63回麻酔科専門医試験体験談

さらりーまん

毎年年明けごろから公式の口頭試験過去問の公開があるのと,諸事情で体験談から細かな過去問の内容は割愛させていただいております🙇‍♂️

体験談

 三科目とも合格しました。
 

 勉強方法・勉強時間にかなり個人差が出る試験と思われますので、n=1の感想と思ってくださればよいと思います。また、私は男性、独身であるので、ご結婚されている先生、お子さんがいらっしゃる先生は、休日に勉強以外にリソースが割かれるので、そのあたりは、前もった準備が必要かもしれません。

勤務状況など

 
 私の勤務環境は3次の急性期市中病院で、手術麻酔と麻酔科管理のclosed ICUが主な業務でした。成人心臓手術症例が豊富なほか、小児先天性心疾患の手術も行っており、比較的受験者が弱点となりやすい小児心臓分野へのアレルギーはありませんでした。後期研修中にJB-POTを取得し、心臓麻酔関連領域問題で苦労はしませんでした。また、集中治療も日常的に触れ合っていたので、とくに試験に向けて、新しく勉強することはありませんでした。

 一方で、ペイン・緩和分野は全くと言って良いほど、経験がなく不安要素の1つではありました。軽く勉強しておこうと思い、専門医試験の半年ほど前にJ-RACEを取得し、多少理解が深まったと思います。

筆記試験


 スタートラインが上記で、試験勉強は6月頃(3か月前)からはじめました。どうやら、過去問5年分を3周したら筆記試験は問題ないということを知り、その通り過去問を周回しました。1周目は時間がかかりましたが、過去問重ねる毎に、知っている問題が増えるので、短時間で回せるようになります。一般問題については、正直なところ、デスフルラン、セボフルラン、イソフルランの薬理学的比較とかほとんどの方が興味がない(興味がある方、すいません)と思いますので、問題と答えを1setで覚えてしまいましょう。学術的に意味のない勉強ですが、教科書と照らし合わせたりしたら、時間がいくらあっても足りないので、ここは試験に受かるための勉強です。

 一方で臨床問題は、日々の日常臨床に繋がったり、口頭試問の勉強も兼ねるところになると思ったので、解説だけでは理解が足りないところは教科書で調べたりしました。3周終わった頃には、試験2週間前となり、ここからガイドラインに目を通しました。ただ分厚めのガイドラインである、区域麻酔の抗血栓薬の休薬関連はJ-RACEの時に目を通していましたし、非心臓手術における合併心疾患のガイドラインは、出版された際に上司から口酸っぱく、読みなさいと言われ何度か目を通し、敗血症ガイドラインもICUを業務にする以上避けては通れないものであったので、かなり貯金がありました。結局、volumeが少ないガイドラインをババっと読んで、大まかに内容を理解するだけでした。試験直前に間違った問題をもう1周して、試験に臨みました。
 試験はCBT方式で、傾向は変わらず過去問通りでした。5年分をやりきった感じでは、おおよそ75%が過去問から出題されており、25%が新作という感じでした。新作のうち、一部は「こんなん知らんわ」みたいな問題が見受けられましたが、どうせ差がつかないので、テキトーに回答しました。感触的には8割はかたいと思える試験でした。

口頭試験


 口頭試問は、2週間空いたので、筆記試験が終わってから対策に乗り出しました。まず専門医合格トレーニングを1周読んで、そこからサラリーマン先生の青本を使い、過去問3年分に目を通しました。このとき、見て、書いて、声に出すようにして、頭に叩き込み、outputも心掛けました

 はじめて問題を見たときは、これはマズいと思い、筆記試験が終わってからの1週間は必死でした。毎日夜中の3時くらいまで勉強していたと思います。3年分を終えると、わりと聞かれていることは同じであること、新作問題への対策は、幅広い分野からの出題のため、不可能であることを悟り、体調管理へシフトしました。1問1答集には手が出ず、ガイドラインを再度見返すことにしました。試験前に2回、模擬試験も行ってもらい、これはとても良いシミュレーションとなりました。是非とも試験前に模擬面接はしてください。

 試験は不思議と、あまり緊張しませんでした。

 1問目は、70代のTKA。せん妄の既往があり、今回もせん妄が心配という訴えがあるとの設定でした。
 2問目は、前回、他院での全麻手術でアナフィラキシーショックとなり手術中止になった既往のある、腹腔鏡下肝切除。前医ではアレルギーに関連した詳細な検査は行っていない(バカヤロー)という設定。


