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- 📝 ゆるく学ぶ周術期管理目次
Contents
📝 問題リスト
- 体温管理の基礎知識
- 患者が術前に発熱(38℃以上)している場合,手術の可否も含めてどのように対応しますか?
- 深部温のモニタリングはどこで行いますか.
- 直腸温が深部温として信頼性が劣る理由を説明してください.
- 術中の体温異常
- 術中体温上昇の原因としてはどのようなものが考えられますか.
- 麻酔や手術開始早期の体温低下の原因は何ですか?
- 周術期の低体温の心血管系・呼吸器系への影響を簡潔に説明してください.
- 周術期の低体温の代謝への影響(肝臓・腎臓含む)を簡潔に説明してください.
- 周術期の低体温の中枢神経系への影響を簡潔に説明してください.
- 周術期の低体温の血液・凝固系への影響を簡潔に説明してください.
- 周術期低体温による合併症を挙げてください(まとめ)
- 周術期低体温の予防と対処にはどのようなものがありますか?
- シバリングと予防・対処
- 術後のシバリングにより,どのような悪影響が生じますか?
- シバリングの予防と対処法にはどのようなものがありますか?
👥 はじめに
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体温管理は麻酔科だけでなく,看護師さんたちも頑張ってくれてますよね!
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もちろん!看護研究も結構盛んに行われてますし!
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むしろ看護師さんたちのほうが熱心な気もするね.低体温は重症頭部外傷など以外,通常時はメリットはなにもないので,積極的な予防と加温・保温が大事
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ただでさえ手術室さむいですもんね.先生も老体にはこたえるでしょう
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おまえほんまに失礼よな
Keywords
体温管理 温風式加温装置 低体温 シバリング 高体温 ペチジン マグネシウム製剤 中枢温
🤔 体温管理の基礎知識
Q. 患者が術前に発熱(38℃以上)している場合,手術の可否も含めてどのように対応しますか?
- 発熱(38℃以上)が認められる場合は,発熱の原因と手術の緊急性を考慮して判断します.
- 膿胸や腹腔内膿瘍など,発熱の原因が原疾患自体であり,緊急性が高い場合は手術を優先します.
- インフルエンザや市中肺炎が原因で緊急性が低い場合は,予定手術を延期し,感染症の治療を優先します.
- 38℃以下の微熱の場合は,全身状態や検査所見を総合的に判断します.
- COVID-19以来,発熱には敏感になりましたね.
- 発熱患者に手術を強行すると,術後の呼吸器合併症や,創部感染などのリスクが上昇します.特に高齢者の肺炎などは術後臥床が長引き,さらに悪化するおそれがあります.
Q. 深部温のモニタリングはどこで行いますか.
- 食道温,咽頭温,膀胱温,血液温(肺動脈カテーテル),直腸温が用いられます.
- 食道温は中枢温を最もよく反映し,心臓外科手術での冷却・復温時のモニタリングに適しています.ただし,開胸操作による影響を受けることがあります.
- 膀胱温は尿量の影響を受けますが,長時間手術での連続モニタリングに有用です.食道温と同じく,心臓外科手術でもよく用いられます.ただし,開腹手術では腹腔内の温度環境の影響を受けやすくなります.
- 直腸温は環境変化への反応が遅いという特徴があります.便の影響を受けることもありますし(詳細は次の問題).
- 肺動脈カテーテルによる血液温は侵襲的ですが,最も信頼性が高いとされています(なんせ血液そのものの温度なので!).
- 鼓膜温は脳温をよく反映しますが,測定の安定性に注意が必要です(ちょっとずれると変わるんですよね・・.
Q. 直腸温が深部温として信頼性が劣る理由を説明してください.
- センサーの挿入部位が浅いと,正確な深部温を反映しない可能性があること(浅いと外気温の影響を受ける),
- 直腸内に便が存在する場合,便の温度が直腸温に影響を与える可能性がああること(実際の深部温よりも低くなる),
- 低体温時には直腸周辺の末梢血管が収縮し,血流が減少することにより実際の深部温よりも低く測定されることがあります。
- また,体温変化に対する反応が遅いとされ,急速な体温変化を正確にモニタリングできない点などが挙げられます.
🤔 術中の体温異常
Q. 術中体温上昇の原因としてはどのようなものが考えられますか.
- 小児の場合は体表面が覆布などに覆われるによる熱放散低下や,アトロピンの前投与を受け発汗が減少していることによるうつ熱が主な原因です.
- 温風式や電気式の加温装置が効きすぎた場合もじわじわと上昇してきます.
- 重篤な高体温上昇の原因には悪性高熱や甲状腺クリーゼなどがあります.
- 高体温の鑑別では悪性高熱,甲状腺クリーゼの出題があります.
- どちらも高体温やバイタル異常,高二酸化炭素血症を生じますが,既往歴や甲状腺疾患の有無,ミオグロビン尿の有無などでの鑑別が必要です.
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