61回麻酔科専門医試験体験談

青本・試験への感想に関しては こちら から.

順次追加していきます.

Contents

体験談

<感想など>

今年から2題にもどって問題量が減るのかと思いきや、盛りだくさん。表示されるスライドの量も多く、ほとんど考える時間はありません。試験時間は5分の問題読む時間と10分の試問です。答えるときにちょっとでもうーんとなると、試験官から次の問題に行かれてしまいます。なので逆に言えば時間切れにはならないかなと思います。5分の読む時間で聞かれそうなことはあらかじめメモしておくと時短になると思います。風の噂ですが2問目のLVADの問題は、できが悪く得点調整が入ったようです。

<口頭試験>
(1問目)
70台女性、150cm.60kg程度
特に既往なくADL自立
2日前?から腹痛あり、本日呼びかけに反応乏しくなり受診。S状結腸穿孔で緊急手術の方針

1)コロナ感染を除外するために確認すること4つ
2)コロナ感染が疑われる場合準備する物4つ
3)コロナ感染が疑われる時あらかじめ確認すること4つ
4)コロナは陰性で、バイタルみせられて、なぜ敗血症が疑われるでしょうか(qSOFA3つ陽性)
5)麻酔導入方法は?理由と具体的な薬剤投与量も含めて
6 )1800ml輸液した後のバイタルと血液所見みせられて、敗血症と診断する根拠を述べてください5つだったか?答えた後それはなんというスコアか。(低血圧、意識障害、血小板低値、腎障害、P/F低下?)
7)この患者の重症度を述べてください
8)手術に行くまでの間の全身管理を外科医から依頼されました。モニタリングしたい項目を2つ
9) AラインとCV入れて補液したけど低血圧で昇圧剤使いたいです。第一選択薬、第二選択薬を述べてください
10)ノルアド、ピトレシン始めたけど低血圧です。対応を4つ
11)術後のバイタル(ショック)、尿量(20ml)、血ガス(pH7.2)、採血(忘れた)をみせられて、ICUで管理しよ、うとおもうのですが理由を2つ
12)モニター心電図みせられて(テント状T)何が疑われますか
13)高Kの対応を4つ。薬剤は具体的な投与量述べてください。

(2問目)
50台男性160cm60kgくらい。昨日から左同名半盲が出現。その後右?片麻痺。瞳孔左右差あり。簡単な受け答えはできるが、自分がどこにいるかはわからず。大きな声で呼びかけないと開眼しない。疼痛刺激で手を引っ込めたり顔をしかめたりする。緊急の開頭血腫除去術が予定されました。末梢静脈は1本とられ細胞外液を投与されてます。拡張型心筋症でLVADが付いてて、甲状腺機能低下症あり、僧帽弁形成術後。チラージン、ワーファリン、バイアスピリン、ビソプロロール、フロセミド、スピロノラクトン、タケプロン内服してます。

1)この患者の意識レベルをJCS、GCSで述べて下さい
2)頭部CTの所見を3つ述べてください(後頭葉に高吸収で周囲は低吸収、ミッドラインシフト、脳室圧迫)
3)採血みせられて、具体的な凝固因子もからめて異常所見を述べてください(INRが3くらい)
4)凝固障害に対して用いる薬剤3つ
5)その薬効がでてくる順番は?早い順に。
6)担当麻酔科医が急速導入での麻酔計画をたて、準備をしました。誤っている点を2つ。
→蛇管、7.5mmスパイラルチューブ、ビデオ喉頭鏡、Aライン、ボルベンがついたルート2本目,プロポ、ミダ、フェンタ、レミフェンタ、ロクロ、エフェドリン
7)麻酔導入し喉頭展開した所で口腔内に吐物を認めました。対応を3つ(?)
8)術式は腹臥位とのことで、特にこの患者で体位変換をする際に注意すること2つ
9)術中出血は700mlを超えました。HR上昇、血圧上が50です。何を評価しどう対応しますか。
10)手術が終了し、挿管のままICUに帰室しようと思います。この患者で特に注意することを脳、呼吸、循環に分けてそれぞれ述べてください。
11)胸部Xpをとったところ、肺炎が疑われました。現状と今後に関して家族に説明してください。

体験談

<筆記試験>

○今年から一般問題と臨床問題の2部制になりました。
試験中途中退室は原則認められません!!試験終了時間が12時50分で次の開始が13時5分。元々15分しかない上に解答用紙の回収・確認が終わるまで退室不可だったので、実質休憩時間は10分強しかなかったです。。きっとトイレも混んでたんじゃないかな。途中退室不可なことを明記しといて欲しかったです。
○問題はどちらも過去問多めでした!臨床問題は過去問出ないかなと思ってさらっとしか見れておらず、これ過去問にあった…!!ってのが5問はあって、こりゃ来年また頑張ろうと思いました。。
○過去問多めなのでサクサク進むから時間には余裕あると思います。回答の数がほんとバラバラなので、マークの見直し必須です。
○環境は、私は寒くもなく暑くもなく快適でした。
○自己採点では、アバウトですが大体前半65%、後半60%。

→→→結果、不合格。。直近の過去問がうろ覚えだったのが敗因です。だってB問題もC問題もそんなに使いまわされるなんて思ってへんかってんもん。。過去問数年分ABC全部完璧にしていったら大丈夫そうな印象でした!なので来年は確実に受かります!!!

<口頭試験>

今年は2部屋、2問でした。集合時間に大部屋で試験の説明。先生がお守り買ってきたよ!!と言ってくださりちょっとほっこり。この部屋から7人ずつ呼ばれました。順番まで紙媒体の参考書やノートは見直していてよかったようです。噂のドナドナエレベーターに7人で乗り込み、各部屋の前の椅子に座って順番を待ちました。例年どおり症例の紙に5分間書き込みができました。

一問目
60代女性 155センチ65キロくらい
ASに対してAVR予定。高血圧と糖尿病の既往があります。

入るとすぐスライドが表示され、A弁に関する心エコー結果が。これをみて重症度とその根拠を述べなさいと。弁口面積が1未満、流速は3メートル台、平均圧較差は40以上でした。
この状態の病態はどうなっているか答えてください。
術中大量出血。どう対応しますか。
輸血は患者と同じA型の血液が10単位ありますが、まずどうしますか?

術後ピリピリした痛みが続いているという訴えがあります。この痛みをなんと言いますか、使う薬を2種類答えてください。

二問目
肥満の男性、ダヴィンチ。
挿管困難と換気困難の予測因子がたくさん並べてある。

入るとまずは、気道管理ガイドラインに沿って、術前に確認すべき12の危険因子のどれにあてはまるか答えなさい。
マランパチ、男性、年齢、睡眠時無呼吸症候群、ULBT、歯牙の存在
の7つが当てはまっていたけどぜんぜん言えませんでした。
スライドが出て、ガイドラインの、「マスク換気困難と喉頭展開困難が同時に発生する可能性」の表。表を見ながら挿管方法を試験管を患者さんだと思って説明してください。
挿管はうまくできました。
、、、
術後に足先が上がらないと患者さんから訴えがありました。考えられる神経障害を2つあげて、それらの鑑別診断方法を述べなさい。

緊張は初めの7人で呼び出された時がマックスでした。本番は緊張こそしませんでしたが、いざ聞かれると答えられないこと山の如し笑
おろおろは見せないように、わからないことはわかりません。え、ここまで出てきてるんですけど出てこないですなんででしょう!?とかゆうてたらめっちゃ苦笑されまくりました。どちらの部屋も最後までは行きました。一つ目の部屋では、思い出すことがあれば付け加えてねと言われて一生懸命しぼりだし、二つ目の部屋では、時間まで待ってくださいと言われたので大人しく待っていました。
部屋を出た段階ですでに問題がうろ覚えで申し訳ないです。

→→→結果、合格!!!!
どちらの部屋でも苦笑を頂き、呆れ果てられた感じだったのでこりゃだめかなと思っていたら、合格でした!!!!

<感想>
正直、筆記試験も口頭試問も自信がなく、実際筆記試験は落ちてしまいましたが、口頭試問は合格できて本当に良かったです。筆記試験は過去問覚えてったら勝てるけど、口頭試問は対策の仕方がわからない。。。私が口頭試問受かったのは、自分で言うのもなんですが、人となりを評価してもらえたのかな、と。。多少知識がなくても現場で誰かに助けを求めてカバーできると思ってもらえたのかなあ。わかりませんが本当に受かって良かったです!!ありがとうございます!!

 

体験談

<感想>
お聞きになっていると思いますが、筆記試験は問題数が変更になったとはいえ、一般問題も臨床問題も7割程度は過去問と同じでした。
ほとんど58、59、60回の過去3年分から出題されていましたので、この3年分をしっかりやっていれば全く問題なかったと思います。
私はびびっていたので7年分やりましたが、結果的には不要でした。
まさか臨床問題まで過去問と同じ問題が出るとは思いませんでした。
受験したほとんどの方が合格されたのではないでしょうか。
<口頭試験>
口頭試問は、①ロボット支援下前立腺切除術(BMI:36の肥満患者)、②大動脈弁狭窄症(イミプラン内服中のQT延長患者)の2つについて聞かれました。
いずれも過去に出題されていましたし、ほぼ試験対策本通りに回答したら合格しました。
覚えている範囲ですが、
①では、
・この患者の気道確保困難と思われる所見を7つ!!答えよ(Mallampati分類ⅢやSASでCPAP使用中など)
・麻酔導入はどのように計画するか?また患者にはどのように説明するか?
・頭低位にした場合の合併症は何か?
・術後に下腿の神経症状が出たが、その鑑別と対応方法は?
*あと2つ3つ聞かれたと思いますが、緊張していたので思い出せません。
②では、
・麻酔導入にあたり準備するモニターやデバイスをすべて述べよ。
・導入時に使用する薬剤とその使用量は?
・導入時にどのようなことに注意するか?
・モニターでQT延長の心電図が出て、この所見は何か?
・QT延長に対してどう対応するか?
・モニターで除細動器の写真が出て、経皮ペーシングの使用方法について指示棒で指しながら説明せよ。
・モニターでこの患者のトロンボエラストグラムが出て、その所見を述べよ。また輸血をするならどのような製剤を使用するか?2つ述べよ。
・モニターで術後の経食エコーでの心嚢液貯留が出て、これはどのような状態か?また麻酔科医としてどのように対応するか?
・退院後一ヶ月ほど胸部正中切開創の痛みが持続しているが、どのような薬剤を処方するか?3つ述べよ。
あまり内容を覚えていなくてすみません。
私の担当の試験官の先生方は、いずれもやさしく誘導してくれました。運もあったと思います。

体験談

無事合格しました。
感想としては、
過去に既出の質問と新問が幅広く出題されて、深く突っ込まれる話題もありボリューム感があった印象です。自分は時間内にすべて解答できましたが、同期は最後の質問の途中で終わったと言っていました。
先生の過去問集をベースに勉強した上で、同期と今年のトピックスやLiSA、各ガイドラインやスコアを手分けして教え合ったりして一通り目を通していたので答えられるところは答えられたといった感じです。
あとは試験官は運次第だと思います。1人目は優しい雰囲気で最後時間が余ったのでおまけとしてひとつ前の質問に付け加える解答がないか確認してくれましたが、2人目は終始厳しい雰囲気で淡々と進み、余った時間は無言の時を過ごしました。
以上、長くなりましたが感想になります。
この度はお世話になりました。今後の活動を応援しています、ありがとうございました。

体験談

この度は大変お世話になりありがとうございました。
おかげさまで無事に合格することができました。
形式の変更に関しては、初回受験であり比べようがないことからさほど気になることはありませんでした。
みな同じ条件でしょ?と思っていました。
神戸受験でしたが縦にも横にも上にも広い会場なのにただならぬ圧迫感は見事でした。
A問題を解き始めて順調!順調!から始まり、ん?え?から絶望に追いやられる感じ、、、
B問題のほうがまだマシに思えました。
トイレも混むし、記載されている時間よりも正味の休憩時間は短くて、バタバタ感もありました。
完全に魂を吸い取られて、ポートライナーで三宮に戻りました。
声を出す元気もない私と、仲間同士で試験の振り返りをする若者たち、、、年齢の差を感じました。笑
口頭試験は、最初の説明で「麻酔科医として世間に認められる素質を求める」といったくだりがあり、コミュニケーション能力を見てる感じもありました。
とりあえずそこは頑張ろうと思いました。
移動では「これがドナドナエレベーターか!」と一人なごみ、嬉しくなりました。笑
フロアについて思ったことは、何というお金のかかった試験なのか⁉、このホテルと学会は蜜月なのか⁉といったことです。
それだけ気合が入っていると理解し試験に臨みました。
一部屋目は症例提示の紙がまぁ詳しくて、、、そこからたくさんの問題を推測するものの、一つしか当たらずでした。
患者説明やその場に応じた対応力をみてるのか?と思う質問、
あとは尋ね方が難しく、試験官の言わんとされていることが読みにくかったです。
聞かれ問い返し、とにかく喋りまくりました。黙ったら終わる、というのは本当ですね。
穏やかな先生ではありましたが、最後は時間の関係でまきまきで質問くださいました。
二部屋目は症例提示の紙がシンプルすぎて、、、ASすごい高齢者という情報ものみで、こちらのほうがかえってシンプルでした。
主に実際の臨床知識を順に問うていく感じで、勉強していればなんてことはないものでした。
多くの過去の受験者から「受かった感じがしない試験」「二度と受けたくない試験」と聞いていましたが、本当ですね。
もう二度と受けたくありません。
さらりーまん麻酔科さんが作られた本と、麻酔へのアプローチから出ている「問題集」「口頭試験対策」ともに勉強しました。
あと、過去問を7年分を2-3周ほど。
きついテストですが、麻酔の分野の知識をなべて整理するには本当に役立ったと思います。
しかし、もう少しやりようもあるんじゃない?とも思いました。

体験談

症例1
90代の女性 大腿骨頸部骨折
洞不全症候群でPM植え込み
中咽頭がんでオペ済み
肺がんオペ後
多分AS合併(レバイン4度の心雑音と頸部の雑音が聞こえる)
1.知りたいこと、追加の検査と麻酔への影響3つをセットで
2.検査の結果、重症AS(数値とドップラー波形あり)、広範囲のDVTあり。オペまでの数時間で整形外科医にやって欲しいこと
3.麻酔法の選択 欠点と利点 PMのモード設定はどうするか?
脊椎麻酔になりました。モードはAOOとします。
4.術中血圧が下がりました。PMで心拍は70で打ってるけど頸動脈は触れない、あえぎ呼吸です。やること
5.血圧低下の理由
6.家族に説明(整形外科医から、私たちは全身状態とかわからないので、麻酔科から説明してくださいと言われました…という設定でした)
7.ノルアド、アドレナリン入れてて血圧100くらい。そのほかの血液検査、呼吸器設定がスライドに表示。明日の朝まであなたが管理します。呼吸と循環管理、鎮痛鎮静を答えてください。
試験官は2人とも男性で、答えると「はい、次」と言われてさくさく進み、合ってるか間違ってるのか反応からは何も分かりませんでした。PMで心拍数は70、脈は触れませんって言われても咄嗟にはわからなくて、少し戸惑いましたが、脈が触れない時は胸を押せ!という救急出身の麻酔科の先輩の言葉を思い出しことなきを得ました。心マするなら、除細動器もアドレナリンも用意しようかなってなって、そこでPEAと理解できました。サクッと終わってしまい、終わるまで静かに座っててくださいと言われ、静かに5分ほど試験官と向き合って座っているのは苦痛でした。戻ってもう一回答え直そうかとも思いましたが、もう既に最初の方の質問も自分の答えも忘れてて出来ませんでした。
2.BMI30くらいの男性のロボット支援下前立腺全摘
緑内障
脳梗塞、視野欠損あり
高血圧
心房細動
DM
コロナで2週間前まで呼吸器症状あり。
1.1週間後にオペ予定だけど、どうするか
4週間後に手術となりました。
2.どういう検査追加しますか
3.出血が予想されます。リバロキサバンの休薬はどうしますか
4.この人のCHADs2スコアは何点ですか?
5.気腹して頭低位にするけど、脳の生理学はどうかわる?肺にはどういう影響が?
6.専攻医がかけてましたが、1回換気量は変わらないけどetco2はあがってきたと連絡が来ました。鑑別は?
気腹で皮下気腫でした
7..このあと、どう対応しますか?
気腹圧を下げました。
8.少し出血しました。AFがたきりはじめました。何を考えますか?
9.ランジオロール使いました。量と目標の心拍数
10.手術がおわりました。抜管の時に気をつけること。
11.術後ふくらはぎぱんぱん、鑑別2つ
12.コンパートメントの鑑別と兆候、検査など6つ
部屋を移動して今度も男性2人
優しいおじいちゃん先生といかつい先生でしたが、お二人ともすごく頷いてくださるし、おじいちゃんはあと1個何か言えるかな?なんでもいいよ!とか言ってくださって、本当に優しかったです。初めの反応のない部屋よりも話しやすかったですけど、最初の部屋より間違えたと思います。コロナの待機期間は呼吸器症状があるから6週間が正解でしたが、軽症ととって4週間と言ってしまいました。ランジオロールの量も分からなくて正直に分からないと言ってしまいましたが、最後は雑談してくださいました。
思い出せる限り書きましたが、間違いや抜けがあるかと思います。
勉強法は5月から口頭試問を受ける人と、過去問を解き始めました(順番に解いて紙に書いて送りあって指摘し合う形です)。自分でも復習ついでに1周しました。私の筆記試験が終わってから、口に出す練習を始めて、順番に試験官役をやりました。過去問は8年分。それ以外に専門医トレーニングの青い本と、稲田先生の口頭試問の本を誦じて言う練習を重ねて本番に臨みました。

