🗣️ 周術期感染対策・職業感染

さらりーまん

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📝 問題リスト

🤔 SSIの基礎知識,衛生手技・PPEなど(

  • 📘 SSIの高リスク因子を列挙してください
  • 手術創の創分類について説明してください
  • 📘 手指衛生のタイミングとその目的について説明してください
  • 標準予防策(スタンダードプリコーション)と感染経路別予防策について説明してください
  • 📘 個人防護具(PPE)について説明してください

🤔 SSIと抗菌薬投与(

  • 📘 SSI予防のための予防的抗菌薬投与について,タイミング・追加投与・術後投与の原則を述べてください
  • 📘 消化管手術で推奨される予防的抗菌薬を挙げてください
  • 📘 呼吸器外科手術で推奨される予防的抗菌薬を挙げてください
  • 📘 外傷手術(汚染創)で推奨される予防的抗菌薬を挙げてください
  • 📘 セファロスポリン系抗菌薬にアレルギーがある場合,予防的抗菌薬として何を用いますか? 
  • バンコマイシンを60分以上かけて投与する理由について説明してください
  • 📘 術前皮膚消毒薬の選択について述べてください

🤔 職業感染症(

  • 📘 針刺し・粘膜曝露時の初期対応について述べてください
  • 安全なリキャップの方法にはどのようなものがありますか
  • 📘 B型肝炎患者の処置で針刺し事故を起こした場合の対応について説明してください
  • C型肝炎患者で針刺し事故を起こした場合の対処について説明してください
  • 📘 HIV患者で針刺し事故を起こした場合の対処について説明してください

👥 はじめに

まっすー

術後は感染との戦いもありますもんね

さらりーまん

昔は抗菌薬の使い方も病院や主治医によって,かなり自由に使われていたことがあって,耐性菌など大きな問題になった時代が続いていたね.

まっすー

最近では色んなエビデンスをもとに院内ICTが組織されて適正使用に目を光らせてますもんね.昔は情報も乏しかったみたいですしね.

さらりーまん

後は自分が感染しないように!適切にPPE装着を徹底して.

Keywords

手術部位感染:SSI セファロスポリン セフメタゾール SBT/ABPC メロペネム バンコマイシン 予防的抗菌薬投与 針刺し事故 B型肝炎 C型肝炎 HIV感染症 PPE 個人防護具 WHOの5モーメント

【参考】周術期の予防的抗菌薬投与,適切に行われていますか!?

🤔 SSIの基礎知識,衛生手技・PPEなど

📘 SSIの高リスク因子を列挙してください. 

【患者側因子】

  • 糖尿病(特に血糖コントロール不良)
  • 肥満(BMI≧25以上)
  • 喫煙
  • 高齢
  • 低栄養状態
  • 免疫抑制状態(ステロイド・免疫抑制剤使用)
  • 術前の遠隔感染巣の存在

【手術側因子】

  • 汚染度の高い創分類(汚染創・不潔/感染創)
  • 長時間手術
  • 緊急手術
  • 術前の不適切な除毛(剃刀による前日剃毛など)
  • 不十分な皮膚消毒

【周術期管理因子】

  • 術中低体温(中枢温36℃未満)
  • 不適切な抗菌薬投与(タイミング・薬剤選択)
  • 大量出血
  • 異物留置(ドレーン・インプラントなど)
補足・解説

【術中低体温とSSI】

  • 術中低体温は皮下組織の血管収縮を引き起こして組織酸素分圧を低下させ,その結果好中球の酸化的殺菌能(活性酸素の産生)が低下します.
  • 加えて,好中球の走化性や貪食能も低下するため,創部における感染防御能が全体として低下し,SSIリスクが上昇します.
  • Kurzらの研究(1996年)では,結腸直腸手術患者において術中中枢温を約36.6℃に維持した群は,約34.7℃の群と比較してSSI発生率が有意に低下したことが示されました.
  • 術中は温風式加温装置や輸液加温などを用いて,少なくとも中枢温36℃前後を維持することが推奨されます.
  • 低体温の影響は感染だけでなく,凝固障害による出血量増加,覚醒遅延,シバリングによる酸素消費量増加など多岐にわたります

