☆お知らせ☆
麻酔科専門医試験体験談

54回麻酔科専門医試験体験談

体験談①

筆記試験

本番の試験はA問題はほぼ過去問どおり、ちゃんとやっていれば8割以上は取れる内容だったと思います。B問題とC問題はNOMIや輸血合併症、DVTに関する問題が目立ち、また、どう判断してどう対処するかを問うものも多く、口頭試験対策をきちんとしていれば良かったと痛烈に思う内容でした。自己採点ではBが5割、Cが7割程度の出来でした。
口頭試験
1.甲状腺全摘を受ける他に合併症のない中年男性。
麻酔計画、管理上の注意点など。
airwayに注意することとか、反回神経麻痺や気道浮腫の合併症とかのことをたくさん述べてみました。甲状腺クリーゼについても聞かれました。
あとはICUへの申し送り。
1問目は答えやすい問題で良かった・・・
2.80代女性、肘正中からの採血部位が痛かったが、しばらくして完治、2ヶ月経ってまた痛み、痺れ、運動障害が出現したとのこと。
何を考えますか。どこの障害ですか。
ペイン領域はまったくもって苦手だったので、何を言っても不正解(笑)。
実際は頸椎症性脊髄症からの症状というおちでしたが、ほぼ答えを言ってもらいながら進んでいきました。
でもリリカのことは副作用とか、量とか、(さすがにこれくらいは常識なのかもしれませんが)覚えておいて救われました。
ロールプレイでは、この症状は治らないのですか、という患者にどう説明するかでした。
手術で完治する可能性もあるでしょうが、そうでない可能性もありますし、日常生活に支障を来してなければ薬で様子を見ましょうと答えました。日常生活に支障を来してなければ、というのはポイントだったようで、そう言ったときに採点ボタンが押されているようでした(ラッキー!)。
実技試験
1.ACLS  7歳、30kg 鎮静をしたら呼吸抑制からチアノーゼになり、ハリーコールで呼ばれました、という設定。
モニター心電図はHR40の洞性徐脈。
脈は触れます。そしてマスク換気は適切に行われているという体で、とか言われましたが、ならすぐ戻るでしょ!って突っ込みたかったです。
アトロピンを入れてみます、量は、30kgだから・・・とかまごまごしてたらVfになり、心マ、除細動の流れでした。
2.分離肺換気、2腔チューブを左気管支へ誘導、左B6の同定。ブロッカーも入れさせられました。
3.妊婦の脊麻の手技。やりながら消毒薬は何使うか聞かれました。引き続き新生児の挿管手技。
4.TAPブロック、腕神経叢ブロック(斜角筋間アプローチ)のエコーの描出、CV穿刺を人形で。ファントムで平行法で神経が狙えるか?など盛りだくさんでした。
実技試験はACLSの部屋以外はまあまあの手応えでした。
★筆記に全力をそそいでしまったので、口頭・実技対策はほとんどゼロに近く、直前の1週間は、先生の青本がほんとうに大活躍でした。
ありがとうございました。

 

体験談②

<体験記>

3科目合格しました。口頭試問対策に資料を使わせていただきました。

筆記試験

過去問5年分を繰り返し、解きました。最初の1-2周は解説をよんで、理解しました。間違える問題は決まってきますので、そこだけメモをとって覚えるようにしました。以後は問題と答えをタイムトライアルのような感じで、空いている時間に解きました。問題と答えを覚えてしまうような感じになりますが、年度ごとに「でないのを選べ」など、出題形式が若干違うので注意が必要でした。特に過去問A, B問題は同じ問題が出題される可能性が高いとのことでしたので、重点的に繰り返しました。タイムトライアル形式だと、3時間ぐらいで1年分が終わりますし、「ページをめくることで勉強した感じ」があるので、試験前に焦っている時には精神的にも安定材料になります。実際の試験では、A問題で見たことのない問題は100問中1-2問ぐらいでしたので、ほぼとりこぼしていないと思います。B, C問題は難しい問題ですので、あまり差がでないかと思います。合格対策するには、A問題をとりこばさない過去問重視がよいかと思います。

口頭試問

一番の難関だと思いました。出題問題によって解答できるかどうかが大きく分かれますので、勉強法としては「自分の一番弱いところをかさ上げしていく」のがよいと思います。得意分野の問題であれば、ある程度は答えられますのでそこを強化するよりも、大幅な減点を避ける勉強法が合格への近道かと感じます。ペインや集中治療、緩和に関しては、その領域の基本的問題が出題される傾向にありますが、最近は具体的な薬剤量や副作用の対策なども問われますので、少なくとも過去問に出ている内容は語れるようにすべきと思いました。また、「術中低酸素」「覚醒遅延」「血圧低下」など、どの麻酔でも生じうるトラブルに関しては、鑑別リストや対策を整理しておく必要があると思います。もちろん現場では、無意識に対処してしまうことなのですが、言葉で表現するというのは難しいものです。口頭試問症例では、ほとんどの場合で麻酔中にトラブルが生じてくるので、必須の対策かと思います。

 

出題① 肥厚性幽門狭窄症

生後1ヶ月程度の噴出性嘔吐。小児外科医から手術が申し込まれる。

<術前の問題点と診察項目について述べてください>

<麻酔方法はどうしますか?注意点は?>

<チューブはどのサイズを使いますか?>

<術後鎮痛は?>

<病棟で低酸素血症になりました。原因を5つ挙げ、対策を述べてください>

出題② AS(問題文では弁膜症としか書かれていない)合併患者の胃出血に対する緊急手術

<試験官を術者とみなし、麻酔上必要な術前情報の聴取を行ってください。>

<A圧と左室圧のグラフ → 診断は?>

<麻酔導入方法を具体的に述べてください>

<麻酔導入後に血圧低下しました。鑑別を5つ挙げて対処法を述べて下さい>

<術後覚醒遅延です。鑑別と対処法を述べてください。>

※   非常に温和な試験管二人でした。質問の前に「リラックスして質問に答えてくださいね」と声をかけてもらいました。質問に答えている間も、うなずいてもらえたので安心できました。試験官によって雰囲気はだいぶ違うかもしれません。

※   答えが足りない時などは、「他にはどうですか?」「○○という状況ですが、他には考えられませんか?」「××mg/kgでよいですか?」と聞き返してくれます。基本的には+αを求められているので、何か答えた方がよいです。

※   他の体験記にも書かれていましたが、あまり長く答えると時間がなくなって最後の方を飛ばし気味に進めることになります。なるべく簡潔に答えるのがよいと思います。

実技試験

分離肺換気(DLT, Bloker)、B6の同定、分離換気の方法

ACLS

硬膜外+TEE(四腔像と左室短軸の描出、右室同定、M弁前尖同定)

神経ブロック(TAP, 鎖骨上)、CV穿刺(ガイドワイヤーまで)、神経ブロックの針描出

普段やっている通りにやれば問題ないです。ただ、TEEや神経ブロックなど経験が少ない人は苦戦する(というか知らなければ考えても分かるものではないです。)かと思います。過去問の内容は練習しておいた方がよいかもしれません。質問内容は、その手技をやっていれば答えられる内容になっています。ですので、手技の実力よりも「やったことあるの?」「後輩におしえられる?」という視点での評価だと思います。また、時間がなく、せかされます。ゆっくり説明していると、「そこはやったことにして進めてください」と言われたりします。

注意すべきなのは、「一応、設定があること」です。私は、ACLSは脊髄くも膜下麻酔後に心停止した症例でした。てっきり挿管している状況だと思い込んで、30:2の換気ではなく、6-8秒に一回と指示していました。プロトコールが決まっているものはそのとおりにやらないと大幅減点と聞いていたので、試験後に気がついたときには落ち込みました。合格したのでほっとしています、本当に。緊張するとは思いますが、「症例の状況設定」は最初に読み上げられますので、注意して聞いた方がよいかと思いました。勘違いしている場合は「誘導」が入り修正してくれますが、手技をやっていると他の状況を想定することができなくなりますので、混乱します。口頭試験の項目でも述べましたが、試験官が聞き返したり、何度も確認してくるところは「間違っているという指摘」ですので、冷静になって(難しいですが)状況を確認した方がよいかと思います。

体験談③

はじめに、これは非常に要領が悪い人間の受験期です。要領がよいと思う方は読んでも意味がないかもしれません。

筆記試験

試験というものが苦手で今までの人生で何度も痛い目を見てきたので、1年前の9月から準備をはじめました。まわりにひとりも受験生がおらず情報をまったく持っていなかったのでネットで情報検索しこちらのサイトにたどりつきました。はじめから終わりまで不安でたまりませんでした。過去問は7年分を4-5回解きました。正直なところ、1,2回目では問題の意味すら全くわからず、ただひたすら解いては間違え解いては間違え、といった感じでした。はじめのうちは正答率10%ぐらいだったと思います。

気づかないうちに少しずつ少しずつポイントがわかってきて、3回目くらいからは正答率も上がるようになってきました。それに伴い青本を読みこみました。時間も根気もなくミラーのような成書を読むことはできなかったので、青本で付け焼刃の知識を詰め込みまくりました。はじめはどうしても進みが遅く、1日10問解くことからスタートし、4回目ぐらいには1日50-100問、5回目には1日100-200問解くようにしました。タブレットを持ち歩き、わからないことはネットで調べました。(ネットには間違ったこともたくさん載っていますのでひとつのページを信用しないようにはしていました。)何度も間違えるところはノートに太いマジックペンで書き出し覚えるようにしました。

試験直前までずっと仕事の合間に職場で勉強し、退勤後はカフェで夕食をとり勉強しました。1日に合計2時間程度勉強するのがやっとでした。休みの日はできるだけ勉強に充てました。最後の1週間はシルバーウィークがあったことも幸いでしたが休みの日は図書館に行って開館から閉館までいました。受験生とおぼしき若い方々や資格試験を受ける方々がたくさんいて、とても励みになりました。この最後の1週間は本当に精神的にもつらくほとんど泣きそうになりながら勉強していました。

PDFファイルの計算問題の解説は非常に役に立ちました。計算問題はかなり意味不明なところもありますが、絶対に捨てられないと思い自分なりに理解できるまで解きました。そのおかげか、新作チックな計算問題が出ましたが解けたように思います。また、青本のTEE図説のページも非常に参考になり、あれを基に自分でもTEEの本を開いてイラストを書き知識の再確認をしました。とにかく要領が悪いので私生活のかなりの部分を犠牲にして取り組んだ受験でしたが、結果がついてきたので報われたと感じています。