 2問とも1分ほど余りました。わからない問題もありましたが、それはみんな同じだろうと思い、引きずらないようにしました。考えるために15秒ほど無言になることは2回ほどありましたが、概ね何かしら答えは出てきました。圧迫面接の可能性があると聞いていましたが、私はそんなことはなかったです(たまたま?)入室したら、ハキハキと、よろしくお願いします!とやや大き目な声で言って、回答もすべてハキハキ答えました。ゴニョゴニョ言うのは良くないと思うので、自信をもって間違った答えを言ってやろうくらいな気分で臨んだのが良かったです。

 口頭試問は最近、どんどん難易度が上がってきています。日常的に行っていることが、直結すると思いました。逆に試験直前で、どうにかなるようなものでもなく、形式に慣れるだけで良いと思いました。
口頭試問は、公式回答がなかったので、青本は非常に助かりました。

体験談

 前日までに15分の質疑応答のシュミレーションをしていても1問目は時間が足りなかったです。最後の答えを言いながら退室という結果に。2問目は急ごうという思いもあってむしろ3分ほど余りましたが、結局知ってる流れはさくさく終わるし、日頃業務に関わらない問題だと勉強済でもゆっくりになってしまいました。産科小児、やはり手強いと感じます。

今回の口頭試問の問題文を読みメモする時間は3分でした。
1問目 
妊娠高血圧腎症の方の無痛分娩から局麻中毒。全麻カイザーから、覚醒遅延を問われる問題。
2問目
高度肥満の甲状腺摘出からICUで上気道閉塞。患者の同意を得ないまま再挿管して記憶があると文句を言われて説明する問題。
体験談
この度、専門医試験に合格しました。

勉強方法・時期

 ワンオペ育児中で、なかなか時間が足りないと思ったので、受験する年の3月頃から口頭試問対策の青本を読み始めました。
  • 4月中にしっかりと2周読んだ後、知的アプローチの口頭試問編を6月いっぱいまでに1周しました
  • 7月からは知的アプローチの口頭試問編の2週目(7月いっぱい)と、土日は筆記試験の過去問7年分(直前まで)を繰り返しました。
  • 8月からようやく口頭試問の過去問を解き始めました。
 さらりーまん先生の本は答え合わせ+αの知識にとても助かりました。
 心配性で色々な対策本を読みたくなってしまう性格なので、早めに始めて、直前は過去問+さらりーまん先生の本にお世話になりました。

筆記試験

 筆記試験はA問題は1〜50問目まで、B問題は1〜30問目までがプール問題(選択肢の並び順まで同じだったと思います)でした。その後の新問は完全な新問と、プール問題の改変(過去問では2つ選べ→3つ選べに変わっていて残り1つがなかなか選べない)がありました。
 なので、過去問を暗記しつつも+αその範囲のガイドラインを読んだりするのが大事だと思いました。

口頭試験

 口頭試問は最初のグループで肥満の甲状腺と無痛からのカイザーでした。緊張していて詳しい内容は忘れてしまいましたが、導入薬を聞かれるだけでなく、「それぞれ理想体重もしくは除脂肪体重もしくは現在の体重どれで投与しますか?そのメリットデメリットは?」や、局麻中毒になった際の脂肪乳剤の投与量だけでなく、「何%のなんの薬を投与しますか?」など踏み込んだ内容が聞かれました。こちらも筆記同様、+αでやるのが大事だと思います。
 口頭試問では、「最後の問題まで辿り着かないと十中八九不合格、最後に試験官と雑談ができると合格」という都市伝説があると聞いていたので、なんとか最後の問題まで辿り着こうと必死でした。どちらの部屋でも最後時間が余ったにも関わらず、無言で時間まで待たされ、雑談が無かったのでショックでしたが、なんとか大丈夫でした。
 また、試験前のメモ時間が5分だと思って過去問を解いていましたが、実際は3分と、一瞬で過ぎ去ってしまったので、過去問を解く際も3分で練習するのがいいかと思います
 拙い文章ですが、少しでもお役に立てたら嬉しいです。
体験談

青本を購入し、無事3科目合格をいただきました。
先生の本のおかげだと思います。
本当にありがとうございました。おかげさまで無事3科目合格をいただきました。

筆記試験


 勉強は4月から始め、過去問7年分を全てできるようになるまで周回しました。解説にもすべて目を通していました。最初はしんどいですが最初だけです。
 当日は一般・臨床ともに55~60%ほどが過去問からの出題だったように思います。新問はちんぷんかんぷんのものが多かったですが、それは皆同じで差がつかないはず…と思いわりと気楽に解いていました。新問にはガイドラインからの出題もありました

