)の診断規準について説明してください.
- 妊娠高血圧症候群の病態について説明してください.
- 妊娠高血圧腎症
- 妊娠高血圧腎症はどのような症状が見られますか.
- 妊娠高血圧腎症で見られる母体の重篤な合併症を挙げてください.
- 妊娠高血圧症候群では胎児にどのようなリスクが生じますか.
- 子癇・HELLP症候群
- 子癇について説明してください.
- 子癇の鑑別診断を挙げてください.
- 子癇への対処について説明してください
- HELLP症候群とは何ですか.評価項目とともに述べてください.
- 妊娠高血圧症候群患者の麻酔
- 妊娠高血圧症候群患者の術前の高血圧への対応について説明してください.
- 妊娠高血圧腎症を呈する妊婦の術前評価をしてください.
- 妊娠高血圧症候群患者(HDP)の帝王切開の麻酔はどうしますか?
👥 はじめに

ポイントのかたまりですね



試験である以上,合併症を持っていない妊婦さんは出ない.前置胎盤など出血リスクがある場合や,今回の用にHDP合併例なんかは重要



HDPも軽症から子癇など最重症まで幅広いですね



そう.色んなリスクがからんでくるからきちんと整理しておこう
Keywords
妊娠高血圧症候群 HDP 妊娠高血圧腎症 子癇 高血圧合併妊娠 HELLP症候群 マグネシウム
🤔 妊娠高血圧症候群基礎
Q. 妊娠高血圧症候群(HDP:Hypertensive disorder of Pregnancy)の診断規準について説明してください.
- 妊娠20週以降に初めて高血圧が発症し,分娩後12週までに正常化するものを指します.高血圧に加え,タンパク尿や,腎機能障害,肝機能障害,血小板減少といった母体の臓器障害,あるいは胎児発育不全などを伴う場合には妊娠高血圧腎症と診断されます.子癇や,高血圧合併妊娠もこれに含まれます.
補足・解説
【参照】妊娠高血圧症候群 新定義・臨床分類(2018年5月)(日本妊娠高血圧学会ウェブサイト(https://www.jsshp.jp/journal/)※外部リンク
Q. 妊娠高血圧症候群の病態について説明してください.
- 子宮のらせん動脈のリモデリング障害(一次的な原因)と,それに続く血管作動性因子の異常産生(二次的な変化)です.
- 正常な胎盤形成の過程では,栄養膜細胞(トロホブラスト)が子宮筋層内のらせん動脈に浸潤します.この浸潤により,らせん動脈が拡張し,低抵抗・高容量の血管に改変(リモデリング)されます.これにより胎盤への十分な血流が確保されます.
- HDP患者では,トロホブラストの浸潤が不十分となり,らせん動脈のリモデリングが不完全になります.その結果,血管は狭く,抵抗が高いままとなります.
- これにより胎盤の虚血が生じ,sFlt-1などの血管作動性因子が過剰に産生されます.これが血管内皮障害を引き起こし、全身の血管攣縮、凝固異常、血小板や好中球の活性化を介して末梢循環不全へと進展すると考えられています.
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