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📝 問題リスト
- 地震時の対応
- 手術中に大地震(災害級)が発生した場合の,麻酔科医としての行動について説明してください.
- 手術室内の医療ガス配管が損傷した可能性がある場合の対応を述べてください.
- 地震発生により,エレベーターが使用できなくなった場合の患者搬送はどのように行いますか?
- 給水設備に損傷による断水により,手洗い用の水が使用できなくなった場合の対応を説明してください.
- 停電時の対応
- 従来の非常電源の種類とその特徴について説明してください.
- 手術中に突然の停電が発生した際の,麻酔科医の初期対応について説明してください.
- 停電時の患者の換気手段にはどのようなものがありますか?
- 停電により空調システムが停止した場合の手術室環境への影響と対策を説明してください(空調システムの復旧が遅延する場合を想定してください).
- 長時間の停電が予想される場合の手術継続・中止の判断基準について述べてください.
- 火災時の対応
- 手術室における火災の3要素(Fire triad)について,また,その予防策を説明してください.
- 手術室にはどのような消火設備がありますか?
- 手術室で火災が発生した際のR.A.C.E.の原則について説明してください.
- 手術室火災発生時の避難経路の確保と,患者避難の優先順位について説明してください.
👥 はじめに

最近のLiSAでも特集がありましたね.あと過去問でも地震が出ました.



災害の頻度が多くなってきてる気もするし,大きな被害が出る地震は定期的に起きてるからね・・.いざというときの手順や準備は周知して話し合っておく必要があるね.



来てから慌てて遅いですもんね
Keywords
地震 火災 停電 非常電源 患者搬送 エレベータ 消火設備 UPS 空調 断水 災害
Q. 災害時に確保すべき安全の”3S”とは何ですか?
- Self:自分自身やスタッフ)
- Scene:手術室
- Survivor:手術を受けている患者
- 大規模災害では患者の安全も重要ですが,自分自身の身も守らないと守れるものも守れなくなります.
【参照】移動時の必要物品等は こちら
🤔 地震時の対応
Q. 手術中に大地震(災害級)が発生した場合の,麻酔科医としての行動について説明してください.
- まず「自分の身の安全」を確認します.基本的には手術室は病院内でも一番安全です.
- 次に「患者の安全確保」として,無影灯を頭上からずらしたり,点滴棒などを保持します.その間,術者や器械出し看護師には自分の身を守ることと,可能であれば手術器具を患者から遠ざけたり,鋭利な器械を布でくるんだり指示します.可能であればドアは開放します(だたし,自分の身を守るのが最優先).
- 揺れが収まったら,麻酔器や生体モニター,輸液ポンプなどの医療機器の作動状況と,医療ガス配管(酸素,空気,笑気)の圧力を確認します.同時に,患者のバイタルサインの確認も行います.麻酔器はストッパーをかけ,動かないようにします(ドアを開けていなかった場合,余震に備えて開放しておきます).
- 麻酔器が使用できない場合に備え,ジャクソンリース回路やバッグバルブマスクを準備します.
- 手術室の被害状況(天井,壁,扉の開閉,電源の状態など)を確認します,手術部長など責任者の指示に従い,手術の継続もしくは中止を判断します.中止となった場合は,安全な場所への避難を行います.
- 看護師やスタッフには移動用のボンベやモニターなどの準備や,エレベーターの作動状況の確認,受け入れ先の病棟やICUの状況を把握してもらいます.
- 災害級の地震でなければほとんど大丈夫ですし,その場合,実際には何事もなく業務が進行するとは思います.
- また,手術室は一般に耐震構造で安全性が高いため,パニックにならず冷静な対応を心がけましょう.
- 必ずしも直ちに手術を終了する必要はありません.外科医には早期閉鎖を依頼しますが,手術の進行状況と,安全な状態を確認してから終了に向かいます.
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