術前評価・術前合併症

基礎知識・予防接種など🆓

意識状態など

🌟JCS(Japan Coma Scale)を示してください。
  • レベル 状態
    I 覚醒している
    Ⅰ-1 覚醒している
    Ⅰ-2 見当識は保たれているが意識晴明ではない
    Ⅰ-3 自分の名前・生年月日が言えない
    刺激に応じて一時的に覚醒する
    Ⅱ-10 普通の呼びかけで開眼する
    Ⅱ-20 大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する
    Ⅱ-30 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する
    刺激しても覚醒しない
    Ⅲ-100 痛みに対して払いのけるなどの動作をする
    Ⅲ-200 痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする
    Ⅲ-300 痛み刺激に対し全く反応しない

    (54A88)(52A81)

🌟GCS(Glasgow Coma Scale)を示してください。
  • 点数 状態
    開眼機能(Eye opening)[E]
    4点 自発的に、または普通の呼びかけで開眼
    3点 強く呼びかけると開眼
    2点 痛み刺激で開眼
    1点 痛み刺激でも開眼しない
    言語機能(Varbal response)[V]
    5点 見当識が保たれている
    4点 会話は成立するが見当識が混乱
    3点 発語は見られるが会話は成立しない
    2点 意味のない発生
    1点 発語みられず
    運動機能(Motor response)[M]
    6点 命令に従って四肢を動かす
    5点 痛み刺激に対して手を払いのける
    4点 指への痛み刺激に対して四肢を引っ込める
    3点 痛み刺激に対して緩徐な屈曲運動(除皮質姿勢)
    2点 痛み刺激に対して緩徐な伸展運動(除脳姿勢)
    1点 痛み刺激に対して全く動かない
    • 筆記試験でもGCSの評価が問われています。(56C28)(55C25)(54A88)(52A81)
    • 最高点は15点、最低点は3点(54A88)(52A81)
    • 開眼、言語機能、運動機能について独立的に評価する。(54A88)

 

術前絶飲食について

術前の絶飲食は何の目的で行われますか?
  • 全身麻酔や鎮静時の誤嚥のリスクを低下させるためです。

🌟術前絶飲食ガイドラインの対処はどのような患者ですか?
  • 全身麻酔や区域麻酔、鎮静、鎮痛を要する待機的手術患者です。(58A57)

🌟一般的な術前絶飲食時間はどのように設定されていますか。
  • 清澄水(脂肪・乳製品・食物繊維を含まない飲料)は2時間前までです(がぶ飲みはすんなよ〜)(58A57)(56B26)(52B39)
  • 清澄水にはアミノ酸含有飲料は含みません。(58A57)(56B26)
  • 母乳は4時間前まで(大人はだめですよ)、離乳食、人工乳、パンなどの軽食は6時間前まで、(58A57)(56B26)(52B39)
  • 離乳食や調製粉乳、軽食(パンなど)は6時間前まで(58A57)(56B26)(52B39)
  • 揚げ物や脂質が多い食事は胃排泄時間が延長するため8時間程度空けます。(52B39)

上部消化管手術の既往がある場合には絶飲食時間をどうしますか?
  • 絶飲食時間を長めに取ります。下部消化管手術後は関係ないです。

清澄水、母乳、人工乳の胃内残留時間の半減期はそれぞれどのくらいですか?
  • 清澄水は約12分、母乳は約25分、人工乳は50分ほどです。

 

予防接種について

基礎知識

🌟生ワクチンを挙げてください。
  • ポリオ(2012年まで)、麻疹、風疹、BCG、水痘、ロタウイルスなどです。(55A85)(53B26)

不活化ワクチンを挙げてください。
  • 三種混合(2012年からは不活化ポリオワクチンを加えた四種混合もあり)、インフルエンザ、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌ワクチンなどがあります。

風疹・麻疹は定期予防接種の何類ですか?
  • 風疹・麻疹は5類です。

インフルエンザは定期予防接種の何類ですか?
  • 2類です。

生ワクチンと不活化ワクチンでそれぞれ得られる免疫は何ですか?
  • 生ワクチンでは細胞性免疫と液性免疫が得られます。
  • 不活化ワクチンでは液性免疫のみが得られます。

