🗣️ 薬物による合併症②:PRIS,HIT,セロトニン症候群

Contents

📝 問題リスト

  • プロポフォール注入症候群:PRIS
    • プロポフォール注入症候群とはどのような疾患ですか?前駆症状や経過についても簡潔に説明してください.
    • プロポフォール注入症候群の徴候と鑑別すべき疾患・病態を挙げてください.
    • プロポフォール注入症候群の原因として何が考えられていますか?
    • プロポフォール注入症候群の治療について説明してください.
    • プロポフォール注入症候群について現在考えられている予防策にはどのようなものがありますか?
  • ヘパリン起因性血小板減少症:HIT
    • ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)について分類を含め簡単に説明して下さい.
    • HITの症状と治療について説明してください.
    • HITが疑われる場合の人工心肺を使用する患者での周術期管理の注意点を述べてください. 
  • セロトニン症候群
    • セロトニン症候群の原因となる代表的な薬物にはどのようなものがありますか? 
    • セロトニン症候群の代表的な症状について説明してください.
  • 悪性高熱症

👥 はじめに

まっすー

最近出てない気がします

さらりーまん

どちらかと言うと筆記試験では出てる感じがするね.でもHITは意外と落とし穴なので要チェック

まっすー

さりげなく下ってるときありますからね〜

さらりーまん

ぎんぎらぎん

まっすー

そのネタ今の若い子知らないですよ

Keywords

アナフィラキシー アレルギー ラテックスアレルギー ラテックス・フルーツ症候群 レッドマン症候群 局所麻酔薬中毒 Lipid Rescue 脂肪乳剤 セフェム系抗菌薬 バンコマイシン クリンダマイシン アドレナリン ペニシリン

🤔 プロポフォール注入症候群:PRIS

Q. プロポフォール注入症候群とはどのような疾患ですか?前駆症状や経過についても簡潔に説明してください.
  • プロポフォールの持続投与中に起きる致死的な合併症です.小児や重症患者でリスクが高いとされていますが成人でも報告があります.
  • 4〜5mg/kg/時以上を48時間以上投与した場合にまれに起きるとされています.ただ,上記の量や時間を満たしていなくても発症することもあるらしいので乳酸値やCPK値のモニタリングなど注意が必要です.
  • 前駆症状としては乳酸アシドーシスやBrugada型心電図(特徴は,右脚ブロックと,V1-3でのcoved型のST上昇)などがあります.
  • 臨床症状としては急性心不全を伴う心筋症や代謝性アシドーシス,横紋筋融解症による腎不全と高カリウム血症,CPK上昇や肝腫大などがあります.
  • 経過が不良な場合,最終的に多臓器不全になって,徐脈,心停止で死亡する可能性があります.
  • 小児によるICUでの長期鎮静が禁忌となっている疾患です.よく勘違いされる方もおられるのですが,通常の小児麻酔における使用程度では問題ないとされています(数時間のTIVAなど)
Q. プロポフォール注入症候群の徴候と鑑別すべき疾患・病態を挙げてください.
  • 主要徴候である乳酸アシドーシスの鑑別疾患として,末梢循環不全(ショックや敗血症)や低酸素血症,低血糖などによる嫌気性代謝,肝機能障害が挙げられます.
  • その他,アセトアミノフェンなどによる薬物性のもの,CO中毒などが挙げられます.
Q. プロポフォール注入症候群の原因として何が考えられていますか?
  • ミトコンドリア機能障害脂肪酸代謝異常が主な要因と考えられていま
  • このため,エネルギー供給が不足し,代謝性アシドーシス,横紋筋融解,心不全等の重篤な病態が引き起こされると考えられています.
  • このへんは筆記試験でよく問われるところですね.
Q. プロポフォール注入症候群の治療について説明してください.
  • 治療法は現在のところ対症療法のみ(特効薬がない)です.
  • 早期発見とプロポフォールの使用中止,血液浄化やECMOによる心肺補助などが試みられています.
Q. プロポフォール注入症候群について現在考えられている予防策にはどのようなものがありますか?
  • 既往症の確認:患者に脂質異常症や肝機能障害,もともとの高乳酸血症,非常にまれですがミトコンドリア病などがないことを確認しておきます.
  • 使用量・投与時間に注意:プロポフォールを投与する際には鎮静度を適切に評価しながら4mg/kg/時以下で48時間以上の投与を避けます.
  • 定期的な血液検査:やむを得ず長期使用,比較的高用量で使用する場合は,血液検査を定期的に行い,乳酸の蓄積やCPKの上昇,肝・腎機能低下が起こっていないかをモニタリングします.
  • 適切な循環管理:乳酸の産生抑制のため末梢循環不全が起こらないように循環管理を行います.
  • 心電図変化に注意:前駆症状としてBrugada型心電図を呈することがあるため,心電図ももちろんモニタリングしておきます.
  • その他:その他脂質代謝を抑制するために炭水化物の投与なども行われているようです.

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