体験談

ドナドナエレベーターで出荷され、ホテルの廊下に受験生とアテンドの人が1:1で各部屋の前に配されました。試験開始時刻が近づくとアテンドの方々がそれぞれのタイミングで注意事項を読み上げるので、「カエルの歌は」の輪唱状態でした。5分間、問題の書かれた紙にメモする時間が与えられます。
試験は2問で、1問は全く知らない知識を聞かれることも多くかなり動揺しました。もう1問は、まだ答えられたと思いますが、1問目の余韻で若干しどろもどろになり時間が足りなくなってしまいました。
内容は、1問目がBMI41の大腿骨頚部骨折のオペで、前酸素化が問題なくできたかどうかの指標や、緩徐導入中の換気中の動画を見せられて対応をどうするかの質問、マスク換気を改善させる方法3つ、喉頭気管の詳細な解剖、大腿神経ブロック、術後合併症の予防、術後声帯麻痺の患者説明についてでした。
2問目はBMI30-35? の3枝病変のOPCABで、救急外来に来た時の主訴やECGから何を疑うか、お決まりの基本的なリスク評価と管理方法と、導入時の流れ、術中血圧低下時の対応と鑑別、最後にセラミックの歯を破損したことについての患者説明でした。
スライドの患者情報に、わざわざセラミックの歯(かなり高いとかなんとか)と書いてあり、折るんだろうな・・・と思っていたらやはり折ってました。

体験談

青本のおかげで3科目とも合格できました。ありがとうございました。
筆記試験対策は1ヶ月前から本格的に始めて、過去問のA問題B問題のみ5年分丸暗記するまでまわしました。C問題は3年分しかやりませんでした。
口頭試問は筆記試験後から青本の一問一答を読み込みましたが、いざ開いてみると筆記試験対策にも大いに役立ったことがわかり、もっと前から読んでおけばと後悔しました。
一問一答集が非常に網羅的で短期間の勉強時間でもなんとか合格することができました。

以下口頭試問についてです
雰囲気は2部屋とも非常に穏やかで、ときに誘導質問もありました。時間があまり、色々とお話もしていただけました。


85歳男性
150cm 38kg
亜イレウス 腹腔鏡下右半結腸切除
既往にAS DM HT 軽度腎機能障害

1 AS重症度評価に必要なエコー所見 2つ
2  ドップラー画像 これの重症度?
弁口面積 0.8 Vmax 4.0
3 AS とどっち先にオペする? 理由とともに
4 前回手術時にせん妄あった 家族や主治医に予防で伝えること 5つ?
5 GAで外科手術先行で行えた モニタリングは? 標準的なもの以外5つ
6 専攻医がひとりで麻酔 GA TAP IVPCAをプッシュして病棟へ
30分後に低酸素でコール
SpO2低下、高血圧、呼びかけに反応なし
原因と身体所見とともに4つ
7 修正アルドレートスコアは?
8 専攻医がフェンタニルIVPCAを3倍量にしてた
今後の解決策は?
9 インシデントレベルは?


35歳
153cm 65kg非妊時50
37週で予定C/Sだったが 35週で陣痛発来で緊急手術
BP 150代 HR 110 B+
尿蛋白 ±
Hb 10 PIt 11万 肝機能上昇
7年前に子宮筋腫核出術 4年前にC/S

1 この患者に特有の術前に確認すること4つ
凝固検査が示される
2 脊椎麻酔にEpi併用すること、GAに変更するデメリット1つずつ
3 脊椎麻酔にやるときの術後鎮痛の薬と量は?
4 仰臥位にしたら低血圧 理由と対処を2つ
5 児娩出後に低血圧 2500ml出血
麻酔科として何をしますか 6つ
6 子宮全摘にします 院内輸血がない 1時間かかる 4つ何をしますか?
7 圧迫して輸血がおわって終了した
低酸素 Hb 8.5 高K 低Ca 低体温
輸血の影響となるのは?
8 術後管理はどこでやる?

体験談

筆記試験・口頭試験ともに、無事合格しました。
ありがとうございました。
<筆記試験>
筆記試験は、途中退室不可能でした。休憩時間が、10分程でとても短かったです。
今年は、基礎問題(A問題+B問題のような感じ)と臨床問題(C問題)の2つでした。
7-8割ほどは、過去問題だと思います。
新問題は、解けなかった問題が多かったですが、過去問と同じ問題を解ければ合格できま
した。過去問を6年分、5周ほど行いました。
<口頭試験>
10分✕2題でした。ホテルの部屋の前で5分間の問題閲覧+書き込みを行い、ホテルの部
屋へ入室して行われました。
1 マスク換気/挿管困難が予想される患者のロボット補助下前立腺全摘出術
術中の症候性徐脈
術後の腓骨神経麻痺
・“麻酔科学会の気道管理ガイドラインの術前に評価すべき12の危険因子”から、
何個当てはまるか指摘
・モニターにマスク換気と挿管困難が同時に発生するリスクの表が示され、
 それを踏まえて、患者さんに挿管方法の説明をおこなう。(接遇問題)
・導入後の症候性徐脈
 原因、対応薬物、経皮ペーシングの使い方
・この術式で(頭低位・砕石位)術後に生じやすい神経障害
 傷害されやすい神経の種類と、原因、
腓骨神経麻痺の診断方法(運動や感覚障害の範囲)
2 大動脈弁狭窄症
術中に生じた危機的出血、合併症(大動脈解離、心タンポナーデ)
術後創部痛
・ASの重症度評価(弁口面積は重症、その他は中等症だが、EF40%と低下)
・導入で気をつけること
・必要なモニタリング
・離脱時の低血圧・大量出血発生、モニターでTEE画像表示されて、
TEE読影→心タンポナーデと大動脈解離
・危機的出血への対応
いつもの応援など+心タンポナーデと大動脈解離への再ポンプでの修復が答えられ
ると良い様子
・術後創部痛への薬物治療 3つ
 試験管の先生は、優しく頷いてくれる様子でした。
 口頭試験は、さらりーまん麻酔科医先生の対策本のみで行いました。その他は、麻酔科
学会のガイドラインと、ACLSを見直しました。(心停止だけでなく、症候性徐脈や症候
性頻脈(筆記試験で出た)も、出ました)
 アウトプットが、何より大切だと思いました。
ありがとうございました。

体験談

<筆記試験>
8年分5週と直前2日間で間違った所のみ見直しました。
最終的には選択肢だけで答えが分かるレベルになっていました。
今年は8割型過去問で、過去問さえやっていれば合格点に届いたと思われます。
新作問題も一部ありましたが、過去問さえ分かればあまり合否に関係無かった気がします。
試験が終わって手応えは充分、といった感じでした。
<口頭試験>
勉強法としては筆記試験の勉強で分からなかったこと、大事だと思う事を大まかにノートに書きました。あとはさらりーまん麻酔科医先生の対策本を用いてよく聞かれる事をパターン化して答えを覚えました。
医局の勉強会や同僚にお願いをして喋る練習を何度も行いました。
最終的に5年分を実際に口頭試問の形式で練習しました。
本番の問題はLVADが入っている脳出血患者とS状結腸穿孔の腹膜炎でした。
LVADの問題はVADについて知識が浅くかなり焦ってしまいました。
あまりに焦ってしまい最初にJCSとGCSを聞かれるのですが、JCSを間違った答えてしまい試験官が固まってたので言い直して難を逃れました。
その次の問題は麻酔準備で誤ってるものを聞かれたのですが、答えがわからず(ボルベンが脳出血禁忌)試験官に誤っているものですか…?と聞き返してしまいました。ボルベンしかないなと思ってボルベンと言っておきましたが理由が答えられず、腎機能が悪いかも…と訳のわからん事を言ってしまいました。
また、伏臥位で特にこの患者で気をつける事という問題に関しては低心機能・前負荷減少について答えましたが、VADについて答えることができませんでした(コントローラーについてや問題なく機能するかなど)。
その後もとりあえず絞り出しながら答えるのですが、試験官の反応がイマイチで非常に手応えの無い印象でした。
2問目のS状結腸穿孔の敗血症に関してはオーソドックスな問題で緊張が和らぎ自信を持って答えることができました。
コロナ対策や準備、一般的な敗血症の診断や重症度評価、血行動態の管理等、よく聞かれるような内容で普段自分の診療で行っている内容だったのでハキハキ答えることが出来ました。
試験官も頷きながら反応してくれたので非常にやりやすかったです。
その他試験の感想としては時間配分に気を使った方が良いと思いました。問題数が10問以上あるので一問一分も使えないはず?なので悩んでる暇は無いと思い絞り出しながらテキパキ答えました。実際残り時間は一分もありませんでした。
以上です。
来年受験の先生方、頑張ってください。応援しております。

体験談

神戸のポートピアホテルの会議室のようなところに集合し試験が始まりました。
同じ部屋には8人x6の受験者がおり、2つに分かれて最初の24人がエレベーターで口頭試問の試験会場に向かい、残りの24人が40分ほど待機したのちに追いかける形でエレベーターで試験会場に向かう流れでした。
試験会場は8階と9階のホテルの客室を用いており、受験者は部屋の前で5分間症例を見てその間メモが可能で、その紙を持って部屋に向かうという流れでした。15分x2というタイムスケジュールでした。
一例目は70歳くらいの男性の消化管穿孔のオペの麻酔症例で、既往に心筋梗塞、高血圧、糖尿病、CKDがあり、一日前ほどから腹痛を訴えて来院時にショックバイタルで意識レベルの低下を認めるというものでした。
一問目は質問の意味が自分には理解不能で3回ほど質問を聞き直しました上が、非心臓手術における合併心疾患の評価と管理に関するガイドライン?より手術適応に関して必要な追加質問を5つ回答するという趣旨の問題でした。適当に回答したところおそらく質問の趣旨に合っていない回答だったようで数回の会話のやりとりをした上でパスする形になりました。続いて、ラボデータが部屋備え付けのテレビで表示されて、(Creがベースラインよりかなり高値、血糖値が300、アシドーシスなどの以上データあり)、手術を行うことになり、どのような麻酔を選択し、どのようなモニターを選択するかという問題でした。また、ラボの異常からどのような対応をするか5つ答えるという問題がありました。どのように回答したかの詳細は記憶にありませんが、1つ1つのラボ異常に対して対応を述べていってRSIで導入する旨を回答しました。
次に後期研修医がミダゾラム、ロクロニウム、フェンタニルで迅速導入をし、その後血圧が下がったというシナリオで呼ばれ、どのように対応するかを5つ答えよという問題がありました。
敗血症として30ml/kgの輸液、ノルアドレナリンでの昇圧、バソプレシンでの昇圧、鎮痛鎮静の深度の評価、ステロイドの投与の検討、換気条件の適正化などを回答しました。バソプレシンとステロイドの投与量を聞き返されたので0.03U/kg/hと回答し、ハイドロコルチゾンを50mgの投与すると回答しました。
続いて術中無尿で手術室で高カリウム血症で6台まで上昇し、不整脈が出たという設定で、どのような薬剤を投与するかを回答する問題でした。投与量、投与ルートも質問されました。私は、正解だったかわかりませんが、カルチコールを1-2g iv、インスリン5U、グルコース25g ivのGI療法、ベータ刺激の吸入、カリウム吸着剤のNG投与、バイカーブを25-50meq IV投与と回答したら先に進みました。引き続き血糖値が300を超えているのでどう対応するか聞かれ、インスリンをivで0.05U/kgで投与すると回答しました。その後に確かICUに移動する際に気をつける点?を質問され、続いてICUでCPAになった時の対応をコマンダーになった体裁で指示を出すような質問があり、最後に患者家族にICするという質問がありました。それで質問は全て終了し、時間は余って、試験監督の先生方と数分雑談した記憶があります。
二例目は?60-70歳くらいの男性で特に高血圧以外の既往のない人で頭痛を訴えた後に意識レベルが低下し(E1-2V1M5程度)、その麻酔の問題でした。モニターに肺水腫のX線とペンタゴンサインのある頭部CTが表示され、画像に関してそれぞれ初見を5つ述べるという問題でした。次にバイタル(血圧が異常高値)が表示され、麻酔前評価の追加質問と検査に関して5つ、麻酔方法とモニターに関しての質問がありました。続いて、手術が開始されて硬膜を切開するという場面になり、その時までに行うべき処置に関して5つ回答するという問題がありました。降圧をして換気を適切にして疼痛コントロールを適切にしてなど当たり障りのない回答をした記憶があります。その後、酸素化が悪くなりPaO2が60mmHgほどまで低下した際の対応を聞かれ、麻酔器、チューブの確認、加圧吸痰、聴診、ファイバーでのチューブの先端の確認などを回答しました。
次にさらに酸素化が悪くなり、モニターにピンク状の泡沫痰がLコネ、人工鼻で満たされるというスライドが表示され、その対応に関してと、疑われる疾患と病態の機序に関して2つ回答するという質問がありました。麻酔回路を交換し、吸痰すると回答し、疾患は神経原性肺水腫、病態生理はカテコラミンサージによる肺水腫と、過大侵襲による血管透過性亢進と回答しました。次に血圧が50/30ほどに低下した際の対応に関して5つ答える質問があり、続いて左側臥位でCPAになりその際のCPRに関してどうするか注意点を5つほど回答する問題がありました。手術を中断、開頭された頭部の保護、横向きの胸骨圧迫などを回答したら次に進みました。最後に外科から麻酔科に家族にICする依頼を受けてその家族対応に関する接遇の問題があり試験終了となりました。時間はそれなりに余り、試験監督の先生方と数分雑談しました。

体験談

半年前から過去問を始めました、本格的に試験勉強を開始したのは3ヶ月前です。過去問5年+A問題のみ7年やりました。
<筆記試験>
問題数が少なくなったためか肉体的には楽でした。
ほぼ全員私服でした。会場が寒かったので防寒具を持って行けば良かったと思います。休憩時間に昼食をとれますが歯磨きする場所がありません汗。
トイレは激混みです。受験人数と休憩時間とトイレ数を計算すると予測できたはずですが。時間は余りました。
<口頭試験>
待合室が劇寒でした、防寒具を持って行けば良かったと思います。
なぜかスピーカーが外人で試験案内が片言の日本語でした。(お金ないのか、人が集まらなかったのか)
宿泊はポートピアホテルをお勧めします(荷物を部屋に置いたまま受験できるのでむしろ安いです)
1問目 肥満の麻酔 SAHの頭部CT 麻酔計画と術中術後管理について、一般的な内容でした。
2問目 非心臓手術の術前循環器評価をガイドラインに沿って説明してください。 →まったく知らない内容だったので適当に答えましたが、ここはゼロ点に近いと思います。
筆記試験は過去問とほぼ同じ問題は9割解けましたが、新作問題はおそらく3割くらいの正答率と思います。
口頭試験は全く知らないことを聞かれるとかなり焦りましたが、なんとなくそれに近いようなことを答えました。私が見当違いの答えをしたためか誘導してくれました。心停止でCPRを開始しないと次の問題に行けなかったようです。
無事に合格できましたありがとうございました。