当日はA問題はほとんど過去問でしたので、90%以上は正答できていると思います。B問題は完全な新作問題で、勉強不足ですのでちんぷんかんぷんでした。が、解きながらもよくできた問題だな(悪問もありますが)と感じました。終わってミラーを斜め読みし、やはりミラーから出題されるのだなと思いました。自信を持てる解答は20%程度だと思います。試験中ももしかしたら人生終わってしまったのか?とも思いましたが諦めてはいけないといましめ頭の記憶を呼び覚ますようにしました。

B問題はおそらく日頃深く勉強しているかどうか見ているのだと思います。得点率が低くても合格できますが、今後勉強しなさいと示唆しているのでしょうか。

C問題は臨床問題で、おそらくそこまで難しくなかったのだと思います。が、知識の甘さが出てしまいわかるようでわからない問題がたくさなりました。恥ずかしながらこちらも正答率は20-30%のような気がします。実際の臨床では正解が複数あることもありますから、なにが正解か終わってからもわからずどんよりした気持ちのままでした。他の方も書かれていると思いますが、とにかくA問題をはずさなければ筆記は合格すると思います。

口頭試問と実技試験
実際に準備にとりかかったのは、筆記前最後の1週間のうち1日と筆記が終わってからの日々のみでした。青本のみを頼りました。本番前日には声に出して練習しました。青本の過去問を解くうちになんとなく傾向がわかってきたので、青本に載っている分は全部目を通したほうがよいと思います。実技についても、特にPNBについてはyou tubeを何度も見てイメージを膨らませました。

神戸ポートピアホテルの本館8・9階を借り切っておこなわれていました。客室のベッドが取り払われ試験会場になっていました。待機室(2階宴会場)から業務用エレベーターで一定人数ごとに上にあげられます。待機室では緊張のあまり完璧に末梢がしまってしまい、いわゆるプレショック状態になっていました。客室階にたどりつくと、スタッフの方々が大勢いて誘導してくれますので完全にベルトコンベアーに乗って方々で検品されている感じでした。不思議とベルトコンベアーに乗ってしまったら末梢もあたたまりなぜだか勇気がでてきました。これが一番の勝因だったかもしれないです。いつもオペ室でやっている通りの自分を出せばきっといける!と思いました。

口頭試問
入室前に5分時間があり、二つの症例を書いた紙を渡されます。ボールペンでメモを取ることができます。これは聞かれるだろうなということはある程度予測がついたので、本番で頭が真っ白になってもいいように必要な検査や身体所見や注意事項などをメモしておきました。意外とたくさんメモできました。試験官は二人で非常に優しい先生がたでした。

①生後1か月の子の肥厚性幽門狭窄症と②高齢でOMI他院フォロー中+脳梗塞後遺症なし抗血小板薬内服のASが出題されました。

①では術前に診るべき身体所見、検査所見、電解質をどのくらいの数値まで補正するか、補液の速度は、挿管チューブのサイズは、導入するときの注意点は、などが質問されました。①の中に接遇問題が含まれていて、すぐ手術をしたい外科医にどう対処するかというものでした。知識を問う質問の中にははずしてはいけない(チューブのサイズや導入するときにRSIで導入するなど)国試の禁忌問題のようなポイントはあると思いますが、あとは普段自分がどのように赤ちゃんの麻酔を管理するかを述べられれば大丈夫そうでした。間違っていても評価はされているような気がしました。

②でも術前に必要な情報、導入方法とその薬剤(いつもリアルに使っているものでよいそうです)、術中管理で気を付けることなどを質問されました。導入方法ですが、この症例ではかなりの圧較差がありましたので、いつもプロポで導入しますが量は少なくします、ですとかプロポなしでセボだけ嗅がせて導入することもありますなど、それこそ実際にやっている方法を披露しました。若干時間が余ったのですが、こういうところを気を付けたほうがいいよと講評をいただきました。優しく「先生はできているから、次も頑張って」と言われ元気づけていただいて退室しました。その一言は神に思えました。

間違った答えを言ってしまってもひるむ必要はないと思います。普段実際に自分の頭で考えて麻酔を計画しているかを重視して見られているような気がしました。そしてとにかく思いついたことは何でもしゃべることが重要だと思います。沈黙は禁です。

実技試験

こちらは4つの部屋にわたって試験を受けます。どの部屋も試験官は二人で二人とも採点していました。とにかく、まったくもって時間がありません。答えに悩んでいる時間はまったくありません。よどみなく答えることが大切ですが、ふだん麻酔をかけていればなんなくできると思います。

①    ブロンコキャスの挿管+気管支ファイバー

患者の年齢と右肺全摘予定であることが読み上げられ、チューブのサイズを選択させられます。実際にブロンコキャスが出てきます。組み立てはすんでいました。喉頭鏡で人形に挿管するのですが、喉頭がベロベロしていてかなり時間がかかってしまいました。喉頭蓋が丸まってしまって全然持ち上がらなくて自分でも笑ってしまいました。なんとか挿管し、その過程をつぶさに口で説明しながら左用チューブを左の気管支までもっていきました。聴診による確認は省略され、すぐにブロンコファイバーの操作にうつりました。青カフが分岐部でチラ見えする状態にすることははずせないポイントだと思います。そのあと右の上葉気管支を出してくださいと言われ、自信なさそうに説明しはじめたところ時間がなくなってきたのか、もうよいので左のB6を出してくださいと言われ、考えていたところでタイムオーバーとなってしまいました。もはや落ち込む余裕すらなし。

②    カイザーの硬膜外麻酔+TEE

穿刺高についてきかれました。あとは説明しながらやってくださいと言われ、手袋のサイズを聞かれ手袋装着から試験スタートでした。今回は腰椎でやってくださいと言われ左側臥位の人形の前に座りました。実際に刺せる人形でした。消毒して(消毒内容は聞かれず)、キシロカインで局所麻酔して(…と説明していたら患者さんにも声かけてねと言われてしましました。説明しながら、声掛けしながらなんて非現実的ですし、実際やろうとするとけっこう難しいですね。)本物の針をMedianで刺して、深さ2㎝で止めて、生食のシリンジ(実はいつもは局麻入りのシリンジで刺してますが)をつけて抵抗消失法でおこない、抵抗がなくなったところで…と説明しながら手技をすすめました。チュービングまでおこない、何㎝入れるか質問されて終了でした。TEEではfour chamber viewとTG basal SAXを描出してくださいと言われ、当然なんなく描出できました。four chamber viewでは右室とM弁前尖を出してくださいと言われました。それだけでタイムオーバーでした。これも、おそらく日頃からTEEを使い慣れているかも含めて見ていると思います。実は久々でしたが、構え方など本能的に覚えていましたので今までの経験に心底感謝しました。

③ボランティアさんでTAPブロック+腕神経叢ブロック鎖骨上アプローチ+人形で右内経静脈CV挿入とこんにゃくゴボウでの神経ブロック

TAPブロックは実際にやったことはないのですが、何度も何度もシミュレーションしたのでいかにもやっている「風」に答えられました。構造物について説明しどこに局麻を入れるか、ただそれだけです。鎖骨上アプローチについては実際に画面を出し構造物について答えます。斜角筋はどこ?とも聞かれましたが出した画面では出しづらかったので少し上に振って斜角筋アプローチ近くまでプローベを持っていき示しました。CV挿入は当然エコーガイド下です。動脈と静脈の見分け方についても聞かれます。ガイドワイヤーを挿入し、ワイヤーを何㎝挿入するか聞かれて終了でした。問題はこんにゃくとゴボウです。こんにゃくのようなものに中のこのへんに神経がはいっていると言われプローベを当ててみると、ゴボウのような線のようなものがでてきました。ブロックしてくださいと言われましたが、神経=○の集まりと思っていたので何度も「これって神経なんですよね?」と聞いてしましました。もしかしたらプローベの向きを90度変えれば○の集まりになったのかもしれませんが、本番では思いつくわけもなく仕方ないので、平行法で刺しますと言って刺し神経のそばまで針をすすめて終了しました。実際にはありえないブロックですね。この部屋は本当に忙しく、早口でしゃべりまくらないと4つの手技はできなさそうでした。

④始業点検かと思いきや、ACLS

脊麻で管理されていた人が心停止したパターンでした。頭が働かなくなっていて、すっかり挿管しているものと思い込むヘマもありましたが穏やかに指摘していただき修正できました。PEAの波形を出されて、さあどうぞと。試験官が気道を確保することになったので、自分は心マをしました。聞かれもしませんでしたけど、押す場所・回数・深さ・戻りについてすべて勝手に答えました。その間30:2で呼吸をサポートすることも言いました。アドレナリンを用意してもらい、IVしたら生食20mlで後押しし上肢を拳上することも勝手に言いました。アドレナリンは3分おきということも言いました。心マは2分おきと言うのはなんと忘れてしまいました。そうこうしていると波形がVfになっていてさあどうする?と。DCかけますので二相性なら150Jにしてくださいと言うと少ないJでショックをかけさせられます。手元でチャージさせられました。そのあとからがパニックです。戻らなかったのですが、心マを続けるところをなんと再度DCをかけるという大失態。あとで思い出して青ざめました。幸い、そこでタイムオーバー。ちーん、でした。

口頭試問が終わって、もはや茫然自失でエレベーター(こちらは宿泊客用のふつうのエレベーター)に乗ってロビーに帰りました。帰ったらなんだかあの世からこの世におりてきたような気がして不思議な感覚でした。

 

これから受験なさる方々に言えることは、過去問と青本と、そして日々の臨床を大切にしてくださいと言うことです。それが、受かるためのすべてだと思います。

体験談④

●筆記試験
過去問を解きながら、year noteのようにまとめファイルを確認しつつ、
結果的には6年分を3-5周しました。
まとめファイルのおかげで、
やっていくうちに徐々に知識もまとまっていきました。

実際の試験では、A問題はほぼ見たことのある問題でした。
B、C問題は例年通り新出問題も多くて焦りましたが、
解ける問題で落とさないよう注意しながら解いていきました。

●口頭試験
毎年新出問題も多く、かなり対策が難しかったですが、
過去問は過去10年分3周とまとめファイルを活用しました。
基本的には、筆記試験で出ている内容を、解答の範囲だけでなく、
全体的に把握していれば良いように思います。
自分の苦手分野は確実に勉強しておいたほうがいいと思います。

●実技試験
内容が盛りだくさんでしたが、過去問と同じような問題でした。
TEEが新しく出ていましたが、これも基本的な内容の出題のみでした。
いろいろな模型を使わせてもらえるので、個人的にはすごく面白かったです。

●まとめ
まとめファイルはyear noteのように、専門医試験対策向きで大変活用しやすかったで
す。
過去問を取りこぼしなくきちっと把握していくことが重要だと感じました。
大変お世話になり、ありがとうございました。
これから受験される先生方がんばってください。

体験談⑤

筆記試験は過去7年分のAB問題,選択肢丸覚えしました。おかげでA問題は9割。
しかし、B問題がぜんぜん出来ず、C問題は5割ぐらいか?青本でだいぶ知識が整理されました。
口頭試問も青本がだいぶ役に立ちました。
実技試験は普通に麻酔していればOKでしょう。
以下口頭試問と実技試験の内容をお送り致します。
口頭試験

口頭試問は新生児の幽門狭窄で、電解質異常、代謝性アルカローシスを来たしていて、電解質補正してから手術。また、補正には何を使うか、どれぐらいのスピードで?導入は?術後鎮痛は?弁膜症胃潰瘍の出血で麻酔前に必要な検査など試験管を主治医にみたててディスカッション。

実技試験 
実技試験は4つ1つ目は硬膜外麻酔の実技2つ目はダブルルーメンチューブの挿管でB6はどこ?次に気管支ブロッカー3つ目はACLSでPEA。心マしてVfで除細動。4つ目は男の人が上半身裸になってい後方TAPブロック。鎖骨上腕神経ブロック。前斜角筋は?どこに薬入れるの?

