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Contents
📝 問題リスト
- 酸素投与器具
- 通常の酸素マスクの限界以上に吸入酸素濃度を上昇させるにはどうすればよいですか?
- ジャクソン・リース回路を使うことによる長所,短所を述べて下さい.
- バッグバルブマスク(BVM)の利点と欠点について説明してください.
- 各種医療ガスボンベ
- 酸素,二酸化炭素,亜酸化窒素,空気ボンベの色を教えてください.
- 亜酸化窒素ボンベの充填圧を教えてください.また,残量はどのようにチェックしますか.
- 酸素ボンベの最高充填圧,最大耐圧について教えてください.
- 補助酸素ボンベの交換のタイミングとなる充填圧はいくらですか?
- 3.5Lの酸素補助ボンベの充填圧10MPaでした.毎分7Lで酸素供給を再開した際に,使用できる時間はどのくらいですか.
- 医療ガス配管設備と麻酔器
- ピンインデックスシステムがどの医療ガスに割り当てられているか,角度と色ともに答えてください.
- 酸素,亜酸化窒素,空気の中央配管からのパイピングの色を教えてください.
- 中央配管酸素の供給圧はいくつですか.
- 麻酔器始業点検など
- 麻酔回路のリークテストが成功しません.リークが生じる可能性のある部位を上げてください.
👥 はじめに

最近酸素ボンベの残量関連の問題がよく出てますね



確かに.残量計算と投与可能時間については必ず計算できるように!



地震の問題にはびっくりしましたからね



昔は実技試験で本物の麻酔器をポートピアホテルに持ち込んでたのが懐かしい.もうないんだろうな.
Keywords
酸素マスク リザーバー付 HFNC 亜酸化窒素ボンベ 酸素ボンベ バッグバルブマスク ジャクソンリース回路 補助酸素ボンベ ピンインデックスシステム 中央配管
🤔 酸素投与器具
Q. 通常の酸素マスクの限界以上に吸入酸素濃度を上昇させるにはどうすればよいですか?
- 通常の酸素マスクの吸入気酸素濃度の限界はおよそFIO₂ 0.5〜0.6程度とされています.
- これを超えるにはリザーバー付きマスクを使用し,10L/分などの高流量で投与します(FIO₂ 0.7〜0.9).
- また,HFNC(流量30〜60L/分)を使用においても,高濃度酸素の投与が可能になります(FIO₂ 0.8〜1.0近く).
- さらに高濃度の酸素投与には,NPPVや気管挿管による人工呼吸管理が必要になります(こちらは1.0が可能).
- リザーバー付き酸素マスクではFIO₂ 0.7〜0.9,HFNCではFIO₂ 0.8〜1.0近くまでの酸素投与が可能とされています.
- HFNCは,加温加湿された高流量の酸素投与が可能で,患者の快適性も高いのですが,酸素消費量が非常に多いため,施設の酸素供給能力も考慮する必要があります.
Q. ジャクソン・リース回路を使うことによる長所,短所を述べて下さい.
- 長所は,構造が単純で安価であることに加え,一方向弁がないため弁の作動不良による気道内圧上昇などの危険がありません.また,肺コンプライアンスの低下や気道抵抗の上昇を術者が感知しやすく,換気回数の増加やPEEP付加も可能なため,肺酸素化能が不良な患者にも対応できます.
- 短所としては,新鮮ガス流量が少ないと再呼吸が生じやすい点があり,自発呼吸の場合は分時換気量の2.5〜3倍の新鮮ガス流量が必要です(調節呼吸では呼気ガスが押し出されるため,それよりも少ない流量で済みます).また,回路のコンプライアンスが低めで,加温加湿機能がない点も短所です.
- なお,構造がシンプルで携帯性に優れているため,酸素ボンベに接続して搬送時の人工呼吸回路としても使用できます.
- ジャクソン・リース回路は1940年代!に開発された麻酔回路です.シンプルで信頼性が高く,今でも小児麻酔や搬送時によく使用されます.
- 自発呼吸の場合,不規則な換気パターン,呼吸数や一回換気量の変動,速い吸気流速に対応するために,再呼吸を防止するには分時換気量の2.5〜3倍の新鮮ガス流量が必要となります.
- 人工呼吸(用手換気)の場合は,換気パターンが規則的で,呼吸数や一回換気量をコントロールでき,ゆっくりとした吸気流速で換気できるため,より効率的な換気が可能です.さらに,用手換気により呼気ガスが積極的に押し出されるため,自発呼吸時より少ない新鮮ガス流量で効率的な換気が可能となります.
- つまり,自発呼吸と人工呼吸での必要酸素流量が違うのは,主に呼吸パターンの違いによるものです.自発呼吸の方が変動が大きく不規則なため,再呼吸を確実に防ぐにはより多くの新鮮ガス流量が必要となります.
Q. バッグバルブマスク(BVM)の利点と欠点について説明してください.
- バッグバルブマスクは周囲の空気を取り込んで自己膨張できるため,酸素供給源がなくても使用できる利点,だれでも簡単に使用できる等の利点があります.また,サイズも新生児用から成人用まで揃っており,幅広い患者に対応できます.
- ジャクソンリース回路に比べると,周囲の空気の取り込みのため高濃度酸素が投与しにくい点(リザーバーを使用し十分膨らんでいれば高濃度酸素投与が可能),一方向弁の存在で呼気の再呼吸が起こらない半面,気道抵抗や肺コンプライアンスが感じにくい点,PEEPがかけられない点(かけられるものもある)などの欠点があります.
- また構造がやや複雑で,組み立てミスによる事故も起こっています(その防止のため組み立て不要のディスポ製品も広く使われている.コストかかるけど).
- 「誰でも簡単に使える」という表現は,「誰でも換気動作はできる」という意味であって,「誰でも適切な換気ができる」という意味ではないのです.
- 毎日麻酔器でマスク換気をしている麻酔科医は共感してもらえると思うのですが,BVMって換気を感じ取りにくいんですよね・・.
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