体験談

<筆記試験>

1月からパラパラ過去問に取り掛かり、最終的には追い込んで7年分8周しました。当日は想像していたより過去問が沢山でてびっくり!みんな解けているだろうな~と思いました。

<口頭試問>

7月から青本をちょこちょこ見ていました。たまにzoomで受験生で問題を出し合うこともありました。筆記が終わってからは、青本の解答例を頭に叩き込み声にだす練習をしました。
当日は緊張しましたが、部屋に入ったら問題と時間に追われあっという間に終わってしまいました。以下詳細です。

症例1:PPMあり他咽頭がんope後など合併症多数の高齢者の人工骨頭置換→入室するや否や席について下さいと言われ、え、名前言ってないんだけどと思いながら試験スタート。最初に渡された紙に5分間の間に考えられること書きまくったのに、その後部屋に入ってすぐ呈示されたスライドの所見が多すぎて引く。

①「麻酔管理の問題点」言いまくっていると途中で止められてしまいました②「整形外科医に術前にお願いしたいこと」DVTあるのでフットポンプつけないでとか、PPMあるので設定変更必要、循内やMEさんと協議させてとか言ったはずです③「麻酔方法、メリットデメリット」挿管困難が予想されるので可能であればspiで④「術中にHRは70だが脈触れず、何しますか」PPM入ってる人って電源切ったらいいのか?とか意味わからないことを考えましたが、胸骨圧迫+アドレナリン…1mgと苦し紛れに回答⑤「考えられる原因」出血、high
spinalになった⑥「家族に説明」説明してる途中ではいもういいです、と⑦「ICUの管理をスライドを見て答えて」またまたスライドのボリューム多く、読むのに時間がかかる、答えている頃にアラームが鳴り終了。訳の分からないまま退出。

症例2:2wm前にコロナ感染obesitiy緑内障のRALP→①「opeは延期しますか?」コロナ感染しているので…隔離解除されてから2wくらいですかねえとあやしい回答②「術前に確認すること」緑内障が開放か閉塞か、CTなど③「CHADS2スコア」脳卒中が2点だと知らず4点と答える④「アピキサバンの休薬期間、メリットデメリット」3日(たぶん違う)、出血へらせる、脳梗塞のリスク上がる⑤「頭低位で気を付けること」片肺になってないか、無気肺できやすいなど⑥「CO2上昇、換気量は変わらない、鑑別3つ」悪性高熱と言った後沈黙が流れる。皮下気腫が出てこず苦し紛れに換気設定がダメ、痰貯留など言うしかありませんでした⑦「皮下気腫の対応」これもイマイチ分からず気腹の中止、開腹への移行と回答⑧「(モニタで頻脈)考えられること3つ」浅麻酔、痛み、…??3つでてこず⑨「βブロッカーの使用量」添付文書の数字は覚えていたのですが単位が自信なかったので、50mg3Vを生食に溶かして~といつもの使い方を言いました⑩「抜管で気を付けること」頭低位なので念のためカフリークテストする、太っているので低酸素注意⑫「術後に下腿が腫脹してきた、鑑別2つ」コンパートメント症候群、DVT?⑬「コンパートメント症候群の診断」5Pのうち4Pしかでてこず+筋内の圧測定で30-40mmHg以上?。2分ほど時間余りましたが雑談はなくあー落ちたなーと凹みました。
特に二問目は手応えを全く感じられず、後で振り返るとあーこの回答もあったなあと反省点ばかりで落ちたと思っていましたが何とか合格できました。
口頭試問対策では青本の過去問シリーズが大変重宝しました。ありがとうございました。

体験談

事前の情報通り、1問15分を2問行いました。
(時間帯などは関係ないかもですが、私は2日目の午前中に面接を行い、以下の2問でした。)

1問目は、
若い女性(年齢覚えてません、30くらい?高齢出産ではないお年でした)、153センチ、60キロ程度(妊娠前55キロ程度)。既往帝王切開後妊娠で、37週に帝王切開予定。子宮筋腫核出術の既往あり。35週で陣発きて緊急でカイザーをすることに。
術前採血は、ややHELLPっぽい検査値。肝機能軽度上昇、Plt11万、そのほかは正常範囲内。B型Rh(+)

・術前の注意点の4つは?
→HELLP症候群、腹部手術歴あり出血の可能性、他2つは答えられず…
・この人に硬膜外麻酔麻酔するとしたらデメリットは?(メリットは聞かれませんでした)
→正直わかりませんでした。今思うと分娩第1期が延長するとか、硬膜穿刺後頭痛、分娩の進行によっては鎮痛範囲が足りなくなる可能性とかでしょうか。
・脊麻・神経ブロックでやることになったけどそれぞれ投与する薬は?
→0.5%ブピバカイン2mL+フェンタニル10μg、0.375%ロピバカイン左右に10mLずつ

・脊麻後にHR↑、BP↓となりました。考えられる病態2つと対処2つは?
→高位脊麻であれば昇圧薬・輸液投与、仰臥位低血圧症候群であれば用手子宮左方移動

・胎児娩出したけど出血止まらない。バイタルを口頭で言われました。HR120、BP75程度でした。対処5つくらい
→子宮収縮役投与、晶質液や膠質液の輸液負荷、輸血準備、トランサミン投与、パニクって全身麻酔へ切り替え準備とか言いました

・子宮収縮薬を2種類、用量も言ってください
→オキシトシン 5〜10単位(産婦人科と相談しながら決めていますと言いました)、点内注(恥ずかしながら500mLに入れてダーッと入れてるので具体的な数字は言えず…)と、エチルゴメトリン(こちらは使ったこともなく、用量は言えませんでした)

・子宮全摘になりましたがまだ取れそうにない。現在の出血は3000mL、輸血もしているけど、院内の輸血の在庫(RBCはB型なし、O型あり。FFPはA、B、AB型あり)と現在の凝固系の採血はスライドに(凝固系伸びていてFib80)、やること5つ
→輸血の継続(RBCはO型を、FFPはB>AB>Aで投与)、放射線科にIVR依頼、フィブリノゲン製剤の投与、全身麻酔へ切り替える、応援を呼ぶ、産科危機的出血の宣言など。(口頭でバイタル言われ、テンパってるのもありショックインデックスが計算できずとりあえずSI=1.5以上であれば〜と言う感じで話しました)

・全身麻酔に切り替えて、子宮取って手術終了しました。終了時の採血と血ガスの結果がスライドに。低酸素血症や凝固系の破綻あり。バイタルは覚えてません。病棟帰り予定だけどどうする?理由も。
→産科DICになる(もうなってる?)可能性、低酸素血症の原因検索(輸血関連か出血の影響?、ARDSは違うでしょうか?)などありますので、ICUで経過観察を行います。

2問目は、
高齢者85歳くらいの亜イレウスで準緊急のラパロ右半切除、既往はAS、HT、DM、膀胱癌でTUR-Btのオペ後にせん妄を起こしたことがある。

・ASのエコー画面(流出速度と弁口面積が書かれていました)出てきて、重症度を言えと。
最大速度4cm/s、弁口面積0.4cm2くらい
→重症です

・心臓と消化器の手術どっちを優先するか?理由も。
→サブイレウスなので、ASに注意しつつ消化器の手術を優先(サブイレウスなのでって理由になってないなと自分で思いながら喋りました)

・標準モニター以外で術中使用するモニター4つ、理由も
→経食道エコー(術中の心臓の動きを見るため)、BIS(高齢で麻酔浅くしないと血圧維持できないかも)、Aライン(血圧を持続的に把握したい)、CV(CVPや前負荷みたいから?)。BISは理由も含めて答えると、ほぉ〜なるほどね!と言われたので、模範解答ではなさそう

・退室時のバイタルや、四肢の運動具合がスライドで出てきて、退室基準のアルドレートスコアは何点でしょう?
→スコアを覚えてないからわかりませんでした。適当に5点とか言いました。

・せん妄予防に病棟でやるべきこと4つ
→日中はカーテン開けたり、夜は部屋を暗くする。家族と面会。尿道バルーンなどは必要でなければ抜く。あと1つはわかりませんでしたが、適宜せん妄の評価をするとかでしょうか。

・手術終了してIV-PCAフェンタニル繋げて帰りました。病棟から低酸素血症の連絡きました。原因と考えられるものや患者さん、看護師に確認すること4つ
→IVPCAのフェンタニル投与量やボーラスの時間、患者さんのバイタルや瞳孔、せん妄で暴れてないか観察、シバリング?、酸素マスク取れてないか?

・麻酔科専攻医が1人でIV-PCAのフェンタを調剤していて、間違えて3倍の量が入っていました。挿管してナロキソン入れたらSpO2は戻りました。後遺症なく退院。これを起こさないようにするにはどうすればよかったか4つ、インシデントエラーはいくつでしょう
→インシデントエラーは3b(3aですかね…と言ったらおしい!とヒントくれました)、起こさないようにするには他の人とダブルチェック、病棟への引き継ぎ時にフェンタニルの調合や投与量も含めて確認して申し送り。他2つは思い浮かびませんでした。

思い出せるのは以上です。
おそらくもう少し質問されたような気がします。
1問15分ですが、質問の量も多く、割とパッパと進んでしまいます。えっと…と考えていると、ヒントをくれたりしますが、おそらく試験監督の先生の中でこの問題は何秒経ったら次に行く、みたいなのがあるんだと思います。考える時間が少なく、手応え的には全然答えられませんでした。パッとスライドでバイタルを出されたり、口頭でバイタルを言われてもそれを瞬時に理解するのは難しかったです。
1問目は初めてだったこともあり、本当にパニックのようになってしまい、出血したら全身麻酔だ…という思い込み?が働いてしまったためうまく答えられなかったです。試験官の先生お2人も真面目そうな方で、余計に緊張してしまいました。
2問目は試験官の女性の先生が雰囲気を和やかにしてくれて、1問目同様、あまり模範解答となる答えは出せなかった気がしますが、少し落ち着いて答えられました。最後は50秒ほど時間が余り、1問目はどうでしたか?と聞かれたのでパニックになってしまい全然答えられませんでした等の会話ができました。こっちはちゃんと答えられてるけどねぇと言ってくださいました。

体験談としては以上になります。本当に15分はあっという間ですし、質問量が多くて時間がありませんでした。私が受けた2問は振り返るとそんなに難しい問題ではなかったですが、当日の緊張は想像以上で、自分の実力が全然発揮できなかったなと悔しく思いました。これは落ちたなと思っていたらまさか受かっていたので、何を評価されたのか自分でもわかっていません…

個人的な話になりますが、私はテレビゲームが大好きで、試験勉強があるからと言ってゲームをやめるのはすごく嫌だったので1年前から勉強を始めました。試験直前には過去問7年分を5周、さらりーまん先生の対策本2周(うち1周は同じく医師の旦那に対策本を渡して15分測りながら実際の口頭試験っぽく行いました)が終わった状態で臨みました。もしも今後、私のようにゲームを愛してやまない専攻医の先生がいらっしゃれば、1年前から頑張れば受かるかもよ!というメッセージを届けたく、余談となりましたが記載させていただきました。

長くなりましたが、無事に試験に合格できたのは先生のおかげです。本当にありがとうございました。
なぜ自分が受かったのかわからずじまいですが、これからも日々勉強して試験監督の先生方の評価に見合う麻酔科医を目指して頑張ります。

体験談

自分の問題は
・脳腫瘍患者でマランパチーⅣ、半座位でのMEP使用しての手術というもので症例提示された時は例年通り挿管、空気塞栓を聞きたそうな雰囲気があったので、それをメモして臨みました。
実際にはまず症例の問題点と対策、導入術中に起こりうることに関して麻酔管理上意識することについて質問がありました。しかし、問題では普通に急速挿管するという形で進み、手術が始まりました。次にベローズの吸気呼気時の写真が出ました。写真では呼気でのベローズが最後まで戻っていない画像でした。そこから考えられる点について述べてくださいと問われました。次に血ガスとEtCO2所見が提示され、問題とその対応について聞かれました。明らかな空気塞栓を疑う所見だったので術野をガーゼで覆うなど一般的なことを述べました。次に聞かれたのが
・MEPの刺激は陽極か陰極か
・MEPの刺激の閾値について
・MEPのベースラインについて
それぞれ述べなさいと書かれたスライドを読んで答えるものでした。ここまでの対策はしてなかったので慌ててしました。
その後、MEPが下がってきたのでその対応は?という問いがあり、結局はベースラインがおかしかったという設定でした。最後に挿管管理されていたが肺炎を起こしてしまいました。人工呼吸性肺炎の機序とその対応について4つ述べなさい。で終わりました。

2問目は
当番医の設定で19時に症例が終わりました。
とだけ書かれた紙を渡され、何もメモすることができない5分間でした。
部屋に入ってから改めて症例が提示され、37週?の妊婦で緊急での帝王切開となりました。胎児心拍の低下はなく、胎児エコーでダブルバブルサインがありました。
初めに主治医に確認すべきこと5つ聞かれました。
腰硬麻で行うことになり、手術が開始され、子宮収縮が悪かったため、アトニン以外で投与するものを投与量含めて聞かれました。カイザーは無事に終わりましたが、生まれた乳児が十二指腸閉塞とわかり、緊急オペとなりました。挿管はされておらず、導入方法を道具や薬剤投与量も含めて詳しく述べなさい。
という問題で終わりました。

全体を通して、知識を問われる問題が多く、戸惑ってしまうことが多い印象でした。
ガイドラインをしっかりと読んでおかないと解けない感じだったので、今後は接遇とかコミュニケーションとが求められる傾向はなくなってしまったんですかね?
教授に聞いたところ合格率も7割程度しかいないみたいなので、無事受かってよかったと安堵しております。
けど、いただいた教材を全体を通して勉強できたから拾える問題があって合格できたと思います。
ありがとうございました。

