🗣️ 薬物による合併症①:アナフィラキシー・局所麻酔薬中毒

Contents

📝 問題リスト

  • アナフィラキシー・アレルギー
    • アナフィラキシーの診断・鑑別(
      • 周術期アナフィラキシーの原因薬物を頻度順に挙げてください
      • アナフィラキシーを疑う症状・所見を挙げてください.
      • 全身麻酔中にアナフィラキシーを疑う3徴を述べてください
      • アナフィラキシーの重症度分類(Ring & Messmer)について簡潔に説明してください 
      • アナフィラキシーを疑った場合の鑑別診断を挙げてください.
      • アナフィラキシーと敗血症性ショックの鑑別点を述べてください
      • Kounis症候群について説明してください. 
    • アナフィラキシーの初期治療(
      • 麻酔導入時〜術中にアナフィラキシーと判断した際の対処について説明してください.
      • アナフィラキシーの治療にアドレナリンが使用される理由を説明してください. 
      • アナフィラキシーに対するアドレナリン筋注の投与量と投与部位を述べてください
      • 全身麻酔中のアナフィラキシーにおいて,アドレナリン静注を行う場合の調製法と投与法を述べてください
      • アドレナリン投与後も低血圧が持続する場合の次のステップを述べてください
      • β遮断薬使用患者のアナフィラキシーで,治療に対する反応が悪い場合,追加考慮すべき薬剤は何ですか
      • アナフィラキシー後に手術延期となった場合、家族への説明で含めるべき内容を説明してください.
    • 二次的治療・経過観察(
      • アナフィラキシーの二次的な治療を述べてください
      • 二相性アナフィラキシーについて説明してください.
      • 術後にICUで継続すべき治療・観察項目を述べてください
    • 原因検索・今後の対策(
      • アナフィラキシーの確定診断はどのように行いますか? 
      • アナフィラキシーの原因物質を特定する方法について説明してください. 
      • 過去に麻酔中アナフィラキシーを起こした患者の術前対応を述べてください
    • 個別アレルゲン対策(
      • セフェム系抗菌薬にアレルギーを持つ患者の抗菌薬選択はどのように行いますか? 
      • バンコマイシンの投与方法と注意点を述べてください
      • ロクロニウムによるアナフィラキシーの既往がある患者で,気管挿管による全身麻酔を行う場合の麻酔計画を説明してください.  
      • スガマデクスによるアナフィラキシーの既往がある患者の筋弛緩拮抗はどのように行いますか? 
      • ラテックス・フルーツ症候群とは何ですか? 
      • ラテックスアレルギー患者が手術を受ける際の準備について説明してください. 
      • 造影剤アレルギーの既往がある場合の対応を説明してください.
  • 🤔 局所麻酔薬中毒(LAST)
    • LASTの病態生理・症状(
      • LASTの症状について説明してください.
      • LASTの増悪因子を挙げてください
      • 主な局所麻酔薬の最大投与量(極量)について説明してください.
    • LASTの予防(
      • LASTを予防するための方法や工夫を挙げてください.
      • 超音波ガイド下ブロックがLAST予防に寄与するメカニズムを述べてください
    • LASTの治療(
      • LAST発症時の対応・治療について説明してください. 
      • LAST発症時に脂肪乳剤を投与する理由を説明してください. 
      • LASTによる心停止時のCPRで避けるべき薬剤と理由を述べてください
      • 脂肪乳剤療法に反応しない難治性LASTへの対応を述べてください
      • 局所麻酔薬中毒について家族へ説明すべき内容を説明してください.
  • ☝️試験で問われやすいポイントまとめ

👥 はじめに

まっすー

これも出そうですね〜

さらりーまん

アナフィラキシーは診断と対処はマストだね.小児から高齢者まで.だいたい抗菌薬,筋弛緩薬,スガマデクスだね.

まっすー

局所麻酔薬は脂肪乳剤の量ですね

さらりーまん

そう.脂肪乳剤を投与することは誰でも知ってるけど,量が意外と忘れがち.特に単回投与後の維持投与量ね.そうそう局所麻酔薬中毒は起こるものではないから,壁に貼っておくか,定期的に確認が必要だね

まっすー

Kounis症候群も押さえておきたいですね

さらりーまん

そうだね.アナフィラキシー+ST変化という組み合わせは知っておかないと.あとは二相性反応の経過観察期間もね👍

Keywords

アナフィラキシー アレルギー ラテックスアレルギー ラテックス・フルーツ症候群 レッドマン症候群 局所麻酔薬中毒 Lipid Rescue 脂肪乳剤 セフェム系抗菌薬 バンコマイシン クリンダマイシン アドレナリン ペニシリン Kounis症候群 トリプターゼ 筋弛緩薬 ロクロニウム スガマデクス 二相性反応

🤔 アナフィラキシー・アレルギー

アナフィラキシーに対する対応プラクティカルガイド

日本麻酔科学会 安全委員会 アナフィラキシーに対する対応プラクティカルガイド作成 WG

🔷 アナフィラキシーの診断・鑑別 🔎

Q. 周術期アナフィラキシーの原因薬物を頻度順に挙げてください
  • 筋弛緩薬(最多:約60%,ロクロニウム,スキサメトニウム)
  • 抗菌薬(セファロスポリン,ペニシリン)
  • ラテックス
  • 造影剤
  • スガマデクス
  • クロルヘキシジン
  • 輸血製剤
補足・解説
  • スガマデクスによるアナフィラキシーの頻度は約1/3,000〜1/20,000とされています.
  • 投与後数分以内に発症し,初回投与でも起こり得ます(非IgE介在性の機序も).循環虚脱が主体で,皮膚症状が遅れることがあります.
Q. アナフィラキシーを疑う症状・所見を挙げてください. 