口頭試問


 勉強はGW明けから始めました。青本の一問一答を叩き込んで過去問を繰り返し、結局青本以外の教材は使いませんでした。

 やはり声に出して答える練習が大事だと思います。わかってはいても、実際に聞かれてすぐに答えるのは練習なしには難しいです。私は麻酔中にもブツブツ言っていて、家でも夫に問題を読んでもらい答える練習をしていました。あとは重要そうなガイドラインはすらすら答えられるようにしていました。
 当日はポートピアホテルに前泊しました。朝一の回でしたが、寝坊への不安と緊張で一睡もせずに朝を迎えました…

 待合室は集合時間の20分前から開いていました。15分前に行きましたがすでに八割方の受験生が着席しており、ほぼ全員スーツでした。青本を持っている方もたくさんいました。

 業務用エレベーターで会場の階に移動した後、廊下で着席して症例の概要が書かれた紙を渡され、読んでメモする時間が3分間もらえました。試験室に持ち込みますが終了後回収されました。

反省

 よかった点はほぼありません。冷静に考えれば序盤の問題1つを答えられなかっただけで不合格にはならないと思いますが、序盤でつまずいたことを最後まで引きずりました。それ以降は試験官の質問も正確に理解できず、〇〇についてですよと正される始末でした。1問目と比べて厳しい雰囲気の先生だったことにも動揺しました。かなり時間が余ってしまいましたが、かといってあのパニック状態で何分考えても答えが出てきたとは思えません。退室までお通夜状態で無言の時を過ごしました。

 
 確実に落ちたと思いましたがなぜか合格していました。2問目はボロボロながらも、あまり時間をかけずになんとか回答を絞り出していたことに救われたのかもしれません。普段なら思いつくはずの答えがあの場では出てこなくなります。皆さん言われていますが二度と受けたくない試験です。
時間制限もあるのでよく聞かれる項目には脊髄反射で答えられるようにしておくこと、最低限過去問ができるようになっておくこと、声に出して答える練習を繰り返すことが大事かなと思います。

 青本なしには絶対合格できなかったと思います。読みやすくかつ網羅されており、試験が終わっても日々の臨床をしながら読み返したい本です。
 この度は本当にありがとうございました。

体験談
 お疲れ様です。おかげさまで口頭試験に無事合格することができました。本当にありがとうございました。
 麻酔科は女性医師が多く、子育て中のママ麻酔科医からのコメントも多くご覧になると思います。私もそのうちの一人で、現在小さな子どもふたりの子育てをしながら、忙しい病院で週5日勤務しています。
 筆記試験は昨年、2歳の子育てをしながら臨月の時に受験しました。(CBT形式初年で自宅近所のため妊婦でも安心でした)
 家族の協力を得ながらなんとか子育て・仕事・試験勉強をしていました。
 スキマ時間で青本を少しずつ進め、試験直前は先輩医師に青本から模擬試験を出してもらい、何度も使って表紙はボロボロです。
 勉強時間は限られていましたが、青本のおかげで本番も緊張せずに答えることができました。
 青本を作成するのには相当な労力と時間を費やされていることと存じます。残念ながら販売停止となってしまいましたが、受験生は先生を頼りにしているはずですので何らかの形で受験生の力になっていただければと思います。
体験談
この度は大変お世話になりました。無事63回専門医試験を合格することが出来ました。
ご多忙の中対策資料をご準備頂き、感謝申し上げます。
勉強中に体験談に勇気づけられた事もありますので、自身の話ではございますが実際に対策したことなどを書かせて頂ければと思います。

筆記試験

 過去問7年分を大体20周はしたかと思います。最終的には問題を見た瞬間に答えがわかるまで仕上げていました。実際に着手したのは区域麻酔試験が終わった5月ごろだったと記憶しています。他には本屋で販売されているアプローチ集も3周しましたが、こちらは今思えばオーバーワークだった気がします。
 実際の過去問を見て頂ければわかりますが、過去問からの再録がほとんどです。裏を返せば、とらせる問題ととらせない問題の差がとても大きい作りであるため、結果的に過去問研究が全ての試験と言っても良いかもしれません。
 また自分はこのサイトで頂いた資料集を辞書がわりに使用した事もあり、何かしら辞書として使えるノートや本を用意することは大事かと思われます。

