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Contents
📝 問題リスト
- 出血リスクに対する準備
- 大量出血が予想される患者ではどのような準備を行いますか.
- 大量出血時の最大死亡原因と呼ばれる徴候を挙げてください.
- 大量輸血プロトコル(MTP)とは何ですか?
- 危機的出血への対応
- 術中の出血に対する輸液や輸血判断のための指標としてはどのようなものがありますか.
- 一般的なそこそこの術中出血(1L未満)への対応を挙げてください.
- 危機的出血が起きた際の麻酔科医としてまず行う行動はなんですか?
- 危機的出血が起きた場合,どのように対処しますか.
- 危機的出血時の血小板数とフィブリノゲン値の目標値はどのくらいですか?
- 腹腔内の予期せぬ部位(多発外傷時や,他科手術で,器具等などによる術野からは見えない部位の損傷からの出血など)があった場合,どのように対応しますか?
- 同型の血液が手に入らない,または到着に時間がかかるときに,異型輸血を行う場合の輸血の適応型について説明してください.
- 大量出血時などにRh(ー)患者にRh(+)の血液を輸血した際にはどのような対応が必要になりますか?
- 出血時にトラネキサム酸が投与されることがありますが,これは何故ですか?
- トラネキサム酸の副作用にはどのようなものがありますか.
👥 はじめに

何度か経験ありますけど,大変ですよね



そうね.コントロールがつかないと外科医も殺気立つし,まとめ役がいないとね.基本的にそれは麻酔科医の役目



100%出題されてますもんね.大事なのは準備とシミュレーションですね.



そう.出血リスクが高い場合は事前に輸血部や検査科,場合によっては血液センターとも連携をとらないといけない.実際の手作業は自分出行うのではなく,役割分担を振って自分はあくまでコマンダーね.



うら若き女医にはきついので先生お願いします!
Keywords
大量出血 危機的出血 死の三徴 トラネキサム酸 フィブリノゲン 大量輸血プロトコル:MTP 血小板 輸血合併症 ダメージコントロール
危機的出血への対応ガイドライン 日本麻酔科学会(※外部リンク)
🤔 出血リスクに対する準備
Q. 大量出血が予想される患者ではどのような準備を行いますか.
- 出血する原因を把握しておきます(大血管手術,癒着や肝移植時のコラテからや,骨盤静脈叢からなど).患者家族へもリスクや対応の説明を行っておくことが重要です.
- 血液製剤の準備状況を確認し,院内輸血部(あれば)や血液センターへの連絡など連携体制を整えます.必要があれば手術開始前までに在庫補充を行っておきます.
- 手術開始前に太い静脈ライン(16G以上)やシース(内頸静脈や正肘静脈)を確保し,急速輸液・輸血装置を準備します.
- 動脈ラインやオキシメトリ付中心静脈カテーテル等のモニタリングの準備をし,循環動態管理を行います.
- 場合によってはFFPは解凍を開始しておきます.
- 特に地域の中小規模病院では,血小板やFFPの在庫が限られていることが多く,早めの準備と検査課・輸血部・血液センターとの連携が重要です.
Q. 大量出血時の最大死亡原因と呼ばれる徴候を挙げてください.
- 死亡原因となる三徴候として,代謝性アシドーシス(pH < 7.2,Base Excess < -6),凝固異常(体温低下による凝固因子活性低下,凝固因子の消費・希釈),低体温(36℃未満)があります.
- これらは死の三徴(Lethal triad)と呼ばれ,互いに増悪し合う悪循環を形成します.
- 低体温は凝固因子活性を低下させ,それによる出血が代謝性アシドーシスを悪化させ,さらに体温が低下し・・・.
- 早期からの体温管理や凝固因子の補充が重要です.まぁそれを間に合わせるのが難しいからこそなんですけど.
Q. 大量輸血プロトコル(MTP)とは何ですか?
- 大量出血症例における初期治療戦略です.
- FFP:PC:RBCの投与比を1:1:1を目標とし,少なくとも1:1:2以上を維持することを目指す治療戦略です.
- これにより凝固障害を予防し,より効果的な止血管理を行うことを目的としています.
- MTPは戦場や災害現場などの外傷診療から発展してきた概念です.現在では産科出血や手術中の大量出血など,様々な場面で活用されています.
- 多くの施設では,短時間での大量出血(例:30分で循環血液量の30%以上)や,大量輸血が予想される場合に発動されます.最近では早期からのフィブリノゲン製剤投与も推奨されています.
- MTPの運用には輸血部門との密接な連携が重要で,クーラーボックスなどを用いたパック化された血液製剤の供給体制を整備している施設も増えています.
- ただし,中小規模の病院ではこれ,なかなか大変ですよね・・.
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