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Contents
📝 問題リスト
- 脊髄損傷患者の管理・手術
- 脊髄損傷はどの部位に発症することが多いですか.
- 脊髄ショックとはどのような病態ですか.
- 急性期の脊髄損傷患者の術前評価について説明してください.
- 脊髄損傷急性期(頸椎)の麻酔管理について説明してください.
- 慢性期の脊髄損傷患者の術前評価について説明してください.
- 脊髄損傷慢性期(頸椎)の麻酔管理について説明してください.
- 自律神経過反射(autonomic hyperreflexia)とは何ですか.説明してください.
- 脊椎手術一般
- 頸椎後方固定術において,スクリュー刺入時に起こりうる合併症には何がありますか.
- 脊椎手術中の出血予防や低減のため,麻酔科医が行いうる方法には何がありますか?
- 側弯症矯正術で用いられる神経モニタリング法は何ですか.
- 側弯症手術中にMEPの振幅低下が見られた場合にはどのように対処しますか.
- wake-up testはどのような手術で用いられますか.
- wake up testの方法例を述べてください.
👥 はじめに

私実際に脊髄損傷患者さんの麻酔かけたことないんですけど



急性期は重症外傷の受け入れできない施設もあるしね.まずは急性期と慢性期の病態の違いを把握しておこう.急性期は特に気道管理と循環管理が重要,慢性期は頸椎が固定されていることが多いので,そちらの管理とAHに注意だね.



いつあってもいいように勉強しといます.
5つの主要科には整形は入ってないですけど,脊髄損傷は組み合わせもできますしね.
Keywords
脊髄損傷 自律神経過反射 autonomic hyperreflexia 脊髄ショック 後方固定術 側湾症手術 MEP wake-up test 振幅低下
🤔 脊髄損傷患者の管理・手術
Q. 脊髄損傷はどの部位に発症することが多いですか.
- 頸椎ではC5/6レベル(全体の約30%),胸腰椎では胸腰椎移行部のT12/L1レベル(全体の約20%)が好発部位とされています.
- 頸椎は可動性が高い点,胸腰椎移行部は固定性の異なる部位の境界であるる点が,損傷を受けやすい解剖学的な要因となっています.
Q. 脊髄ショックとはどのような病態ですか.
- 脊髄損傷直後から発症する一過性の脊髄機能完全消失状態です.
- 交感神経系の遮断により血管拡張と低血圧を来たし,3日〜数週間持続します.特にT1〜T4の心臓交感神経が障害されると,迷走神経優位となって徐脈,房室ブロック,心停止などの症状を引き起こすことがあります.
- 末梢血管拡張による体温低下も特徴的です.
- 治療は,アトロピンによる徐脈の改善,各種昇圧薬による血圧維持,必要に応じた輸血による循環血液量の確保を行います.
- 脊髄ショックは神経原性ショックとも呼ばれ,一過性の状態であることが重要です.回復期には逆に自律神経反射障害による急激な血圧上昇を来すことがあり,注意が必要です
Q. 急性期の脊髄損傷患者の術前評価について説明してください.
- まず他の部位の外傷(顔面,胸部の血気胸や多発肋骨骨折,腹部の血管損傷や脾損傷,骨盤骨折など)の合併の有無を確認します.
- バイタルサインでは,脊髄ショックの有無を評価し,特にT6以上の損傷では重症な循環抑制に注意します.
- 呼吸機能評価では,C3〜C5の損傷による横隔神経麻痺,それ以下の損傷による肋間筋・腹筋麻痺の影響を評価します.SpO₂,動脈血ガス分析などで呼吸予備能を評価し,排痰能力も確認します.
- 気道確保は頸椎の安定性評価に基づいて,用手的頸椎固定下,意識下でのビデオ喉頭鏡,もしくは気管支ファイバー挿管を選択します(場合により気管切開を行う可能性もあり).
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