口頭試験

 ここまで対策に難渋した試験は経験したことがありません。ですが受験後に大方適切な対策が掴めたので記載したいと思います。
 自身が行った対策は、
  • このサイトの対策資料を5周通読
  • 過去問7年分の解答をまとめたノートの作成及び通読5周
となります。
 ガイドラインは挫折したため、ほとんど読んでいません。
 また最後の2ヶ月は過去問と対策資料のみと決め込んだため、他の問題集や教科書は全く読んでいません。無い知識から言葉を出す事に意味を感じなかった為、大学の模擬試験や同期との問題出し合いも参加していません。
 口に出す練習もほとんど行っていません
 実際の試験では答え過ぎない様に簡潔に答えることを意識しとにかく論理的に答えました
 試験官の先生に圧迫感は感じませんでしたが、返事や頷きは無くただただ事務的に次の問題ですの繰り返しでした。両問とも時間を2分ほど残し終了となりました。
 ここからは想定になりますが、
この試験の肝は思考回路の構築と瞬発力、会話力に拠っていると思われます。つまり質問に対しどう考えどう行動するかを如何にすぐ答えられるかに尽きます。
 仰々しく書いてしまいましたが、しっかりとした自分の意見をはっきり言える様に知識をつける事が第一です。とにかく過去問の研究、対策資料の通読を繰り返すのみです。飽きるまで繰り返して下さい
 最後になりますが、素晴らしい対策資料を作成頂いたさらりーまん麻酔科医先生に心から感謝申し上げます。そして夜中まで勉強に寄り添ってくれた妻に感謝します。
体験談

筆記試験

筆記試験の勉強は1月から開始し始め、9月に試験がありました。計8年分過去問を解きました。5周して、同じ問題が出たら必ず取れるようにして臨みました
過去問と同じ問題もたくさん出て新問もいくらか出題されたように思いますが、わりと解けた気がします。
過去問を何年分したらいいかはわかりませんが、私は8年分取り組んで受験し問題なかったように思います。これ以上は解かなくてよかったなと思っています。

口頭試問

口頭試問の勉強を始めたのは6月からです
本当は過去問7年分+青本の一問一答+ガイドラインの熟読+麻酔科専門医合格トレーニングという本+麻酔への知的アプローチ口頭試問問題集という本をするつもりでしたが、そんな時間は全くなくて、過去問5年分+ガイドラインの通読のみをしました。
過去問は6-8月の3ヶ月間で、青本を参考に過去問の答えを自分なりに作りながら周辺知識を蓄えました
9月からは問題文を見て、回答を何も見ずに口に出して言えるように練習し、10月に試験でした。
質問者と横で記録している方の2名がいました。雰囲気は穏やかな感じです。それほど詰まることなく答えられて順調に進みました。最後回答後すぐに試験終了の鐘がなりました。
2問目は全ての問題が終わってから時間が余ってただ座って待っていましたがその時間が何となく居心地が悪かったです。
かなり緊張する試験でしたが、実際受けるとわりとすらすら答えることができました。
何を勉強したから受かったかはわかりません。
滑舌良く聞こえる声量で答えるよう意識しました。
口頭試問は特に勉強の終わりが見えず、当初の予定よりも勉強できないまま臨んだのでとても不安でしたが、実際受けてみると大丈夫そうに思いました。
体験談
無事合格していました!ありがとうございました!
サラリーマン麻酔科医様のおかげです!
下記体験談です。
昨年は「自力でなんとかなるだろう」という根拠のない自信があり、特に対策もせず、過去問を流し読みしただけで受験しました。
4つ答えよのところを3個しか思い付かず。んー、わからないです。といっても、あと一つ思いつくだろう?みたいなこと言われ、悩んでいたらタイムアップって感じでした。半分も問題に辿り着けず。あの試験官の顔は忘れません。笑
結果はもちろん不合格でした。
今年は試験の1ヶ月前から本格的に勉強を開始しました。本当は2ヶ月前から始める予定だったのですが、今年は試験が10月に行われることを知り、焦って準備を始めました。
昨年は口頭試問だけ不合格だったので、今年は学会のホームページに掲載されている口頭試問の過去問を解きつつ、青本を参考にして解答を確認するという形で勉強しました。青本に載っている過去問を解いた後は、そのまま個別対策を読み進めました。
個別対策をすべて読み終えたのは試験前日で、2周目をする余裕はありませんでした。前日夜から当日まで、山蔭先生の対策本を飛ばしながら流し読みし、口頭試験会場の待合室で、いわゆる「ドナドナ前」の時間に何とか読み切りました。
ホテルの部屋の前に到着すると、症例が書かれた用紙が渡され、3分間のメモタイムが与えられました。その後、12分間の口頭試問がスタートしました。
出題内容は、重症大動脈弁狭窄と頸動脈狭窄、甲状腺手術における両側反回神経麻痺でした。わからない時は悩まずに「次の問題をお願いします」と伝え、時間切れにならないよう気をつけました。
解答は決して完璧ではありませんでしたが、結果として無事に合格することができました。
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