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Contents
📝 問題リスト
- 重症筋無力症
- 重症筋無力症患者の術前評価について簡単に説明して下さい.
- 重症筋無力症患者で術前に投与されている坑コリンエステラーゼ阻害剤(ピリドスチグミンなど)の続行・中止に関して説明してください.
- 重症筋無力症患者に筋弛緩薬を用いる場合の注意点と麻酔管理,術後管理のポイントを説明して下さい.
- 重症筋無力症患者で筋弛緩リバースに抗コリンエステラーゼ阻害薬を使用した際に起こりうることは何ですか.
- 重症筋無力症患者(胸腺摘出術)の術後ICU管理の注意点を挙げてください.
- クリーゼの早期発見のための観察項目にはどのようなものがありますか?
- クリーゼのトリガーとしてはどのようなものが考えられますか?
- 重症筋無力症患者のクリーゼ(筋無力性クリーゼ,コリン作動性クリーゼ)の症状とその治療について簡単に説明して下さい.
- 関節リウマチ
- 関節リウマチ患者の術前評価のポイントを説明して下さい.
- 関節リウマチ患者の気道評価・確保について説明して下さい.
- 副腎皮質ストロイド長期内服患者
- 長期副腎皮質ステロイド内服患者でステロイドカバーを行う目的は何ですか.説明して下さい.
- ステロイドカバーを考慮する患者はどのような患者ですか.
- ステロイドカバーの方法例を手術侵襲別に説明してください.
👥 はじめに

重症筋無力症とリウマチがポイントですかね



筋弛緩薬の使い方や,気道確保・体位の注意点など出題しやすいね.術式的にも.胸部外科手術や脊椎外科手術とからんでくるので注意点を整理しておく必要があるね.



あんまりひどいリウマチの人は実際にはあまりみないですけどね
Keywords
重症筋無力症 胸腺腫 上大静脈症候群 関節リウマチ 環軸椎亜脱臼 ステロイドカバー 急性副腎不全
🤔 重症筋無力症
Q. 重症筋無力症患者の術前評価について簡単に説明して下さい.
- どの程度どの筋が障害されているのか,特に呼吸筋の評価(肺活量,最大吸気圧,最大呼気圧など)と,構音障害・嚥下障害などの球症状がないかを確認します.
- 呼吸機能検査,治療内容(コリンエステラーゼ阻害薬,ステロイド,免疫抑制剤の使用状況,血漿交換の既往,ステロイドパルス療法の既往)やクリーゼの既往を確認します.
補足・解説
- 以前はOsserman分類が主流だったようですが,現在ではMGFA(Myasthenia Gravis Foundation of America)分類が用いられることが多くなっています.
【参照】厚生労働省:概要・診断基準等及び臨床調査個人票 重症筋無力症
厚生労働省:概要・診断基準等及び臨床調査個人票 重症筋無力症.(2022年12月14日閲覧)https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/File/011-201804-kijyun.pdf
Q. 重症筋無力症患者で術前に投与されているコリンエステラーゼ阻害剤(ピリドスチグミンなど)の続行・中止に関して説明してください.
- コリン作動性クリーゼを避けるため手術当日の内服は中止します.
- しかし,重度の筋無力症状がある場合,症状増悪予防と術後抜管時の筋力維持を考慮して継続することもあります.
- 継続する場合,非脱分極性筋弛緩薬の必要量が増加する可能性があるため,術中の慎重なモニタリングが必要です.
補足・解説
主治医や神経内科医との協議のもと,個々の症例に応じた判断が重要です.重症筋無力症の主治医が他院の場合は,診療情報提供書の送付や術前内服に関してコンサルトを行っておきます.
細かく見ると,具体的に以下のような選択肢があります.
- 術当日朝まで通常量継続投与する選択肢
- 根拠:
- 筋力の急激な低下を防止できる
- 術前の症状コントロールの維持が可能
- QMGスコア10点と中等度の症状があり,薬剤中止でのリスクが高い
- 留意点:
- 非脱分極性筋弛緩薬(ロクロニウム)の効果が減弱する可能性
- 術中・術後の心拍数変動(特に徐脈)が生じやすい
- 気管支分泌物増加の可能性がある
- 根拠:
- 術前12-24時間前から減量または中止する選択肢
- 根拠:
- 非脱分極性筋弛緩薬の効果予測が容易になる
- 薬物相互作用のリスク軽減
- 術後の評価(クリーゼとの鑑別)が容易になる
- 留意点:
- 術前の筋力低下が悪化する可能性
- 呼吸筋力低下による術前合併症リスク
- 半減期(3-4時間)を考慮した計画的減量が必要
- 根拠:
- 量を調整して継続する選択肢
- 根拠:
- 眼症状・球症状(QMGスコア4点)コントロールのために最低限の量を維持
- 四肢筋力低下(QMGスコア6点)は術前ステロイド治療で安定
- 急激な中止による反跳現象の予防
- 留意点:
- 至適減量の個別調整が必要
- 術中の反応の予測が複雑
- 薬物動態の個人差を考慮
- 根拠:
- 術直前まで通常量継続し,術後早期に再開する選択肢
- 根拠:
- 術前のADL・QOL維持
- 術後クリーゼの予防効果
- 早期離床・リハビリテーション促進
- 留意点:
- 術後のコリン作動性クリーゼとの鑑別が困難
- 麻酔薬と相互作用の可能性
- 再開タイミングの判断が難しい
- 根拠:
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