まっすー


[📘マーク]:書籍版に記載(重要)
[赤文字]:必須重要ポイント
[色・📘マークなし]:基礎・補足・ややマニアック
Contents
📝 問題リスト
🤔 基礎知識・人工呼吸器設定(▼)
- 分離肺換気の目的と適応について述べてください
- 📘 分離肺換気時の人工呼吸器設定はどのように行いますか?
- 📘 片肺換気中の目標換気パラメータとdriving pressureについて説明してください
🤔 分離肺換気に使用する気管チューブ(▼)
- 分離肺換気に使用される気管チューブの種類を挙げてください
- 📘 ダブルルーメンチューブを用いる利点と欠点について述べてください
- 📘 気管支ブロッカーを用いる利点と欠点について述べてください
- 📘 分岐部の角度や長さ等の以上により,左用DLTが使用できない場合はどのように分離肺換気を行いますか?
🤔 DLTの挿管・位置確認・管理(▼)
- 📘 DLTの挿管方法(左用)と気管の腹側・背側の見分け方はどのように行いますか?
- 📘 左用DLT挿入後の気管支鏡での正常所見と,深すぎる場合の所見を述べてください
- 📘 左用DLTを誤って右に挿入したが,まだ気付いていない場合,一見右主気管支に見える管に気管支ファイバーを進めるとどのような画像が見えますか?
- 📘 DLTで分離肺換気がうまくできない場合の原因と対応を述べてください
- 📘 DLTの挿管困難時の対応を述べてください
- 📘 通常の気管チューブが挿入されている状態から,分離肺換気を行う方法を説明してください
- 📘 術後にDLTから通常の気管チューブに入れ替える方法を説明してください
🤔 気管支解剖のポイント(▼)
- 右肺・左肺の気管支分岐と,左右主気管支の解剖学的違いを述べてください
- 📘 術前CTで確認すべき気管支解剖のポイントを挙げてください
- 📘 気管気管支(tracheal bronchus)とは何ですか.分離肺換気への影響と対処法を述べてください
🤔 低酸素血症・HPV(▼)
- 📘 分離肺換気時の低酸素血症の原因を列挙してください
- 📘 分離肺換気時の低酸素血症への対応を述べてください
- 📘 非換気側CPAPと換気側PEEPの効果・注意点を説明してください
- 📘 低酸素性肺血管収縮(HPV)とは何ですか.HPVを抑制する因子と影響を与えない薬物について説明してください
- 📘 胸腺摘出術などは仰臥位で行われますが,仰臥位で分離肺換気を行うとどういった問題が生じますか.
👥 はじめに



肺がぐわーって広がってピンク色になるのが好きなんですよね



わかる.初めてみたときは感動した.ブローしてて最後に一押しで右葉の端っことかがピンって膨らんだときとか



さすがにマニアックですね.



