輸血関連③:輸血関連合併症 | 麻酔科専門医試験口頭試問対策

Contents

📝 問題リスト

  • 輸血による主な合併症
    • 急性期の輸血の主な合併症を挙げてください.
  • 大量輸液・輸血後の合併症・留意点
    • 大量輸液・大量輸血後の合併症・留意点について述べてください.
  • 急性溶血性輸血副作用
    • 急性溶血性輸血副作用が生じた際の症状と対処について説明して下さい. 
  • 輸血関連急性肺障害:TRALI
    • 輸血関連急性肺障害:TRALIの診断における必須項目をあげてください. 
    • TRALIの発症リスクについて説明してください. 
    • TRALIの治療について説明してください. 
  • 輸血関連循環過負荷:TACO
    • TACOとは何ですか?簡単に説明してください. 
    • 循環過負荷として判断するための所見にはどのようなものがありますか? 
  • 輸血拒否患者への対応
    • 患者が18歳以上で輸血拒否患者の場合で,自己決定能力を欠く場合は家族の同意で輸血を行うことができますか? 
    • 患者が18歳以上で輸血拒否患者の場合で,輸血拒否免責証明書(自筆署名入り)がない場合,さらに家族が拒否した場合に輸血を行うことは可能ですか? 
    • 15歳以上18歳未満で,本人も両親権者も拒否の場合はどうしますか? 
    • 15歳以上18歳未満で,本人は同意だが両親権者が拒否の場合はどうしますか? 
    • 15歳以上18歳未満で,本人の意思決定能力がないと判断される場合,両親権者が拒否した場合はどうしますか? 
    • 15歳未満の場合はどうしますか? 

👥 はじめに

まっすー

これはよく出題されてる印象です

さらりーまん

危機的出血が毎年出題されてるから,輸血関連の合併症も頻出やね.通常の輸血副作用から,TRALIの診断までいろいろ.

まっすー

TRALI,TACO,電解質異常,溶血性副作用・・・ぶつぶつ

さらりーまん

あと,輸血拒否,一回くらい出そうな気がするんだよね・・

まっすー

ビートたけしさんのドラマを覚えてます

Keywords

輸血合併症 急性溶血性輸血副作用 輸血関連急性肺障害(TRALI) 輸血関連循環過負荷(TACO) 移植片対宿主病(GVHD) 高カリウム血症 輸血拒否患者 

🤔 輸血による主な合併症

Q. 急性期の輸血の主な合併症を挙げてください.
  • 免疫学的副作用と非免疫学的副作用に大別されます.
  • 免疫学的副作用としては,急性溶血性輸血副作用,発熱性非溶血性輸血副作用,アレルギー反応,輸血関連急性肺障害(TRALI),輸血後GVHDなどがあります.
  • 非免疫学的副作用としては,循環過負荷(TACO),感染,電解質異常(高K血症,低Ca血症)などがあります.
  • 遅発性の合併症として,遅発性溶血反応や輸血後鉄過剰症なども重要です.
  • 免疫系への影響としてTRIM(輸血関連免疫修飾:Transfusion-Related Immunomodulation)も知られています.特に保存期間の長い血液製剤でより顕著に認められるとされており,白血球除去輸血が推奨される理由の一つとなっています.術後感染リスクや癌再発率などのリスクが上昇すると言われています.

🤔 大量輸液・輸血後の合併症・留意点

Q. 大量輸液・大量輸血後の合併症・留意点について述べてください.
  • 凝固系では,希釈性・消費性の凝固障害やDIC
  • 循環・呼吸器系では,輸血関連循環過負荷(TACO)や輸血関連急性肺障害(TRALI),
  • 電解質異常では,保存血の影響による高カリウム血症,クエン酸による低カルシウム血症,
  • その他,急性腎障害,アシドーシス,低体温などの合併症が起こりえます.
  • また,咽頭〜気道の粘膜浮腫も生じることがあるため,SAS持ちの患者や肥満患者,困難気道患者では要注意です.
  • 予防には,適切な量の輸液・輸血,輸液・輸血の加温,電解質モニタリング,利尿の確認が重要です.血液ガス分析や凝固系検査による継続的な評価を行います.

🤔 急性溶血性輸血副作用

Q. 急性溶血性輸血副作用が生じた際の症状と対処について説明して下さい. 
  • すぐに輸血中止!
  • 患者の識別・照合を確認します.カニューラ接続部から輸血セットを交換するとともに,残存製剤と患者血液で再検査(クロスマッチ)を行います.
  • 治療としては,十分な輸液負荷(乳酸リンゲル液など)を行い,利尿薬投与(フロセミド20〜40mg,マンニトール12.5〜50g)と尿のアルカリ化(重炭酸ナトリウム投与)により尿量維持と腎保護を図ります.
  • 溶血に対してはハプトグロビン投与を考慮し,DICの発症に注意を払います.
  • 継続的に輸血が必要な場合は,新たにO型RBCやAB型FFPを使用します(追加の免疫反応を避けるため).
  • 近年は電子照合システム(患者リストバンドや,輸血ラベル等)の導入により、ABO不適合輸血のリスクは大幅に低下していますが,完全には無くなっていないようです.
  • ほとんどが患者取り違えや血液製剤取り違え,システムの使用手順の誤り,緊急時の確認不足など,人為的なミスによります.

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