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Contents
📝 問題リスト
- 腎移植の麻酔
- 腎移植の術前評価について説明してください.
- 腎移植ではどのような免疫抑制薬が使用されますか?
- 死体腎移植と生体腎移植における,移植腎の回復の違いについて説明してください.
- 腎移植の麻酔管理のポイントを説明してください.
- 腎移植の術後管理のポイントを説明してください.
- 肝移植の麻酔
- 肝移植術の適応となる疾患を挙げて下さい.
- 肝移植術のレシピエントの術前評価について説明してください.
- 肝移植術の麻酔導入はどのように計画しますか.具体的に説明してください.
- 肝移植術の前無肝期とはどの段階ですか.またその時期の麻酔管理の要点について説明してください.
- 肝移植の無肝期とはどの段階ですか.またその時期の麻酔管理の要点について説明してください.
- 肝移植の後無肝期とはどの段階ですか.またその時期の麻酔管理の要点について説明してください.
- 肝移植における再灌流症候群とは何ですか.対処とともに説明してください.
- 再灌流時の不整脈軽減のためにどのような薬物を投与しますか.
- 移植肝の機能回復の指標にはどのようなものがありますか.
- 肝移植後の術後管理について説明してください.
👥 はじめに

最近出ましたね結構ヘビーな設定で



そうだね.移植医療はどこでもやってるわけではないから,経験しない人も多いと思う.特に心臓移植と肺移植は.



この2つは基本的な流れと合併症は押さえておかないとですね!
Keywords
腎移植 透析 死体腎移植 生体腎移植 レシピエント 肝移植 前無肝期 無肝期 後無肝期 再灌流症候群 高カリウム血症
🤔 腎移植の麻酔
Q. 腎移植の術前評価について説明してください.
- 術前評価は透析患者の術前評価に準じます.
- 術前に血液検査で電解質(特にK>6.0mEq/lなら延期),凝固系を確認します.
- 合併症として高血圧,糖尿病が多いため,コントロール状況を確認します.
- 心機能評価として心エコー,必要に応じて負荷心筋シンチグラフィーを行い,虚血性心疾患や心不全の有無を評価します.
- 肺うっ血の有無も確認します.
- 貧血は術前に輸血を行い,Hb値9〜10g/dl程度に是正しておきます.
【参照】透析患者の術前評価は こちら
Q. 腎移植ではどのような免疫抑制薬が使用されますか?
- 導入期では抗IL-2受容体抗体(バシリキシマブ)とステロイドが使用されます.
- 維持期では,カルシニューリン阻害薬(タクロリムスまたはシクロスポリン),代謝拮抗薬(ミコフェノール酸モフェチル,アザチオプリン,ミゾリビン),ステロイドの3剤併用が一般的です.
- 高リスク患者にはラット抗胸腺細胞グロブリン(rATG)やアレムツズマブが用いられる場合もあります.
- この当たりはどんどん変更になるのかもしれません.
Q. 死体腎移植と生体腎移植における,移植腎の回復の違いについて説明してください.
- 死体腎移植は生体腎移植に比べて移植腎機能の回復が遅く,遅延性機能回復(DGF)を生じやすいという特徴があります.
- 死体腎では温阻血時間が長く,また提供者の循環動態が不安定な時期を経ているためです.
- 生体腎移植では術直後から利尿が得られることが多いのに対し,死体腎移植では数日間無尿となることもあり,その場合は透析が必要となります
- そのため,死体腎移植の場合は特に術中の輸液負荷は慎重に行い,中心静脈圧や尿量をモニタリングしながら適切な循環血液量を維持します.
Q. 腎移植の麻酔管理のポイントを説明してください.
- 透析患者の一般的な注意点(シャント保護,薬物投与量調整)が基本となります.
- 麻酔はプロポフォール,レミフェンタニルによるTIVAが一般的です.
- モニターとして動脈ライン(フロートラックセンサなど)と(オキシメトリ付)中心静脈カテーテルを留置します.
- 輸液はカリウムフリーの晶質液を使用し,過剰投与に注意します.
- 血流再開後は平均動脈圧80〜90mmHg以上を目標とし,必要に応じてドパミンや適切な量のノルアドレナリンで維持します.
- 特に死体腎移植では血流再開後の利尿確保が重要で,マンニトールやフロセミドを投与します.
- 術後疼痛による交感神経緊張は術後の移植腎機能に影響するため,硬膜外麻酔やIV-PCAなどを用いて十分な鎮痛を図ります.
- 術中の免疫抑制薬投与などは施設のプロトコルに従って管理します.
- 血流再開後の一過性高カリウム血症に注意が必要です.
- 以前はフェニレフリンやノルアドレナリンは腎の灌流を悪化させるため用いない,とされていましたが,現在では低用量など適切な投与量であれば許容されているようです.
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