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👥 はじめに

脳梗塞の既往がある人はたくさん来ますし,抗血小板療法や抗凝固療法なんかもからみますね.



だね.心原性脳梗塞(心房細動)の場合はそちらにも注意が必要.ICPの上昇はSAHや脳出血などでよく見るね.



脳って本当に腫れますもんね.



頭蓋内圧を低下する方法は機序も一緒に覚えておくように.出題が一度あっています(中枢神経系のページ参照).
Keywords
脳梗塞 頭蓋内圧亢進症 Cushing徴候 ICP
🤔 脳梗塞
Q. 周術期の脳虚血のハイリスク因子を挙げてください.
- 患者要因としては,高齢,高血圧,糖尿病,脂質異常症,喫煙歴,脳血管病変(頸動脈狭窄など),脳梗塞の既往,心房細動,冠動脈疾患などの心疾患,大動脈疾患,貧血が挙げられます.
- 手術要因としては,長時間手術,人工心肺使用,大量出血,循環変動などが挙げられます.
- 特に複数のリスクがある場合は要注意です.
Q. 脳梗塞患者に関して,術前評価に必要な情報を挙げてください.
- 発症時期と経過,ADL,意識状態を確認します.脳梗塞の原因(アテローム性,血栓性,塞栓性)を把握します.
- 神経学的所見としては,麻痺の程度(拘縮の有無を含む),嚥下機能,構音障害の有無を評価します.特に嚥下機能は術後の誤嚥性肺炎のリスク評価に重要.
- 抗血小板薬・抗凝固薬の内服状況と,中止・続行の計画の確認を行います.
- 画像検査では,頭部MRI/CT,頸動脈エコー,心エコーなどで病変の程度や新規病変の有無を評価します.
- また,糖尿病,高血圧,不整脈(心房細動など),などの基礎疾患のコントロール状況を確認します.
- 術前よりも状態が悪化しないよう,術中は脳灌流圧を保つように血圧をコントロールします.特に高血圧患者では脳血流の自動調節範囲が高めに偏位しているので,低血圧には特に注意し,早めに昇圧薬を使用します.
Q. 周術期の脳虚血の予防方法と,早期発見する方法について述べてください.
- 予防方法としては,血圧管理が重要になります.理想的には,平均動脈圧は患者の基準値の±20%以内,特に高血圧患者では注意します.
- PaCO₂は35〜40mmHgを維持し(normocapnia),低体温を避けます.
- 早期発見の方法としては,術前に必ず瞳孔所見を含む神経学的所見を確認します.術中は血圧の変動に注意しつつ,必要に応じて脳波モニターやNIRSによる脳組織酸素飽和度モニタリングを行います.
- 術後は意識レベル,瞳孔所見,四肢の運動・感覚を術前と比較して評価します.
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