あとは低酸素血症への対応はマストだからね.すらすらと答えられるように
Keywords
分離肺換気 片肺換気 一側肺換気 DLT ダブルルーメンチューブ 二腔気管チューブ 気管支ブロッカー 低酸素血症 低酸素性肺血管収縮 HPV 気管気管支 tracheal bronchus driving pressure
🤔 分離肺換気の基礎知識
分離肺換気の目的と適応について述べてください
- 分離肺換気の目的は大きく2つあります.
- 1つ目は術野の確保で,非換気肺を虚脱させて外科的操作を容易にします.
- 2つ目は肺の分離保護で,患側肺からの血液や分泌物が健側に流入するのを防ぎます.
- 絶対的適応は患側からの汚染防止が必須な場合で,大量喀血,肺膿瘍・膿胸からの排膿流入防止,気管支胸膜瘻などです.
- 相対的適応は主に術野確保が目的の場合で,肺切除術,胸腔鏡手術(VATS),食道手術,下行大動脈手術,MICS(低侵襲心臓手術)などです.また,肺胞蛋白症の気管支肺洗浄も適応に含まれます.
補足・解説
- この十年くらいでMICSもかなり普及したので,胸腔鏡手術の増加に伴って適応が広がっていますね.
📘 分離肺換気時の人工呼吸器設定はどのように行いますか?
- 分離肺換気はFiO₂ 1.0かそれに近い値で開始します.
- 換気設定としては,肺保護換気の原則に従い,過度な気道内圧を避けた設定が望ましいです(以下は一般的な目安).
- VCVで換気量4〜8mL/kg,呼吸回数10〜14回/分,I:E比1:2前後,PEEP 5cmH₂O程度で開始します.
- PCVでは15〜20cmH₂O(一回換気量4〜8 mL/kgが得られる圧),呼吸回数10〜14回/分,PEEP 5cmH₂O,I:E比1:2程度から開始します.
- どちらを選ぶにしてもスタート後にEtCO₂や血液ガスを測定して調整します。
- 必要に応じて非換気側肺へのCPAP付加も考慮します.側臥位への体位変換後は換気条件の再評価が必要です.
補足・解説
- 最近の一回換気量の推奨は,両肺換気時と同様にやや少なめの4〜6 mL/kgが主流になってきているようです(多くは6mL/kg).以前は6〜8 mL/kgとされていましたが,ARDSに準じた肺保護戦略の考え方が浸透してきています.
- PEEPは5 cmH₂O前後から開始するのが一般的ですが,血行動態と酸素化を見ながら3〜8 cmH₂O程度の範囲で個別に調整します.一律に高PEEPをかけるよりも,driving pressureと循環動態を見ながら最適値を探る姿勢が重要です.
📘 片肺換気中の目標換気パラメータとdriving pressureについて説明してください
- プラトー圧は25 cmH₂O以下(30 cmH₂Oを超えると肺損傷リスクが増加),driving pressureは目安として15 cmH₂O以下を意識します.
- SpO₂は90%以上を維持し,PaCO₂については酸素化と肺保護を優先し,軽度の許容性高炭酸ガス血症は許容します.
補足・解説
- driving pressure(駆動圧)とはプラトー圧からPEEPを引いた値で,「実際にどれだけの圧で肺胞を押し広げているか」を反映する指標です.
- 一回換気量やプラトー圧だけでは肺のサイズやコンプライアンスの個人差を考慮できませんが,driving pressureはそれを補ってくれます.
- 片肺換気では換気に使える肺が小さくなるため,同じ換気量でもdriving pressureは高くなりやすく,意識的にモニタリングすることが重要です.実践的には,VTとPEEPを調整してdriving pressureができるだけ低くなる組み合わせを探る,という形で設定します.
- また,胸部外科領域での術後肺合併症低減効果については,多くの報告で15 cmH₂Oを超えると合併症が増える可能性が示されていますが,今後さらなるエビデンスの蓄積が必要ですね.
🤔 分離肺換気時に使用する気管チューブ
分離肺換気に使用される気管チューブの種類を挙げてください.
- 二腔式気管チューブ(ダブルルーメンチューブ:以下DLT)と気管支ブロッカーがあります.
- DLTには左用と右用があり,通常は左用DLTを第一選択とします.
- 気管支ブロッカーにはユニベント®など様々な種類があり,施設により採用されているものはことなります.
補足・解説
- 特に理由がない限り左用DLTが第一選択の理由は,左主気管支が長く(約5 cm)位置決めの許容範囲が広いためです.右主気管支は短く(約2.5 cm),右用DLTでは右上葉気管支を閉塞するリスクが高くなります.
📘 ダブルルーメンチューブを用いる利点と欠点について述べてください.
【利点】
- 確実な換気分離が可能で,両側それぞれの分泌物吸引が容易です.
- ポジショニングが安定しており,非換気側へのCPAP付加も容易です.
- 仰臥位手術での換気側の切り替えもスムーズに行えます.また,気管支ファイバーを用いた位置確認・修正がしやすい点も挙げられます.
【欠点】
- チューブが太く硬いため挿管困難や気道損傷のリスクがあります.外径が太く,先端が硬く,操作性に制限があるため,通常の気管チューブより挿管難易度も上がります.
- 小児や小柄な成人では適合するサイズがなく使用できないことがあります.
- 術後に挿管管理が必要な場合はシングルルーメンチューブへの交換も必要です.
補足・解説
- DLTは太くて硬いため,通常のチューブに比べて声門通過時に力がかかりやすく,気道損傷(特に気管膜様部の裂傷)には十分注意が必要です.
- 一般的な目安として,女性は32〜35 Fr,男性は35〜39 Fr程度が多いですが,体格や人種差が大きいため,術前CTで左主気管支径を確認して選択するのがより望ましいとされています.
- 今のところPaker Medicalの「パーカーエンドブロンコ気管支チューブ」がクランプ鉗子が不要になる点から最強だと思っています.
- 業者さんも好評だと言ってました.構造は単純ですが,なぜ最今までなかったんだろう.
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