体験談

口頭試問、ほとんど先生の本で乗り切らせていただきました、ありがとうございます。
お陰様で無事、1回で合格することができました。
<筆記試験>
子育てしながらでした。勉強時間確保に難渋することが容易に予想できたのでかなり早かったですが2年前から少しずつ(1日数問程度)ですが、勉強開始しました。第二子の出産が試験の1年前だったので、それまでに4年分程度は1周して、じっくり調べるようなことはだいたい済ませておきました。(産んだらじっくり机に座って勉強するのも難しく)出産後は抱っこしながら、子供が寝た後など隙間時間に過去問を見直し、最終的には5年分5周、さらに3年分を夏ごろから追加して2周、直前は間違えた問題を中心に見直しました。例年の傾向からAB中心に最後は見直していましたが、今年はC問題が被ってたので、過去問は隅々まで見ておいた方が良かったなと思いました。(ちなみに復帰は口頭試問のことも考え、試験を受ける年の夏ごろにしました。試験受けるころには大分麻酔の感覚も取り戻せてきたように思います。)
<口頭試験>
6月ごろまでにさらりーまん先生の対策本ベースに過去問5年分、麻酔科専門医試験合格トレーニング、稲田先生の新しく出た口頭試問の対策本を一通り読んで、10月ごろから過去問2週目+さらに3年分さかのぼって不足した知識を補いました。筆記が終わってから対策本2冊の苦手な分野を中心に復習しました。夫に問題読んでもらったりして実際に声に出したり、実習の学生に世間話も一切せず勉強したことを説明しまくって練習しました。筆記が終わってから2週間弱で結構詰めこめました!
①AS、AVR予定
高血圧、糖尿病あり、内服薬でコントロールされている、A型+
・重症度評価をしてください
スライド→エコー所見(peak velocityなど)は中等症、心拍出量41%
→私は中等症と答えましたが、低流量低圧格差重症ASが頭によぎり、最初から間違えてるかもとパニックになりました…(弁口面積も中等症の数値であったと思うので結果的には中等症で良かったと思いますが、とにかくパニック、もはや記憶にありません…)
・麻酔導入方法とその際に気を付けることを病態の機序とともに答えて下さい
→覚醒下にAラインをとって、ミダゾラム、フェンタニル、ロクロニウムで過度な交感神経刺激を抑えながら、後負荷の減少しすぎないように挿管します(薬の具体的な量まで聞かれました)
・使用モニタリングを安全な麻酔のためのモニタリング指針にないもの意外でモニタリングの指標と共に答えて下さい
→Aラインで収縮期、拡張期、平均血圧、CVラインでCVP、SGカテで肺動脈圧、TEEで心臓の形態学的評価、rSO2で脳組織酸素飽和度
・胸骨正中切開時に気をつけること
→呼吸をとめる、鎮痛をしっかり、筋弛緩で動かないように
・人工心肺離脱時のエコー所見(心囊液と解離腔のある画像)とモニター(具体的な数値は忘れましたが、CVP↑、PA圧↓みたいな感じ)を示します。何が起きてるか鑑別を2つ
→テンパり気味でエコー所見が頭に入らず右心不全と右冠動脈への空気塞栓とか答えてました。心タンポとか解離か模範解答なんだと思います。
・解離が起きていました、出血が持続しています。リポンプするまで時間があります。あなたは何をしますか?
→危機的出血の宣言、コマンダーの設定、輸血部との連絡、さらなるルート確保、外科医と手術方針などのコミュニケーション
・A型RBC血液製剤がありません、何を投与しますか?2つ
→O型RBC(ここで、??2つ??となりまたパニックになりました。苦し紛れに)A型-、ある訳ないけどそう答えました。落ち着いてみれば回収血とか自己血という解答もあったのだと思います。あとはRBCというのは聞き間違いでFFPやPltのことも含めた質問だったかも?
・術後しばらくして患者さんが、開胸部にピリピリした痛みを訴えてきました。アセトアミノフェンとNSAISは効いていません。診断名と投与薬剤2つ
→神経障害性疼痛による遷延性術後疼痛、プレガバリン、アミトリプチリンなど
誘導等はありませんでしたが、間違ってそうだったらほんとにそれでいい?もう一回診断名言って
みたいなこと聞いてくれました。でもパニックになっていたので訂正も何も出来ませんでした苦笑
○○を機序とともにとか、質問が二重にある問題もいうことがごちゃごちゃしてしまいしどろもどろ解答でしたが、これも何回か試験管の先生が聞き返してくれました。最後は時間余って沈黙タイムが数分でした。2人とも割と無表情でしたが途中微妙な顔をされたりしたので、色々違ったこと言っていたかもと不安になり、もうダメかもと心折れそうな時間でした。
②BMI39のロボット前立腺手術
高血圧でβブロッカー内服中
OSASでCPAP治療中
肥満の身体所見が色々書かれている
この患者さんの気道確保困難ガイドラインにおける挿管困難マスク換気困難の11因子のうち当てはまるものを5つ挙げて下さい
→肥満、OSASなど(ひげがないとか、首は太くないとかたくさん書かれていて間違え探しみたいな問題文でした笑、例によりパニックに陥り間違え探しに難渋しました。1例目の精神状態を引きずりメモ書きの時間に所見に印をつけるという基本的なことができなくなっていた自分を悔やみました。)
因子は7つ当てはまっていました。クラス4
気道確保困難となる確率とオッズ比を示します。この表をもとに患者さんに麻酔導入方法を説明して下さい
→自己紹介と患者さん確認、苦しいと思いますが自発呼吸を残した意識下挿管が安全と考えます
→どれくらい危ないんですか?4%って低いんですか?
オッズ比を元に18倍ってことまで言ったら納得してくれました。これ、言わせようと試験官の先生頑張って下さいました。
麻酔導入の方法を以下の点に関して述べて下さい
①体位
②脱窒素
③換気が有効であるかの評価方法
→ランプポジション、頭高位、EtO2を90%以上まで酸素化、EtCO2の波形、胸郭の上がり
綿密な麻酔計画の結果安全に気道確保できました。
導入後の心電図所見を示します
所見は?血圧が収縮期50程度
→洞性徐脈
何でこうなったでしょう。鑑別を2つ
→麻酔薬による循環抑制、βブロッカー内服による影響
どうしますか?
→アトロピン投与
アトロピン投与後も心電図も血圧も変わりません。どうしますか?3つ方法を挙げて下さい。
→経皮ペーシング、イソプロテレノール、ドパミン(量まで聞かれました)
ペーシングを持ってきました。
写真を見せられて、
使い方を説明して下さい
→ペーシングと除細動が一緒になった機械でした。最初引っかかってパッドも貼らずに除細動しそうになりましたが、これも先生が「まだもってきたばかりよ~」と何度も誘導して下さり無事ペーシングできました。ペーシングのセンス(mA)まで聞かれました。
ドパミン投与も行い循環動態は安定しました。
この手術における神経損傷しやすい神経は?3つ述べて下さい
→脛骨神経、総腓骨神経、腕神経叢
術後患者さんがつま先立ちができないと言っています。(他にも所見いわれた気がしますが、例のごとく頭に入ってきませんでした・・・)
どの神経が損傷してますか?2つ
→脛骨神経、総腓骨神経(脛骨神経と最初は言えなかったのですが、試験管の先生の専門分野だったようで解説付きでかなり誘導して下さいました。)
二例目の先生は2人ともかなり優しかったです。誘導もして下さいましたし、2人ともうんうん、と頷きながら話して下さいました。
これも時間余って最後は一例目はどうでしたか?とかどこから来たの?とかお話してくれました。1例目がいまいちと答えたら、「最後までいったならまあ大丈夫ですよ~」と慰めて下さいました笑 試験管の先生に助けられた1例でした。
【感想】こんなにも頭の中が真っ白になるとは思いませんでした。普段なら考えればわかることもこの場になると、わからなくなります。自分の納得のいく回答を出せなかったのが悔やまれました。あとは試験管の先生の雰囲気とか当たった問題で答えやすさも変わってきますし、本当に運の要素も強いと思いました。(2日目でしたが、1日目に受けた人の問題(LVADの問題とか・・・)を聞いて驚愕しました。)結果的には合格していましたが、普段からしっかりと考えて術前から術後まで丁寧に症例を積み重ねることの大切さが身に染みてわかりました。正直落ちたと思っていたので発表まで心臓に悪い日々を過ごしました。もう2度と受けたくありません。。。
後輩達がどんどん専門医になっていく中、一緒に受験する後輩もバリバリの急患や重症を担当しているのを片目に、子育てもあって、中々、最近の急患や超重症例の麻酔の経験も少なく本当に大丈夫かと不安な中での勉強でしたが、隙間時間の確保と家族の協力、子供を産む前の麻酔経験で何とか乗り切れました。試験前に同じような境遇の先生がどんな感じだったか気になっていたのもあったので、この体験談が少しでも今後受験される先生方の参考になれば幸いです。
さらりーまん先生の本は抱っこしながら、麻酔の落ち着いてる時間などの空いた時間にさっと読めたので大変助かりました。ありがとうございました。

体験談

<筆記試験>
問題形式が変更になり一般問題(例年のA+B問題)+症例問題(C問題)になりました。一般問題は、過去問からが50問+新問題30問ぐらいの比率だったと思います。どちらも、今までと比較して過去問からの出題が多かったなという印象です。特に症例問題は、過去問と全く同じ問題も多かったので、過去問しっかりやっておいて損はないと思います。私は7年分(5年分ぐらいで十分?)×3周しました。
<口頭試験>
今年から2問に戻りました。私は最終日の3日目でした。
①SAH緊急手術
意識障害の男性が救急搬送されてきた
・術前に確認しておきたいこと
・胸部X線写真+頭部CT それぞれ所見は?
・術中酸素化低下、鑑別は?
・実際どうやって鑑別するか
・ピンク色泡沫痰で人工鼻までびしゃびしゃな写真→こんな状況でした、どうしますか
・(神経原性肺水腫なんだと思いますが)その機序は?
・術中心停止、側臥位での心臓マッサージの注意点は?
低酸素での心停止だったようです。仰臥位にする、頭を下げる?ぐらいのことしか思いつきませんでしたが、最後に聞いてみたら側臥位のままでの胸骨圧迫を求められていたみたいで「頚椎保護」「胸だけじゃなく背中も押さえる」が正解だったようです。
・ICU入室後の家族への説明
②下部消化管穿孔緊急手術
腹痛訴え搬送されてきた、既往歴PCI後など複数
・心疾患合併の人の非心臓手術術前評価のアルゴリズム項目
バイタル、採血結果などスライドにびっしり
・術中低血圧への対応
・術中高K血症への対応
この辺り、例えば使用する薬剤の名前を答えたときに、実際に使用する量も合わせて問われました。
・ICU搬送後にPEA、対応は?
・家族に説明
他にも質問あったと思うのですがあまり印象に残っていません。

体験談

60回を受験し、筆記は合格しましたが口頭試験で落ちてしまいました。
61回の口頭試験までの1年間は、ずっと辛かったです。常に口頭試験のことが頭の片隅にちらついて、プレッシャーがかかっていました。
口頭試験の試験対策として、不合格だった際は筆記試験からの1週間程度しか勉強していなかったので、今回は3か月前から本格的に勉強始めました。
青本を参考にしながら、過去問を学会のHPに上がっている分は全てやり、青本で答え合わせをしました。また、青本の一問一答や予想問題もやりこみました。それに加えて、山陰先生の「麻酔科専門医合格トレーニング」と、稲田先生の「知的アプローチ 口頭試問問題集」を参照しました。また、学会が出しているガイドラインは全て目を通し、加えてCOVID関係のガイドラインも読みました。
一緒に受験する人が私の施設にはいませんでしたので、問題を出し合ったりの練習はできませんでした。かなり勉強していましたが、不安は常に拭えませんでした。
去年は三ノ宮のホテルに泊まって落ちたので、今回はポートピアの近くのホテルに泊まりました。綺麗は綺麗ですが古くてお化けが出そうな感じでした。やっぱりポートピアに泊まるのがオススメです。朝早い場合もあるし。それから、移動手段は去年は新幹線で落ちたので、今回は飛行機で行ってみました。
<口頭試験>
口頭試験会場での待ち時間がかなり地獄です。勉強もあまり手につかないし、スマホもいじれないので…。
いよいよ順番が回ってきて、ドナドナエレベーターで上の階に向かいます。緊張感がさらに高まります。ホテルの部屋の前で問題が渡され、メモする時間が与えられます。
ここからは聞かれた内容になりますが、かなりぼんやりした記憶しかないのですみません。
1問目はBMI35の50代女性、朝鎖骨あたりの痛みがあり受診。合併症DM。
内頸動脈狭窄、心尖部が動いてない情報などが出され、何が考えられますか?(歯がセラミックで患者曰く丈夫との情報もあり)
OPCABが予定されました。導入で起こる問題は?(他にありますか?と聞かれ低血圧!と言ったらうなずいていました)
導入実際どうしますか?(ミダゾラムどうやって使いますか?と聞かれました)
モニタリングはどうしますか?(インボスで何を見ますか?と聞かれました)
脱転低血圧の対応は?
脱転解除後も低血圧持続、バイタルサインが出され、HR、CVPやPAP上昇はなし。左胸腔にたまり?がある 対応は?→これは何だったんでしょう?内胸動脈からの出血?
手術は無事に終わりました。セラミックの歯が欠けました 接遇問題→ごめんなさい。難しかったので…気をつけてはいましたが。歯医者に見てもらえます。と答えたら、それは病院がお金負担してくれますか?と聞かれパニックに…下手に断定すると良くないかと思い、分からないので確認してお伝えしますと言いました。
1問目は試験管の方が優しい感じで、かなりリラックスして受けられました。問題自体もまあまあ普通だったんですかね。
2問目、BMI40(また…)のγネイル 合併症OSAS
全麻+大腿神経ブロック、外側大腿皮神経ブロックで行う
全酸素化を効率よく行う方法と、モニタリングを3つ→3つも?!?とパニック。EtO2しかわかりませんでした…
マスクを密着してEtCO2が40となったとき、理想肺としてPaO2はいくらか、その理由も→意味不明でパニック。90ぐらいですか…?と探りましたが試験官の方は無反応 理由は?と言われ分かりません…
導入の注意点?(パニックでよく覚えてません)
緩徐導入します(好きだね)、換気がV3です。胸が上がってない映像?が出され、何が起こったか?
喉頭痙攣の対応は?
声帯の断面図を示します(は??!?)喉頭室という構造があります。喉頭展開した画像が出され、喉頭室はどこですか?→全くわからず、この辺ですか…?と適当に示しました
大腿神経ブロックをします。
大腿神経のエコー画像が出され、大腿神経はどこですか 丸で囲んでください
次に腸骨筋膜を示してください(分かりにくかった)
最後、喉頭室にチューブを深く入れて1ヶ月後に声帯麻痺になりました。接遇問題→ごめんなさい。耳鼻科受診して様子を見ていきましょう。など言ったら、他にはいいですか?と言われパニック…うーんと、えーっと…はい、大丈夫です。
以上で終了です。時間が3分あるので待っててください。
2問目の先生はかなり無反応で、問題も意味不明だったのでかなりパニックになりました。ピロートークもなかったので、これはまずいんじゃないか…と思い悲しい気持ちで部屋を出ました。
その後知り合いと慰め合い、同じような出来だったので少し安心しました。
<感想など>
受験した次の週の木曜に合格発表があり、無事に合格していました…全く手応えはなかったです。他の人の話を聞くともっとえげつない問題もたくさんあったようで、CABGの問題は基本的だったので助かったなぁと。
何年も前から言われているかもしれませんが、日常の臨床を大事にすることが本当に重要だなと、改めて思いました。何となくで済ませても何となくできてしまうこともありますが、そういう時にちゃんと勉強していればな…と思う自分でした。
問題の傾向が急に変わってきている(難しくなっている)印象で、普通に対策できないような部分もあると思われますが、やはり青本をベースにして基本的な質問には必ず答えられるようにすることで、自分は合格出来たと思いました。
特に自分の施設は心外や呼吸器、特殊な小児がないので、さらりーまん先生の本がかなり頼りになりました。読み込みすぎて、さらりーまん先生の心の声が自分も時々出るようになっていました笑
来年以降受験される方は、本当に大変だと思いますが、青本は頼りになる本で心の支えでした。皆さん頑張ってください。さらりーまん先生、本当にありがとうごさいました。