体験談⑥

筆記試験
A問題は95%とれました。B問題は4割取れてるか取れてないか。難しいがな!!C問題は7割~8割程度だったです。
筆記試験は過去問を12年分しました。最後はできなかった問題を繰り返ししました。
口頭試験
甲状腺摘出手術。 採血、X線写真のほかにどんな検査を!? 術中術後に気をつけるべき点は!?などで、サラリーマン先生の
本で勉強した知識が非常に役に立ちました。面接の先生は、まだあるやろ!?そのほかまだあるやろ!?とおっしゃってくださったので、
知ってる知識、正確にはサラリーマン先生の本で覚えたことをぶつけました。
で、面接官の先生が、ま~こんなもんかな~とおっしゃったので次の設問に行きました。
二問目は採血の失敗で二週間で痛みは直ったものの上肢の違和感を訴えて受診した患者様。肩関節の外転、肘関節の屈曲、手関節
の屈曲伸展などのMMTの結果を見て診断していくというもの。。
正直よくわかりませんでした。ただ、二枚目の画像でC5.6に感覚障害があったのでそれで、神経根障害とわかりました。診断後は、
追加の検査を聞かれました。MRIやCTと答えたらオーケーにしてくれました。
次に見せられたのが頚椎のXP側面と、頚椎MRIのサジタール像で所見を答えろというもの。
これは簡単でした。頚椎すべり症でした。広範にすべっててかなり圧迫されてました。
当該疾患に対する治療方法。当方は手術的治療と、保存的治療を述べました。
この患者さん(軽度腎障害)に対する薬物療法で、どんなものを使うか。注意点は。適宜減量と、薬の大まかな分類、その分類
に属するお薬をきかれました。
次はリリカでよくなったとのことで、リリカの作用機序(こたえれませんでした)、副作用、投与量についてはこたえれました。
口頭試問ですが、持ち時間は30分のようですが、合格水準に達した受験者は早く解放されるようです。3人ユニットの3番目でしたが
一番早く開放されました。20分ほどしか試験室にはいなかったような。。。
実技試験
実技は
小児7歳体重30キロのACLS、徐脈で何とどれだけ投与するか。つぎにPEAとなったのでCPR、薬剤投与、最後にVfで
薬剤投与と、徐細動、どのくらいのエネルギーで
ダブルルーメンチューブの組み立て、挿入と、気管支ブロッカーの挿入。チューブのサイズ、左右の気管支の違い、ブロッカーの位置異常で
起こることをきかれました。当方ブロッカーは入れたことないです。なんとか、入れれましたが不安でした。
ファイバーについては原則すべてファイバー挿管してますので、楽勝でした。ただ、ダブルルーメンチューブを左側からファイバーをいれ
ガイド代わりに左主気管支に挿入後、次に右にファイバーを挿入し右主気管支と青カフの位置を確認するというお手軽方法でやってしまいこ
れまた不安でした。試験管の先生にそうする!?ほ~~、そうするんや~!?と、あきれられたのか。。 感心されたのか。。。合格したので大丈夫だったのか。。
妊婦の脊椎麻酔、リコールないときはどうするか!?新生児の挿管、チューブサイズ、挿管の深さ、直の喉頭鏡のサイズなど。。
これは簡単でしょう。
最後に神経ブロック。バイト君(下着一枚のやたら黒い兄ちゃん)にたいしてTAPブロック、エコー画像を出して皮下組織、外腹斜筋、内腹斜
筋、腹横筋などを答えさせる。同様に、腕神経そうブロック斜角筋間アプローチを。最後にファントムを用いて実際に穿刺。薬を神経の横断面の
最初に上から入れるのか、下から入れるのか。最初に上に入れると神経が薬で押されて深い位置に行ってしまうので最初は下からいれますと
答えたらそれでいいようでした。内頸静脈のエコーガイドか穿刺ガ最後に出ました。動脈と、静脈の違いを聞かれました。
ほとんどの症例で神経ブロックを行っており、中心静脈穿刺もエコーガイドでやってるのでラッキーーでした。
実技も、持ち時間は各々10分ですが、できた人はもっと早く開放されてました。当方もかなり早く解放されたので他の人を待ってました。
逆に時間いっぱいまでやってると時間です。。とタイムキーパーが室外よりお知らせしてました。
以上です。
まとめ
筆記試験は今年の1月から12年分を3周以上やってあとはできなかったとこを中心に知識の整理を図りました。また、覚えなければならない
数値などまとめました。
口頭試問は8月になってからサラリーマン先生の本でがんばりました。心臓血管外科は他の書籍も参考にしながら勉強しました。
ただ、もっと早く口頭試問の勉強を開始すればいいと思います。6月くらいからやってればもっと自信を持って本番に望めたと思います。
これ重要です。口頭試問は絶対対策が必要です。早目、早目がお勧めです。
実技ですが、普通に臨床やってれば、ACLSと、麻酔器始業点検だけでええんちゃうかな。。と思います。
ただ、神経ブロックについてはやってるとこ、やってないとこがあるので、過去問で出た分は自分に当てるでもして
すぐに出せるようにするのがいいと思います。こちらは、筆記試験終わってからの勉強で十分じゃないでしょうか。
当方は、小児科の麻酔はヘルニア以外かけたことないです。脳神経外科、心臓血管外科、緊急帝王切開なんか
当然やったことないです。見たこともないです。しかも、麻酔の技術的なことも含めて誰にもまったく教えてもらってません
スーパーローテーター初代でしたのでなんとなく医局に所属しませんでした。学会発表も手探りで自分ひとりでやりました。
以外にできるもんだと思いました。後に続くみなさんも当方のような人間(精神保健指定医)でも麻酔科専門医になれるので
全然大丈夫だと思いますよ!
とにかく。口頭試問はサラリーマン先生の本で。この本は、試験だけでなく今後の麻酔科人生にもすっごく役に立ちそうです。
すごい先生やな~ほんま。

体験談⑦

勉強始めた時期:受験する年の3月頃
内容:過去問直近5年分とサラリーマン先生の青本 。B.C問題や口頭試問対策に、過去問5年分に登場した疾患については青本や成書で調べて麻酔のポイントなどを自分なりにまとめました。後、削除問題も再出題されていたので答えを調べておきました。(今年もA問題に過去の削除
問題が2問程ありました)

筆記試験
今年のA問題は過去問5年分で9割は取れる内容でした。例年通りでしょうか。
B問題は全て新作で、過去問に関連してこれは合ってるだろうというのが2割程度の感覚でした。
本来は稼ぎどころのC問題ですが、緩和や救急、心外などがこれまでより多い印象でした。ずっと市中病院で大人の一般麻酔(心外は時々)しかしていなかったので研修医時代の知識を掘り起こして必死で答えましたが、友人との答え合わせでは5割ぐらいかな、、というところでした。

実技試験
過去に出た問題をしっかりやっておくことで対応可能でした。これまでと違うのは経食があったことです。ただ内容は基本的なviewを出す、どこがどの冠動脈支配領域かを答える、右室左室、僧帽弁の前尖をいう、など初歩的なものでした。1つの部屋で2つの項目をやることが多く、かなり駆け足で試験官も時間に追われてハイハイハイと進めており、割と甘めの採点の印象を受けました。

口頭試問
1問目が新生児で肥厚性幽門狭窄、2問目が恐らくASの緊急胃噴門部出血の麻酔でした。どちらも大まかに勉強していた内容でしたが、1問目で新生児の身体所見や術前管理について具体的に数字などを問われ、日々大人の麻酔しかしていない私は輸液の量すら検討がつかず、正直ヒーヒーでした。とにかく地雷を踏まないように答えるので精一杯でした。
これまであった接遇はありませんでした。(強いて言うなら大人の麻酔で、試験官を手術を申し込んだ外科医と見立てて術前に必要なことを話して下さいというのがありました)

総評
これまで以上に救急、ICU、小児、緩和と満遍なく勉強することを要求されていると感じました。私は圧倒的に勉強した範囲が狭かったです。。
ただ基本はやはりみんなが取るところを確実に取ることだと思いますので基本の勉強方法に間違いはなかったと思います。
日々の仕事をしながらの勉強はなかなか大変なものがありますが、サラリーマン先生の青本で効率良く勉強できたと感じています。
有難うございました。

体験談⑧

7月になってから本格的に試験勉強をはじめました。過去問5年分を三週解いて、四週め五週めは苦手な問題のみ解いてその合間に口頭試問の問題を解いていました。解説をしっかり読んで理解して、青のまとめ本に自分なりの解釈を書き加えての作業を繰り返しました。それが終わったのが8月終わり頃でした。9月のシルバーウィークは育児で全く勉強出来ず…、残り一週間くらいで先生の過去問集にはじめて手をつけて(C問題らしきものは時間がなくて解けず)、セルフテストは時間がなくて全く手がまわりませんでした…。

