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Contents
📝 問題リスト
- 術中覚醒記憶
- 術中覚醒記憶の原因を挙げてください.
- 術中覚醒・術中記憶を防ぐためにはどのような方法がありますか.特に既往がある場合.
- 術中覚醒記憶が生じた場合には,どのように対応しますか?
- 覚醒遅延
- 覚醒遅延の原因にはどのようなものがありますか?
- 覚醒遅延の原因検索・対処について説明してください.
- 意識の変容:術後せん妄・不穏
- 術後せん妄を起こしやすい時期はいつですか?
- 術後せん妄のリスク因子を挙げてください.
- せん妄の診断方法について説明してください.
- 術後せん妄を起こした場合の予後について説明してください.
- 術後せん妄の予防方法について説明してください.
- 術後せん妄が生じた場合の対応について説明してください.
- 抜管後〜術後の不穏の原因にはどのようなものがありますか?
👥 はじめに

昔は覚醒遅延はよくあったんですよね



そうね,フォーレン®(イソフルラン)使ってたときはびっくりするくらい醒めなかったね・・.それでもさらに前の麻酔薬と比べると速かったみたいだけどね.



デスフルランとかレミマゾラムに感謝ですね.



あと,術後せん妄は頻出事項だから,リスク因子の把握,対応をスムーズに答えられるように



先生もよく不穏になりますもんね



そりゃ先生のせいだろ
Keywords
術中覚醒 術中記憶 術後せん妄 覚醒時興奮 不穏 覚醒遅延
🤔 術中覚醒・術中記憶
Q. 術中覚醒記憶の原因を挙げてください.
- 機器関連要因として,気化器が空っぽ,シリンジポンプの設定ミス,呼吸回路の接続不良があります(リーク).
- 薬剤関連要因として,希釈ミス(薄すぎた),投与経路のトラブル(血管外漏出,ルートの閉塞),薬液切れがあります.
- 患者要因として,慢性アルコール中毒や薬物依存による薬剤耐性,若年,女性,肥満などがあります.
- 医療者側の要因として,意図的な浅麻酔(重症患者や産科救急など),麻酔深度モニタリングの不備などが挙げられます.
- 必要ないのに速く覚まそうとして浅い麻酔.ぎりぎりの麻酔を好む麻酔科医もいますが・・.素早く覚ましても別にだれも何も思いません!あまり意味ないです笑!
- 深すぎるのも問題ですけどね.
Q. 術中覚醒・術中記憶を防ぐためにはどのような方法がありますか.特に既往がある場合.
- まず術前に既往の確認と対策の説明を十分に行います(100%の防止は難しいことも).
- 導入前にBISモニタの装着を行い(ちょっと痛い),筋弛緩薬は必要最小限とします,
- 揮発性麻酔薬使用時は術前に残量を確認・補充し,術中はモニターのガス濃度を定期的に確認します.
- TIVAを行う場合は特に点滴の残量,点滴が止まっていないか,点滴漏れがないか,薬液の残量に注意します.
- 輸液ポンプや滴下チェックするデバイスがあれば使用しましょう.
- 術中覚醒時のつらい記憶として,「意識があるが体が動かなくて恐怖を感じた」という訴えが多いとされています.これが筋弛緩薬の投与量を最小限とする理由です.
- BISは決して万能ではありませんが,防ぐための努力をするという観点からも重要です.
Q. 術中覚醒記憶が生じた場合には,どのように対応しますか?
- まず,患者の訴えを真摯に受け止め,具体的な体験内容(視覚,聴覚,触覚,痛覚など)と時期を詳細に聴取します.
- 麻酔記録を確認し,術中の麻酔深度(BISなど),バイタルサイン,投与薬剤の使用方法,点滴停止,薬液切れなどトラブルやミスがなかったかを確認します.
- 患者に対しては誠実な説明と謝罪を行い,必要に応じて精神科医や心理カウンセラーに紹介します.
- 発生要因を分析し,再発防止策を検討するとともに,診療録への明確な記載と次回以降の麻酔のための申し送り(患者にも既往を術者や麻酔科医に伝えるように)を確実に行います.
- 昔は手書きでしたし,モニタの記録も数分単位だったり,時間がたつと自動的に消去されていたりしました.
- 自動記録装置が普及してから,トラブル時の詳細な振り返りが可能になりましたね!
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