体験談

<筆記試験>
筆記試験は形式がやや変わりましたが、ぴったり6割くらいは過去問からの出題だったので、まず落ちていることはないだろうという気持ちでした。
過去問は6-7年前は1週のみ、1-5年前を4-5週くらいやりました。過去問からの出題はほぼ3年前までのものにおさまっていたと思います。
適応が広がったオンダンセトロンの問題が2-3問くらいあったので、やっぱり流行りの薬は出るんだなと思いました。
<口頭試験>
口頭試問の勉強は、筆記試験が終わってからの2週間だけしかやっていません。
とりあえず黙り込まないように、たくさんしゃべるようにと練習していたら、本番で2セクションのうち前半で時間切れになってしまい、終了したあとは気が気じゃなかったです。
以下、口頭試問の記載です。
どちらも気をてらったような問題ではなかったのと、何を答えたのかあやふやなので、何を答えたかは割愛させてください、すみません。
印象としては1つめは聞かれたことの7割くらいはちゃんと話せて、2つ目は皮下気腫の予防が1つしか答えられなかったこと以外はほぼ答えられました(かなり巻きで話しました)
「1つめ」
92歳女性145cm 39kgくらい
右大腿骨頸部内側骨折で人工骨頭挿入、1時間15分、出血100mL予定
60歳くらいで中咽頭癌手術、放射線治療
70歳くらいで左上葉切除
200mくらいのところにあるスーパーまではヘルパーと一緒に買い物できる
洞不全症候群に対してペースメーカー植え込み後
開口2横指、頚部に制限あり
胸骨右第2肋間にレバイン4度の収縮期雑音
頚部にも雑音あり、右下腿に軽度浮腫
・採血データ(スライド)を提示された後に、本症例で問題となりうること、確認したいこと、対策を3つずつ
追加スライド
心エコー(severe AS)
下肢エコー(右大腿におよぶ血栓、左は下腿だけ)
家では基本的に自分の身の回りのことしかせず、スーパーまではかなりゆっくり歩行。
口腔内の変形はあるが、換気・挿管はできそうな印象。
ペースメーカーはDDD 60で設定
・手術まであと3時間くらいあります。事前に整形外科医に確認しておきたいことや依頼するべきことはありますか?
・麻酔は全身麻酔かくも膜下麻酔のどちらかにすることにします。
どちらを選ぶか
導入の薬と注意することは
他方より優れる点は
(あともう一個なにか)
追加スライド
くも膜下麻酔でやることにしました。
0.5%等比重マーカイン2.7cc
鎮静でプロポフォール使用
導入前にAライン、CV確保
最初からノルアド0.03γ使用
Th12まで麻酔高確認
循環器内科と相談してフットポンプなし、術後にエコーで再検して治療方針決定
左側臥位での手術
・出血が多く250mL程度あります。ノルアド0.09γまで増えています。突然うめき声をあげ、喘ぎ呼吸になっています。頸動脈は触知しません。どうしますか?
・このようになった原因を考え、鑑別のためにやることとともに4つお答えください
輸液負荷と昇圧薬の投与で循環動態は安定しました。あとは閉創のみだったので、速やかに実施していただき
(テンパってたくさん喋りすぎた結果、時間切れになりました)
「2つめ」
75歳男性 やや肥満体型
前立腺癌に対してダビンチ
高血圧、心房細動、糖尿病、緑内障でかかりつけに通っている
最近コロナに感染し10日前に隔離解除になっている
脳梗塞後で視野障害あり
カルシウム拮抗薬、DPP4、SGLT2、アピキサバン、緑内障点眼薬(詳細不明)
・手術時期は1週間後を予定されています。あなたはどのように考えますか?
・主治医と相談し、手術時期は4週間後に変更しました。患者にも了承を得ました。
追加スライドで血液検査の結果、呼吸機能検査の結果のみ提示
・これまでの情報も含めて、確認したいことおよびその理由を4つか5つ答えてください。
追加スライドで心エコー(おおむね良好)、緑内障は開放隅角、脳梗塞は後頭葉
(他にも何か情報あったかもしれません)
・この患者のCHADS2スコアを答えてください
・術前の画像再評価でリンパ節郭清も必要になりそうなため、出血量の増加が見込まれます。
抗凝固薬は休薬することにしますが、いつからやめるか、休薬の利点・欠点を述べてください
研修医と一緒に麻酔をかけることになりました。導入はプロポフォール・ロクロニウム、維持はデスフルラン、レミフェンタニル、ロクロニウムでおこないます。
・頭低位、気腹に伴う脳圧への影響および対策方法について述べてください。また人工呼吸に与える影響・を呼吸メカニクス(?)の観点から述べてください
・手術中にEtCO2が55になったとレジデントから連絡を受けました。何を考えますか、3つあげ、それぞれを鑑別するための診察・検査等を教えてください
・前胸部におよぶ皮下気腫がありました。これ以上の進行を防ぐためにできることを2つ教えてください
執刀医と相談し、気腹圧を12から8に下げることで気腫は広がらずにすみました。
(追加スライド)
ECG、Aライン、SpO2の波形
HR150くらい、血圧はありそう?呼吸性変動は大きめ
・何を考えますか、3つあげてください。またそのとき確認することも教えてください
・輸液負荷や麻酔深度の確認を行いましたが、HRが下がってきません。ランジオロールによるコントロールを行うことにしました。
薬の投与量と目標値を教えてください
・無事に手術が終了しましたが、患者が右下腿の攣るような痛みを訴えています。急いでつけるべき診断の候補を2つ述べてください
・右下腿のコンパートメント症候群が疑われます。この疾患の兆候やすべき検査など6つあげてください

体験談

<試験対策>

試験の結果、3科目とも合格しました。
私はプログラムの初めの3年間は大学病院に勤務し、4年目の専門医試験受験の年の4月に、時間外勤務が月80時間を超えるハイボリュームセンターに移動しました。移動して3ヶ月間は施設のシステムや、新たな業務に慣れるのに精一杯で、正直勉強どころではありませんでした。中堅の先生に相談したところ、業務や臨床のことは周りの人に聞けばいいから、先生は試験勉強に集中していいよと言われ、それからは臨床業務は自分で調べたり勉強する前に他の先生に聞いて、なんとか時間を作ることができました。
具体的に勉強を始めたのは、3年目の1月頃から、Y先生の口頭試験対策本を読み始め、試験対策も兼ねて普段から臨床上注意すべき点を意識するようになりました。
筆記試験は4年目の6月頃から過去問を古い方から5年分解きました。分からなかったところは直前に見返せるように付箋を貼っておきました。また、分からなかったところを中心にノートにまとめて覚えました。最終的に、ノートはルーズリーフのバインダー2冊になりました。
試験の2ヶ月くらい前から付箋を貼っておいた過去問を見返して、最終的には分からなかった部分は3周くらい解いたと思います。
1ヶ月くらい前から、解説で分からないところや採点除外問題について週2回ほど業務開始前(7:30から30分間)に勉強会をしました。幸いにも同期が6人いたので、何かしらディスカッションできてありがたかったです。

<筆記試験>

筆記試験は前日からポートピアホテルのエグゼクティブフロアに泊まりました。これは先輩のお薦めでした。エグゼクティブラウンジで勉強しながらアフタヌーンティーとカクテルタイムを楽しみました。その後19:00くらいからはホテルのジム、プール、サウナで息抜きしました。その後はまた部屋に集まって23:00くらいまで勉強しました。
筆記試験当日は朝、ラウンジでビュッフェを食べて、ラウンジで少し勉強してそのまま会場に向かいました。試験開始はお昼でしたが、朝食をたくさん食べたので、間の休憩時間もお腹は空かなかったです。また、今回は途中退室も認められておらず、インターバルも少なかったので、休憩時間に何か食べられるのは期待して行かない方がいいかもしれません。筆記試験終了後は同期で三宮で打ち上げをしました。ラウンジを自由に使えますし、食事のことを考えなくてもいいし、私もエグゼクティブフロアの宿泊をお勧めします。もし次に1人で受験するとしてもエグゼクティブフロアに泊まると思います。(早めに予約しないと埋まってしまいます。)

<口頭試験>
口頭試験の過去問は筆記試験が終わってから読み始めました。筆記試験で分からなかったところも復習しました。最終的に過去問は5年分くらい読みました。口頭試験前日は同期とメリケンパークのホテルに泊まりました。一人だと不安ばかりが募るので、近くに同期がいてくれて本当によかったです。夕食は神戸牛のお店に行き、ちょうど全国旅行支援のクーポンがあったので、ホテルの高級なバーで一杯だけ飲んで寝ました。

当日の待機場所では書類は開けますが電子機器は使えないので、紙の参考書もあると安心できると思います。服装は男性はみんなスーツにネクタイ、女性もスーツが多かったです。同じ時間の集合は40人くらいで、20人ずつくらい2グループに分かれて試験が行われます。私は1番目のグループだったので、待機時間はありませんでした。

業務用エレベーターで移動して各部屋の前に用意された椅子に座ります。クロークなどはなく、キャリーケースも一緒に移動します。時間が来ると一斉に試験の説明が読み上げられ、その後試験の問題と筆記用具が渡され、5分間、問題用紙に自由にメモを取ることができます。私は1問目は脳腫瘍の問題で想定通りだったので、聞かれそうなことをさっとメモ書きしました。5分経過すると問題用紙と筆記用具は一旦預られ、時間になって試験部屋に入室する際にメモをとった問題用紙だけ再度渡されて、口頭試験が始まります。
やはり、口頭試験は一発勝負なので非常に緊張します。何を言ったか覚えていないくらいでした。考えても分からない問題もあったので、飛ばしてもらいました(試験管が頃合いを見計らって次に進めてくれました)。最後の問題が終わった後、少し時間があったので、試験官が「緊張した?ちゃんと答えられていたから大丈夫だよ。次の問題も頑張って。」と言ってくれて、少し安心しました。今回から口頭試験は2問になって、1問目が終わると2問目は反対側の列の部屋に移動します。2人ペアで向かいの部屋と入れ替わる方式です。

この調子で2問目に意気込んで問題用紙を見たら、なんと3行しか書いてありません。”あなたは麻酔科当直医、本日の予定手術は全て終了している。今は20:00。”
びっくりしすぎて周りを少し見渡しましたが、特に何もメモすることも思いつかなかったので、緊急手術に関する様々な思考を巡らせながら5分経つのを待ちました(後から同期に聞いたら、ACLSの蘇生手順をメモしていた人がいました)。部屋に入って、まず、”20:15
産科医師から胎児心音の異常で緊急帝王切開の申し込みがありました”
から始まり、緊急帝王切開に関する一連の質問がありました。ここまではまあよかったのですが、生まれた児がなんと21トリソミーで先天性心疾患あり、十二指腸閉鎖?あり(患者情報は試験官からの口頭の情報のみで、スライドにありません。メモも取れないので、試験中に何度か聞き返しました。)で十二指腸閉鎖の手術をすることになり、今度は21トリソミーがらみの問題になりました。そして、術後ICUで肺血管攣縮を起こしその対応を聞かれて問題終了でした。この問題については、まず試験問題読む5分間、何すればよいか分からず、動揺したまま試験部屋に入り、試験官からの情報量が多すぎて、よく理解できませんでした。最後の方にはどんな先天心だったか忘れたので聞き返してしまいました。この部屋の試験官は無愛想な方2人で、終わった瞬間落ちたと思いました。最終的には合格していたので、分かる範囲で答えられる問題を答えていけばいいのかなと思いました。

移動してきたハイボリュームセンターがかなり過酷な労働環境だったため、試験勉強もしなければいけなかったのは非常にストレスでしたが、理解のある上司と同期のおかげで合格することができました。試験のタイミングで異動するのは精神衛生上よくないかもしれませんが、周囲に助けてもらえる時には助けてもらって乗り切るのが良いのではないかと思いました。それから、試験を経て、同期との絆が深まりました。

 

体験談

筆記試験は今年から2ブロックになり、A問題は80問中50問、臨床問題は55問中35問が過去問からでした。臨床問題からそのままでるとは思わず、直前は軽く流していたためとりこぼしがありましたが、合格ラインは越えたので、やはり筆記は過去問を繰り返すことが大事だと思いました。

口頭試験は2題に増え、時間的になかなか厳しく、私は最初の部屋で途中時間ロスし、最後の問題が答えられなかったので、てきぱき答えないと厳しそうです。

64歳男性
前立腺癌で砕石位ロボット前立腺全摘出術
高血圧でβブロッカー内服、SAS、軽度うつでアミトリプチン内服中
身体所見
マランパチー3  頸部後屈可能、あごひげなし
甲状舌骨オトガイ距離5cm
開口三横指
動揺歯なし

日本麻酔科学会気道ガイドライン2014に記載されているますく換気困難と気管挿管がどうじに発生する12の術前評価項目のうち、この患者にあてはまるものをのべよ。(文字でみるとなんてことはないのですが、いきなり入ってこれを口頭でいわれると予想と違う流れでフリーズしました。。)

ガイドラインの7ページ図4がスライドに表示
この表を使って挿管困難のリスクを患者に説明しなさい。
徐脈、QT延長の心電図のスライドに変わって
所見、原因2つ、対処3つ

アトロピン無効、アドレナリン、ドパミンともに持続静注(投与量も言われてましたが、忘れました、すみません、、)するも無効。
経皮ペーシングの流れに。

除細動器の写真のスライド。
使い方説明してください。
電源いれて、パッド貼って~から言わないといけないみたいでした。
このあたりできなかったです。。細かくACLSみときべきでした。

手術が終わって翌日、下垂足、
この手術でおこりえる神経障害5つ
この患者の障害されたと考えられる神経2つ
患者に説明してください。この問題を言ってる途中で時間がきてしまい答えられませんでした。

70代女性ASに対し大動脈弁置換
検査データ
大動脈弁流速 4.5m/s平均圧較差50
弁口面積0,8(もっとありましたが、すみません。忘れてます)
根拠となるデータとともに重症度分類をのべなさい。
麻酔導入は?気をつける点は?薬剤投与量も答えるように言われました。
胸骨切開のときに呼吸を停止する理由
血圧がさがりました。対処法を言って下さい
スライドで心エコー図
ME大動脈弁短軸断面
上行大動脈短軸断面
解離のエコー画像だったようです。考えられる病態2つ
出血が3000ml以上、対応すべきこと5つ答えなさい。(危機的出血のガイドライン内容をこたえたらいいみたいでした)
術後患者が胸骨切開部のピリピリした痛みを訴える。
使う薬剤2つ、この疾患名を答えなさい。

体験談

待機室から口頭試問を行う部屋までは従業員エレベーターで行き、各部屋の前で待たされ、各部屋の担当スタッフがそれぞれ一斉に注意事項の説明を行いました。その後、症例用紙を渡され、5分間メモの時間がありさらに5分間待機の時間がありました。その後、それぞれ部屋に入り1問目開始です。2人1組になっているみたいで部屋を交代し、2問終了後帰宅となります。
1問目 年齢性別覚えてないのですが、普通の体型の人。下部消化管穿孔疑いで救急搬送されてきます。既往歴は高血圧、糖尿病、腎機能障害、心不全だったか、、ここまでが紙に書いてありました。
・revised cardiac risk indexの項目を5つ
モニターにバイタルと採血結果表示(ショックバイタル、高カリウムや代謝性アシドーシス、凝固延長、Fib低下などあった気がします)
・問題点を5つ?
・その対応?
・高カリウム血症の対応を3つ、さらに薬剤を使用する場合は投与量も。
・麻酔導入はどうしますか。
手術終了しICUへ。何時間か後にsBP40台、HR40ぐらい?(数字は正確ではないです)
・どうしますか。4つか5つだったような
CPRを行い、バイタル安定しました
・家族へ説明してください。
2問目
50代?男性 やや肥満体型。突然の頭痛、嘔吐?救急搬送されてきます。開眼しない、発語は単語、痛み刺激で逃避行動。既往はなしだったと思います。。
モニターにレントゲン(肺水腫)と頭部CT(SAH)の写真あり
・この画像の所見をそれぞれ3つ答えてください。
・この患者で気をつけること?
・神経原性肺水腫の機序を答えてください
・硬膜切開までに注意することはなんですか。4つ?5つ?
モニターに挿管チューブからピンクの泡沫状痰が逆流してる写真、血圧低下の表示あり
・どうしますか?4つ?
・側臥位CPRで注意すること3つ?4つ?
手術は終了
・家族へ説明してください。
質問はそれぞれもう少しあったような気がするのですが、緊張しすぎていてあまり覚えていません。。
1日目(LVADの症例や新生児の麻酔など)に比べれば、問題はオーソドックスなのかもしれないです。でも、5つ答えてくださいなど答えの数が多くなかなか全部答えられない印象がありました。

体験談

筆記試験は5月ごろから過去問を始めて5年分を4-5周しました。結果、本番は例年以上に過去問が多かったので何とかなったかと思っております。5年分で足りなかった内容は青本の1問1答が役に立ちました。
口頭試問対策は8月に青本を購入(ギリギリすぎたと反省しています…)したのと、麻酔科専門医合格トレーニングを通読しましたが正直筆記が終わってから焦って対策し、口頭試問は想像以上に緊張し、言葉に詰まり、2問とも答え終わって30秒程度しか時間が余りませんでした。どちらの先生方もこちらが回答に詰まると他にはないですか?、〇〇に関する質問ですよ?と言って促してくれる感じがあり、決して落そうとしているのではないのは伝わってきました。
①肥満患者(BMI40)のOPCAB
・術前診察
・心電図が提示されて診断を答えてください
・導入薬とモニタリングを具体的に
・脱転時の低血圧の鑑別を3つ
・挿管困難でセラミックの歯が欠けてしまったのを術後1か月時の診察で患者に説明してください
→「普通の人より体形の問題もあり人工呼吸の管を入れるのが難しく、歯が欠けてしまいました。申し訳ありません。歯科の先生に診てもらい対応を考えましょう。」と答えたら「治療費は弁償してもらえるんですよね?」と言われ、「えーと、ちょっと確認させてください。」としか言えませんでした。。。
②肥満患者(BMI35)の大腿骨頸部骨折
・マスク換気を改善させる方法3つ
・前酸素化が適切に行われた場合FEO2は何%になるか
→90%以上、と答えたら90何パーセントですか?と言われ95%位…と答え、なぜですか?と言われ言葉に詰まりました。(機能的残気量や酸素消費量の話をすればよかったのでしょうか?)
・導入後の頸部の動画を見ながら何が起こっているか答えよ
→よくわからず、鎖骨上窩が陥没しているので上気道狭窄が起こっている?と答えると上気道とは具体的にどこのことを指しますか?と質問がありました。
・動画(声門上部右側に挿管チューブが入ってチューブが進まない動画)McGRATHで挿管したがうまくチューブが進まず挿管できない、考えられる理由を2つ
・喉頭室というところに挿管していることがわかった。咽喉頭の解剖図(冠状断に喉頭室が矢印で示されている)が示され、McGRATHの声門の画像で喉頭室を指し示せ。
・大腿神経ブロックのエコー画像が提示、大腿神経と腸骨筋膜を指し示せ(画像はそれぞれ別)。
・術後嗄声が1か月続いているので説明を主治医から依頼された。
→人工呼吸の管を入れる際に空気の通り道の近くの窪みにチューブを進めてしまい、声を出す組織や神経の周りを傷つけてしまったようです。すみません。耳鼻科の先生に診てもらいましょう。(試験管の先生は頷きながら聞いてくれました。)
以上、拙いながら覚えている内容を記載させていただきます。
思った以上にマスク換気に関する内容が多かったのと、緊張から言葉に詰まるタイミングが多かったので普段から口に出す練習をしておかなければ、と思いました。参考になれば幸いです。

