🗣️ 褐色細胞腫の麻酔・周術期管理 | 麻酔科専門医試験口頭試問対策

Contents

📝 問題リスト

  • 褐色細胞腫の麻酔管理
    • 褐色細胞腫患者の術前管理について説明してください.
    • α遮断薬によるコントロール後にβ遮断薬を用いる理由を述べてください.
    • 褐色細胞腫の患者で循環血液量が減少傾向にあるのは何故ですか?  
    • 褐色細胞腫摘出術の麻酔計画について説明してください.
    • 褐色細胞腫摘出術中にはどのような循環動態の変化が予想されますか.またその対処について説明してください. 
    • 術中に異常高血圧等により褐色細胞腫の存在が疑われた場合にはどのように対応しますか?また,その場合に投与を避ける薬物にはどのようなものがありますか. 

👥 はじめに

まっすー

最近は出てない感じですね

さらりーまん

だね.単純な副腎腫瘍摘出術で出るよりは,別の手術中のバイタル異常で発見されたり,異所性なんかも出題される可能性はあるね

まっすー

たまたま見つかっても取りに行ったらダメなんですよね?

さらりーまん

そう.取りに行くのはまた今度.また偶発的に見つかったのが手術開始直後とかだったら一旦手術は中止にするのが無難かな.虫垂みたいにもうすぐ取れるとかだったら,可能な限り手術を早めに終ってもらおう.

まっすー

フェオクロだと思って実は違ったらフェオシロって言うんですよね

さらりーまん

それ教授の参加するプレゼンのときとかに言うなよ.

Keywords

褐色細胞腫 異常高血圧 フェントラミン ノルアドレナリン β遮断薬

🤔 褐色細胞腫の麻酔管理

Q. 褐色細胞腫患者の術前管理について説明してください.
  • 循環血液量が減少しているため,高血圧の治療も兼ねて10〜14日間,プラゾシンやフェントラミンなどのα遮断薬の投与を行います.
  • β遮断薬の使用はα遮断薬により十分にコントロールがついてから,頻脈や不整脈が見られる場合のみに使用します.
  • 血圧安定化の目安としては,血圧が48時間以上165/90mmHgを上回らない,VPCが5分に1回以下,ST-T変化などの心電図変化を1〜2週間認めないなどがあります.
  • 目標血圧は130〜160mmHg,心拍数は座位で60〜70bpm,起立時で70〜80bpmです.
  • α遮断薬による治療により,術中のカテコラミン分泌による急激な血圧変動リスクを減らすことができます.
  • 実際には血管内脱水の状態ですが,カテコラミンの作用により血圧が上昇しています.α遮断薬の投与とともに十分な水分補給が必要になります.
  • α遮断薬投与前にβ遮断薬を使用すると,α作用による血管収縮が阻害されず,高血圧クリーゼを誘発する可能性があります.
Q. α遮断薬によるコントロール後にβ遮断薬を用いる理由を述べてください. 
  • β遮断薬を先行使用により,β受容体による血管拡張作用が抑制され,α受容体による血管収縮作用が残ります.
  • そのため,急激な血圧上昇や高血圧クリーゼを引き起こすリスクが高まります.
  • 上記の通り,必ずα遮断薬で血管収縮を十分にコントロールしてから,必要な場合にβ遮断薬の投与を検討します.
Q. 褐色細胞腫の患者で循環血液量が減少傾向にあるのは何故ですか? 
  • 褐色細胞腫では,持続的なカテコラミンの過剰分泌による強力な血管収縮作用が持続します.そのため静水圧の上昇による血管外への漏出もあり,血管内に血液が貯留しづらくなります
  • また,腎血管収縮により腎血流量は減少するものの,カテコラミンによる利尿作用により循環血液量減少を助長します.

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