📘【想定問題】腹腔鏡下子宮筋腫核出術

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症例設定

【患者】

  • 45歳女性.155cm,110kg(BMI45.8)

【現病歴】

  • 2年前から月経時の出血量増加と腹痛を自覚.3ヶ月前の婦人科受診で多発子宮筋腫(最大径6cm)を指摘され,腹腔鏡下子宮筋腫核出術が予定された.

【既往歴】

  • 高血圧(10年前から):アムロジピン5mg/日内服中
  • 2型糖尿病(5年前から):HbA1c 7.5%,メトホルミン1000mg/日内服中
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(3年前に診断):夜間にひどいいびきあり,AHI 35,自宅でnasal CPAP(10cmH2O)使用中
  • 非アルコール性脂肪肝(2年前から)

【服用中薬剤】

  • アムロジピン5mg 1錠/日
  • メトホルミン500mg 2錠/日
  • 月経痛時:ロキソプロフェン60mg 頓服
【主な検査データ・バイタルサインなど】

バイタルサイン:

  • 血圧:145/85 mmHg
  • 心拍数:88/分,整
  • 呼吸数:18/分
  • SpO2:94%(室内気)
  • 体温:36.5℃

身体所見:

  • 呼吸音:両側下肺野で減弱あり
  • 心音:整,心雑音なし
  • 気道評価:Mallampatiスコア III度,開口制限なし,頸部の可動性良好,甲状軟骨-オトガイ間距離 6cm
  • 末梢静脈:軽度確保困難

血液検査:

  • Hb 11.0 g/dL,Ht 33.0%,Plt 22.0×10^4/μL,WBC 6500/μL
  • PT-INR 1.06,APTT 30秒
  • BUN 18 mg/dL,Cr 0.85 mg/dL,eGFR 66 mL/min/1.73m²
  • Na 138 mEq/L,K 4.2 mEq/L,Cl 102 mEq/L
  • AST 54 IU/L,ALT 65 IU/L,LDH 220 IU/L,ALP 240 IU/L,γ-GTP 75 IU/L
  • 空腹時血糖 148 mg/dL,HbA1c 7.5%

動脈血ガス分析(室内気):

  • pH 7.38,PaO2 78 mmHg,PaCO2 44 mmHg,HCO3- 24 mEq/L,BE -0.5 mmol/L

画像検査など

  • 心電図:洞調律,HR 87/分,軽度左室肥大所見
  • 胸部X線:CTR 55%,肺野に明らかな異常陰影なし
  • 肺機能検査:%VC 78%,FEV1.0% 76%
  • 経胸壁心エコー:EF 65%,左室壁肥厚あり(中隔厚12mm),弁膜症なし,左房径軽度拡大
  • 胸腹部CT:両下肺野に軽度無気肺,肝臓に脂肪肝所見あり
  • 下肢静脈エコー:深部静脈血栓症の所見なし
  • 腹部MRI:子宮体部に最大径6cm含む複数の筋腫,漿膜下から筋層内にかけて存在
Q1. 本症例の麻酔において注意すべき点を挙げてください.
  • 高度肥満(BMI 45.8)に伴う困難気道のリスク
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群による周術期呼吸器合併症のリスク.無気肺の悪化など
  • 糖尿病患者の周術期血糖管理
  • 腹腔鏡手術の体位(砕石位・頭低位)による生理学的変化が大きくなる可能性,
  • 砕石位,頭高位,肩支持器等による腓骨神経麻痺や腕神経叢麻痺等の末梢神経障害のリスク
  • 術後の深部静脈血栓症・肺塞栓症のリスク
  • 術後SSIのリスク

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