🗣️ 静脈血栓症(DVTなど)とその予防

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📝 問題リスト

  • 静脈血栓症の基礎知識
    • 下肢静脈血栓の検査・診断方法にはどのような方法がありますか? 
    • Wellsスコア(DVT用)について説明してください. 
    • 手術別のリスク分類を除く,深部静脈血栓のリスク因子を,弱い,中等度,強いに分類してください.
    • 弾性ストッキング(ES)の注意点を挙げてください.
    • 間欠的空気圧迫法(IPAC)の注意点を挙げてください. 
  • 手術別リスク分類と予防法
    • 本邦ガイドラインにおけるDVTのリスク別(手術別のリスク)予防法について説明してください.
    • 一般外科・泌尿器科手術のDVTのリスクを分類してください. 
    • 婦人科手術のDVTのリスクを分類してください.  
    • 産科手術のDVTのリスクを分類してください.  
    • 整形外科手術のDVTのリスクを分類してください.
    • 脳外科手術のDVTのリスクを分類してください.
    • 外傷手術のDVTのリスクを分類してください.

👥 はじめに

まっすー

スコアリングシステムって覚えるのが大変なんですよね

さらりーまん

試験ではある程度しょうがないけど,実臨床ではメモとかボードに貼っておけばいい.それ見て使ってるうちにいつの間にか覚えてるよ.

まっすー

Wellsスコアの「他の診断の可能性」で-2点って面白いですよね.マイナス点が入るスコアって珍しいし.

さらりーまん

あとは手術別のリスク分類も頑張って覚えよう.高リスクを覚えればなんとかなるね.

まっすー

覚えろって言う側はお気楽ですよね

Keywords

深部静脈血栓症 DVT 静脈血栓塞栓症 VTE 肺血栓塞栓症 PTE 急性肺塞栓 APE 弾性ストッキング 間欠的空気圧迫法 Wellsスコア ヘパリン ワルファリン Dダイマー

🤔 静脈血栓症の基礎知識

Q. 下肢静脈血栓の検査・診断方法にはどのような方法がありますか? 
  • 危険因子(下記)がないか,下肢の腫脹(特に片側の)や疼痛(Homans徴候もチェック)がないかをチェックします.
  • 血液検査によるスクリーニングとしてはDダイマーの測定が最も普及しています.
  • その他の画像検査としては,下肢静脈エコーが非侵襲的で簡便なため第一選択とされますが,造影CT,MRV,静脈造影(確定診断)などが症例によって行われます.
  • 現在では多くの病院で,入院時に静脈血栓症のリスク評価と予防措置が行われていますね.
  • Dダイマーは感度は高いですが特異度が低いです(感度95%以上,特異度50%程度).色々な病態(加齢,手術や妊娠,感染症,外傷,悪性腫瘍,動脈性疾患など)で上がりますね.これらの疾患が判明している患者においてはDダイマーは除外診断としては有用ではありません
Q. Wellsスコア(DVT用)について説明してください. 
  • 深部静脈血栓症の臨床的確率を評価するスコアリングシステムです.
    • 活動性の悪性腫瘍(緩和ケアまたは6か月以内の治療)【1点】
    • 麻痺や最近のギプス固定,下肢の不動【1点】
    • 3日以上の臥床や12週間以内の手術【1点】
    • 深部静脈に沿った圧痛【1点】
    • 下肢全体の腫脹【1点】
    • 腫脹した下腿(腓腹部:脛骨粗面の10cm下方)の周囲径が3cm以上の左右差【1点】
    • 症状のある圧痕性(陥凹性)浮腫【1点】
    • 表在静脈の怒張【1点】
    • DVTの既往【1点】
    • 他の診断の可能性【-2点】  で評価して合計します.
  • 低リスク(0点以下),中リスク(1〜2点),高リスク(3点以上)に分類
  • Wellsスコアが低リスクであり,Dダイマーが陰性の場合はDVTがほぼ除外可能と言われています.逆に高リスクの場合は積極的に画像検査等を行う必要があります.
  • マイナスする項目があるのが面白いですね.また,この評価は定期的に行うことが重要です.

【参考】肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版) 56ページhttps://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/09/JCS2017_ito_h.pdf)2024年11月8日閲覧

Q. 手術別のリスク分類を除く,深部静脈血栓のリスク因子を,弱い,中等度,強いに分類してください.
  • 【弱】:肥満,エストロゲン治療,下肢静脈瘤,妊娠
  • 【中】高齢,長期臥床,うっ血性心不全,悪性疾患,CVC留置,癌化学療法,重症感染症
  • 【強】静脈血栓塞栓症の既往,下肢麻痺,下肢ギプス固定,血栓性素因(アンチトロンビン欠乏症,プロテインC欠乏症,プロテインS欠乏症,抗リン脂質抗体症候群など) などです.
  • 一般的なリスクとしては長時間坐位も弱いリスク因子に含まれます.いわゆるエコノミークラス症候群ですね.ビジネスクラスでも生じますけどイメージですね.
  • 弱〜中等度リスク因子も複数重なることでリスクは上昇します.
  • 手術の術式別のリスクレベルに上記のリスク因子を加味して,最終的なリスクを総合的に判断します

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