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Contents
📝 問題リスト
- 扁桃摘出・アデノイド摘出
- 扁桃肥大の重症度の基準は何ですか?
- 扁桃摘出術・アデノイド摘出術の術前評価について説明してください(特に小児).
- 扁桃摘出術の麻酔管理で重要な点を挙げてください
- 扁桃摘出術の術後に注意する点にはどのようなものがありますか(特に小児).
- 扁桃摘出術術後出血の際の術前評価と導入方法について説明してください.
- 喉頭微細レーザー手術
- 喉頭微細レーザ手術でよく用いられる二酸化炭素レーザの特徴について説明してください.
- 喉頭微細レーザ手術用の気管チューブの特徴について説明してください.
- レーザー手術の注意点・合併症について説明してください.
- 喉頭微細レーザ手術で,気道火災が起きてしまった場合の対処について説明してください.
👥 はじめに

扁桃摘出術は小児症例で頻出ですね



そう.気道評価から術中気道トラブル,術後の止血術の麻酔管理まで幅広く聞かれてる.



だいたいSASもありますし,術後はフルストマックだし不穏だしで大変ですよね.



試験で答えるだけなら簡単なんだけど,実際にはその時々の状態と対応があるから一概には言えないね.あと,レーザー手術では気道火災に注意



学会発表でもたまに見かけますけどこわいですよね・・



できる対応は限られてるから,落ち着いてやれば大丈夫.
Keywords
扁桃摘出術 アデノイド 術後出血 喉頭微細手術 レーザー手術 ラリンゴマイクロ 気道火災 気道熱傷
🤔 扁桃摘出術・アデノイド摘出術
Q. 扁桃肥大の重症度の基準は何ですか?
- Friedman分類により3段階で評価します.
- Grade 1:は扁桃が前口蓋弓内に収まっている状態
- Grade 2:扁桃が前口蓋弓を越えて突出している状態
- Grade 3:扁桃が正中で接触するほど著明に肥大している状態です.
- 扁桃肥大の評価には扁桃の大きさに加えて,いびき,睡眠時無呼吸,摂食障害,構音障害などの臨床症状の有無も重要な指標となります.
- Friedman分類は口蓋扁桃のサイズ分類ですが,舌位置(FTP)やBMIと組み合わせてFriedman Staging Systemとして使用されることが多いです.他にもMackenzie分類などがあります.
- 扁桃肥大の程度と臨床症状は必ずしも相関しないことがあります.
- 軽度の扁桃でも重篤な症状を呈することも,逆に大きな扁桃でも無症状のこともあります.
【参照】扁桃肥大の重症度(Google画像検索)
Q. 扁桃摘出術・アデノイド摘出術の術前評価について説明してください(特に小児).
- 扁桃肥大の重症度評価,口腔内の評価(特に抜けそうな歯の有無),顔貌や胸郭の変形,心音・呼吸音の聴診を行います.
- 睡眠時無呼吸の有無については,いびき,日中の傾眠などの症状を家族から詳しく聴取します.
- 慢性的な上気道閉塞による二次的な変化として,肺高血圧,心拡大,右室肥大,右心不全を生じていることがあるため,確認が必要です.
- 必要な検査として,血液検査(CBC,凝固系),胸部X線,心電図を行い,症例によっては心エコー検査も考慮します.
- 既往歴として出血傾向の有無,易出血性疾患(家族歴含),アレルギー(特にラテックス),上気道感染の頻度も聴取しておきます.
- また,現在の上気道感染の有無も確認し,感染がある場合は手術を延期します.術前の鎮静薬は原則使用せず,使用する場合は慎重な術後管理が必要です.
- 抜けそうな歯は挿管時だけでなく,開口器をかけるためよりチェックが必要です.まもなく取れそうな歯は前もって抜くなどの処置をしておいたほうがいいかもしれません.
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