アナフィラキシーは複数の臓器にわたって症状が急速に出現します.

  • 皮膚・粘膜症状(蕁麻疹,紅潮,掻痒感),
  • 呼吸器症状(喉頭浮腫,気管支狭窄,喘鳴,嗄声),
  • 循環器症状(血圧低下,頻脈や徐脈,不整脈),
  • 消化器症状(腹痛,嘔吐,下痢)などが生じます.
  • 全身症状として意識障害を伴うこともあります.

全身麻酔中など人工呼吸中は,気管支攣縮による回路内圧上昇(VCV),換気量低下(PCV),PETCO₂などが見られます.

補足・解説
  • 全身麻酔中は皮膚症状がマスクされることがあり,10〜20%で皮膚症状がないことに注意.
  • PETCO₂が低下する機序としては,心拍出量低下→肺血流減少,死腔換気増加,気管支攣縮による換気血流不均衡,ショックによる組織低灌流.
  • 幸いなことにロクロニウムでのアナフィラキシーは出会ったことがありませんが,研修医の頃にハチ刺傷,ラテックス手袋によるアナフィラキシーを経験したことがあります.こわい・・.
Q. 全身麻酔中にアナフィラキシーを疑う3徴を述べてください
  • 循環虚脱(低血圧,頻脈→徐脈)
  • 気道症状(気管支攣縮,喉頭浮腫,気道内圧上昇)
  • 皮膚症状(膨疹,紅潮,血管浮腫)
補足・解説
  • 皮膚症状がない場合が10〜20%あるため,循環虚脱と気道症状のみでもアナフィラキシーを疑う必要があります.
Q. アナフィラキシーの重症度分類(Ring & Messmer)について簡潔に説明してください
  • GradeI:皮膚症状のみ(蕁麻疹,紅斑)
  • GradeII:軽度の呼吸器・循環器症状
  • GradeIII:生命を脅かす呼吸器・循環器症状
  • GradeIV:心停止,呼吸停止
補足・解説
  • Grade II以上でアドレナリン投与を考慮します.Grade IIIでは躊躇なくアドレナリンを投与します
Q. アナフィラキシーを疑った場合の鑑別診断を挙げてください. 
  • 循環虚脱系:心筋梗塞,出血性ショック,
  • 気道症状:気管支痙攣,緊張性気胸,肺塞栓症,
  • 顔面紅潮:腸管膜牽引症候群 などの鑑別が必要です.

それぞれの鑑別には,症状の出現パターン,手術操作との関連,既往歴,血行動態の特徴,皮膚所見の有無などで総合的に判断します.

補足・解説
  • 試験的にも臨床的にも腸間膜牽引症候群は鑑別がポイントです
  • 緊張性気胸は,患者の特性(COPD)や状況(CVC留置後等)により判断が容易なこともあると思いますが,聴診や肺エコーの実施で判定できます
Q. アナフィラキシーと敗血症性ショックの鑑別点を述べてください
項目アナフィラキシー敗血症性ショック
発症急速(分単位)比較的緩徐
皮膚症状蕁麻疹,紅潮ありなし
気道症状気管支攣縮ありなし
発熱なしあり
感染源なしあり
乳酸軽度上昇著明上昇
時間的関連原因薬剤投与との関連感染経過との関連
Q. Kounis症候群について説明してください.
  • アレルギー反応に関連した急性冠症候群です.
  • 冠動脈の肥満細胞から放出されたヒスタミンによって強い血管収縮が惹起されて発症します.
  • 治療は通常のアナフィラキシーに準じますが,急性冠症候群に準じた治療も並行して行います.

【治療例】

  • アドレナリン投与,100%酸素
  • 硝酸薬(冠攣縮に対して)
  • 高度徐脈を呈する場合,アトロピン,経皮ペーシング準備
  • その他の循環サポート
補足・解説
  • 冠動脈の状態(正常か、既存の冠動脈疾患があるか、あるいはステント血栓症かなど)によって,いくつかのタイプに分類されます.
    • Type I:正常冠動脈での冠攣縮(アレルギー性狭心症)
    • Type II:動脈硬化性冠動脈でのプラーク破綻・びらん
    • Type III:薬剤溶出ステント内血栓症
  • 治療の注意点としては,
    • アドレナリンは冠攣縮を悪化させる可能性がありますが,アナフィラキシー治療として必須
    • 硝酸薬・Ca拮抗薬の併用を考慮
    • β遮断薬は冠攣縮悪化の懸念あり慎重に
  • 麻酔中はマスクされますが,アナフィラキシーを疑う患者が胸痛も訴えていたら要注意です!

🔷 アナフィラキシーの初期治療

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