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Contents
📝 問題リスト
- 人工心肺関連
- CPB確立の準備のため,最初にヘパリンはどの程度を投与しますか?
- 各種カニュレーションはACTがどの程度になれば可能ですか.
- 未分画ヘパリンの効果が不十分な場合がありますが(ACTが伸び切らない),それはどのような場合でどう対処しますか.
- 一般的にCPBを用いた心臓外科手術中にACTはどの程度に維持しますか?
- 大動脈弁手術の際のカニュレーション,大動脈遮断の順番を説明してください.
- 左室ベントの役割を挙げてください.
- 人工心肺中の灌流圧と灌流量はどの程度に保ちますか
- 人工心肺中の麻酔方法について説明してください
- 人工心肺離脱後の高血圧の弊害にはどのようなものがありますか?
- 人工心肺中(特に低体温)に血糖値が上昇するのはなぜですか.
- CPBからの離脱に際してのチェック事項をあげてください.
- 開心術において,大動脈弁遮断解除を行い心拍動が再開した後,心電図上STの上昇が見られた場合に最も疑うのは何ですか?
- 人工心肺後の遷延する低血圧の原因と考えられるものを列挙してください.
- プロタミンの副作用について説明してください.
- プロタミンショックへの対応を説明してください.
- 大動脈遮断を解除後,一定の時間が経過しても,上半身の中枢温(食道温など)と下半身(膀胱温)の中枢温で乖離(上>下)がある場合,何を考えどう対応しますか?
- 僧帽弁閉鎖不全による僧帽弁形成術のCPB離脱のポイントを説明してください.
- 人工心肺中の送血圧の上昇の原因について述べてください.
👥 はじめに

何かあの心臓外科の雰囲気苦手なんですよね〜



そう?慣れれば大丈夫.あとはMEさんとかと日ごろからコミュニケーションとって仲良くしておくことかな.もちろん心臓外科の先生とも



そうなんですけどね.初めはわからないことが多すぎて,基本的なことから何まで.うまくいってるときはいいんですけど,ちょっとトラブったりしたときの対応が・・



まぁ理論武装してあとは実践で慣れていくしかないね・・.
Keywords
人工心肺 CPB 送血管 脱血管 ヘパリン プロタミン プロタミンショック カニュレーション 左室ベント 心筋保護 大動脈遮断 送血圧 高血糖 ACT アンチトロンビン
🤔 人工心肺関連
Q. CPB確立の準備のため,最初にヘパリンはどの程度を投与しますか?
- およそ300〜400単位/kg程度をボーラス投与します.
- 血圧が若干(10〜20%程度)低下しますので,注意します.
Q. 各種カニュレーションはACTがどの程度になれば可能ですか.
- 施設でいろいろ取り決めがあると思いますが,200〜300秒以上でカニュレーションを開始する施設が多いようです(正常値は100〜120秒程度).
- ただし,CPBによる体外循環の開始は480秒以上のACTが推奨されています.
Q. 未分画ヘパリンの効果が不十分な場合がありますが(ACTが伸び切らない),それはどのような場合でどう対処しますか.
- 主にアンチトロンビンの欠乏が原因となります.
- 新鮮凍結血漿(FFP)15mL/kg程度,あるいはアンチトロンビン製剤1500〜3000単位の投与を考慮します.
- 実臨床では「あれ?ACT,なんか上がらないね」と気づくことから始まることが多いです.
- ATの欠乏には先天性と後天性がありますが,後天性では肝硬変,ネフローゼ症候群,播種性血管内凝固症候群(DIC),手術,血栓症などで見られます.
- もともとヘパリン治療中やDVTなど血栓症の患者ではアンチトロンビンのクリアランスが亢進していることもあります.
Q. 一般的にCPBを用いた心臓外科手術中にACTはどの程度に維持しますか?
- 手術や回路によっても異なりますが,循環停止時を含め,480秒以上で維持します.
Q. 大動脈弁手術の際のカニュレーション,大動脈遮断の順番を説明してください.
- 上行大動脈に送血管,上大静脈・下大静脈に脱血管挿入して体外循環開始.
- 体外循環を開始し,右房切開後,冠静脈洞から逆行性に心筋保護液を注入開始.右上肺静脈から左室ベントチューブを挿入します.
- 大動脈遮断をして心筋保護液を大動脈基部に挿入したカニューレから注入します.
- このへんの順番とか,順行性・逆行性の使い方とか,施設や外科医の好みとかで色々ですよね.
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