<筆記試験>
A問題はやっぱり過去問だ!!と再認識させられました。おそらく7~8年前くらいの問題も出ていたと思います。過去問の除外問題もでていました。
B問題は、やはり難問が多く、自信を持って答えられるのはわずかでした。
C問題はBほど難問ではないですが、運任せ状態でした。ただ、過去問の解説をしっかり理解していたら解ける問題も多いと思いました。

私の場合、Bの正答率はかなり悪いと思います。全体的な出来はイマイチで、もしかしたら落ちたかもなと思いました。A問題で95%くらいできたのが良かったんだと思います。

<口頭試問>
2日目の昼からでした。試験の雰囲気はだいたい皆さんの書いてあるとおりでした。試験官の雑談や相槌は一切ナシでした。1問目はふらつきが主訴の小児(3歳、15kgくらい?)、1週間前より嘔吐、MRI室での麻酔依頼でした。後で小脳腫瘍の画像だされました。聞かれたことは、術前問題点、MRI室での麻酔の注意点や気道確保の選択(LMA、挿管チューブ)、プロポフォールの投与量(導入、維持)、脳圧亢進の対応、後頭蓋腫瘍の手術の術後合併症、術後低酸素の原因と対応なと聞かれました。他にも聞かれた気がしますが、緊張しすぎて覚えていません、すみません…。
2問目は、高齢女性(体格は普通)のラパロ低位前方手術で、イレウス状態で心房細動、脳梗塞で抗凝固薬糖尿病合併でした。術前問題点、導入時の注意点、プラザキサについて(ワーファリンとの管理の違い?PTでモニタリングできない?術前休薬期間、ヘパリン化など)、この症例で肺塞栓のリスクはどのくらいか、肺塞栓の一般的な予防法、硬膜外麻酔の際のヘパリン中止と再開、術後下肢感覚障害出現時の対応、硬膜外抜去時の注意点(←外科医への指示、対応)についてでした。

私は過去問5年分を重点的にやりました。勉強不足でペインや救急でたらどうしようとひやひやしてました。試験官は優しそうな方でしたが、誘導はナシでした。

<実技試験>
筆記試験が終わるまで何もしてませんでした。
とりあえず青本にのってある内容はチェックし、
麻酔器、ACLS、筋弛緩モニターの張り付け、上肢下肢神経ブロックの解剖は復習しなおしました。
私の問題は
①迅速導入、輪状甲状間膜穿刺
②帝王切開のCSEA の硬膜外(穿刺部位聞かれました)、肋骨の断面をエコーでだす、肋間神経の走行、伴走するもの、肋間筋3つを聞かれました。
③ACLSはPEA→Vf
術中に起きた、挿管されている設定。心マの早さ深さ、呼吸器設定、EtCO2について、エピネフリンの指示、除細動(二相性)について答えました。心マは2分おき、エピネフリンは3~5分おきになったら教えて下さいと言うの忘れました。
④大腿神経ブロックの画像を出して解剖答える、上肢で筋弛緩モニターつける、他の部位で筋弛緩モニターつける、TOFの時の刺激mAは?、こんにゃくエコーで穿刺、エコーガイド下内頚穿刺

どのブースでも時間ないから急いで!と始まった早々にせかされました。時間内におわりましたが雑談は一切ナシで部屋の外にだされました。過去問はもちろん、最近の傾向でやはりエコーガイド下の手技は必須な印象でした。このサイトの体験談は実技試験の際に特に役にたちました。青本よりリアルに実技試験の感じや質問される内容が詳細で、いろいろと自分が知らなかった事に気づかされました。

体験談⑨

筆記試験
内容はA問題が過去問から8~9割、B問題は2~3割、C問題が5~6割といった印象でした。A問題でいける!と思わせてB問題で突き落とされる。といった感じでした。他の受験者もそのような印象を受けたということでした。
口頭試問
一問目は50代男性の巨大甲状腺腫瘍でした。画像とTSH、FT3、FT4等の検査結果を示され、追加すべき検査結果、導入時や術中術後に気を付けるべき点等を聞かれました。また、術中突然体温が上昇し、血圧、脈拍が上昇したがこれは何かと質問されました。EtCO2の上昇は無く甲状腺クリーゼでその対処法も聞かれました。最後に術後挿管したままICUに入室することになったが内科の先生への申し送りと抜管時に注意すべき点などを聞かれて終了となりました。
二問目は70代の女性で、採血の失敗後の左前腕部痛が出現し、二週間ほどで痛みは治まったものの左上肢痛が再発したという症例でした。採血時の写真を見せられどこの障害かという質問をされました。橈骨神経、または正中神経の障害が疑われましたが、次に見せられた資料では左上肢の外側部に疼痛や感覚障害が有り、C5,6レベルの障害が疑われました。次に頸部のX線、MRI画像を提示され、それでは頚椎すべり症による広範な圧迫が認められました。
以上のことを踏まえてどのような治療法が良いかと質問され、手術的治療と、保存的治療を述べました。治療にはリリカを使用することになったがリリカを使用する際の注意点(軽度腎機能障害のある患者でした)、副作用を2つ以上、作用機序について等を問われました。
最後に試験管の方を実際の患者さんに見立ててロールプレイを行いました。
臨床で今までやってきたことや、先生の青本に載っていたことを思い出しながら何とか答えることが出来たかなという感じでした。
実技試験
1問目は整形外科で骨盤部の脱臼整復後にHR40くらいの徐脈と意識消失を起こした7歳の小児のACLSでした。試験管の1人を研修医に見立てて指示を出しながら行うようにということでした。最初は脈が触れていたが、途中でPEAになりCPR、薬剤投与後にVfになったので除細動をかけたところで終了となりました。
2問目はダブルルーメンチューブ挿管と気管支ファイバーでの確認、その後気管支ブロッカーでの分離肺換気でした。挿管は問題なかったですが、気管支鏡で気管支の区分がしっかり答えられず気管支ブロッカーを挿入するところで時間切れになってしまいました。
3問目は妊婦の帝王切開時の脊髄くも膜下麻酔を最初から穿刺するところまで行い、その後新生児の挿管を行うというものでした。新生児の喉頭部の特徴やサイズの選択、深さなどについて聞かれました。これは割と出来ていたと思います。
最後に神経ブロックで模擬患者にエコーを当ててTAPブロック、斜角筋間ブロックについてエコー画像の説明を行い、次にファントムを用いて内頚静脈の穿刺と、神経ブロックの穿刺を行いました。TAPブロックは問題なかったですが、斜角筋間ブロックではうまく描出できず、前斜角筋という単語が何故か出てこないで内斜角筋などと言ってしまいました。こちらも時間切れになりかけて最後に急いで神経ブロック穿刺をするよう言われてしまいました(穿刺自体は特に問題ありませんでした)
2問目と4問目がうまく出来なかったため不合格かと思いましたが結果は合格できていました。
どうにも集中しきれず本腰を入れて勉強しはじめたのは試験の1~2ヶ月前からでしたが、先生の青本がとてもよくまとまっていて本当に助かりました。何とか合格は出来たものの、うろ覚えなことやしっかり理解できていないことも多いのでこれからもこの本を参考に勉強していこうと思います。本当にありがとうございました。

体験談⑩

口頭試験

I.重症筋無力症患者 150cm台 肥満女性の胸腔鏡下胸腺摘出術

問題点は?
分離肺換気では何を用いるか?
その理由は?
重症筋無力症患者での注意点は?
筋弛緩拮抗薬はスガマデクス以外に何がある?
ネオスチグミンの副作用は?
それを防ぐために何を併用?するか?

「コリン作動性クリーゼ」と、おそらく「筋無力性クリーゼ」を答えさせる問題。

麻酔導入方法:具体的な薬剤と量
筋弛緩薬を用いずに行い、具体的に述べた後に、肥満があり、筋弛緩薬が必要です、どのようにして(筋弛緩モニターをこたえる)、どのくらいの量を使用しますか?

TOFモニター:写真を見て、電極の間違いを指摘したり、使用法の説明。

手術が終わりました。スガマクスを投与し10分後に、血圧低下、頻脈、SPO2 80%
→ずばり診断は?
「アナフラキシー」の検査は?→トリプターゼを答えさせる。

上記患者さんへ術後の説明。

Ⅱ.外傷、フルストマック、GCSの表示、急性硬膜下血腫(途中でCT画像)、基礎疾患として、気管支喘息、心房細動でワーファリン内服中
血圧高値、徐脈

上記の問題点
脳外科医師た患者家族へ、麻酔担当医として術前に確認したいこと
ワーファリン拮抗に何をどれくらい使用する?
術中の脳圧管理
開頭したらどうなる??どうする??

術後、抜管前の胸部Xp写真
脳外科の先生へ、術後の呼吸管理を具体的に説明してください。
胸部Xpの診断は?→肺水腫は?→神経原性をこたえる

この度は、私にとって非常に恵まれた問題と試験官でした。

青本のまとめはとても参考になりました。本当にありがとうございます!!
以前の体験談に投稿された内容を参考に、2-3回は通読しました
本当にありがとうございます!!

