🗣️ 肥満患者の麻酔管理 | 麻酔科専門医試験口頭試問対策

Contents

📝 問題リスト

  • 肥満患者の特徴
    • 肥満患者の呼吸器系の特徴について説明してください.
    • 肥満患者の無呼吸による酸素飽和度が低下が健常人よりも早い理由を説明してください. 
    • 肥満患者の循環器系の特徴について説明してください. 
  • 肥満患者の術前評価
    • 肥満患者によく見られる,併存および周術期合併症にはどのようなものがありますか.
    • 肥満患者の術前評価のポイントについて説明してください. 
  • 肥満患者の麻酔管理
    • 高度肥満患者の全身麻酔導入・気道確保するまでの準備について説明してください.
    • 高度肥満患者に対する全身麻酔の具体的な手順について説明してください.
    • 肥満患者の麻酔管理上の注意点について説明してください.
    • 理想体重とはどのような体重ですか? 
    • 高度肥満患者の麻酔導入にプロポフォールを用いる場合,投与量はどのように決定しますか.
    • 高度肥満患者に対するロクロニウムの投与量はどのように決定しますか? 
    • 高度肥満患者に対するロクロニウムの投与量はどのように決定しますか? 
    • 高度肥満患者に対するスガマデクスの投与量はどのように決定しますか?

👥 はじめに

まっすー

きました肥満

さらりーまん

個人的には肥満の人に何の感情も持ってないけど、麻酔科医としては色々と思うところはあるね笑

まっすー

”麻酔科医ハナ”の火浦先生も”麻酔科の敵だ!”って言ってましたもんね

さらりーまん

まぁそれくらい肥満は気道管理や呼吸管理含めて気を使うところが多いからね.毎年試験にも出るし,気道管理の所は必ず問われるから自分なりのプロトコルをきちんと説明できるようにしておこう.

まっすー

私は歴代彼氏が意外と太って・・

さらりーまん

聞いてない

Keywords

肥満患者 酸素化 脱窒素化 理想体重 実体重 プロポフォール ロクロニウム HFNC(高流量経鼻カニューレ) DAM スガマデクス

🤔 肥満患者の特徴

Q. 肥満患者の呼吸器系の特徴について説明してください. 
  • 肋骨周辺や横隔膜下,腹腔内に蓄積した脂肪により胸郭コンプライアンスが低下しているため,人工呼吸では気道内圧が上昇しやすくなります.
  • また,ただでさえ減少している機能的残気量(FRC)が全身麻酔によりさらに減少することと,酸素消費量が健常人よりも増加しているため,無呼吸時の酸素飽和度の低下も早くなります
  • 背側の無気肺を生じやすく,術中の酸素化が不良になることも多いです.人工呼吸中は高めのPEEPを用いたり,適宜肺リクルートメント手技を行うことで,肺胞虚脱をできるかぎり防ぐ必要があります.
  • 胸郭肺コンプライアンスに比べて肺コンプライアンスはあまり低下しません(筆記試験でよく出題).
Q. 肥満患者の無呼吸による酸素飽和度が低下が健常人よりも早い理由を説明してください. 
  • 機能的残気量が減少していて予備力が少ない,
  • 体重による背側の無気肺を生じやすい
  • 酸素消費量が増大している,などが主な理由です.
  • 小児(特に新生児)と高度肥満は,酸素飽和度が下がるがはやいはやい😅
Q. 肥満患者の循環器系の特徴について説明してください. 
  • 酸素消費量の増加に伴い循環血液量と心拍出量が増加しています.また,増加した代謝需要により酸素消費量と二酸化炭素産生量が増加します.
  • 高血圧,高脂血症,加齢と相まって虚血性心疾患,心不全のリスクが高く,特に睡眠時呼吸症候群患者では肺高血圧〜右室機能障害のリスクが高くなります.
  • 深部静脈血栓のリスクも高くなるため,高度肥満患者ではDVTのスクリーニングも重要です.

🤔 肥満患者の術前評価

Q. 肥満患者によく見られる,併存および周術期合併症にはどのようなものがありますか.
  •  呼吸器系では睡眠時無呼吸症候群,無気肺
  • 循環器系では高血圧,虚血性心疾患,心不全,肺高血圧症,静脈血栓症(DVT,APE)
  • 中枢神経系では脳出血や脳梗塞
  • 代謝系では糖尿病や脂質異常
  • 消化器系では食道裂孔ヘルニアや胃食道逆流,脂肪肝など があります.

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