体験談

おかげさまで、この度無事に専門医試験に合格することができました。
本当にありがとうございました。
口頭試問は過去問の解答例がなく対策が難しかったので、青本があって大変助かりました。また先輩方の感想もリアルな声が聞けてよかったです。
以下、各試験の感想です。わずかながらお役に立てれば幸いです。

<筆記試験>

 過去問5年分を4周、さらに2年分3周ずつ解きました。最初の1周は知らないことばかりで途方に暮れましたが、次第に出題傾向や憶えるポイントがわかるようになりスイスイ進むようになりました。麻薬の換算やSOFA等のスコア、抗凝固薬など、暗記リストを作りました。口頭試問対策にもなります。始める時期は人それぞれですが、私は日中の時間が取りやすかったので7月末から始めて間に合いました。
 今年は出題傾向が変わり、一般80問・症例(旧C問題)55問となりました。一般はプール問題(A)でなくすべて新作(B)なのでは⁉︎などと戦々恐々としておりましたが、蓋を開けてみたら一般・症例ともに6割は過去問と同じかよく似た問題で、従来通り過去問を解いていけば対応可能なものでした。
 コロナ対策のためか、例年と異なり試験時間中の退室は不可でした。東京会場では15分弱の休憩時間にトイレが混み合い、軽食を摂る時間もほとんどありませんでした。ちなみに持ち物にHBかBの鉛筆と記載がありましたが、事前に事務局に確認したところシャープペンシルの使用もOKとのことでした。計算問題もあるのでシャーペンがいい方はお持ちいただくといいかと思います。座席は一人につき長机一つがあてがわれ、周囲も気にならず快適に受験できました。
<口頭試験>
 各種ガイドラインを一度は通読することをおすすめします。筆記試験後から対策としてさらりーまん麻酔科医の青本で過去問とその解答例に目を通しつつ、今年7月に発売された稲田先生の「麻酔への知的アプローチ 口頭試問問題集」で予想問題を解き知識の拡充をはかりました。電子媒体もありますが、待機場で使用できるよう紙媒体にしました。スマホなどは万が一にも鳴ったら怖いので、宿泊したホテルの部屋に置いて本だけ持って行きました。会場に泊まれば移動がエレベーターのみで楽ですし、終わったら即着替えられるのでお勧めです。(ちなみに全国旅行支援で宿泊代5000円off+1000円分の金券をもらえたうえ、上層階の広いお部屋にアップグレードしてくれました!)
 私が受けた試験問題は、1日目のLVAD挿入中の脳出血や胎児十二指腸閉鎖の帝王切開など特殊な問題と異なり比較的オーソドックスな問題で、消化管穿孔からの敗血症性ショック、術後心停止と、くも膜下出血・肺水腫からの術中心停止でした。問題の詳細については申し訳ありませんがほとんど憶えていないため再現は他の方に譲ります。
 試験官は2題ともめちゃくちゃ優しい先生方でした。試験の部屋の前で設定の書かれた紙を渡され、5分間、読んだり付属のボールペンで書き込んだりする時間が与えられます。入室の際はその用紙と自分の荷物を持って入ります。試験官と自分の間にパーティションがありました。問題文がゆっくり読み上げられ、検査データや画像のみ横のテレビモニターに映し出される仕組みでした。画像を見る際には「見終えたら教えてください」と時間を取ってくれます。採点は加点方式で問題の最後までいくのが大事と聞いていたため、「〜なことを5つ挙げてください」といった問題で3、4個しか思い浮かばず焦って次々に進めてもらった結果、逆に時間が余ってしまいました。終了まで試験官の方とお話ししました。コロナ対応は先生の病院では多いですか、普段から集中治療の経験はありますか、などの質問で終始穏やかな雰囲気でした。
 試験対策に誰かと問題出し合うのがいいと言われますが、院内に同期がいなかったり友達少なかったりで相手がいなくても、本番を想定して前を向いて声に出す練習をしておけば大丈夫だと思います。頻出テーマ(例:挿管困難の導入など)は何も見ずにスラスラ言えるように練習しておきました。
<感想など>
 専門医試験の勉強は、仕事や家庭などの色々と重なりなかなか時間も取れず大変だと思いますが、一度やっておくと自分の糧になりますし、経験の少ない分野も標準的なレベル(?)までの知識は得られたのかなと自信になります。一度で合格できるに越したことはないですが、そうでなくてもとりあえず挑戦する価値はあると思います。

体験談

・筆記試験
持ち物:筆記用具(マークシート)、受験票(各自学会ページから印刷したもの)、受験前確認書(コロナ対策、こちらもホームページにある試験案内から各自印刷したものを持参)、時計(席が後ろだと非常に見づらいです)

60回までと出題形式が異なり、一般問題(60回で言うA問題とB問題)と臨床問題(C問題)に分かれました。
10時から開場、説明開始11時まで電子機器でも紙媒体でも見ることが出来ます。
11時の説明開始になったら全て鞄にしまうよう言われました。

一般90分
結構時間がギリギリで見直しもざっとしか出来ませんでした。前半既出50問、後半新問40問。
5年分やって見たことない問題はなかったように思います。選択肢の順番とかマイナーチェンジしてるやつはありました。2問ほど計算問題が数字変わってました。
間の休憩が15分くらいしかなくてトイレくらいしか行けず、トイレすらもかなり混みました。
食事に関しては、朝しっかり食べるか、少しつまめるくらいだと思います。

臨床問題90分
一般よりは時間の余裕があったように思います。
前半新問20問、 後半既出25問。
終わって途中退出は不可だったように思います。
試験番号ごとに退場するように言われました。

口頭試験(筆記終わってから2週間弱)
持ち物:筆記と同じく受験票、試験前確認書(コロナ対策)
筆記用具はなくても大丈夫でした。症例のメモに使うボールペンは指定のものを渡してくれます。

※ほとんど全員スーツでした。荷物とか上着とかは常に持って歩かないといけないので注意です(どこかに置くのではなく試験の部屋まで持っていく)

試験日は11/4-6(金-土)のいずれかでした。
9/30に届いた学会からのメールで、受験番号と一緒に口頭試験の日付と時間が書いてありました。
指定された集合時間20分前から待合室入れます。
試験前確認書チェック回収あります。
待合室入室後、iPadは禁止されているはずですが見てる人もいました。特に注意はされていなかったと思います。
説明開始以降は置いてある封筒に携帯とか電子機器全て電源OFFで入れて、自分のカバンの中に入れるよう指示がありました。
説明後案内があれば移動。半分ずつくらいで呼ばれるので、その部屋の後半の番号になっているとプラス30分ほど待機時間がありました。

例のエレベーターで移動しました。
問題は2つで、15分ごとで部屋入れ替え(ホテルの客室)でした。ホテルの部屋の前に座って、横のスタッフからまず紙わ渡されて5分間症例読んでメモ書きしました(症例のさわりが書いてある)
後から見ながら答えることが出来るので、思いつくことはメモしておくと良いかと思います。
5分経つとストップウォッチが鳴って一旦回収
部屋に入るよう言われます。
まず荷物を置くように言われ、試験番号と名前を言ったあとに座ってくださいと言われました。
座って右側の人が進めていき、左側の人は接遇問題の患者などの役になっていました。
検査値・問題によっては質問・画像・動画などは横のモニターに映し出されます。
ほとんどの質問内容は試験官から口頭で言われます。
モニターの文章読み終わったら教えてくださいとモニターに出る度に言われる。
指し棒が置いてあって、必要な場合それで位置を指すよう指示がありました。
(以下症例など記憶が曖昧ですので間違っている場合があります。ご了承ください)

1問目:肥満、数日前に鎖骨あたりが痛かったが今は落ち着いている。
・心電図検査値見せられて診断名を
ST上昇、トロポニンT上昇で不安定狭心症
(実際には狭心症と答えてしまい、微妙な反応だったので不安定狭心症の方が良かったのかなと思いました。)
・OPCABをすることになった。検査所見が書いてあり、導入方法(挿管の方法も)、薬剤、量、モニタリングを答える
・血圧低下の原因を3つ
・血圧低下モニタリングで確認すること3つ
・血圧上昇させるためにどうするか
・挿管中に専攻医が歯牙損傷してしまった。ICUで患者に対して説明してください。説明し終わったあとに質問ないか聞くと、患者から質問があり、この歯牙損傷に対する診療(治療)は全額病院が負担してくれるのか聞かれました(私は病院に確認しますと回答してみました)
残り1分ほどでそのまま部屋に待機するよう言われました。雑談なかったです。
部屋を出て、次の問題の症例の紙を渡され、また5分間メモする時間がありました。

2問目(違う試験官がいる部屋に移動)
BMI40.大腿骨骨折に対して全身麻酔+大腿神経ブロックと+外側大腿皮神経ブロックの予定
・酸素化を改善させるために入眠前にしておくこと4つ
(前酸素化、座位などを答えました)
・マスク換気が難しい。マスク換気を改善させる方法
(声門上器具をと言いかけたところでマスク換気限定でお願いしますと言われました。二人法密着させるエアウェイなどを答えました)
・首から胸郭かけてのマスク換気中の動画が流れる。首だけは動いているが胸郭が動いていない。何が考えられるか。(上気道閉塞と答えると、具体的にどこですかと言われて声門周囲と答えると頷いてくれた気がします)
・実際の挿管動画が流れて(声門はしっかり開大しているがなかなか挿管チューブが入らない動画。声門前で当たってしまったり、声門過ぎたところでつっかえているように見える)
何が考えられるか、どうするか(声門下狭窄で答えてみましたが試験官の反応が微妙でした。挿管チューブを細くすると答えました)
・喉頭の冠状断(絵)が出てきてその横に声門周囲の画像(マックグラスで見るような)が並んでいる。試験官が喉頭室について説明してくれて(絵の中に喉頭室の位置が書いてある)声門周囲の画像ではどこになるか指し示してください
・大腿神経ブロックの画像が出てきて大腿神経の範囲を指し示す、腸骨筋膜をなぞる(外側大腿皮神経については触れられず)
・この患者で特に気をつけることは
(抜管後の気道のこと、神経ブロック後であること)
・術後嗄声になったことに対して患者に対して説明
(最後質問ありますかと言い忘れたので分からないですが、特に向こうから聞かれたことはありませんでした。)
この部屋は雑談があり、1問目の出来はどうだったかなど聞いてくれました。終わる数秒前に大腿神経ブロックの画像を試験官が出そうとしていたので、間違えたんだなと思いました泣

2問目が終わって退室したらそのまま帰って良いと言われました。

試験結果:結果出たのが次の週の木曜日でした(最後の口頭試験日の日曜日から4日後)
特に結果発表日についてのお知らせはなく、急にホームページで結果発表されました(アクセス集中を避けるためではないかという噂です)

 

体験談

この体験記を書くことが出来てとても嬉しいです。
自分も何度もこちらの体験記を読んでとても励まされましたので、特に産後の方の参考になればと思い、書かせていただきます。
〈勉強開始時期について〉
私は医師●年目の夏ごろに産休に入りました。機構専門医プログラムでは、3年間の研修期間が過ぎると前倒し受験ができ、4年間のプログラムのうち半年以内の休止は申請により認められます。
そのため半年以内の復帰を目指し、試験勉強は産休中に開始しました。試験の1年程前からです。
子供が生まれたら勉強出来ないだろうと思い、妊娠中から勉強をしようと思いましたが、気分もすぐれず仕事をするので精一杯でしたので、結局産後からの開始となりました。
〈筆記試験〉
筆記試験の勉強は皆さんの言う通り過去問で行いました。7年分をガイドラインなどを調べながら解いていきました。勉強時間の確保が難しかったので、先に進むことを目標とし、時間をかけずにまずは7年分をざっと解きました。必要なガイドラインは全てiPadに入れ、いつでも見直せるようにしておきました。ノートまとめなどをする時間は確保出来なかったのですが、過去問で繰り返される問題は暗記し、教科書での理解が必要な部分は調べるといった形で勉強し、7年分5周以上は解きました。
筆記試験は今年から形式が変わったとはいえ、過去問からの出題が多いことには変わりなかったので、やはり今後も過去問を覚えるほど繰り返すという方針で良いのだと思います。
〈口頭試問〉
受験者の中で最も臨床経験が期間的に少ないという点で、始めからとても危機感を感じていました。筆記試験の合格率は9割を超えるのに対し口頭試問は今年は8割を切っていたようです。筆記試験よりも勉強時間を割く必要があると思い対策しました。
まずは青本で過去問とその答えを確認することから始めました。その中で、知識が曖昧なところは早めに確認しました。私の場合はfontan循環の症例、CAGの読み方、IABPの波形、胸腔ドレーンなどの知識に不安があったため、教科書で勉強したり他科の知り合いに聞いたりして理解を深めました。
また、産休中は授乳時間が多くありその間に手軽に携帯で見ることの出来るオンライン版を利用していました。青本より古い過去問の答えが載っており、オンライン版の形式もとても使いやすかったのでスキマ時間によく利用していました。
青本は過去問の部分は5周ほどして、一問一答は苦手な分野を集中的に読みました。
最近の口頭試問の問題は細かいことが聞かれる印象なので、毎日の術前診察も丁寧に行いました。内服薬や画像所見など気になったことはすぐに調べたりガイドラインを見直したりして、曖昧な知識を整理するようにしていました。麻酔中に研修医が自分についている時は、研修医に問題を出しているフリをしてアウトプットの練習をしていました。また他の人の症例でも気になった症例の麻酔は見に行ったり、カルテを良く見るようにしていました。
〈最後に〉
中々思うように勉強が出来ず試験が終わるまではずっと不安でしたが、合格することが出来て本当に良かったです。
子育てをしながら試験勉強をするのはとても大変でしたが、今までの勉強不足や臨床経験不足をカバーするという意味で必要な経験でした。
自分は決して元々優秀な方では無かったので、産後復帰した時には何度も仕事も試験勉強も辞めたいと思うことがありましたが、最後まで諦めなくて良かったです。自信に繋がりました。
スキマ時間に効率良く勉強し、毎日少しずつでも知識を身に付け、日々の臨床から最大限に学ぶ姿勢が大切だと思いました。
本当にありがとうございました。

体験談

<筆記試験>
一般問題も臨床問題も過去問が多めに出題されていました。
臨床問題に過去問が出題されるとは予想していなかったのですが、C問題も勉強はしたので、ぼちぼち解答できました。
5年分3周する予定が、2周しか出来なかったので、過去問も計7問ほど取りこぼしてしまい、もう1周していれば、、、と後悔しました。<口頭試験>
①重症ASの問題でした
・画面に心エコー所見が出されて、重症度は?→分類上はmoderateなのですが、EF低下があり、low flow low gradient ASなのでsevereの評価になる
・麻酔導入の注意点は?→薬剤も含めて聞かれた、と思います 少し曖昧です
・必要なモニターは?学会が定めている標準装備以外を答えてください 5つ
・胸骨切開の際注意する点は?3つ
・TEGの結果が出されて、正常波形と比べて問題点2つ→必要な血液製剤は?
・心肺離脱後のバイタル、TEE画像出されて、何が鑑別に上がる?2つ
・心肺組むまでに時間かかります、麻酔科医ができることは?5つ→術者へ声がけ、が重要らしいです。答えられませんでした。
・クロスマッチしたA型RBCを使い切りました。優先的に使う血型は、2つ→A、Oだけではなく、クロスマッチせずA→O型が正解らしいです
・術後創部がピリピリ痛いと訴えありました、何を考えますか。使う薬剤を、機序が異なる2剤答えてください②肥満のダヴィンチラルプ
症例提示の紙にマランパチー分類や、SASあり、ULBTクラス1、甲状オトガイ間距離など所見あり
・気道確保困難の術前評価の因子のうち何個当てはまりますか?
・画面に術前予測因子数と気道確保困難の頻度の表が出されて、患者さんに麻酔方法について説明して ←曖昧です、、、
・導入の体位、頭位 脱窒素の方法 換気の評価の方法 についてそれぞれ
・無事挿管できました 導入後(オペ開始後?だったか曖昧です)の心電図が示され→所見がは? sinusで徐脈 心拍数は、、と言おうとしたらそれはいいですと言われました。
・原因は?対処法は?
・硫アトを投与しても改善しません→対処法2つ
・除細動器の画面が提示され、経皮ペーシングの手順を説明
・無事手術が終わり、術後の神経障害を評価しに行きました→4つ、機序も説明 神経障害と言われたと思うのですが、神経障害4つ!?とテンパってしまい、総腓骨神経麻痺、大腿外側皮脂神経麻痺くらいしか答えられませんでした。冷静に考えれば、コンパートメントを答えなければいけなかったと思います。
・歩行時に躓くと訴えあり 鑑別2つ、検査2つ
以上で時間切れとなりました。①は最後までいけて、試験管の先生と雑談までいけました。とても優しい先生で、よく勉強してますね、と言っていただけました。
が、②は経皮ペーシングのあたりから、パニックで、あまり答えられず、試験管の先生の表情からも、落ちた、、、と思いました。以上です。

最後まで行けて,試験官の先生と雑談まで行きました.
とても優しい先生で,よく勉強していませうね,と言っていただけました.

