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Contents
📝 問題リスト
- 基礎知識・総論
- 新生児の心臓の特徴について説明してください.
- 先天性心疾患を病態別に分類してください.
- チアノーゼ性先天性心疾患を挙げてください.
- 肺血流増加型先天性心疾患を挙げてください.
- 肺血流増加型先天性心疾患の麻酔管理で注意する点はどのようなことですか?
- 肺血流減少型先天性心疾患を挙げてください.
- 心内シャントがある場合に薬物を点滴ラインから投与する際に気をつけなければならないことは何ですか.
- 小児心臓外科で用いる麻酔薬で,ケタミンが好まれるのはどういった理由からですか.
- 心房中隔欠損・心室中隔欠損:ASD・VSD
- ASD・VSDにおいて術前に得ておくべき情報を挙げてください.
- 心房中隔欠損症根治術の麻酔管理の要点について説明してください.
- 心室中隔欠損症根治術の麻酔管理の要点について説明してください.
- ファロー四徴症:TOF
- ファロー四徴症の病態について説明してください.
- 体肺動脈短絡手術(BTシャント)の目的について説明してください.
- ファロー四徴症の根治術とはどのように行いますか.
- 無酸素発作(anoxic spell)の病態について説明してください.
- 術中の無酸素発作の予防方法について説明してください.
- 無酸素発作発生時の対策について説明してください.
- Fontan循環
- Fontan循環について概要を説明してください.
- Fontan手術の既往がある患児の術前評価の注意点を挙げてください.
- Fontan術後症例の小児の人工呼吸器設定(酸素濃度,圧,換気回数について)をどのようにしますか?
👥 はじめに

さすがに先天性心疾患自体の手術は出ないですよね・・?(おそるおそる)



いやー,さすがに出ないと思うけどね.心臓血管麻酔専門医とかの分野だと思うし・・・.けど,成人ASDがある場合とかはあるし,Fontan循環に関しては一回出題されてるからね.



それなりの施設でないとあまり経験できないことも多いですけど,基礎的なことだけは把握しとかないとですね.
Keywords
先天性心疾患 肺血管抵抗 肺高血圧クリーゼ 心房中隔欠損:ASD,心室中隔欠損:VSD ファロー四徴症:TOF BTシャント 無酸素発作 スペル Fontan循環 フォンタン循環
🤔 基礎知識・総論
Q. 新生児の心臓の特徴について説明してください.
- 心拍出量は一回拍出量よりも心拍数に対する依存性が高く,洞性頻脈が代償機構として重要です.
- 未熟な心筋では筋小胞体からのカルシウム放出が不十分で,収縮力が細胞外カルシウムに依存するため,血中カルシウム濃度の管理が重要です(低カルシウム血症やカルシウム拮抗薬投与で容易に収縮力が低下).
- さらに,心筋コンプライアンスが低く容量負荷に対して脆弱なため,輸液負荷は慎重に行う必要があります.
- ちっちゃな心臓でとくとく頑張っているイメージですよね.実習で初めて胎児の心音を聞かせてもらったときは感動しました.
Q. 先天性心疾患を病態別に分類してください.
- 血流に注目すると,肺血流増加型疾患,肺血流減少型疾患,血流閉塞型疾患にわけることができます.
- 肺血流増加型は左右シャントによる心不全が特徴で,代表的な疾患はASD,VSD,房室中隔欠損,PDA,TGA,総動脈幹症などがあります.
- 肺血流減少型は右左シャントによるチアノーゼが特徴で,代表的な疾患としてはファロー四徴症や肺動脈閉鎖などがあります.
- 血流閉塞型は狭窄や閉塞による循環障害を呈します.代表的な疾患は大動脈縮窄症や大動脈弁狭窄,肺動脈弁狭窄などがです.これに心内シャントが加わると,圧の状態でシャントの量や方向が変わってしまうため,管理が重要になります.
- さらに,単心室血行動態や混合型心疾患など,複雑な病態を示す疾患群があります.
- 同じ病名がつけられていても,患児により血行動態は複雑で,かつ複雑心奇形になると術前の循環器内科の管理もとても重要になってきます.
- 昔研修に行った小児病院で,心臓外科の先生が「僕らが安心して手術できて成績もいいと言われているのは,循内の先生が悪いなりに限界まで状態をよくしてくれてるおかげなんだよね」と言われていたのが印象的でした.
- 心臓外科と循環器内科って仲悪いってよく聞くので・・笑.
Q. チアノーゼ性先天性心疾患を挙げてください.
- ファロー四徴症(TOF),完全大血管転位(TGA),三尖弁閉鎖,総肺静脈還流異常症(TAPVR),総動脈幹症,左心低形成症候群(HLHS),肺動脈閉鎖症,エプスタイン奇形,両大血管右室起始症,単心室症などがあります.
- これらの疾患では,右左シャントによって低酸素血症とチアノーゼを呈します.
- 酸素を十分に含んだ血液と,少ない血液が混合しますが,疾患ごとに混ざり具合も様々で,かつ同じ疾患でも重症度が異なることも多く,病態の理解・把握には大変です.
- 小児病院に長く勤めているベテランの先生方の知識と経験はまじすごいっす.
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