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Contents
📝 問題リスト
- 帝王切開の術前評価・麻酔法選択
- 選択的帝王切開の術前評価について説明してください.
- 帝王切開の緊急度(NICE分類)を説明してください.
- 緊急帝王切開の術前評価について説明してください.
- 一般的な帝王切開の麻酔法選択について説明してください.
- 帝王切開を脊髄くも膜下麻酔で行う場合,使用する局所麻酔薬,穿刺針,量,必要な麻酔高について説明してください.
- 帝王切開を全身麻酔で行う場合の利点と欠点について説明してください.
- 帝王切開の麻酔管理・術後鎮痛
- 帝王切開を全身麻酔で行う際の,気管挿管までの具体的な手順を説明してください.
- 帝王切開を全身麻酔で行う際の維持はどのように行いますか? 児の娩出前と後に分けて具体的に説明してください.
- 妊婦の脊髄くも膜下麻酔後,高度の低血圧を来した場合,何を疑いますか?
- 仰臥位低血圧症候群の病態と対処について説明してください.
- 帝王切開の術後鎮痛はどのように行いますか?
- 妊婦に使用する薬物・胎盤移行性
- 子宮収縮薬にはどのようなものがありますか?また,それぞれの投与量を述べてください.
- オキシトシンとメチルエルゴメトリンの副作用について説明してください.
- 帝王切開時に産婦人科からニトログリセリンの投与を依頼されることがありますが,理由と投与量を述べてください.
- 切迫早産の治療に用いられる塩酸リトドリンの副作用を述べてください.
- 静脈麻酔薬・オピオイド・筋弛緩薬の胎盤移行性について説明してください.
👥 はじめに

ここは麻酔法の選択から術後鎮痛,子宮収縮薬まで幅広く問われますね



そう.そして試験ではそれに出血とかもからんでくる.ただ,問われる点に関しては限られてるからしっかり練習すればOK



妊婦さん,背中にお肉がつくタイプの人も多いから,エピとか苦手です



しかも妊婦さんはPDPHのりすく因子だからね.気をつけて
Keywords
帝王切開 仰臥位低血圧症候群 胎盤移行性 子宮収縮薬 オキシトシン メチルエルゴメトリン ニトログリセリン リトドリン
🤔 帝王切開の術前評価・麻酔法選択
Q. 選択的帝王切開の術前評価について説明してください.
- まず基本的な術前検査(血液検査,心電図,胸部レントゲン)を確認します.
- 妊娠週数,体重(非妊時からの増加量),BMI,児の状態(推定体重,位置,IUGR等)と帝王切開の適応理由を把握します.
- 気道評価(Mallampati分類,開口度,頸部後屈)は特に重要です.
- 妊娠高血圧症候群合併例では血圧コントロール状況,尿蛋白,HELLP症候群の兆候を確認します.
- 区域麻酔に備えて脊柱の評価(側臥位での椎間確認)を行います.
- 以上の評価に基づき,麻酔方法(区域麻酔か全身麻酔)を選択します.
- 妊婦さんって皮下脂肪やお肉のつきかたによって,かなりの肥満体型でも意外と棘間がしっかり触れる場合もあれば,そんなに太ってないのに背部のお肉が浮腫ったりしてて全然背骨の位置すらわからないことがありますよね・・😓
Q. 帝王切開の緊急度(NICE分類)を説明してください.
- カテゴリー1は超緊急.immediate threat to the life of the woman of fetus(やばいやばい!母親もしくは胎児が死んでしまいそう!).
- 常位胎盤早期剥離や臍帯脱出,子宮破裂,母体の心停止(出血性ショック含),急激な胎児機能不全(高度の急なまたは回復しない高度徐脈など)があります.手術決定後に可及的速やかに帝王切開を行いうべきとされています(例えば30分以内).
- カテゴリー2は緊急.maternal of fetal compromise which is not immediately(カテゴリー1ほどではないがそのままだと命が危険).
- 分娩停止で児の状態がよくない場合,胎児機能不全,分娩前の出血でショックまでは至っていない場合などです.多くの場合手術決定から75分以内に帝王切開を行うべきであるとされています.
- カテゴリー3は準緊急.no maternal or fetal compromise but needs early delivery(母児ともに危機的状況ではないが,早めに出したほうがいいかな~くらい).
- 状態のよい分娩停止や予定帝王切開症例での破水,妊娠高血圧症候群の悪化(HELLP症候群や子癇発作)やそれに伴う胎児機能不全の徴候など.母児の状態を産婦人科医や小児科医とともに協議して,症例ごとの判断を行います.
- カテゴリー4はまったりな予定手術.delivery timed to suit woman or staff(みんながいいときに出しましょう).
- 全ての予定帝王切開症例です.
- カテゴリー1では全身麻酔が選択される事が多いですが,施設ごとの体制や熟練度により区域麻酔が選択されることもあります.
Q. 緊急帝王切開の術前評価について説明してください.
- NICE分類(カテゴリー1~4)に基づき,緊急度を判定し,母体の基礎疾患,現在の投薬内容,血液検査所見を確認し,麻酔法を決定します.
- 妊婦は気道確保困難のリスクが高いため,気道評価は特に重要です.
- 血液検査では貧血,血小板減少,凝固異常,肝腎機能障害の有無を確認します.胎盤位置の確認も必須です.
- 絶飲食の情報.現在の投薬の有無(リトドリンやマグネシウム,降圧薬など)も確認します.
Q. 一般的な帝王切開の麻酔法選択について説明してください.
- 合併症もなく,児の状態も問題なければ,緊急帝王切開でも脊髄くも膜下麻酔単独,あるいはCSEAで行います.
- 母体・胎児に生命の危機あるいはそれに準ずる可能性がある場合,母体の循環動態が不安定なとき,凝固異常,血小板減少があるとき,患者が区域麻酔を拒否している場合(もちろん区域麻酔の説明を優先しますが)は全身麻酔を選択することが多いです.
- 施設や麻酔科医によっては腹直筋鞘ブロックや腹横筋膜面ブロックを追加するかもしれません.
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