🗣️ 縦隔腫瘍・上大静脈症候群

Contents

📝 問題リスト

  • 前縦隔腫瘍の術前評価
    • 前縦隔腫瘍手術において,外科医と協議する必要があることを説明してください.
    • 前縦隔腫瘍の術前評価で重要な点について説明してください.
  • 上大静脈症候群
    • 上大静脈症候群の症状,治療について説明してください.
    • 上大静脈症候群を呈している前縦隔腫瘍患者の静脈ラインの留置部位はどこにしますか.
    • 上大静脈症候群が生じている患者の麻酔導入ついて説明してください.
    • 前縦隔腫瘍での気管挿管して換気確認後(挿管は確実に気管にされたものとする),筋弛緩薬を投与した後,換気困難に陥った場合の原因とその対処について説明してください.

👥 はじめに

まっすー

ここも気道・呼吸管理,循環管理,導入法含めて問いやすいところですね

さらりーまん

だね.試験で出る以上必ず上大静脈症候群を起こしてるから.場合によってはECMO導入まで必要になる.

まっすー

言うのは簡単ですけどね・・・.

Keywords

縦隔腫瘍 上大静脈症候群 意識下挿管 

🤔 前縦隔腫瘍の術前評価

Q. 前縦隔腫瘍手術において,外科医と協議する必要があることを説明してください.
  • 手術アプローチ(胸腔鏡,肋間開胸,胸骨正中切開)と手術体位を確認し,それに応じた分離肺換気の必要性を検討します.
  • 術中の大血管損傷リスクを評価し,血管外科との連携体制や人工心肺の準備の要否を協議します.腫瘍による気道圧迫が強い場合は,VA-ECMO待機の必要性も検討します.
  • CVカテーテルの挿入部位は腫瘍の位置を考慮して選択します(下肢からの挿入が多い).
  • また,組織型によっては術前の化学療法や放射線療法の実施可能性についても確認します.緊急時の対応手順や術後のICU管理についても協議しておきます(怖いからそのままICUに帰りたい).
  • 前縦隔腫瘍手術は,腫瘍の性状や進展度によって術式が大きく変わります.大血管損傷など緊急時の対応は,外科医と麻酔科医,コメディカルとの連携が重要です.
Q. 前縦隔腫瘍の術前評価で重要な点について説明してください.
  • 上大静脈症候群の有無が重要です.上半身の静脈怒張,頸部〜上肢の浮腫,チアノーゼ,呼吸困難などの症状を確認します.進行すると怒張した静脈や粘膜の浮腫による気道閉塞症状(呼吸困難,咳,起座呼吸)も見られます.
  • また,麻酔導入時の体勢の参考にするため,患者が比較的楽に呼吸できる体位も確認しておきます
  • 気道系への圧迫の程度は,CT(撮るのも大変そう)や気管支鏡で評価します.自発呼吸下では保たれていた気道が,麻酔導入後に完全閉塞する可能性があります.また,気管支ファイバー挿管を行う可能性がある場合は,喉頭ファイバー等で経路を確認や,浮腫の評価をしておくとよいでしょう.
  • 重症筋無力症の合併も多いため(胸腺腫),複視や眼瞼下垂,筋力低下などの症状も確認しておきます.
  • 気道以外画像検査では造影CTやMRIで腫瘍の進展度,周囲臓器(肺や心臓,大血管)との位置関係を評価します.あと血液ガスとか心エコーとかも.
  • 前縦隔腫瘍で代表的な胸腺腫は,重症筋無力症を合併することが多いとされています30〜40%).
  • 腫瘍が巨大な場合は,胸骨正中切開でのアプローチとなり,人工心肺の準備が必要になることもあります.試験でも巨大腫瘍が出題されたことがあります.

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