体験談⑪

筆記試験
過去問を5年分、あとは先生の青本で勉強しました
過去問をやり始めたのは6月くらいからで、それまでの3か月くらいは暇な時間に青本を読んで勉強していまし
PDF版は遠隔地への移動時もタブレットで見れるので出張の多い生活には非常に便利で助かりました筆記は自信があったので、気持ちに余裕をもって試験に臨みました
A問題はほぼ過去問通り、9割以上は堅いと余裕をかましていましたが・・・
続くB問題はやはり難関でした、何とか7割程度は取れましたが自信があっただけに正直難しく感じました
C問題も簡単ではありませんでしたが、日頃の臨床経験に助けられました印象としては輸血関連合併症が強調されていた気がします(TRALIもTACOも不適合輸血も出ました)
また、C問題は心臓麻酔や集中治療の経験が多くあると有利だったと思いましたとりあえず筆記はクリアしたという印象で翌週へ

口頭試験
まずは現地入りの段階で軽いトラブルが
悪天候で神戸空港に行けるかどうか、という状況になってしまいました
結果としては何とか飛行機が着陸できてセーフでしたが、余裕をもっての移動が重要だと再認識しました
それにしても木曜日の夜の神戸はとんでもなく強風でした

金曜の午後からの試験順
控室で50分くらい待たされてようやく試験会場へ
先輩から聞いてはいましたが、あの8Fの通路は異様な雰囲気でした

口頭試問は
・MG患者の腹腔鏡下胸腺摘出術
・Afで抗凝固中の急性硬膜下血腫
の2題でした
正直この組み合わせに当たった人はラッキーだと思います

2題とも普通の症例でラッキーと思いつつ、普通に質問に答えていき終了しました
どちらも日常臨床で経験したような症例だったので、改めてこれまでの勤務先での経験に感謝です
接遇問題はスガマデクスのアナフィラキシーについて患者に説明という簡単なものでした

口頭試問は普段やっていないペイン・緩和分野が出なかったのが一番の幸運でした
試験管の1人の名前を知っているはずだけど思い出せなかったのが一番気になりました(笑)

実技試験
4部屋で内容盛りだくさんでした
挿管困難、局麻中毒のACLS、脊麻、TEE、エコーガイド下PNB、CV穿刺
内容詰め込みすぎて試験管の方が時間内に終わらせようと焦っていましたね
とりあえず想定していた内容、臨床上いつも行っている内容が多くて安心しました

警戒していた始業点検は出ませんでした
印象的だったのは、試験管全員ipad?を持って監督をしていたことでしょうか、時代ですね

感想
合格発表の火曜日は臨時手術対応でバタバタしていて感慨も何もありませんでしたが、落ち着くと「ようやく終わったか」と安堵しました。しかし、来年も再来年も別の専門医試験がある予定なので、まだまだ受験生活からは逃れられなさそうです。

専門医試験を受けてみて、改めて麻酔科の守備範囲の広さを実感しました。
終わったから言えることですが、勉強のモチベーションとして試験は必要だなと思います。

今回の試験勉強の7割くらいはsalaryman先生の青本とPDFに頼っていました。
本当にありがとうございました。
試験会場でも青本を開いている人を沢山見かけたので、もはや専門医試験の必須アイテムになりつつありますね。

体験談⑫

筆記試験

Aでいかに高得点を取れるかがカギだと思う。過去問6年分を2周したら94-95%は取れた。逆にBは6割前後か。Cも6-7割だと思う。

過去問を2周して、青本で知識の裾野を広げ、まとめPDFファイルの1問1答で選択肢を変えられても答えられるようにする。

口頭試問

口頭試問の試験官には今年から「誘導しないように」とお達しが出たようだ。

これまでは頷いたり紙に加点を書く動作で手ごたえを観察できたらしいが、いまはパソコンになった。しかしこれもクリック音を聞いていれば手ごたえをつかめると思った。

口頭試問①

甲状腺腫瘍&高度気道狭窄

「麻酔導入前後に気を付けること、準備するもの?」

DAM(輪状甲状膜穿刺や緊急気管切開含む)、ECMO(PCPS)など

「気道確保は覚醒下の経鼻挿管でやりました 具体的な方法は?」「術中に気を付けることは?」「HR135、体温38.5℃、ETco2 38」で病態は何を考えるか?「このときの対応は?」

ICU Dr(内科医)が不安がっています なにをどう申し送るか。実際に試験管相手に。抜管の時はどんな手順ですすめるか など

口頭試問②

軽度腎機能低下Ptが正中皮静脈採血後の正中神経マヒ → とおもいきや実は頸椎症

正中皮静脈の採血痕を写真でみせられ、「どの神経が損傷を受けましたか?」

首のレントゲンとCTをみせられC5/6の頸椎症で変形して脊髄or神経根を圧迫してると答える。「○○筋の筋力低下~」「肩から上腕外側のしびれがあると図示された絵」病態は? → ○○筋が低下しているので○○神経が障害されており…○○神経は障害なしで…と口ごもっていたら、「この方はC5/6の頸椎症性神経根症でした。そこで~」と続いたためそれがキーワードだったようだ。

「使う薬は2種以上?」アセトアミノフェン、プレガバリン…「この方はプレガバリン投与で症状が軽快しました」「作用機序は?」「開始量は?」「副作用2つ教えて」「薬物療法以外では 二つ以上」

この問題は臨床麻酔しかしてこなかったらかなり厳しかったと思う。ペインも少しかじっておいたのと製薬会社の説明会をまじめに聞いてて良かったと実感した瞬間だった。最後にその患者との接遇問題

実技試験

①DLT

他の方と同じ。B6同定が焦って時間切れ。ブロッカーの手順も突っ込まれたが自分の施設ではこの手順でやっている とアピールした(始めに「自分のやり方でどうぞ」と言われた)

実技② カイザーを想定

脊椎麻酔 手袋から薬液まで(ちゃんと髄液逆流来るからまじめに穿刺する)

でてきた新生児に挿管(模型)3.0mm 喉頭鏡Miller 1 スタイレットあったが使わなかった

実技③ACLS

大人の模型なのに7歳男児ですと言われ少しあせった。HR40の徐脈 脈触知しない。CPR 15:2と深さリズムなど研修医(試験管)に聞かれ答える。そのうちVf 「何Jですか?」

いざDCになると研修医がこれみよがしに患者に触れているので離れてください→ショック実施

実技④エコーの部屋

TAP解剖と薬入れる層。腕神経叢ブロック斜角筋(成年男子でわかりにくかった)。

模型に右内径CV手順を声に出す。ファントムで穿刺(針が出せればOKぽい)

試験官がiPadを持って採点していた。全体的に時間がなくて常に急かされた。考えて動く暇はなくていつもの臨床でやってる手技が出てしまう試験である。

8月に入ってから試験勉強を開始し途中いろいろ遮られたが青本のおかげで調べる手間がかなり省け、知識の整理ができた。感謝!

体験談⑬

サラリーマン先生の青本にとてもお世話になりました。

筆記では辞書代わり、確認に。口頭試問はこれなしでは乗り切れませんでした。ありがとうございました。

<筆記>

勉強期間は人それぞれですが、理解するのに時間がかかる私は冬から始めました。時間がとれる時にじっくりやるつもりで。5年分を4周しました。始めは1問解くのに15分くらいもかかったりして全然進まず。1周目が7月までかかってしまい、焦りました。8月で2周目を終え、9月で3周目、試験1週間前は4周目、と最後に詰まってしまいました。試験前日に力試しで6年前のものをやり、感触はまぁまぁ。当日ちらほら出てたので、やっぱり6年分やった方がいいです。

Aは過去問中心です。85%はとれたか。似た問題を凝縮して作り直している印象です。来年以降もそうなるかもしれません。6年前のものからもちらほら出てました。Bは予想していたけど意味不明、出来は良くても20〜30%くらい。Cは50%?あまり手応えなし。でも、明らかにTEEなどうろ覚えでは太刀打ちできないものもありました。難化傾向なのかもしれません。

<口頭試問>

緊張した。午後だと精神的に疲れてくるので要注意。筋弛緩モニターが完全に頭から消え去り(涙)、頭が真っ白に。そこからどんどん緊張していって座っているのがやっとでしたが、何か答えなくてはと必死に答えたことしか覚えてません...。わからなくても次々と前向きにくらいついていく姿勢が大事なのかもしれません。対策は8月くらいからした方がいいかも。私は9月だけ、もう少し時間欲しかったです。ちなみに2問それぞれの最後に接遇がくっついていました。

①   重症筋無力症

・導入には何をどのくらい使うか、使ってはいけない薬は何か、なぜ使ってはいけないか。筋弛緩薬は使うか、何をどのくらい使うのか。

・使うチューブとそのサイズ、なぜ分離肺換気が必要か。

・TOFモニターの写真が出て、それぞれの説明をする。また、まちがっているのはどこか。(電極の白黒逆でした)

・抜管する前にスガマデクス使用したら血圧低下、HR上昇、SpO2 80になった。何が起こったか鑑別を→アナフィラキシーショック。その対応。

・クリーゼが起こった時どうするか、治療は。

・術後、患者に再び麻酔を受けてもいいのか聞かれた時の対応。

②   脳ヘルニア

・問題点。肥満、夕食後の事故でフルストマック、挿管困難の可能性、Cushing徴候あり、意識レベル低下、afでワーファリン内服、喘息、高血圧あり。

・導入はどうするか、薬は何を使うか。

・ワーファリン拮抗はどうするか。

・術中気をつけること。どうやって管理するか。

・脳圧を上げないためにどうするか。

・硬膜切開して気をつけること。

・術中・術後の問題点。

・術後写真で肺が真っ白、外科医に抜管したいと言われた時の対応。人工呼吸器の設定も。

<実技>

部屋は4つでした。これは普段通りやれば大丈夫だと思いますが、TEEは弁まで答えなければなりませんでした。

・DAM:①換気困難に対して何をするか方法2つ。二人法とエアウェイを答えましたがLMAもあったのでそれでも良かったですね。次に、換気ができたが普通に挿管出来なかった、何を使って挿管するか。ざっと見た感じではファイバーがあったので、ファイバーを選択しました。②チューブエクスチェンジャーの使い方。

・ACLS:患者に腕神経叢ブロックをしたら中毒を起こして倒れた。この波形は何ですか→Asystoleで心マ開始、試験官を研修医と思って指示してくださいと。呼吸回数どうするか、中毒に何を使うか。イントラリピッドが出てこなくて焦りました。VFになり200Jでショックかけ、そのあと色々まとめて聞かれましたが覚えてません。

・SpinalとTEE:Spinalは何を消毒に使うか、消毒の種類3つ。穿刺部位はどう決めるか、薬は何を使うか。TEEは四腔像出して右房と僧帽弁前尖はどれか、A弁断面で無冠尖と右房はどれか。

・TAP、FICB、内頚静脈穿刺、ファントムで神経ブロックの方法:TAPとFICBは解剖とどこに局所麻酔を入れるか。動脈と静脈の見分け方。内頚静脈はそのまま穿刺、ワイヤー入れるまで。神経のファントムで平行法で穿刺、やってる途中で時間切れ。

以上、次に受けるみなさんの健闘を祈ります。

 

体験談⑭

<筆記試験>

過去問は取っ付き易いC問題 → B問題 → A問題の順にみていき、

1周目・2周目は時間がかかっても先生のまとめファイルに書いてある箇所を確認、

第何回のどの問題にその内容が出ていたのかを、まとめファイルに記入しておきました。

(→頻出内容が一目でわかり、知識の整理をする際に確認したい問題がすぐに見れて便利でした。)

過去問の解説文や表で補充しておきたい内容があれば、まとめファイルの空いている部分に書き足し、最終的には6年分を4~5周。

また、選択肢はバラで解説部分をしっかり読み、時にはミラーで調べて、できるだけ理解するようにしました。

採点除外問題は解説が省いてありますが、自分で調べておいたことは本番で役立ちました。

昨年まで頻出していた敗血症、ARDSに関しては出題がなく、これはガイドライン変更に向けての動きかと思います。

日麻HPに出ているガイドラインはもちろんのこと、過去問題集の要点チェックに参考として載っているガイドラインは、ほとんどがネットで検索すれば出てくるので、最新のものをチェックしておくのもお勧めです。

