📘【想定問題】無痛分娩

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症例設定

【患者】

  • 34歳女性.158cm,72kg(BMI28.8).非妊娠時62kg.

【現病歴】

  • 初産婦.妊娠40週0日.自然陣痛発来にて入院.分娩経過中に疼痛コントロール目的で無痛分娩希望.

【既往歴】

  • 過敏性腸症候群(5年前から)
  • 妊娠性糖尿病(妊娠28週から食事療法)

【服用中薬剤】

  • 特になし

【予定処置】

  • 硬膜外麻酔による無痛分娩管理
【主な検査所見・バイタルサインなど】

バイタルサイン:BP 132/84mmHg、HR 88/分、SpO₂ 98%(room air)、RR 18/分

血液検査

  • Hb 11.2g/dL,Plt 22.5万/μL、WBC 10200/μL
  • Glu 110mg/dL、HbA1c 5.7%、AST 22U/L、ALT 18U/L、
  • BUN 10mg/dL、Cr 0.62mg/dL、Na 138mEq/L、K 4.0mEq/L
  • PT-INR 1.02、APTT 30.2秒

胎児心拍数:140/分、反応性良好、一過性頻脈あり、基線細変動正常

NST:reassuring pattern

最終経口摂取:6時間前に軽食

Q1: 無痛分娩のために硬膜外麻酔を実施する際、穿刺部位の選択と穿刺手技の注意点について説明してください。
  • 無痛分娩における硬膜外穿刺は、通常L2-3、L3-4、またはL4-5椎間で行います。
  • 妊婦は生理的腰椎前弯増強と体重増加があるため、穿刺部位の同定に注意が必要です(エコーで確認する先生もいますね)。
  • 穿刺手技としては、側臥位または座位で正中アプローチを用い、通常通り抵抗消失法で硬膜外腔を確認します。妊娠中は硬膜外静脈叢の怒張により血管穿刺のリスクが高まるため、穿刺は収縮と収縮の間に行うのが望ましいです。
  • また、妊婦では正常妊婦より硬膜外腔が狭小化しているため、通常より浅い位置で硬膜外腔に到達することがあります。
Q2. 無痛分娩に使用する局所麻酔薬の選択と投与法について説明してください。
  • 長時間作用型のロピバカインやレボブピバカインを低濃度(0.1-0.2%)で使用することが多いです。これらは運動神経より感覚神経を優先的にブロックするため、分娩時の運動機能を比較的温存できます。
  • 初回投与には、まず少量(3〜5mL)のテスト量を投与して硬膜下やくも膜下注入や血管内注入がないことを確認します。その後、作用発現用量(10〜15mL)を投与します。
  • 維持には、ボーラス間欠投与、持続注入(5〜12mL/時)、患者自己調節硬膜外鎮痛法(PCEA)などがあります。オピオイド(フェンタニル1〜2μg/mL)を添加すると、局所麻酔薬の必要量を減らし、鎮痛効果を高めることができます。

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