【周術期高血糖とSSI】

  • 高血糖は好中球の機能(走化性,貪食能,殺菌能)を低下させるほか,補体活性化やサイトカイン産生にも影響を及ぼし,感染防御能全体を低下させます.
  • 糖尿病患者・非糖尿病患者を問わず,周術期には血糖をおおむね140〜180mg/dL程度の範囲で管理し,180mg/dLを超える高血糖を避けることが一般的です.
  • 心臓外科手術ではやや厳格な管理(110〜150mg/dLなど)が有効とする報告もありますが,厳格すぎる管理(110mg/dL未満など)は重症低血糖のリスクを増大させるため推奨されていません
  • HbA1cの術前評価も重要で,高値の場合はSSIリスクの上昇と関連するとされています.
手術創の創分類について説明してください
  • 清潔創(Class I):感染のない手術創で,呼吸器・消化管・泌尿生殖器に操作が及ばないもの(例:甲状腺手術,ヘルニア修復術)
  • 準清潔創(Class II):呼吸器・消化管・泌尿生殖器に管理された状態で到達するが,異常な汚染がないもの(例:待機的な胆摘術,胃切除術)
  • 汚染創(Class III):新鮮な開放創,消化管内容の大量漏出,無菌操作の重大な破綻があるもの(例:消化管損傷を伴う腹部外傷の手術)
  • 不潔/感染創(Class IV):壊死組織,異物の残存,既存感染や消化管穿孔を伴うもの(例:汎発性腹膜炎,膿瘍ドレナージ)
補足・解説
  • SSI発生率は創分類と強く関連しており,おおまかな目安として清潔創で数%,準清潔創で5〜10%程度,汚染創で10〜15%程度,不潔/感染創では数十%に達することもあります(数値は文献や施設により幅があります).
  • 創分類は予防的抗菌薬の選択や投与期間を決める際にも重要な判断材料です.
📘 手指衛生のタイミングとその目的について説明してください.
  • 患者に触れる前:新たな病原体の持ち込みを防ぐ.
  • 清潔・無菌操作の前:処置中の病原体侵入を防ぐ.
  • 体液に曝露された可能性がある場合:自分自身や他の患者への伝播を防ぐ.
  • 患者に触れた後:自分や周囲環境への病原体拡散を防ぐ.
  • 患者周囲の物品に触れた後:環境を介した交差感染を防ぐ.
補足・解説
  • WHOの5モーメントとして広く知られています.忙しい臨床現場ではつい省略しがちですが,手指衛生は医療関連感染を防ぐ最も基本的かつ効果的な手段です.
  • 擦式アルコール製剤が第一選択ですが,目に見える汚れがある場合は流水と石鹸を使います.
📘 標準予防策(スタンダードプリコーション)と感染経路別予防策について説明してください

【標準予防策】

  • すべての患者の血液・体液・分泌物(汗を除く)・排泄物・損傷した皮膚・粘膜は感染性があるものとして扱い,適切な防護措置を講じる考え方です.
  • 手指衛生,PPEの使用,呼吸器衛生/咳エチケット,安全な注射手技,環境整備などが含まれます.

【感染経路別予防策】

  • 標準予防策に加え,病原体の感染経路に応じて追加する予防策です.
  • 接触予防策:MRSA,VRE,クロストリジオイデス・ディフィシルなど(手袋・ガウン着用,個室管理)
  • 飛沫予防策:インフルエンザ,マイコプラズマ,風疹など(サージカルマスク着用,1〜2m以上の距離確保)
  • 空気予防策:結核,麻疹,水痘など(N95マスク着用,陰圧個室管理)
補足・解説
  • 標準予防策は「すべての患者に対して行うもの」であり,「感染症が判明した患者だけに行うもの」ではないという点が重要です.感染経路別予防策は,標準予防策の上に追加する対策です.
  • 手術室は一般的に陽圧換気で管理されていますが,空気感染を伝播する疾患(結核など)の患者の手術では,陰圧管理や独立空調の確保について事前に感染対策部門と調整が必要です.
📘 個人防護具(PPE)について説明してください
  • PPEは医療者が血液・体液・病原体などへの曝露から自分自身を守るための装備です.
  • 手袋,マスク(サージカルマスク・N95マスク),ゴーグルまたはフェイスシールド,ガウンなどが含まれます.
  • 原則として使い捨てであり,使用後は汚染部位に触れないよう適切な順番で脱衣し,速やかに廃棄します.
補足・解説
  • 装着の順番はガウン→マスク→ゴーグル/フェイスシールド→手袋,脱衣は手袋→ゴーグル/フェイスシールド→ガウン→マスクの順が一般的です(最も汚染されやすいものから外す原則).
  • 脱衣時に最も自己汚染のリスクが高いので,慌てず丁寧に行うことが大切です.
  • 一度使用したPPEは汚染している可能性が高く,そのまま別の作業を行うと器具や環境を汚染してしまうため,基本的に使い捨てです.

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