結果、A問題はほぼ過去問の内容で95%、B問題・C問題は答えを調べきれていないのでわかりませんが、少なくとも50%はとれていると思います。

<口答試験>

口頭試験対策は、ある程度筆記試験の知識が備わってからと思い、8月頃から見始めました。

口頭での考え方は筆記よりも実践的で面白くもあり、全く未経験の分野では雰囲気がつかめずに焦りを感じたりもしました。

しばらく筆記から手を引き、口頭対策に没頭していると、筆記試験の感覚がかなり飛んでしまったので、バランスよく平行して勉強した方がよかったかなと思います。

試験当日は、部屋に入ると奥(窓側)に長テーブルが1つあり、そこに試験官が2人。パソコンをそれぞれ1台ずつ前にして座られていました。

試験官と対面するように椅子が1つ置いてあり、そこに着席。

客室にあるテレビがモニター替わりとなり、追加の検査所見や画像が提示されます。

1問目:甲状腺全摘を受けるやや太った中年男性。他に合併症なし。仰臥位で寝るのがきつくなってきた。

モニターで巨大な甲状腺腫瘍で気管の圧排も強いCT画像画像とTSH、F‐T3、F‐T4等の検査結果が提示される。

・採血や胸部Xp以外で術前にしておきたい検査は?

・麻酔の導入から術後で気を付けることは?

・挿管しても換気ができないときのために具体的にはどうする?

・麻酔導入はどうする?導入時の体位は?

・導入は意識下で経鼻ファイバー挿管することにします。その手順は?

・術中、突然体温が上昇し、モニターで示す状態(血圧・脈拍の上昇、EtCO2は30台)となりました。この状態は何ですか?

・どのように対応しますか?

・術後挿管のままICUに行くことになりました。内科Drが当直で抜管が心配だと言っています。どのように対応しますか?抜管するときは先生きてくれますか?

・血腫のほかに、外科医がやらかしそうなことは?

(反回神経損傷のことがすっかり抜けていて、ここまで全く触れていなかったので、試験官の先生がわざわざ聞いてくださったのに、最後まで思いつかず。気づいたのは帰りの市民広場駅に向かう途中でした。)

・まあいいでしょう。では2問目です。

2問目:80代の女性。穿刺時に痛みを感じた肘正中の採血部位に痛みが持続し、2週間ほどで治った。2か月してまた痛み、痺れ、運動障害が出現した。軽度腎障害がある。

・障害されている神経は?

モニターにしびれの部位や肩関節や肘関節、手関節の運動障害の結果が提示される。

・どこの障害ですか?

・検査は何をする?

・モニターで頸部のXpとMRIが示され、この画像の所見は?

・治療はどうしますか?

・プレガバリンを投与してよくなりました。プレガバリンの作用機序は?

・プレガバリンの副作用は?

・プレガバリンを投与する際の注意点は?

・この患者さんだと、投与量はどれくらい?(尋ねても具体的なCCrの提示はなく、大体で と言われる)

・この患者さんに、今後の治療方針に関して説明してください。

・注射で痛んでいたところが今後また痛くなることはありますか?

・口頭試験は以上です。先生、おばあちゃんに抗うつ薬や麻薬を使うと言うとビビっちゃうよ。 とのコメントをいただきました。

会場に時計がなくて時間経過がわからないとの体験談から腕時計をつけていたところ、口頭試験は20分で終了していました。

第53回のように濃厚な内容かつ、圧迫面接的なのを想像していたので、あまりにもあっさりした内容に肩透かしを食らったような感じ。

体験談を書くにあたり、詳細を思い出してみると、自信ありげに間違ったことも色々言っており、今更ながらに恥ずかしくなりましたが、

第50回の講評に書いてある通り、口頭試験は考え方や問題解決力を評価するための試験なのだと実感しました。

<実技試験>

1.分離肺換気:150㎝台の女性に対して、右上葉肺癌に対して手術予定です。

・チューブは何を選択しますか?

・では挿管してください。

・ファイバーで正しい位置に挿管されていることを確認する方法は?

・適切な深さにあることはどうやって判断しますか?

・左の第二気管分岐はどこですか?

・左B6を見せてください。

・実際に分離肺換気をしてみてください(コッヘルを渡される)。

・次に気管支ブロッカーを使って分離肺換気をしてください。

・ブロッカーはどの位置にしますか?

・ブロッカーのカフはどれくらい入れますか?

・ブロッカーで管理した場合の注意点は?

・ブロッカーがずれるとどうなりますか?

2.満期の妊婦の帝王切開をします。脊髄くも膜下麻酔をしてください。

・手袋の大きさを尋ねられ、新品の清潔手袋を実際に装着。

・使う消毒薬を3種類

・いつも通りのやり方を説明しながらしてください。(局所麻酔をすると皮下が膨らみ、本穿刺でも液が返ってきます)

・生まれたての新生児に挿管してください。

・新生児の気道の特徴を3つ答えてください。

3.ACLS:7歳30㎏  整形外科医が大腿骨の脱臼整復をしていたら、意識消失したので呼ばれました。

モニターはこうなっています(HR40)、橈骨動脈は触れませんが、頚動脈はかろうじて触知します。

除細動器はすでにそばにあり、モニターやリード接続の異常などはありません。

試験管の1人を研修医に見立てて指示をだしながら対処してください。

・この状態は?

・ではどうぞ。→洞性除脈で硫アトをいくのかな?と思いつつも、小児ですし血圧を問うと測れないと言われたのですぐにCPRを開始しました。

途中で何か忘れてない?と訊かれましたがわからず。そういえば人を集めるようお願いするのを忘れていました。

4.バイトのお兄さんで超音波ガイド下TAPブロックの解剖・薬液の注入場所、頸部の動静脈の描出・動静脈の見分け方、腕神経叢ブロック斜角筋間アプローチの解剖。

板こんにゃくで平行法の穿刺。人形で右内頸静脈穿刺(ガイドワイヤーの先端を1~2㎝挿入するところまで)。

・右内頚静脈カテーテルの深さはどれくらいにしますか?

・カテーテルの固定はどのようにしますか?

ACLSで部屋に入るなり、先生の持ち時間は8分ですと言われましたが、4つとも時間を余らせながら終了。あっけなく開放されました。

ペインや集中治療の経験はなく、気管支ブロッカーを触るのは初めて。普段CV確保やEpiをすることはなく、ルンバールをするのも年に1~2回程度の環境にいます。

実技の練習は神経ブロック以外できない環境下なので、かなり前の記憶をたぐり寄せつつ、やったことがないものは「使ったことがないのですが、こんな感じですかね~」と言い訳をしつつしました。

どの試験官も優しく、間違ったことを言うと訂正させようと訊きなおしてくださいました。

それに気づかず流したりもして、反省するときりがないのですが、この問題でよかったなとつくづく思います。

合格への近道は他の受験者と同レベルであること。

周りに受験する人がおらず、かなり孤独な戦いでしたが、先生のまとめファイルをベースに、先輩方の体験談から試験当日のイメトレをすることで、対策を立てることができました。

salalyman先生に心から感謝しております。本当にありがとうございました。

体験談⑮

筆記試験
筆記試験の勉強を始めたのは5月過ぎからでした。やったのは過去問5年分をひたすら解くのみです。
重厚な教科書はそれだけで気が萎えるので、ただただ過去問のみに絞りました。
おそらく5回くらい解いたと思います。問題を見たら答えがわかるくらいまでにしておきました。
難解な計算式は、試験直前に集中的に勉強して解けるようにしておきました。
試験時は、前日にポートピアホテルに宿泊しましたが、前日の夕食・当日の朝昼食全てコンビニにしたので、もの凄い味気なかった。。コンビニ遠いし中国人が買 い漁って品薄だし。
A問題は、ほぼプール問題でしたので、皆さんのページめくりの速さは凄くて、ひたすら紙が擦れる音がしていましたが、B問題になるとシーンとしていました。
退室する人もほとんどいません。これは皆できていないだろうと、逆に開き直るくらいでした。C問題も、内科診断学ですか?といった問題ばかり。
A問題以外、全く手応えのない試験でしたが、後ほど合格率9割超えと聞いて、あの不安と焦燥感は何だったのだろうと今では思っています。
過去問をしっかり解く、が大前提です。『てにをは』を変えた出題もあったので熟読をオススメします。
口頭試問
対策したのは、筆記が終わって僅か6日間です。6月に対策本の存在を知って即買いし、 ちらっと見て本棚に。
8月中旬に、過去問が麻酔学会HPに乗っていると初めて知る→慌てて対策本を見る→歴代口頭試問の答えと傾向まで載っているのを見て安心。で、また放置。でした。
対策本に丁寧に記載しているのを見て、これなら直前に詰め込みでいける!と思った次第です。本当にお世話になりました。
6日間、対策本を読みふけり、たまに声に出してみる、といった事を繰り返していました。
試験は2日目の最後から2番目のグループでした。1/3が対策本を持っていたような。
ホテルを2フロア貸し切って、各部屋前に1人監視役がついており、お茶を飲むのも許可を得るような環境でしたが、皆さん自体は優しいです。
部屋に入る前に症例が書かれた紙とペン を渡されて5分間読みます。
症例1:中年女性、BMI38。高血圧、糖尿病でARBと糖尿病薬内服。ラパコレ予定。
症例2:68歳(?)男性 朝食後、背部痛で受診、急性大動脈解離で緊急施術。
ほんと、運が良かったです。肥満と心外なら毎日のように麻酔してる。ただ、症例1では吸入薬や低流量麻酔の詳細も聞かれて詰まってしまいました。
試験管は男性女性で、優しく、詰まっても質問の方法を変えて聞いてくれたり、解答する度にいいですよ、と相槌をうって下さいました。
退室時には、自信を持って実技試験受けて下さい、と言われて、この日初めて笑ったような気がします。
実技試験
直前に麻酔器始業点検と、新人看護師を借りて神経ブロックの描出の練習 のみ行いました。
最初の部屋で、所属医局の准教授に出くわす→緊張感を失った状態で輪状甲状膜穿刺を行ったのち雑談。ようやくあと2人だよ~、あ、お疲れ様です、今日帰られるんですか?、、
後は硬膜外麻酔+傍脊椎ブロック(肋骨出して肋間筋の名前言うだけ)、ACLS(大人 PEA→Vf)、若者使ってTAPと大腿神経(新人看護師に遠慮して練習しなかった事が悔やまれる)描出+人形にCV穿刺+コンニャクにブロック、でした。
試験管は皆優しく、試験も終了間際で疲れていたのか、グイグイ誘導して速く速く、といった感じでした。
全て終わったのが18時。やっと、ようやく、もう神戸いや、と帰路に着きました。
決して真面目な人間ではなく、忙しい中いかに効率よく勉強するかに重点をおくにあたって、対策本の存在は非常に助かりました。
ありがとうございました。

