Contents
📝 問題リスト
🤔 肥厚性幽門狭窄症:HPS(▼)
- HPSの典型的な発症時期と臨床所見を説明してください
- 📘 HPSに特徴的な電解質・酸塩基異常のパターンを説明してください
- 📘 HPSで代謝性アルカローシスが生じる機序と麻酔に与える影響を説明してください
- 📘 HPSの術前に必要な検査をあげてください
- 📘 HPSの術前補正の目標値と輸液療法を説明してください
- 📘 HPSの麻酔導入はどのように行いますか.説明してください
- 📘 肥厚性幽門狭窄症の麻酔維持と術中管理について説明してください
- 📘 HPS術後に注意すべき合併症と対処法を説明してください
🤔 先天性食道閉鎖(気管食道瘻)(▼)
- 📘 先天性食道閉鎖のGross分類で最多のタイプとその内容について説明してください
- 📘 食道閉鎖症を疑う出生前・出生後の所見を挙げてください
- 📘 食道閉鎖症患者で確認すべき合併症を挙げてください
- 食道閉鎖症で根治術前に胃瘻造設を行う理由と適応を説明してください
- 📘 食道閉鎖症C型の麻酔導入における注意点を説明してください
- 📘 食道閉鎖症C型の術中換気管理と気管チューブの留置位置について説明してください
- 📘 食道閉鎖や先天性横隔膜ヘルニアで術中の酸素飽和度モニターを2カ所に装着する理由を述べてください
- 📘 食道閉鎖症根治術中に起こりやすいトラブルを挙げてください
- 📘 食道閉鎖症術後の管理の要点と注意すべき合併症について説明してください
🤔 先天性十二指腸閉鎖・狭窄(▼)
- 📘 先天性十二指腸閉鎖の特徴的な画像所見を挙げ,その所見が得られる理由を説明してください
- 先天性十二指腸閉鎖の合併奇形と麻酔管理への影響を説明してください
- 📘 先天性十二指腸閉鎖の術前管理の要点をを説明してください
- 📘 先天性十二指腸閉鎖の麻酔管理上の注意点について説明してください
- 先天性十二指腸閉鎖の術後合併症について,主なものを挙げてください
🤔 先天性横隔膜ヘルニア:CDH(▼)
- CDHの古典的3徴と出生直後にみられる所見を挙げてください
- CDHの好発部位はどこですか?
- 先天性横隔膜ヘルニアの呼吸不全の本態を説明してください
- 先天性横隔膜ヘルニアの術前・術中の呼吸・循環管理について説明してください
👥 はじめに
まっすーピロステと食道閉鎖,十二指腸閉鎖がヤマですかね



そう.小児で口頭試問作ろうと思ったら,普通のヘルニア,骨折,脳腫瘍除けばこのあたりを出さざるを得ないね.こども病院や大学病院とかでなければそんなにかけることはないと思うけど,該当症例を担当するときは全力で勉強もかねて管理しよう.



こどもこわい
Keywords
肥厚性幽門狭窄症 低カリウム血症 気管食道瘻 先天性食道閉鎖 Gross分類 先天性十二指腸閉鎖 double bubble sign 先天性横隔膜ヘルニア:CDH 低クロール血症 低ナトリウム血症 肺高血圧 動脈管開存 pre-ductal post-ductal VACTERL連合 代謝性アルカローシス
🤔 肥厚性幽門狭窄症(HPS)
HPSの典型的な発症時期と臨床所見を説明してください
- 生後2〜6週に発症します.
- 臨床所見としては,無胆汁性の噴水状嘔吐が特徴的で,上腹部のオリーブ様腫瘤の触知,可視的な胃蠕動波がみられます.嘔吐が持続すると脱水(大泉門陥凹,口腔内乾燥,流涙減少,皮膚ツルゴール低下,毛細血管再充満時間延長),体重減少をきたします.
補足・解説
- HPS:Hypertrophic Pyloric Stenosis
- 腹部超音波検査で幽門筋の肥厚(筋厚≧4mm,幽門管長≧14mm)を確認することで確定診断に至ります.
- 内科的治療として硫酸アトロピン静注による幽門筋弛緩を試みることもあります(抗コリン作用で幽門筋を弛緩)が,多くは外科的治療(幽門筋切開術:Ramstedt手術)が行われます.
📘 HPSに特徴的な電解質・酸塩基異常のパターンを説明してください
- 低クロール性低カリウム性代謝性アルカローシスです.
