🗣️ 気道関連合併症:気管挿管・喉頭痙攣・誤嚥・気道内圧異常など

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📝 問題リスト

  • 気管挿管の合併症・気管切開
    • 気道確保確認後の酸素飽和度の低下の原因を挙げてください.
    • 気管挿管に伴う合併症を挙げてください. 
    • 経鼻挿管に伴う合併症を挙げてください. 
    • 気管切開に伴う合併症を挙げてください. 
    • 病棟や回復室での急変時(だけに限りませんが),気管挿管の成否を確認する方法,食道挿管を回避する方法にはどのようなものがありますか? 
  • 喉頭痙攣
    • 喉頭痙攣はどのような場合に生じることが多いですか? 
    • 喉頭痙攣が生じた場合の対処法について説明してください. 
  • 気道内圧の異常
    • 気管挿管を確認した後,バッグが固くて押せなかったり,気道内圧が高くなった場合にはどのような事が考えられますか. 
    • 術中の気道(回路)内圧上昇の原因の鑑別について説明してください. 
    • 術中に突然の気道内圧上昇を認めた場合の,系統的な評価方法と対処について説明してください.
  • カプノグラム消失・誤嚥・その他
    • 術中に突然ETCO₂波形が消失した,あるいは高度に低下した場合,何を考えますか? 
    • 周術期の誤嚥のリスク因子を挙げてください.  
    • フルストマック患者の導入で誤嚥が生じた場合にはどのように対処しますか.説明して下さい.
    • 抜管後に誤嚥するリスクが高いのはどのような患者ですか? 
    • 誤嚥性肺炎の病態について簡潔に述べてください. 

👥 はじめに

まっすー

この中では喉頭痙攣とカプノグラム消失がよく問われてますね

さらりーまん

頻出だね.喉頭痙攣の対処は確実にさらっと言えるように.カプノ消失パターンは,回路外れ,APE,空気塞栓がメインだね

まっすー

塞栓系はまじこわいっす

さらりーまん

一応の対処法がわかっていても,実際に目の前で起こると「あわわ・・ほんとに?」って思っちゃうし,施設ごとにできることも限られてたりするから,日ごろからよく話し合っておくことが大事

Keywords

気管切開 気管挿管 喉頭痙攣 気道内圧上昇 誤嚥 フルストマック 誤嚥性肺炎 呼気終末二酸化炭素分圧:ETCO₂ 肺血栓塞栓症 空気塞栓

🤔 気管挿管の合併症・気管切開

Q. 気道確保確認後の酸素飽和度の低下の原因を挙げてください.
  • 機械的問題として回路の外れ,カフリーク,閉塞などによる低換気・無換気があります(低換気アラームが鳴るはず).
  • 気道関連の問題として,食道挿管の見逃し,気管支痙攣,分泌物による閉塞,無気肺があります.
  • また,誤嚥やアナフィラキシーなどの全身性の問題も考慮します.
  • ICUやER等で中心静脈圧カテーテルを挿入後の場合,気胸の可能性もあります.実際昔に経験したことがあります.
Q. 気管挿管に伴う合併症を挙げてください. 
  • 急性期の合併症としては,歯牙損傷,咽喉頭粘膜損傷,出血,食道挿管,気管支痙攣があります.
  • 比較的早期の合併症としては反回神経麻痺による嗄声,気管・気管支損傷,喉頭浮腫があります.
  • 遠隔期の合併症には気管狭窄,声帯肉芽腫,瘢痕形成があります.
  • 予防は,適切なサイズのチューブ選択,愛護的な操作,カフ圧管理が重要です.
  • めったに起きないですが,特に重篤な合併症として,気管裂傷や気管腕頭動脈瘻があり,致死的となる可能性があります(昔はスタイレットが金属製の固いやつだったので,無理にねじ込むと裂けたりすることがあったようです・・怖).
  • ほぼ毎日行う気管挿管ですが,雑に行わないように!特に研修医や慣れていないローテーターの医師は,手技に必死になりすぎて動きが大きくなることが多々あるので要注意です!
Q. 経鼻挿管に伴う合併症を挙げてください. 
  • 急性期の合併症として最も頻度が高いのは鼻出血で,時に止血に難渋することがあります(本当にいつまでも止まらない・・・😭).
  • その他,鼻腔・鼻咽頭粘膜損傷,菌血症があります.
  • 予防には,術前の鼻腔評価,適切なチューブサイズの選択,血管収縮薬の使用,愛護的な操作が重要です.
  • また,頭蓋底骨折が疑われる場合は禁忌となります.
  • 遅発性の合併症としては鼻壊死,下鼻甲介潰瘍があります.こわっ・・
  • また,長期留置例では副鼻腔炎や中耳炎を合併することがあります.
  • 抗血小板薬や抗凝固薬を服用している患者では施行の是非を含めて要相談
Q. 気管切開に伴う合併症を挙げてください. 
  • 急性期の合併症としては出血があります.甲状腺からの出血が最も多いですが,稀に腕頭動脈損傷など致死的な出血を起こすことがあります.その他,気胸,皮下気腫,乳び胸,反回神経麻痺などがあります.また,高濃度酸素投与時に電気メスで気道火災を生じることもあります.
  • 慢性期の合併症としては,局所感染,肉芽形成,気管軟化症,気管狭窄,気管食道瘻などがあります.特に気管カニューレのカフ圧が高い場合,粘膜虚血を起こすことがあり,気管狭窄や気管食道瘻の原因となるため定期的にカフ圧計による測定が重要です.
  • 気管切開は,先輩医師と一緒に研修医も行うことがある小手術ですが,意外と落とし穴も多く,見た目よりも危険な手技です.
  • 優秀だなと思う外科医は,やはりかなり慎重に行うことが多く,調子にのった後期研修医などが一番危ないです

【参照】気道火災については こちら 

Q. 病棟や回復室での急変時(だけに限りませんが),気管挿管の成否を確認する方法,食道挿管を回避する方法にはどのようなものがありますか? 
  • 以下の所見を,”複数のスタッフで”確認します.
  • 視覚的な確認として,ビデオ喉頭鏡による声門通過の確認,チューブの曇りの確認があります.
  • 身体所見では,両側の胸郭の動き,両肺野の呼吸音(特に気管分岐部より末梢),胃部の聴診を行います.
  • デバイスによる確認には,カプノメータによるカプノグラム波形の確認(病棟にあれば),食道挿管検知器の使用,ポータブルレントゲン撮影があります.
  • 一般病棟や夜間の施行は難易度やリスクが上昇します.
  • ERやICU,手術室には多くの病院でビデオ喉頭鏡が置かれていますが,病棟にはない場合があります(特に救急疾患が少ない病院).
  • そこには当然カプノ付きのモニターもないので,その他の確認方法を組み合わせるしかないのですが・・・.
  • 挿管の確認の記事はこちらでどうぞ↓.

気管挿管の確認,どうしてる?

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