🗣️ 胸部外科・呼吸器外科②:肺手術,気管手術

Contents

📝 問題リスト

  • 開胸手術の基礎と麻酔方法
    • 開胸の痛みにはどのような神経が関与しますか.
    • 術後の予測1秒量はどのように推定しますか?
    • 開胸による肺切除術の一般的な麻酔法とその理由を述べてください.
    • 胸腔鏡下肺切除術でTIVAを行うことが多い理由を述べてください.
    • 術前からの胸腔ドレーン挿入患者で,導入後にドレーン抜去をする場合,気をつけることを挙げてください.
    • 肺切除後のウォーターシーリングテストはどのように行いますか?
  • 肺切除術
    • 肺上葉スリーブ切除術の術前評価のポイントを説明してください.
    • 肺上葉スリーブ切除後に抜管する場合に,抜管〜術後の注意について説明してください.
    • 肺全摘術が施行可能かどうかの判断はどのように行いますか.
    • 肺全摘術において,肺動脈結紮による呼吸・循環動態の変化について説明してください.
    • 肺全摘後(肺動脈結紮後)の右心不全発症時にはどのように対応しますか? 
    • 肺全摘後肺水腫について説明してください.
    • 肺全摘後肺水腫が右肺全摘で生じやすいのは何故ですか?
  • 気管切除術・気管形成術
    • 気管形成術で術前に行うべき検査について説明してください.ただし,一般的な検査は除きます.
    • 気管切除・形成術で術前に準備するべき物品を挙げてください.
    • 気管切除・形成術で麻酔導入時の注意点について説明してください.
    • 気管切除・形成術中,気管が離断されている間の換気の維持方法について説明してください.
    • 気管形成術後の抜管・術後の注意点を挙げてください.
  • 胸腔ドレーン管理
    • 胸腔ドレーンに持続的にリークがある(ずっとぼこぼこしてる)場合,何を考えますか?
    • 適切にドレナージが行われている場合,水封部ではどのような動きが見られますか?

👥 はじめに

まっすー

通常の肺切除の管理もそうですけど,最近は切除後の呼吸・循環への影響も問われてますね

さらりーまん

問題数も増えたし,普通の分離肺換気とか低酸素血症とかだけだと間が持たなくなったのかも笑.肺全摘とか肺移植とかがんがんやってる施設はそんなに多くはないかもしれないけど,呼吸,循環はつながってるからね.一度整理しといて.

まっすー

へいへ〜い

さらりーまん

おい態度わるいぞ

Keywords

開胸手術 肺切除術 肺全摘術 胸腔ドレナージ スリーブ切除術 気管切除術 気管形成術 肺全摘後肺水腫 胸腔ドレーン 分離肺換気

🤔 開胸手術の基礎と肺切除術の麻酔方法

Q. 開胸の痛みにはどのような神経が関与しますか.
  • 開胸術後の痛みには主に4つの神経が関与するとされています.
  • 主体となるのは肋間神経(T4〜T8)による胸壁からの体性痛です.
  • 他に,交感神経は内臓痛,迷走神経は胸腔内の内臓痛,横隔神経は横隔膜の刺激による関連痛に関与します.
  • ちなみに横隔神経が引き起こす関連痛は「Kehr徴候」と呼ばれ,肩に放散する痛みとして表れます.
Q. 術後の予測1秒量はどのように推定しますか?
  • 術後の予測1秒量は,各肺葉の容積比を用いて計算します.
  • 右肺は上葉6,中葉4,下葉12の計22,左肺は上葉10,下葉10の計20として割合計算を行います.
  • 例えば,右上葉切除の場合,残存肺葉は36中の30となるため,術前1秒量×30/36で予測値を算出します.肺血流シンチグラフィーで血流比の偏りがある場合は,その値も考慮します.
  • 上記は簡便な計算方法です.より厳密には,肺血流シンチのデータを用いて計算を行います.
  • 実際の術後肺機能は患者の代償能力や術後の胸郭可動性なども影響します.気腫性変化の強い部分を切除する場合,実際の術後1秒量は予測値より良好になることもあります(悪い肺の部分がなくなる).
  • 肺血流シンチは特に気腫性変化の強い症例でより役に立ちます.
Q. 開胸による肺切除術の一般的な麻酔法とその理由を述べてください.
  • 硬膜外麻酔併用全身麻酔(TIVA):十分な術後鎮痛と,少しでもHPVを抑制するため(気持ちね気持ち).
  • あるいは硬膜外の変わりに持続胸部傍脊椎ブロック:循環変動が硬膜外麻酔より小さい.
  • 吸入麻酔薬はHPVを抑制するため,TIVAが理論的には有利とされています.ただし,実臨床では吸入麻酔でも大きな問題にはならないことが多いです.
  • 最近は,ERAS の観点から,胸部傍脊椎ブロックの使用が増えているようです.私はやってないけど・・・
Q. 胸腔鏡下肺切除術でTIVAを行うことが多い理由を述べてください.
  • HPV抑制を避けることが積極的な選択理由です.
  • また,TIVAは術後悪心嘔吐(PONV)の発生が少なく,早期回復の面でも利点があります.
  • ただし,実臨床では揮発性麻酔薬でも大きな問題はありません.
  • 前問で述べた通りです.それほど気にしたことはないですが,試験的にはTIVAが無難かと・・.

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