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👥 はじめに

ペイン緩和領域は苦手な人が多いみたいです



そんなに回ることもないだろうし,独特だからね.でも疼痛評価は術後痛にも使うしその辺はしっかりと



はぁい
Keywords
VAS NRS Face Scale HAD PDAS
🤔 疼痛の基礎知識
Q. 疼痛を時間経過で分類してください.
- 急性痛と慢性痛に分けられます.
- 急性痛は組織損傷に伴う防御反応としての痛みで,損傷の治癒とともに改善します.通常は数日から数週間で消失します.
- 慢性痛は3ヶ月以上持続する痛みと定義され,器質的原因の有無にかかわらず痛みが遷延化したものです.
- また,末梢・中枢神経の損傷や疾患による神経障害性疼痛も,しばしば慢性痛として経過します.
- 慢性痛の定義は以前は6ヶ月以上でしたが,最近は3ヶ月以上とする考え方が主流です.
- 慢性痛では痛みそのものが疾患として扱われ,生活の質に大きな影響を与えます.


Q. 疼痛を病因により分類してください.
- 侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,ノシプラスチック疼痛(心因性疼痛),および混合性疼痛に分けられます.
- 侵害受容性疼痛は,組織損傷により生じた発痛物質が末梢の侵害受容器を刺激することで生じ,NSAIDsやオピオイドが有効です.
- 神経障害性疼痛は,末梢・中枢神経系の損傷や疾患により生じ,電気が走るような痛みや灼熱感を特徴とし,抗てんかん薬や抗うつ薬が有効です.
- 心因性疼痛は,明確な組織損傷や神経障害がないにもかかわらず持続する痛みで,心理社会的要因が関与し,多角的アプローチが必要です.
- 実臨床では,複数の疼痛機序が重なる混合性疼痛として現れることが一般的です
- 心因性疼痛は最近「ノシプラスチック(Nociplastic)疼痛」という名称が用いられています.痛み(noci-)と可塑的(plastic)を組み合わせた造語です.


Q. 疼痛を原因部位により分類してください.
- 表在痛,深部体性痛,内臓痛,関連痛に分けられます.
- 表在痛は皮膚,皮下組織,粘膜の痛みで,局在が明確で,鋭い痛みが特徴です.
- 深部体性痛は筋,腱,関節,骨の痛みで,局在は比較的明確ですが,鈍痛が特徴です.
- 内臓痛は内臓疾患や手術時の内臓操作で生じ,局在が不明確で,絞られるような痛み,圧迫感,膨満感として感じられます.
- 関連痛は,内臓からの痛み刺激が脊髄で体性神経と収束することで,原因部位と異なる皮膚分節に痛みが出現する現象で,心筋梗塞の左腕痛や胆石発作の右肩痛などがあります.
- 内臓痛と表在痛・深部体性痛の大きな違いは,侵害受容器の密度が関係しています.内臓の侵害受容器は密度が低く,また内臓には体性神経支配がないため,痛みの局在が不明確になります.「おなかが痛い」としか表現できないのはこれが理由です.


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