体験談⑯

筆記試験

過去5年分やりました。
暗記は苦手なので、計算式などは直前に覚えました。
A問題は過去問から出ていましたが、最初の問題でつまづき、頭が真っ白になりました。
問題集で削除問題になっていたものや、解説を読んでもよくわからなかったものが出ていて、それらの問題をとばしたことに後悔しました。B問題は新作ばかりでわからず、C問題でさらに撃沈でした。
問題集の解説に出てくる図などもすべてきちんと目を通して理解することが必要ですね。

口頭試問

筆記が終わってからやり始めました。ほぼ先生の青本のみでした。過去問ひたすら声に出して読もました。

1問目 高齢者の頚部骨折。透析中。血液データが示され、この患者に対して注意することは?麻酔どうしますか?術前に準備することはなんですか?輸液は?(心電図見せられて)こんな波形になったけどなんですか?どう治療しますか?術後鎮痛は?アセトアミノフェンの量は?ICUの先生に申し送り。

二問目 高齢者 下部消化管穿孔術後 ICUへ搬送します。現在ノルアド使用中。
搬送には何を使用しますか?準備するものは?酸素ボンベの圧が10kpaでした。酸素5リットルで何分使用できますか?(すみません詳細忘れてしまいましたが、こんな感じでした。)
人工呼吸器はどうセットしますか?(波形を見せられて)これはなんですか?→カフのリークでした。。。カフ圧はいくつにしますか?波形が次のように変化しました何を考えますか?

先輩から早く終わると雑談になると聞いていたのに全くなし。あやふやな点もあり、これは落ちたと思いました。

実技試験

とにかく盛りだくさんでした。途中で時間切れになってしまったものもあり、その時は口頭でこの後どうするのと聞かれました。
1 エピドラ 経食エコー(ビューを出して構造物を答える)
2 アウェイク経鼻挿管(やり方、薬、うまくいかなかった時の対処)輪状甲状間膜穿刺(なぜここの位置を穿刺するのか聞かれました)
3 大腿神経ブロック(お兄さんにエコーを当ててビューを出し、神経を教える)エコーガイド下中心静脈穿刺(ガイドワイヤー入れるまで)ファントムに穿刺
4 ACLS(VF→心マ→エピネフリン→VF→心マ、DC→asystol→エピネフリン)

とにかく時間がなく、時間切れになったり、試験官もヘェ~とか言ってくるので、途中で自信なくなりました。

口頭試問の過去問を自分で一から考えて答えを見つけていく時間がなく、先生の青本は本当に助かりました。本当にありがとうございました。

体験談⑰

【筆記試験】
7年分を3周しました。いろいろな攻略方法があるとは思いますが、自分はまず一回前から3年分(52−50回)を2周、楽しむ様な感じでゆっくりやっていきました。最初はとても時間がかかり焦りましたが、二回目からや4年前以前の問題はさくさく解けるのでたぶんどうにかなります。3年分を2周すると、だいたい自分の不得意分野とか知識が整理されていない部分が露わになりますので、そこで12年目麻酔科医謹製『青本』の出番ですよ。
以後、過去問を順次進めていく際にも、間違えた問題の細かいところの確認や、知識の横の繋がり(例えばブピバカインのpKa→そういえばタンパク結合率はどーだったっけ?とか)に超強力な威力を発揮しました。いちいち違う過去問の違うページを見なくても、必要な知識が集結されていますので、時間短縮になります。自分は比較的勉強時間が確保できた労働環境でしたが、多忙を極める先生方こそ必要なのではないでしょうか。
 5年分一通り吸収し終わったら、試しに前回(53回)を解いてみたところ、思った以上に難しくて大きなショックを受けました。試験勉強にダレてきたあたりに一発焦っておいたのでラストスパートが効きました。結局そのあと7年前までを合計3周駆け抜けました。。。
実際の試験ですが、予想どおりA問題は過去問でしたのでここで得点を稼げないとあとがきつくなると思います。B問題も予想どおり難しく、正答率は5割前後だったのではないでしょうか。C問題も難しく、帰りの車中は夕焼けが心に染みました。が、筆記試験が終わったらもう筆記試験の事は考えない様にして、直ちに口頭試問の対策に頭を切り替えるほうがいいと思います。感触が悪いのはみんな同じらしいですので。

【口頭試問】
ついにやってきたこの日。いつものポートピアホテルもなんだか違って見えますね。宿敵の本拠地みたいな感じでした。部屋に集められて、1/3づつ団体で移動させられます。裏口を通って業務用エレベーターで8階へ。。。話には聞いていましたが、本当にそのとおりでした。試験会場はベッドや内装品が全て無いホテルの一室で、異様な雰囲気です。
試験内容は他の寄稿にお譲りします。だいたい想像どおりでした。知り合いの先生や陽気な先生が試験官ですとラッキーですね。私の口頭試問の試験官は無表情・誘導無し。ちびりそうになりました。

【実技試験】
口頭試問と同じフロアで、流れで次から次へと部屋を巡らされました。これもだいたい想像どおり。内容が多い部屋ですと、試験官が最初から「ちょっと急ぎ目にやろうね」と言います。制限時間になると問答無用で受験者入れ替えになるので、気を利かせての事なのでしょう。ありがたいです。

以上です。7月から本格的に試験勉強を開始して、なんとか間に合いました。ほんとうに青本のおかげです。ありがとうございました!みなさんの健闘を祈ります!

体験談⑰

勉強方法
 開始時期
 4月に問題集を購入しました。
 これで9月には十分間に合う・・・と思っていましたが、学会発表や院内勉強会の準備などでどんどん勉強は後回しになり、
 本当に集中して勉強したのは8月以降だったと思います。
  •  筆記試験対策・・・過去問5年分。特に過去3年分を重点的に解いていきました。
  •  口頭試問対策・・・完全に青本頼り。筆記試験前には、流し読み程度。筆記試験後より声に出して練習。
  •  実技試験対策・・・過去の実技試験を参考に、シミュレーター等を使用し空き時間に練習。神経ブロックに苦手意識が強かったので、エコーは重点的に行いました。
〇筆記試験
  A問題
過去問及びその解説が理解できていれば、おおむね解ける問題。
また、学会HPに掲載さてているガイドライン類は見ておいた方がよいなと思いました。
計算問題も、過去問類似がほとんど。私の場合、計算問題十分に勉強できておらず、損したなと思うので面倒ですが計算問題の勉強は大事だと思います
  B問題
例年通りの流れ。
自分で正解していると確信できる問題は3-4割で、A問題で如何に点数を稼ぐかが重要だったことを再認識。また、過去に採点除外となった問題が再度出題されており、除外問題もチェックしておいた方がよさそう。
  C問題
 臨床問題
過去問の知識で解ける問題と、考えてもどうしようもない問題とははっきり分かれた印象。なんとなく循環器関連の問題が多い気がしました。
  まとめ
 過去問が大事。A問題でできるだけ、点数を稼ぐ。
臨床問題での特殊な疾患は、 みんなも解けない と信じる。
〇口頭試問
  初日の一番最初のグループでした。
  部屋の前で、症例提示の用紙を黙読。用紙に記入可。(5分間)
  部屋に入室。 試験官は男性と女性のペア。自己紹介してくれましたが、全然頭に入ってこず。(試験時間25分)
  症例1
 1か月 乳児。肥厚性性幽門狭窄症の診断。嘔吐頻回で、ぐったりしている。緊急手術依頼。
 設問
  •  身体所見でみたいことは
  •  検査所見で予想されること
  •  手術時期について外科医と相談
  •  輸液での補正方法
  •  麻酔導入方法
  •  選択した方法の利点と欠点
  •  術後鎮痛方法
 *導入方法のところで、意識下挿管で回答しました。試験官の反応イマイチ?迅速導入の方が一般的か・・・術後鎮痛で、術野からの局麻と回答したら、使用薬剤を量を聞かれる。他にはと聞かれて、アセトアミノフェンと使用量も。
  症例2
 60代? 男性 緊急の上部消化管手術依頼。
 弁膜症あり。胸部の絞扼症状あり
 脳梗塞の既往あり
  設問
  • 外科医から追加で聞きたい情報は
  • (モニターに圧波形出される)このような情報が得られました。麻酔導入方法は
  • 麻酔導入後に、収縮期血圧60まで下がりました。鑑別5つと対応は
  • 手術後、麻酔から醒めません。対応は
  まとめ:例年の問題からは大きく外れずといった感じ。
  私の場合時間が足りなくなってしまったので、もっと設問があったのかもしれません・・・。
  答えに詰まると、多少助けてくれました。
〇実技試験(部屋は4つ/各7分程度)
  実技1  硬膜外麻酔とTEE
       硬膜外麻酔
予定帝王切開患者でCSEAを行います。研修医に説明するつもりで硬膜外麻酔を行ってください。
  •   穿刺部位とその場所にする理由は
  •   穿刺部位の同定方法は
  •   (実技 手袋はめる→消毒→覆布かける→穿刺→カテーテル留置)
  •   カテ留置長は
  •   TEE (シミュレータにプローベは挿入されている)
  •   四腔像を出して、右室と僧房弁の前尖を教えて下さい。
  •   経胃短軸像を出して、左回旋枝の潅流領域を示してください。
  実技2  ACLS
 大腿骨の骨折手術。脊髄くも膜下麻酔後、消毒中。
 呼びかけに反応なし、SpO2波形描出されません。
 心電図波形みせられる
 → PEA / 人を呼ぶ・救急カート依頼。自分で胸骨圧迫、研修医役の試験官にマスク換気依頼。
 点滴からのボスミン投与指示だし。
 呼吸と胸骨圧迫の比/胸骨圧迫の速さと深さを聞かれる。
 リズムチェック
 → Vf /  除細動の準備/設定(設定J言う)
 除細動
 *そもそも胸骨圧迫をやりながら、指示を出すという設定には無理があるので、わりとなぁなぁに進みました。
  実技3  分離肺換気
 症例言われて、DLTのサイズきかれる。
 →喉頭鏡でDLT挿管、気管支鏡で位置確認。
 右の上幹・左のSecond Carina ・左の6を出すように言われる
 →ブロッカーでの分離肺を行う。
 青カフの位置がずれたらどうなるか聞かれる。
  実技4  エコー(TAPブロック/腕神経叢ブロック/中心静脈カテーテル)
 TAPブロック→ 描出して各層を指し示す。
 鎖骨上法腕神経叢ブロック→ 描出して構造物しめす(すみません詳細忘れました。)
 胸膜/前斜角筋と中斜角筋は示すように言われました。中心静脈カテーテル留置→エコーで見ながら穿刺。
 カテーテルの留置長さ/固定方法を聞かれる。
 シミュレータを使って平行法での穿刺を行う。
  まとめ: 奇をてらった問題はありませんでした。
 とにかく時間が足りないこともあって、試験官の先生もどんどん介助してくれました。
以上です。
分かりにくいところがあったら、すみません。
よろしくお願いします。

