🗣️ ペインクリニック・緩和医療②:癌性疼痛管理その1

さらりーまん

[📘マーク]:書籍版に記載(重要)
[赤文字]:必須重要ポイント
[・📘マークなし]:基礎・補足・ややマニアック

📝 問題リスト

🤔 癌性疼痛の分類など基礎知識(

  • 📘 癌性疼痛管理において,治療目標をどのように設定し,どのような考え方で治療を進めていきますか
  • 📘 WHO方式三段階除痛ラダーの考え方について説明してください
  • 📘 WHO方式鎮痛薬投与の四原則について説明してください
  • 📘 癌性疼痛の病態別の分類を説明してください
  • 📘 癌の骨転移に伴う疼痛の病態と対応について述べてください

🤔 癌性疼痛に対するオピオイド(

  • 📘 緩和ケアではどのような麻薬性鎮痛薬が用いられますか?
  • オピオイドナイーブとは何ですか
  • 📘 日本で導入薬として選択可能なオピオイドは何ですか
  • 📘 オピオイド導入時の具体的な処方例を述べてください
  • 📘 弱オピオイドでがん疼痛に適切なものを挙げてください
  • 📘 フェンタニル貼付薬の利点と使用上の注意点について述べてください
  • 📘 腎機能低下時のオピオイド選択について述べてください
  • 📘 レスキューとは何ですか.またどの程度の量を投与しますか
  • 📘 レスキューに用いられる薬物にはどのようなものがありますか
  • 📘 オピオイド投与患者で鎮痛効果が不十分になってきた場合の対応を述べてください

🤔 オピオイドスイッチング(

  • 📘 オピオイドスイッチングとは何ですか
  • 📘 どのような場合にオピオイドの変更(スイッチングや強オピオイドへのステップアップ)を考慮しますか?
  • 📘 オピオイドの投与経路による生体内利用率と換算の考え方について説明してください
  • 弱オピオイドから強オピオイドに変更する際に注意する点は何ですか
  • 📘 オピオイドの換算はどのように行いますか

👥 はじめに

まっすー

WHOの原則って昔は5つだったんですよね

さらりーまん

そうね.今はby the ladderがfor the individualに統合されて四つ.除痛ラダー自体が本文から削除されたからね(ANNEXには記載).月日とともに色々と改訂されるから,しばらく見てないと「あれ?」ってことが結構ある.

まっすー

あとは,同じモルヒネでも色々剤形で名前の違いがあるし,コデイン,オキシコドンあたりもややこしや〜.

さらりーまん

ま,それは仕方ない.あとはオピオイドスイッチングでの換算.これは試験でも問われやすい.ちなみに私のときはオピオイドローテーションと呼ばれていた(今でも廃止されたわけではない).

まっすー

日ごろか緩和医療に携わっていないとなかなかピンと来ないですね・・

Keywords

癌性疼痛 WHO方式 除痛ラダー オピオイド オピオイドスイッチング モルヒネ オキシコドン コデイン フェンタニル フェンタニルパッチ トラマドール

🤔 癌性疼痛の分類など基礎知識

📘 癌性疼痛管理において,治療目標をどのように設定し,どのような考え方で治療を進めていきますか.
  • 患者のQOL改善を目指した段階的な目標設定が重要です.
  • 第一目標は夜間の睡眠時間の確保
  • 第二目標は日中安静時の除痛
  • 第三目標は体動時の痛みの軽減です.
  • NRS(数値評価スケール)などを用いて具体的な目標を患者と共有し,WHO方式がん疼痛治療の考え方や国内ガイドラインに沿って段階的に疼痛管理を行います.
📘 WHO方式三段階除痛ラダーの考え方について説明してください.
  • WHO方式三段階除痛ラダーは,かつて癌性疼痛の治療指針として広く用いられてきた段階的な鎮痛薬使用法です.
  • 痛みの強さに応じて,非オピオイド鎮痛薬から始め,痛みがコントロールできない場合は弱オピオイド,それでも不十分な場合は強オピオイドへと,段階的に鎮痛薬を強化していく考え方です.
  • 放射線療法や神経ブロックは,適応があればどの段階でも実施します.
補足・解説
  • 現在のWHOガイドライン(2018年)では,従来の三段階除痛ラダーは本文から削除され,個々の患者に応じたオピオイドの適切な使用とともに,放射線治療や神経ブロックなどを含めた包括的な疼痛管理の個別化が強調されています.
  • ただし,痛みの強さに応じた段階的な薬剤選択の概念自体は,現在も臨床や教育の場で有用な枠組みとして広く参照されています.日本緩和医療学会のガイドラインでも,WHOラダーを基本とした段階的なオピオイド使用が前提とされています.
📘 WHO方式鎮痛薬投与の四原則について説明してください.
  • できるだけ経口投与を行う(by mouth):患者のQOLを考慮して可能な限り経口投与を選択します.
  • 時間(時刻)を守る(by the clock):痛みが出現してから投与するのではなく,定時に予防的に投与します.
  • 患者ごとに個別化を図る(for the individual):患者個々の痛みの強さや性質,生活環境に応じた薬剤選択と用量調整を行います.
  • 細部への配慮を行う(with attention to detail):副作用対策や精神面のケアなど,痛み以外の問題にも注意を払います.
補足・解説
  • 近年のWHOガイドライン(2018年)では,特に「個別化」の重要性が強調されており,ラダーに沿った段階的投与はこの個別化の中に包含される考え方となっています.
📘 癌性疼痛の病態別の分類を説明してください.
  • 病態により体性痛,内臓痛,神経障害性疼痛に分類されます
  • 体性痛は,がんの皮膚,筋肉,骨などへの浸潤による知覚神経への機械的刺激で生じ,局所の持続的な鈍痛や圧痛として感じられます.
  • 内臓痛は,消化管などの管腔臓器の閉塞や浸潤,肝臓などの実質臓器の被膜伸展により内臓感覚神経が刺激されて生じます.特徴として,痛みの局在が不明瞭で,嘔気・嘔吐・発汗などの自律神経症状を伴い,関連痛(胆嚢痛の右肩への放散など)がみられます.
  • 神経障害性疼痛は,がんの末梢神経や中枢神経への浸潤による神経損傷で生じ,支配領域での灼熱痛,電撃痛,痛覚過敏(痛み刺激に対する過敏な反応),アロディニア(非侵害刺激による痛み)などが特徴です.
  • また,持続痛(基本となる持続する痛み)と突出痛(一時的に増強する痛み)に分類されます.突出痛に対してはレスキュー薬が使用されます.
補足・解説
  • 突出痛はさらに,体動や処置など誘因のある予測性突出痛(incident pain),誘因なく生じる非予測性突出痛(spontaneous pain),および定時鎮痛薬の効果が次の投与前に切れてしまう終末量不足(end-of-dose failure)に分けられます.
  • 終末量不足の場合はレスキューよりも定時投与量や投与間隔の見直しで対応する点が異なります.

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