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Contents
📝 問題リスト
- 脳死判定〜臓器摘出術までの管理
- 脳死後の主な生理学的変化について簡単に説明してください.
- 臓器摘出術を施行するまでのドナーの呼吸・循環管理はどのように行いますか.具体的に説明してください.
- 臓器摘出術を施行するまでのドナーのその他の管理はどのように行いますか.具体的に説明してください.
- 脳死判定とその条件
- 脳死判定の実施にあたり,判定医に必要とされる資格や条件を挙げてください
- 脳死判定の除外項目について説明してください.
- 脳死判定基準について説明してください.
- 脳幹反射にはどのようなものがありますか.チェック方法も合わせて説明してください.
- 無呼吸テストの方法について簡単に説明してください.
- 法的脳死判定における観察時間と判定時刻について説明してください.
- 臓器摘出術の管理
- 臓器摘出術の要点を簡単に説明してください.
- 臓器摘出術中の循環管理の目標値を挙げてください.
👥 はじめに

先生は経験あります?脳死判定



いや直接はない.昔臓器摘出術が行われる寸前までいったことはあるけど,中止になった.



試験ではどうですかね



可能性は高くなさそうだけど,基本的な判定条件や,脳死患者の管理については出てもおかしくないから,勉強はしておいて.いつ実際に経験することになるとも限らないから
Keywords
脳死判定 脳死判定除外項目 脳幹反射 無呼吸テスト 臓器摘出術
🤔 脳死判定〜臓器摘出術までの管理
Q. 脳死後の主な生理学的変化について簡単に説明してください.
- 脳では頭蓋内圧上昇とそれによる壊死,
- 肺では肺炎・ARDS・神経原性肺水腫による酸素化悪化が起こります.
- 心血管系では発症数時間以内に交感神経ストームによる異常高血圧が生じ,その後は血管運動中枢機能の消失により低血圧となります.
- 肝臓では炎症性サイトカインによる障害,腎臓では灌流低下による乏尿や尿崩症による多尿が見られます.
- 内分泌系では甲状腺ホルモンの低下,
- 凝固系では凝固異常やDICを伴うことがあります.
- その他,高血糖,低体温,電解質異常,全身性炎症反応の上昇や敗血症なども起こりえます.
補足・解説
- 脳死後はこれらの生理的変化が進行していくため,臓器摘出術までに以下に状態を保つかが移植手術の鍵になります.
Q. 臓器摘出術を施行するまでのドナーの呼吸・循環管理はどのように行いますか.具体的に説明してください.
- 臓器灌流の維持が最も重要になります.
- 動脈ラインと中心静脈ラインを留置し,平均動脈圧,心係数,中心静脈血酸素飽和度(ScvO₂),全身血管抵抗(SVR),ヘモグロビン値などを参考に、適切な循環状態を維持することを目標とします.
- 昇圧薬が必要な場合,カテコラミンよりもバシプレシンが用いられることが多いようです.
- 呼吸管理はARDSに準じ,肺保護換気を行います.管理中は頻回の吸痰とリクルートメントを行います.肺炎を発症すれば広域の抗生物質投与を行いますが,予防的投与は行いません.
Q. 臓器摘出術を施行するまでのドナーのその他の管理はどのように行いますか.具体的に説明してください.
- 視床下部機能消失による体温低下に対しては加温装置等を使用して,適切な体温を維持します.
- 高血糖や電解質異常に対しては,それぞれインスリンや輸液で適切に補正します.
- 尿崩症による著しい多尿に対しては,ADH(抗利尿ホルモン)製剤の投与を検討します.重度の高ナトリウム血症は、移植臓器の機能に影響を与えるため、注意深い管理が必要です.
- その他,甲状腺ホルモンやステロイドの補充が,全身状態の安定化のために行われることがあります
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