- 胃酸(HCl)の喪失により低Cl血症と代謝性アルカローシスが生じ,二次的に低K血症と低Na血症をきたします.
📘 HPSの代謝性アルカローシスの機序と麻酔への影響を説明してください
- 嘔吐による胃酸(H⁺,Cl⁻)の直接喪失が主因です.さらに脱水に伴うRAA系活性化と低K血症がアルカローシスを維持・増悪させます.このため,電解質・酸塩基異常,脱水を補正してから手術に臨むことが鉄則です.
- 麻酔管理上は以下の3点が特に重要です.
- ①酸素解離曲線の左方移動:組織での酸素放出が低下します.
- ②呼吸ドライブの低下:代償性の低換気傾向に加え,髄液pHの上昇により呼吸中枢の感受性が低下し,術後無呼吸のリスクが高まります.
- ③低K血症による不整脈・筋弛緩薬の作用遷延:術中不整脈や,筋弛緩からの回復遅延をきたす可能性があります.
📘 肥厚性幽門狭窄症児の術前に必要な検査をあげてください.
- 嘔吐による脱水と電解質異常の評価が重要です.
- 血液検査では電解質(Na,K,Cl),血液ガス(代謝性アルカローシス),血算(Hb,Ht),凝固系,肝機能,腎機能を確認します.尿検査では尿中Clを測定し,胃液喪失の程度を評価します.
- 画像検査では胸部レントゲン写真で誤嚥性肺炎の有無を,腹部エコーで幽門筋の肥厚を確認します.また,体重測定を行い,嘔吐による体重減少の程度を評価します.
- 脱水の評価には,臨床症状(皮膚ツルゴール,大泉門,尿量など)の観察も重要です.
📘 HPSの術前補正の目標値と輸液療法を説明してください
- 補正目標(目安):Cl ≧ 100 mEq/L,HCO₃⁻ < 30 mmol/L,K はおおむね3.0〜3.5 mEq/L以上,pH が7.45を超えない範囲.尿量 ≧ 1〜2 mL/kg/hr.ただし施設プロトコールにより若干幅があります.
- 電解質と酸塩基が上記の範囲に改善し,尿量が確保され循環動態が安定していることを確認してから,待機的に手術へ進みます.
- 輸液療法:術前補正ではCl補給が最も重要であり,0.9%生理食塩水を第一選択とするプロトコールが多いです.循環血液量減少があれば10〜20 mL/kgを投与して循環を回復させ,その後は維持輸液にKClを補充します(K補充は尿量確保を確認後).補正には24〜48時間を要することもあります.
補足・解説
- 乳酸リンゲル液は生食に比べCl濃度が低く,乳酸が肝臓で代謝されてHCO₃⁻となるため,明らかなアルカローシスがある症例では補正液の主体としては用いないほうがよいです.
📘 肥厚性幽門狭窄症の麻酔導入はどのように行いますか.説明してください.
- 胃内容排出障害があるためフルストマックとして扱います.
- 麻酔導入前に経鼻胃管を挿入し,体位変換を行いながら可能な限り胃内容を吸引します.
- 30度程度の頭部挙上位とし,プロポフォール・ロクロニウムで迅速導入を行います.Cricoid pressureは施行できますが,乳児での有効性と安全性には議論があり必須ではありません.
- 筋弛緩薬の効果発現までは,過度な圧をかけない軽度の用手換気で酸素化を維持します(目安として10cmH₂Oを超えない程度).
- 気管挿管はカフなしチューブを用い,愛護的に行います.導入時は脱水による循環虚脱に注意し,必要に応じて輸液負荷を行います.
補足・解説
- 胃内容吸引のコツ:右側臥位→左側臥位→仰臥位と体位を変えながら吸引すると(3-position suctioning),胃内の残液をより効果的に除去できます.
- 修正RSI:理論上フルストマックではあるものの,十分な胃管減圧ができていれば,成人の古典的RSIをそのまま適用するよりも,頭部挙上+十分な胃管減圧+低圧での用手換気併用という修正RSI的なアプローチが新生児・乳児ではより安全です.
- Cricoid pressureについて:乳児では軟骨が柔らかく効果が不確実な上に,気道変形や喉頭展開困難を招くリスクがあります.施行するかは施設の方針や状況により判断しますが,適切な胃管減圧との組み合わせが前提です.
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