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Contents
📝 問題リスト
- 重症熱傷管理
- 熱傷の深達度について説明してください.
- 重症熱傷患者の定義について説明してください.
- 熱傷面積の推定はどのように行いますか.
- 熱傷の循環への影響について説明してください.
- 熱傷の呼吸器系への影響について説明してください.
- 熱傷患者の急性期の呼吸管理について説明してください.
- 熱傷患者の急性期の呼吸管理について説明してください.
- 熱傷患者が植皮術を受けることになった場合の麻酔計画について説明してください.
- 広範囲熱傷患者への筋弛緩薬投与における注意点について説明して下さい.
👥 はじめに

熱傷患者の問題は出たことあるんですか?



だいぶん昔にね.植皮手術の麻酔・気道管理計画と筋弛緩薬の注意について



スキサメトニウムが禁忌でしたっけ



そう.受傷後24時間〜48時間を超えると1〜2年は使用ができなくなる.まぁ最近手に入らないから使用することはないと思うけど.それよりもロクロニウムの必要量が増えたり作用時間が短縮することを忘れないように.



顔面とか頸部〜前胸部とかに熱傷があると気道確保が大変そう.



その通り.対処は様々で,意識下の経鼻挿管や気管切開が行われることもある.顔面皮膚にテープ固定できない場合もあるので,その場合は縫い付けることもあるよ.関連科との協議が必要になることも多い.
Keywords
熱傷 スキサメトニウム ロクロニウム 高カリウム血症 気道熱傷 熱傷面積 Burn Index
🤔 重症熱傷管理
Q. 熱傷の深達度について説明してください.
- Ⅰ度,表在性Ⅱ度,深在性Ⅱ度,Ⅲ度の4段階に分類されます.
- Ⅰ度熱傷:表皮のみの障害.発赤と熱感を伴い,水疱形成はなし.
- 表在性Ⅱ度熱傷:表皮と真皮浅層までの障害.水疱形成と強い疼痛あり.
- 深在性Ⅱ度熱傷:真皮深層まで及び,水疱形成と比較的軽度の疼痛あり.
- Ⅲ度熱傷:皮膚全層の障害で,皮膚は白色や黒色に変化し,疼痛はありません.
- Ⅰ度と表在性Ⅱ度は保存的治療で治癒が期待できますが,Ⅱ度深在性とⅲ度では手術が必要となることが多いです.
- 最近では,レーザードップラー血流計を用いた客観的評価も行われているようですね.
Q. 重症熱傷患者の定義について説明してください.
- Burn Index = [ Ⅲ度・%TBSA ] + [ Ⅱ度・%TBSA × 0.5 ].
- これが15以上で重症と判定します.
- Artzの基準:① Ⅱ度で30%TBSA以上,Ⅲ度で10%TBSA以上,② 顔面,手,足,外陰部の熱傷,③ 気道熱傷の合併,④ 骨折の合併,⑤ 電撃傷または雷撃症,⑥ 化学熱傷(特に酸)が重症熱傷と判断されます.
- TBSA:Total Body Surface Area
- %TBSA:熱傷面積の体表面積に対する割合
- 日本熱傷学会の重症度分類も広く使用されており,受傷面積,年齢,気道熱傷の有無を点数化し,評価を行います.
- 重症:II度熱傷が30%以上,またはIII度熱傷が10%以上,または特殊部位(顔・手・会陰など)の熱傷,気道熱傷,化学損傷,電撃症など
- 中等症:II度熱傷が15~30%,またはIII度熱傷が2%~10%(顔・手・会陰を含まない)
- 軽症:II度熱傷が15%未満,またはIII度熱傷が2%未満
Q. 熱傷面積の推定はどのように行いますか.
- 9の法則(成人):頭部,上肢それぞれ9%,体幹の前と後ろ,左右の下肢はそれぞれ18%
5の法則(小児):頭部は15%,両上肢は10%,両下肢は15%,体幹前面が20%,後面が15%.
幼児:幼児では頭部20%,両上下肢それぞれ10%.体幹前面20%,後面20%.
- 患者の手掌(手指を含む)の面積が体表面積の約1%であることを利用した手掌法も,部分的な熱傷の評価に有用です.
- Lund-Browderチャートでは年齢による体型の違いを考慮しており,より正確な評価が可能となります.
【参照】熱傷面積推定法(Google画像検索)
【参照】Lund-Browderチャート(Google画像検索)
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