体験談

1問目ダヴィンチ前立腺全摘の麻酔。
・新型コロナウイルス感染症罹患後4週間未満で手術が組まれている。→患者と主治医に手術日を診断4週目以降に変更できるか相談。
・慢性心房細動・脳梗塞の既往があり抗凝固薬を内服してるがどうするか。→出血リスクが高いため術前休薬が望ましいが、ヘパリン化も検討される。主治医と脳神経外科or脳神経内科に相談。
・術中換気量が入らなくなった際に原因は。→チューブ・機械トラブル、片肺換気、痰、無気肺、気胸など。
・術中換気量は変わらないがEtCO2が上昇した際にどうするか。→気腹圧を下げてもらう。
・術中頻脈(Af)になった際にどうするか。→まず出血または補液不足による循環血液量減少性ショックを鑑別。術野の出血、尿量確認。血液検査確認。血算でHb、血液ガスでアシドーシス、乳酸値上昇などを確認。鎮痛鎮静不足でないかを検討。→出血が原因ではなくオノアクトを使用することになったが、心拍数の目標と開始投与量は。→HR110以下を目標として5γ程度から。
・術後下腿の疼痛が出現。鑑別すべき疾患を2つ挙げよ。→コンパートメント症候群と下肢静脈血栓症。→コンパートメント症候群の症候を挙げよ。→疼痛、腫脹、感覚低下、麻痺、蒼白、脈拍喪失など。
2問目高齢者の大腿骨近位部骨折の麻酔。
・術前心エコーで重症大動脈弁狭窄症あり。血液検査で貧血、FDP・Dダイマー高値。→術前に確認すべきことは。→受傷前ADL、運動耐容能、心不全や狭心痛、失神歴など。下肢静脈エコー。
・下肢静脈エコーで中枢まで血栓あり。術前に確認すべきことは。→循環器内科に下肢静脈血栓症の治療について相談。
・この患者に麻酔をかけるにあたってすべきことは。→本人、家族、主治医に周術期合併症のリスクがかなり高く、生命に関わる可能性があることを伝える。
・麻酔法は。→脊椎麻酔で行う。薬剤は0.5%等比重マーカイン3mlを使用。Aライン、CVを導入前に確保し昇圧剤を用意しておく。全身麻酔の用意もしておく。
・術中PEAに至りその対応は。→応援を呼ぶ。ACLSを開始する。胸骨圧迫、気管挿管・人工呼吸管理、アドレナリンの投与を行う。原因検索を行う(5H5T)。
・自己心拍が再開しICUに入室。患者の家族に説明を。→麻酔科医の〇〇と申します。術前にお話しした通りかなりリスクの高い状態で手術に臨みました。可能な限りの準備をして麻酔・手術を開始しましたが、術中に心停止に至ってしまいました。蘇生術を施行し心臓の動きは戻りましたが、状態は不安定です。お口から人工呼吸の管が入っていて呼吸は機械に任せています。心臓を動かすお薬、血圧を上げるお薬が必要な状態です。原因検索を行いながら集中治療室で治療を続けます。整形外科や循環器内科の医師と相談していきます。
・術後集中治療管理について。→平均動脈圧65mmHgw目標としてノルアドレナリン、アドレナリンを下げていく。おそらくARDSになるのでPEEPは循環動態を見ながら少なくとも5以上、高めにかけたい。1回換気量を減らして肺保護換気を行う。鎮痛鎮静はミダゾラム2mg/hr、フェンタニル20mcg/hrから開始し循環やRASS、C-POTなどを観察しながら調整する。
よろしくお願い申し上げます。大変勉強になりました。ありがとうございました。

体験談

<口頭試験>
●口頭諮問1クール目
【入室前の提示内容】
75歳 obesity RALP予定
HT,DM(イプラグリフロジン内服)、緑内障、脳梗塞既往(アピキサバン内服)
2w前にコロナ感染して自宅待機、現在は症状なし
※入室して「よろしくお願いします」と挨拶しましたが、受験票を渡す・受験番号/名前を
名乗るような指示はなく、着席を促されたら即問題が始まったので、かなり面食らいまし
た。
試験官の先生は男性2人で、お2人とも雰囲気が柔らかかったです。
1.手術は1週間後の予定となりました。延期が必要ですか?
→はい、必要です。麻酔科学会からコロナ感染後の手術延期について提言が出されていま
す。この患者さんは自宅待機で症状改善・現在症状がないことから軽症であったと判断し
ますが、軽症の場合は感染(厳密に言うと発症)から4週間空けて手術することが望ましいと
考えられます。緊急手術にもあたらないので、感染後4週間を空けるよう、ご本人と執刀
医に提言します。
2.さらに1w伸ばして4w後にしました。術前に確認することは?5つくらい
→ADL・4Mets以上の運動耐用能があるか。
HTのコントロール状況はどうか。
DMのコントロール状況や合併症はどうか。
イプラグリフロジンを内服しているのでケトアシドーシスの兆候はないか。
抗凝固薬を内服していると思うので(緊張していてアピキサバン→アトルバスタチンと読み
間違えていて、抗凝固薬の記載がないと思い込んでいました)凝固能の延長度合いはどうか
3.CHADS2スコアは?
→「心不全なし、HTあり、Age該当せず、DMあり、脳卒中なしなので2点!」と元気に答
えました。
(実際は年齢、脳卒中も該当するので5点かと思います)
4.アピキサバンの術前休薬推奨期間は?それに伴うメリットデメリット
→(ここでアトルバスタチンではなくアピキサバンであったことに気が付きました)2日間、
凝固能が改善し術中出血量を抑えることができますが、一方で血栓、VTEやPE、脳梗塞再
発のリスクがあります。
5.頭低位で頭蓋内圧上昇に関して気をつけること、呼吸器設定で気をつけること
→頭蓋内圧亢進に伴い、誤嚥のリスクが高まります。
また、BMI35以上の肥満があるため、頭低位で肺コンプライアンスが低下すると考えられ
ます。permissive hypercapneaとし(特に値の範囲など突っ込まれることはありませんでし
た)、PEEP 7程度に設定し、必要時はリクルートメント手技を行います。
6.CO2上昇(確か55くらいまで上昇)換気量変わらない 鑑別は?対応は?3つくらい
→もともと後腹膜の手術なのでCO2は上昇しやすい状態ですので、ある程度はpermissive
hypercapneaとしますが…(と口に出して時間稼ぎ)
換気量が変わらないのであれば、やはり術式の影響が考えられますので、執刀医に術式変
更の提言を行います。
(「気服圧を下げる」を思いつけませんでした)
悪性高熱症は必ず除外しなければならないので、体温や尿の色調、心電図異常やK値など
を確認します。
I:E比のEを上げたり、換気回数を増加させたりして対応します。
7.気腹圧を下げたら、EtCO2は改善しましたが、皮下気腫が出現しました。対応2つくらい
→執刀医に報告します。
皮下気腫の範囲を確認します。
(このくらいしか思いつきませんでしたが、突っ込まれず普通に次の問題に進みました)
8.(モニタでHR上昇)何を考えますか
→浅麻酔や鎮痛不足、もしくは術中大量出血に伴いインアウトバランスが崩れた状態と考
えます。
9.HR目標は
→100回程度とします。
(わからないので適当に答えました)
10.ランジオロールを開始します。流量はいくつで開始するか
→1Aを20mL生食で溶いて、4mL/h程度で開始します。
(いつもその場で添付文書を見ながら使っているので全くわからず適当に答えたら、おそら
く採点担当?ずっとパソコンでカチカチやっていた採点担当?の先生が思い切り眉をひそ
めました苦笑
「色々な製剤があると思うので、1Aとは具体的に何mgですか?」と案の定突っ込まれ、
答えられず止まってしまったら「いいです、次の問題にいきましょう」と流されました)
11.抜管するために注意したいこと(長時間オペ)
→頭低位かつ長時間の輸液負荷で喉頭浮腫の可能性があります。
また皮下気腫を認めているとのことなので、頸部まで皮下気腫が及んでいたら気道狭窄を
きたす可能性もあります。
肥満もあるため抜管前は頭高位に体位を変え、気道内・口腔内分泌物を可及的に吸引した
後にカフリークテストを行ったり、可能ならファイバースコープを用いて声門部を観察し
ます。
12.術後 足つった 何を考えるか2つ
→砕石位をとっていた場合は、コンパートメント症候群または坐骨神経などの圧迫が考え
られます。
13.コンパートメント症候群の診断に必要 6つ
→6P(腫脹、脈拍喪失、冷感と答えてしまい、また残り4つを述べることができませんでし
た)
K高値・P高値といった電解質異常
CK値
区画内圧の測定
(クラッシュ症候群と混ざりました…足りなかった場合は、「他には?」と促してくれまし
た)
※ちょうど時間通りに終わりました。
※終了後にも名乗るのを忘れてしまったため、退室後我に返った時、この回は0点だった
のではないかと怖くなりました…
実際は、試験室・受験番号が書かれたネームタグを渡されて首から下げていたので、これ
を見て個人を識別されていたとは思いますが、名乗るに越したことはないと思いました。
※雰囲気は終始和やかで、採点担当?の先生はリアクションが薄めでしたが、出題担当の
先生はこちらの答えに終始うなずいてくださいました。
※実はRALP麻酔は今まで経験がなく、基本的な知識はさらりーまん先生の青本で勉強し
たのみでした。それでも(かなり微妙だとは思いますが)何とか最後まで答えることがで
きたので、本当に感謝しております!
●口頭諮問2クール目
【入室前の提示内容】
92歳 頚部骨折
かなりの痩せ型
中咽頭癌 手術・放射線後、肺癌術後
洞不全症候群でペースメーカー留置中、
AS・下腿浮腫あり、頸動脈雑音あり
※1クール目で名乗るのを忘れてしまったため、今回は入室後に食い気味で受験番号と氏
名を名乗りました。
今回は無事に(?)受験票を渡すよう指示されました。
試験官の先生は男性2人で、お2人とも雰囲気が柔らかかったです。
1. 情報を提示するので、読み終えたら合図してください。
(入室前の提示内容と重複するような情報が提示されました。情報が多く、丁寧に拾って
いると時間がなくなります)
麻酔管理における問題点とその対応を3つほど
→中咽頭癌の術後・放射線治療後のため、気道周囲の解剖学的構造が変わっている可能性
が高く、気道確保困難の可能性があります。
ASがあるため、麻酔導入後の循環動態破綻の可能性があります。
肺癌術後のため、呼吸機能が低下している可能性があり、周術期呼吸器合併症のリスクが
あります。
(その他にもPMについて答えたような気がするのですが、「もう3つ答えてくださったの
で先にいきます」と途中で遮られました)
2.情報を提示するので、読み終えたら合図してください。
(術前採血、心エコー、下肢エコー、呼吸機能検査の結果、PM設定など情報が更に多く、
丁寧に拾っていると時間がなくなります。Hb 8程度の貧血、凝固能の延長、呼吸機能はと
りあえず悪い、確かsevere ASの診断基準を満たしている、DVTあり、ととりあえずいい
ことはなかったです)
いま10時です。13時に入室予定ですが、整形外科に術前にお願いしておくことを3つくら
い述べてください
→貧血があるので、輸血の準備をしてもらいます。
DVTがあるので、ヘパリン化…は入室間近なのでしません、弾性ストッキングの装用をし
ておいてもらいます。
PMの業者さんに連絡をとってもらいます。
3.麻酔方法はどうしますか。その方法の利点と、薬剤・投与量を述べてください。またペ
ースメーカーの設定はどうしますか。
→全身麻酔と区域麻酔(大腿神経ブロック)を選択します。呼吸機能が悪く周術期呼吸器
合併症のリスクはありますが、severe ASがあるので、脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔に
より交感神経が遮断されると、麻酔導入後に致命的な循環動態破綻をきたす可能性がある
と考えられるので、やむなく全身麻酔と区域麻酔(大腿神経ブロック)を選択します。
循環動態破綻をきたしにくいレミマゾラムを1mg/kgの速度で投与開始し、就眠が得られた
らロクロニウムを8mg/kg投与します。必要であればノルアドレナリンなど昇圧薬の持続投
与を行います。
PMの設定はVOOとし、対極板は下腹部に貼付し電流が流れないようにします。
4.麻酔方法は脊髄くも膜下麻酔+鎮静にしました。(この時点でチーンとなりました)
情報を提示します。(出血量700mLくらい、あえぎ呼吸、HR70、心電図波形はあるが頸
動脈触れない)
どうしますか。
→PEAと考えられますので、ACLSに則って蘇生を開始します。
PEAを宣言し、人手を集め、救急カートと胸骨圧迫用の背板、除細動器を持ってきてもら
います。その間に胸骨圧迫を開始します。人工呼吸を6秒に1回、胸が上がっているのを視
認できる程度の換気量が得られるように換気してもらいます。
救急カートが届き次第、再度波形と脈を確認しアドレナリン1mgを静脈投与し、胸骨圧迫
をBLSに則り2分間施行、記録と時間管理を行ってもらいます。
2分後にパルスチェックを行い、PEA波形が持続していたら胸骨圧迫を再開します。この
時点ではアドレナリンは投与しません。
(ここから更にACLSの流れを説明しようとしたら、「簡潔でいいです、ポイントだけで
いいです」と遮られました)
5.考えられる原因を述べてください。
→出血多量に伴う循環血液量減少に伴う無脈性電気活動と考えられます。
6.担当麻酔科医として、私(試験官の先生)が家族の役割をしますので、家族に現在の患
者さんの状態を説明してください。
→麻酔を担当させて頂きました、麻酔科医の〇〇と申します。確認のため、患者さんのお
名前をフルネームで仰ってください。
担当の先生からも聞いていらっしゃると思いますが、手術中に突然心臓が止まり、緊急処
置が必要な状態となられました。適切に処置を行い、現在状態は安定し、集中治療室で様
子を見させて頂いています。心臓が止まってしまった原因としては、手術中の出血量が多
くなってしまったことが考えられます。輸血などの処置を行いましたが、今後も集中治療
室で引き続きお体の様子を見ながら、お体にとっていちばん良いと考えられる治療を担当
の先生たちと協力しながら行っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(試験官の先生も「よろしくお願いします」と返してくれました笑)
7.ICUの管理について。
情報を提示します。(現在の血圧・昇圧薬…ノルアドレナリン持続とアドレナリン持続が
割と高用量でいっていた気がします、血ガス結果や呼吸器設定…換気量が大きくPEEP
0、FiO2 1.0、RASS -4)
循環、呼吸、鎮静に分けて、現在の状態を改善させるためにそれぞれ使用する薬剤や設定
を述べてください。
→アドレナリンが高用量でいっており末梢循環阻害の可能性があるため、可能な限りテー
パリングし、ノルアドレナリンで血圧が保てないようであればバソプレシンを2単位から
静脈内投与、その後2-4単位/hで持続静注します。
今後ARDSへ至る可能性があると考えられるため、PEEP 4cm程度かけた上で1回換気量は
6mL/kg程度の肺保護換気とします。また可能ならFiO2 0.6以下とし、血液ガスで適宜評価
しながらFiO2を調整します。
RASS -4は過鎮静で循環抑制の原因となっている可能性もあるため、RASS -1-0程度とな
るようにデクスメデトミジンを0.4μg/kg/mL程度で持続投与します。
※30秒余ったとのことで、「しばらくこのままお待ちください」と言われて部屋で待機し
ていました。ピロートークはなかったので、出来が悪かったかな、落ちたかも…とへこみ
ました。
※とはいえ雰囲気は終始和やかで、うなずいてくださったり目元が笑っているような雰囲
気を醸し出してくださっていました。
<筆記試験>
●筆記試験(東京会場:TOC有明)
・今年から試験形式が変わりました。一般問題(今までのA+B)マークシート80問90分、
休憩15分を経て、臨床問題(今までのC)マークシート55問90分となりました。
・昨年度の試験講評で「A問題は出来が良いのにB/C問題は5割程度で、過去問をやってる
だけというのがバレバレ、今後は出題に工夫が必要」というニュアンスが掲載されていた
こともあり、試験形式を変えたということは問題も新作問題が多いのでは…とはいえ過去
問を頑張るしかない…と警戒していました。
・蓋を開けたら、一般問題:8割がA問題からの過去問、新作問題も一部はA/B問題の改変
、臨床問題:半分以上はC問題からの過去問が出題されました。今までC問題からの過去問
が出題されたことはなかったと思うので、C問題対策を手薄にしていた私は試験中にかな
りへこみました…また、C問題の新作問題の一部は、60回口頭諮問を改変したものが出題
されていました。60回口頭諮問問題は筆記試験後にやろうと思って大事にとっておいたの
で、いざ勉強を始めたとき更にへこみました…
・今回は過去問からの出題ばかりだったので、時間配分にもかなり余裕がありました。と
はいえやはり過去問からばかりの出題となったため、解きながら「一問のミスが命取りと
なるだろうなー」とケアレスミスに気を付けていました。
・休憩時間は中15分しかなく、その上女子用お手洗いは1会場あたり4個しかなかったので
、休み時間はお手洗いは長蛇の列で、入室時間がギリギリでした。ほかのフロアにもあっ
たらしいですが、道に迷ったり遅刻したりした時のリスクを考えると怖くて探検できませ
んでした。もちろん臨床問題の対策をする暇もなかったので、一般問題の試験中は時間に
余裕があったことだし、挙手して途中退室しておけば良かったと後悔しました。
・余談ですが、東京在住なのに帰りのバスを乗り間違えて、20分の行程を60分近くバスに
揺られる羽目になりました。お帰りまで十分に注意してください。
<勉強法、その他感想など>
・頭もあまり良くなく、自分は時間と回数を稼ぐしかないだろうなと思っていたので、試
験対策は60回試験が終わった頃から少しずつ始めました。「麻酔中にのんびり読む・問題
を解く」というスタイルで、試験直前1か月までは家では勉強していません。
・筆記試験対策として過去問6年分(56回は過去問を入手できなかったのでそれを除く54-
60回分)を5周しましたが、はじめの2周は解説までじっくり読み込む→3周目で間違えた問
題は要点をGoodNotes5に書き出し→以降正解した問題は該当ノートを削除、5周目でなお
間違えている問題は問題を写メってGoodNotes5に貼り付けて丸暗記、本番はGoodNotes5
を印刷して試験会場に持ち込みました(筆記試験会場ではiPadなど電子媒体を使うことは
できますが、念のため)。
・稲田先生の「麻酔への知的アプローチ」「同問題集」も買いましたが、難しすぎて途中
で挫折しました。もちろんミラーなどその他成書も全く開いていませんし、そもそも持っ
ていません…
・口頭諮問対策は、筆記試験対策と並行して進めていました。過去問1年分を終えたらさ
らりーまん先生の青本の過去問ページを7年分通読する、という形で、わからない知識は
都度調べて知識の補強をしました。また覚えておきたいアルゴリズムや悪性高熱症・局所
麻酔薬中毒など学会から出されているガイドラインもスクショしてGoodNotes5に保存、
こちらも印刷して神戸に持っていきました。
・昨年度口頭諮問直前に販売された「麻酔科専門医合格トレーニング」も2-3周し、青本に
加えて神戸に持っていきました。
・私は同期がおらず、また現在は関連病院へ出向中のため学年の近い先生もいらっしゃら
ないため、筆記試験も口頭諮問もどちらも対策が難しかったです。特に口頭諮問は「同期
同士や先輩・後輩で問題を出題しあう」ことができず、対策方法に困りました。苦肉の策
として夫に青本の問題を棒読みしてもらい、私の回答にキーワードが入っているか・網羅
されているかを確認してもらいましたが、夫は非医療系職のためお互いかなり苦労しまし
た…
・口頭諮問は試験時間が15分(?)と短いため、話すのがスローペースな先生はお気を付
けください。完走できないと加点が足りなくなってしまってもったいないです。またとに
かく完走することが大切だと思いますので、話しすぎない・キーワードを簡潔に述べると
いった時間配分にも注意する必要があると思います。
・流行りの話題として、コロナ対策やオンダンセトロン・レミマゾラム、実技試験がない
分CV挿入手技やACLSはキモとなるだろう…とある程度ヤマを張り、直前にも再確認しま
した。
・私の口頭諮問の回答を見て頂けたらお分かりかと思いますが、かなり出来が悪いです。
頭が悪い上に勉強が嫌いで、試験1か月前までは家で勉強もしない怠惰な生活を送ってい
ましたので、後輩の皆さんには見習わないでほしいと思います。
・試験後は「もっと勉強しておけばよかった」「こんなに不真面目な自分は麻酔科医に向
いていないのかな」などと思い悩んで枕を涙で濡らす夜が続きましたが笑、ほぼザルな実
技試験も含めて3科目すべて合格できました。おそらく合格者の中では最下位だと思いま
すが、合格してしまえばこっちのものなので、後輩の皆さんは余裕をもって真面目に取り
組んで頂けば合格間違いなしだと思います。応援しています。