予防接種による副反応にはどのようなものがありますか?また発生時期はどのくらいですか?
  • 全身反応としてはアナフィラキシーやじんま疹などのアレルギー反応、発熱、発熱に伴う熱性けいれん、脳症に加えて生ワクチンの場合は弱毒化したウイルスによる感染症状が挙げられます。
  • 全身反応の発生時期は接種直後から24時間以内(おそくても48時間以内)です。まれ。
  • その他の軽度の副反応発生時期としては1〜2週間に多くが発現し、ほとんどは3〜4週までに見られます。

 

予防接種と手術

術前・術後の予防接種の是非について簡単に説明して下さい。
  • 明確なエビデンスは存在しませんが、三種・四種混合、インフルエンザ、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌ワクチンなどの不活化ワクチン接種後は2週間、麻疹、風疹、BCG、水痘、ロタウイルスなどの生ワクチン接種後は1ヶ月空けるのが望ましいとされています。
  • これは手術や麻酔(特に吸入麻酔薬)による免疫反応の抑制により、副作用などの悪影響が出るのを懸念してのことです。
  • ただし、最近では術後合併症との鑑別がまぎらわしい副反応の時期を避ける程度でよいとのレビューもあるため、各施設でフレキシブルに行われているのが現状のようです。その期間は不活化ワクチンであれば2日、生ワクチンであれば3週間です。
  • 術後の予防接種に関してもエビデンスはありませんが、2〜4週間の期間を空ける場合が多いようです。

COVID-19ワクチン接種後の予定手術の時期について説明してください.
  • CDCでは2週間,Royal College of Surgeons of Englandでは数日と記載されています.
  • まだコンセンサスが得られているとは言い難いので,今後色々な報告があると思います
  • ちなみにCOVID-19ワクチンはご存知の通りmRNAワクチンであるため,生ワクチンや不活化ワクチンと違ってそれ自体でCOVID-19感染を起こすことはありません.
  • ワクチン接種直後の手術では,発熱などの副反応と術後の反応との鑑別が紛らわしくなる可能性があるため,数日は空けた方が良いでしょうね.緊急手術においては特に制限はありません.

 

周術期口腔機能管理

周術期の口腔機能管理の主な目的は何ですか?
  • 咀嚼・嚥下機能の評価と対策を行うことにより、術後の肺炎(術後肺炎、人工呼吸器関連肺炎、誤嚥性肺炎など)や
    動揺歯の予防処置を行うことにより、気管挿管・抜管時の歯牙損傷や脱落を予防すること、
  • 術後の咀嚼・嚥下機能の評価・管理を行うことです。

口腔機能管理によって術後の嚥下障害を予防できますか?
  • できます!誤嚥性肺炎予防になります。

周術期の口腔機能管理は診療報酬を請求できますか?
  • できます。2014年度から可能になっています。

口腔機能管理加算は入院中に適応になりますか?
  • 入院前から算定できます。

周術期口腔機能管理料は手術を実施する病院でのみ算定できますか?
  • いいえ。手術を実施しない病院《院内歯科でも口腔外科でもかかりつけ歯科でも》でも算定可能です。

口腔内に感染源(歯周病やひどいう歯)がある場合、手術は延期するべきですか?
  • 緊急手術を除き、口腔内感染源は肺炎や敗血症を合併するリスクがあるため延期する場合があります。

動揺歯の脱落損傷の予防処置にはどのようなものがありますか?
  • 抜歯(いっそのこともう抜いてしまおう)、固定(樹脂などによる)、歯の保護器具(トゥースガード・プロテクタ)の装着などです。

周術期口腔機能管理料の算定ができるのはどのような手術ですか?
  • 現在算定できるのは、癌の手術、心臓血管手術、生体組織移植手術、骨髄移植手術です。今後増えるかな?
  • 副鼻腔炎手術野帝王切開では算定できません。