🗣️ 循環器系の異常④:術中不整脈・術中心停止

Contents

📝 問題リスト

  • 周術期の不整脈
    • 周術期に生じる各種不整脈の原因となりうる状態について挙げてください.
    • 早期の治療の対象となる不整脈にはどのようなものがありますか. 
    • 循環が不安定な狭いQRS幅の頻脈性不整脈にはどのように対応しますか?
  • 術中心停止
    • 術中・術後心停止を生じる病態を挙げてください. 
    • 術中に発生した心停止・心静止への対応を述べてください. 
    • 側臥位におけるCPRの注意点を述べてください.
    • 腹臥位におけるCPRの注意点を述べてください. 
    • 術後のICU搬送中に発生した心室細動や心停止への対応を述べてください. 

👥 はじめに

まっすー

麻酔科医が意外と弱い不整脈と心停止.心停止に関しては最近よく出ますね.

さらりーまん

通常の循環破綻の場合や搬送中のCPRに加えて,側臥位でも2回ほど問われてる.麻酔科学会からプラクティカルガイドが出てるから必ず読んでおくこと!

まっすー

は〜い.心臓って止まってからだとやることがとりあえずプロトコルで決まってますけど,止まりそうな心臓が一番大変ですね.

さらりーまん

麻酔科の血中アドレナリン濃度も急上昇する.

Keywords

不整脈 心房細動 術中心停止 心室細動 ICU CPR 心肺蘇生 側臥位 腹臥位 術中心停止 

術中心停止に対するプラクティカルガイド

日本麻酔科学会ウェブサイト 術中心停止い対するプラクティカルガイド ※外部リンク

🤔 周術期の不整脈

Q. 周術期に生じる各種不整脈の原因となりうる状態について挙げてください.
  • 周術期不整脈の原因は多岐にわたります.代表的なものは以下の通り.
  • 呼吸・循環因子
    • 低酸素血症,高二酸化炭素血症,血圧変動,心筋虚血など.
  • 代謝性因子
    • 電解質異常,アシドーシス,低体温など.
  • 機械的因子
    • 手術操作やカテーテル刺激など,
  • 薬物性因子
    • カテコラミンや抗不整脈薬など
  • 麻酔科医って不整脈に強そうって思われている節があるのですが,意外とそうでもないっていう・・・💣
Q. 早期の治療の対象となる不整脈にはどのようなものがありますか. 
  • 血行動態に重大な影響を及ぼすものがメインです.
  • 具体的には,高度房室ブロック(3:1を超えるⅡ度,MobitzⅡ型,Ⅲ度),心室細動,心室頻拍などの致死的不整脈,血行動態に影響を与える徐脈,100bpm以上の持続する上室性頻拍が該当します.
  • 特に血圧低下や意識レベル低下を伴う症候性の不整脈は,緊急に治療が必要となります.
Q. 循環が不安定な狭いQRS幅の頻脈性不整脈にはどのように対応しますか?
  • 循環動態が不安定(低血圧,意識障害,ショック症状)の場合は,薬物療法よりもカルディオバージョンを優先します.
  • 同期モードを選択:不整脈波形を心室のR波に同期させ,心室細動を回避します.
  • エネルギー量は50〜100ジュールから開始し,必要に応じて増加.
  • 多くの場合,単回のカルディオバージョンで正常洞調律に戻ります.
  • 多くは主に発作性上室性頻拍(PSVT)であることが多いです.
  • 患者が意識がある場合には鎮静薬(ミダゾラムやプロポフォール)を使用しますが,重度のショックでは安全性を最優先します.
  • 循環が安定している場合には薬物療法も検討可能です.

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