体験談

<筆記試験>
5年分のA問題とC問題を2回、直近3年分を3回やりました。
苦手な分野や知識不足の分野については
この時点でさらりーまん麻酔科医先生の本の該当箇所に目を通しました。
今年から傾向が変わると聞いていたので
C問題は新作が増えると予想し、A問題をしっかりおさえることを重視して勉強しましたが
蓋を開けたらC問題の中に過去問とまったく同じものが多くあり
本番中に戦略を間違えたことを後悔しました。
<口頭試験>
筆記試験の勉強で手一杯だったため、筆記が終わるまで手つかずでした。
筆記が終わってから青本を使って過去問を解き、また稲田先生が出している本をサラッと読みました。
口頭試問は最終日でした。
集合場所で、最初にえらい人のお話を聞き、北野天満宮のお札?を見せられました。
スーツ着てない人は数人で、待っている部屋に時計なく、腕時計を持ってこなかったことを後悔しました。
前半組、後半組に分かれて、後半組は15分程度、集合場所で待たされました。
その後、10人ぐらいずつエレベーターで移動しました。
試験場となるホテルの部屋にも時計はなく、ここでも腕時計を忘れたことを後悔しました。
症例については必死で答えていたため、
詳細が思い出せず、申し訳ありません。
また細部は間違っているかもしれません。
①緊急でくも膜下出血 開頭クリッピング術
60代 男性 BMI 30程度
既往は高血圧くらい
自宅でごはんを食べている間に頭痛、嘔吐、意識消失。痛み刺激で反応あり
と書かれた紙を部屋の外で渡されました。
面接官は2人で、1人が質問、1人はPCに向かっていました。
どちらも威圧的な雰囲気のない方でした。
スライド1
胸部X線と頭部CTを提示され、それぞれ所見を2つ
術前に確認すること
左側臥位で開頭クリッピングをすることになった
(どこの血管か忘れました)
この患者の導入で気をつけるところはどこか
術中気をつけることは?脳圧上げないためにどうする?
術後管理で気をつけることは?その対策を具体的に。
気管チューブ、人工鼻がピンク色の泡沫痰で充満している写真を見せられる
これを見てなにを考えるか?鑑別を2つとその機序。
そうこうしているうちにSpO2低下、血圧急激に低下、徐脈となった(心停止)。どうするか?
側臥位での心肺蘇生における問題点2つ
(対策も聞かれたような?)
すみやかに仰臥位に戻して、心肺蘇生。胸骨圧迫とアドレナリンで回復。術後ICUに移動。
患者家族に術中のことについて説明してください。
私は患者家族に説明している間に時間がきてしまったのですが、一緒の問題を受けた友人は「肺水腫ってなんですか?」と家族から質問されたそうです。
②緊急下部穿孔 開腹ドレナージ、ストマ増設
70代女性 既往は心房細動(心筋梗塞だったかな)、DMなどなど。なんかいろいろ既往あるなと思った記憶があります。
バイタルや採血結果などが提示されました。
ショックバイタルで、SGLT2阻害薬やDPP4阻害薬を内服、腎機能障害もありました。
手術申し込みがきたが、術前に確認することは?
この患者で気をつけることは?
現時点でなにかやることは?
導入どうする?と聞かれました。
あと、心疾患のある患者で非心臓手術をする場合の評価のアルゴリズムを教えてくださいと言われました。
このアルゴリズムがさっぱり答えられず、少し時間をかけてしまいました。
「えーと・・・ガイドラインに載っていたことは覚えているんですが」
としどろもどろになっていても、面接官2人の雰囲気は悪くはなく、ありがたかったです。
今度は
ミダゾラムフェンタニルで導入したが
血圧下がってしまった。どうするか?と聞かれました。
→輸液する と答えたらどのぐらい?と追加で聞かれました。
術中、K高値、心電図変化も出てる。尿が出てない
どうする?薬使うなら量も教えてと聞かれ、
GI療法の薬の量を答えました。
K下がった。心電図変化もなくなった。手術が終了しICUに着いた。ICUで心停止。血圧が急激に低下している。どうする?と聞かれました。
落ち着いた。経緯を家族に説明にしてくださいと言われました。この問題でも、経緯を説明している間に時間がきてしまい、この後の追加の問題があったかどうかは定かではありません。
以上、覚書程度で大変恐縮ではございますが
覚えている限り問題を再現しました。
今後の受験生のお役に立てれば幸いです。

体験談

2022年度の麻酔科専門医試験、筆記、口頭試問合格いたしました。
青本は試験直前まで読み込んで、ボロボロになるまで使い込みました。本当にお世話になりました。①筆記について
会場はエアコンが効いて寒かったり、暑かったり、さまざまなので、脱ぎ着ができる衣類を着ると良いと思います。膝掛けなどあると女性の方は便利です。
試験中飲み物は机に置いて大丈夫でしたが、目薬は禁止されてました。
飲食は許可されており、試験前や試験の昼休みなどにみなさん軽食を食べてました。
時計は大きなデジタル時計が置いてあり、後ろの席からも見えました。
試験の合間の休憩時間は短く、トイレ休憩のみで終わりましたり

試験内容は今年は形式は変わりましたが、基本的には過去問中心で、3-5年分を満遍なくやることが重要と思います。

②口頭試問
三ノ宮駅近くのホテルに前泊しました。
試験当日は、集合場所で説明を受けた後、すべての荷物を持ってエレベーターで口頭試問を受ける部屋にあるフロアに移動しました。試験の部屋は一般のホテルの部屋を使ってました。試験監は2人で、質問をする人と点数をつける人。テレビ画面には問題に関連するデータなどが表示されました。
大動脈弁狭窄症の患者に関する問題と、産科出血に関する問題でオーソドックスな問題でした。
正解がわからない問題もありましたが、自分なりの答えを作って、全て答えました。
明らかに違っているであろうことは、試験監から何度か聞き返されました。
2問とも時間は余りました。前半は無言で数分待機、後半は試験管と少しおしゃべりをして解散となりました。圧迫感はなく、一般的な面接でした。

口頭試問の対策は、筆記試験を終えてから開始しました。青本の過去問を暗記することを第一とし、その他は満遍なく苦手分野や、普段の臨床麻酔でやったことのない分野(小児や産科麻酔、エクモ関係など)は教科書を読み込んで、基本的な知識をつけました。知らないことを聞かれて無言にならないように、何かキーワードだけでも言えるように準備しました。
自分の性格上、あまり本番で緊張するタイプではなかったので、面接練習、声に出しての練習はあまりやっていません。

総じて言えることは基本に忠実に、初歩的なテキストに記載されていることはすべて答えられるように、複雑な問題は皆解けないから差はでない、と思いながら勉強していました。

体験談

1問目
60代男性、BMI36
ロボット支援下前立腺全摘除術
高血圧ビソプロロール内服、うつ病イミプラミン内服
睡眠時無呼吸症候群CPAP
動揺歯なし、甲状おとがい間距離8センチ、ひげなし、首は太くない、
マランパチーⅢ、リップバイトテストⅢ…その他覚えていません
①日本麻酔学会気道管理ガイドライン2014に記載されている、マスク喚起困難と気管挿管
困難が同時に発生する可能性を予測する、術前に評価すべき12の危険因子にあてはまる項
目を答えよ。
②(ガイドラインP7、図4危険因子数と発生頻度、オッズ比の表を見せられて)
この患者の危険因子は7項目ありました。この表を参照しながら、試験官を患者に見立て
てわかりやすくリスクとその対処法を説明してください。
③無事に気道確保できました。麻酔導入後、このような心電図波形になりました。所見は
(心電図波形が表示され)→洞性徐脈
④洞性徐脈の原因として考えられるものをあげてください。(3つだったと思います)
⑤対処法を3つあげてください。
⑥経皮ペーシングをおこないます。(除細動器の写真が表示され)このデバイスを用いて
経皮ペーシングを行う手順を答えよ。
⑦無事に手術を終えて術後回診に行きます。注意すべき神経障害とその機序を5つあげて
ください。
⑧患者はつま先が上がらなくて歩きにくいと言っています。障害されたと考えられる神経
を2つ挙げてください。
(ここで時間切れとなりました。)
2問目
60代女性、ASに対して大動脈弁置換術
体型少し肥満、高血圧糖尿病はコントロールされている
①エコー所見EF40%、最大流速30m/s、圧格差28くらい?、弁口面積0.7
重症度を評価してください。
②必要なモニターとそれから得られる情報を5つ答えてください。
③導入時に注意すること、導入に使用する使用薬剤と投与量を答えてください。
④胸骨正中切開の時に気を付けること3つ
⑤弁置換を終え、ヘパリンは拮抗してACT138です。(トロンボエラストグラムが表示さ
れ)所見と投与するものを2つ答えてください。→FFPと血小板
⑥急にバイタルが変動して血圧低下、頻脈となった。(TEE画像が表示される)
考えられる病態とこのTEE所見を答えてください。
→心タンポナーデと大動脈解離の所見
⑦心タンポナーデ、弓部大動脈の解離があり出血が続いています。A型Rh+のRBCの在庫
はすべて投与したが、まだ輸血が必要な状態です。A型+以外の血液製剤はすべて20単位
ずつ在庫があります。使用できるRBCの種類を優先順位の順に2つ答えてください。
→O型ともう一つがわからず、A型Rh-と答えましたが、いまだに正解が分かりません。
⑧無事に弓部置換を終えました。術後1か月、胸骨付近にピリピリした痛みがあり、アセ
トアミノフェンとNSAIDsはすでに内服している。他に投与できる薬剤2つ。
⑨この痛みの診断名は?
(ここで時間切れとなりました。)
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