体験談⑱

初回受験です。2週とも神戸のポーピ泊で受けました。前泊して青本で追い込みをかけたのですが(けっこう有益な時間でした)、コンビニが近くにないのでホテル食が高くつきました(おでん定食3000円)。出費も多く、移動にも飽きましたが、遠路こられた受験者、また試験担当の先生方には休日返上でお付き合いいただき、大変だったと思います。本当にお疲れ様でした。この場を借りて感謝申し上げます(機材も含めて相当な準備があったものと思います)。

まずは、専門医申請。受験資格を得るためとはいえ一苦労でした。自身の経歴の把握から始まり、病院異動が多い方は病院の院長、部長の印鑑、麻酔症例リストを早めにゲットしておくことが大切です。学会発表の抄録も提出を求められます。Web申請は便利なようで、融通が利かない面もあり、書類申請とのダブル申請ですのでご注意下さい。また、受験票が手元にくるのが(Webから印刷ですが)約1ヵ月前なのでドギマギしました。受験票が来るまでスイッチが入りませんでしたが、前もって勉強しておくにこしたことはありません。

今年も日麻の発表等々あり(ちょっと後悔)、家事をしないことを妻から「役立たず!」と言われ、ただでさえ忙しい学年ですから、①あまり多くの予定は入れない、②発表点数、ACLS資格などは早めに取っておくことが、余裕をもって試験に臨めるコツかと思います。

第1週目(9月27日)

○筆記試験(あくまで自己採点)

A問題:甘めの採点で8割取れたかどうか(100問あるので、時間に余裕がなかった)

B問題:6割あるかないかくらい

C問題:8割5分

A問題で点を稼ぐのが王道(後で知りました)ですが、勉強不足でした。A問題は皆が猛烈なスピードで解きますので、隣の人の動きで机が揺れます!焦って雰囲気にのまれそうになりました。平常心で。

B問題は(後で知りましたが)細かい知識が要求されます(麻酔科学会HPのガイドラインを見ておきましょう。知っておくだけで点数に直結します。麻酔器始業点検だけではない!)

C問題はストーリーがわかれば自信をもって先に進めます。

つまり、確実な知識を積み重ねていれば、A~Cいずれの問題でも役に立つと思いました。

昼休みは、A問題であやふやな知識だった部分を復習して、B、C問題で役立ちました。

異型適合血、骨髄ドナーの手術、自己血貯血、TRALIなど輸血がらみの問題が多かったです。高圧酸素療法と気圧にMACをからめた問題など過去問では対応できない問題も多かったですが、選択問題ですので、やはり過去問をしておけば選択肢はかなり絞り込めます。

計算問題は深く理解していないと式だけ覚えても応用ができず、捨ててました。得点源にするには勉強量がいるかと思います。

中心静脈カテーテルの感染管理、脳死判定などはガイドラインを見ておけば容易に解答できると思いました(私はあまりガイドラインを見ていなかったので悩みました)。

新作問題はわからなくてもしょうがないですが、普段から最新のトレンドを理解しておくことは大切です。時間がない人はやはり、まず過去問でしょう。

第2週目

○口頭試験(1症例が10~15分。を2症例、計30分。)

3歳の男児。ふらつきと嘔吐。今回MRIを撮影する予定。

質問

1.この症例の問題点

2.MRIを行うに当たって注意すべきことは

気道確保の選択(挿管するシナリオでした)、酸素ボンベ、シリンジポンプはMRI対応のもの。MRI用の麻酔器はないでしょうから、麻酔科医がBVMする設定で気道管理の注意点を述べました(チューブ固定、脳圧に配慮し低換気にしすぎない)プロポフォールの投与量(導入、維持。PRISを想定しているのか?)、脳圧亢進の対応(輸液戦略について聞かれました)、

3.画像で小脳腫瘍を示され、腹臥位で10時間の手術に。

後頭蓋腫瘍の手術で注意する術後合併症(5つと言われました。。。)。「術後、オペ台からベッド移動の後、etCO2波形がゼロになりました。」考えられる原因と対応を述べよ。

79歳の女性。体格は普通。直腸がんでイレウス状態で腹腔鏡下低位前方切除術。既往に糖尿病、心房細動、脳梗塞。内服でプラザキサ。

質問

1.この症例の術前問題点(モニターに血液データ)

2.麻酔計画・・・導入方法(迅速導入)、使用薬剤

3.プラザキサの特徴をワーファリンと比べて(休薬期間、拮抗薬の有無、モニタリングなど)

4.術前の抗凝固療法の行い方(ヘパリンブリッジを行って、オペの何時間前に切るか)

5.DVTリスクと予防法(ES、IPC、低用量未分画ヘパリン)

  1. 術後下肢感覚障害出現時の鑑別と対応(硬膜外血腫時のゴールデンタイムなど)

接遇問題

術後の抗凝固療法(ヘパリン持続注入)を硬膜外抜去前に開始したと外科医から連絡があった。硬膜外麻酔を抜去するタイミングを外科医にアドバイスしてください。

○実技試験(10分(8分?)×4ブース、計40分)

ACLS

・意識下経鼻挿管、甲状間膜穿刺

・硬膜外麻酔、経食エコー

・神経ブロック(筋弛緩モニター装着、大腿神経の画像を出して説明、内エコー下頚CV穿刺、ファントムに穿刺)

  1. ACLS

挿管済みの手術中の患者が脈をふれなくなり、心電図波形はある状態(PEAを答える)。まず心マ!換気は試験管(研修医の設定)に任せて、早さ深さ回数について(挿管してあるので、30:2ではなく、換気は非同期「何秒に1回」という答え方)、エピネフリンの指示(上肢挙上、生食20ml後押し)。波形がVfに変わったので除細動(二相性の機械、非同期、「離れて下さい!」)。心マは2分おき、エピネフリンは3~5分おき、アミオダロン300mg!と言ったところで時間終了。限られた時間なので、細かいところまで再現しなくても、キーワードを心マしながら確実に述べることで点数になると思われる。

  1. モデルさんで大腿神経の解剖+筋弛緩モニター

人形でエコー下内頸静脈穿刺、ファントムでの神経に対しエコー下ブロック(平行法)

大腿神経は内側からVANの順。動脈と静脈の見分け方を問われました。神経はよく見えませんが、「動脈の外側で、この辺」という感じで答える。時間がないのでせかす感じ。

筋弛緩モニターを実際に装着し、拇指内転筋の他に、もう一つ(眼輪筋、脛骨筋、すうび筋)答えさせ、何mAかと正極、負極まで問われました(眼輪筋を選択し、正負を間違えました。)。

その後、内頸静脈穿刺(ガイドワイヤー挿入まで)とファントム(中に神経っぽいものが映るようにできています)で平行法の穿刺を行いました。盛り沢山なので、「いつも通りやってくれないと時間ないよー」と言われました。つまり、ある程度流れに乗ればOKな印象でした。

  1. 人形で迅速導入を行う + 緊急気道確保

準備から挿管まで(挿管しにくい!)、試験管(研修医の設定)にクリコイドをしてもらって、カフの量、薬剤の選択や量も聞かれました。次に輪状甲状軟骨穿刺を行う設定になり、隣の人形に移動。2種類のキットがあり、あまり触ったことがなかったですが、CV穿刺、ガンツを入れる要領でやりました(ダイレーターとシースが一体になってるやつでした)。解剖と、なぜ輪状甲状間膜を選択するかを問われました。試験管優しいですが、てきぱきしないと時間がおしてしまいますね。

  1. 人形に対し、CSで硬麻を行う(脊硬麻針ではない)+ 傍脊柱ブロックのエコー描出

どのレベルから行うかを聞かれ、手袋をはめ、消毒からカテ挿入までの一連の流れを行いました(ちゃんとLORわかる人形でした)。

次に傍脊柱ブロックの設定と思われるが、肋骨の横断面を描出し、肋間神経の位置と肋間筋を3つ述べよ。

本当に、青本にお世話になりました。過去問をじっくりと何回も解く時間がなかったので、10年分を一度に持ち歩ける青本は最高でした。トピック毎にまとまっているのが最大の特徴ですね。

口頭と実技はホテルのワンフロアを貸し切って(グループによって、ひとつ下のフロアで行うグループもあります)、そこで部屋を出入りして一気にやってしまう感じです。同じ時間帯に同じフロアで行うグループは同じ問題と思われます。私は13時集合のグループだったので、8時集合のグループが11時にホテルフロント辺りに出てきてましたので話を聞いたところ、その内容は一切出ませんでした。問題のストックもかなりあって、時間帯が重ならないグループは同じ問題にはならないようです。僕は2日目のグループだったのですが、初日のグループがどんな問題だったのかは不明でした(知り合いがいなかったので)。

みなさんの体験談を読みながら、ペインやPALSも出題され、モデル・人形を使ったエコー手技が多く、病院によっては馴染みが薄い分野をどう対策するかが課題だと感じました。TOFウォッチを上肢以外に使うことは少ないですし、分離肺換気チューブを人形に入れて、B6を出せとかかなり難しいですよね(人形の気管が滑らないらしい)。

最後になりましたが、サラリーマン先生本当にありがとうございました。専門医として、病院、患者さん、後輩の育成のために少しでも役立てるよう精進いたします。

体験談⑲

たくさんの先生方が書かれたレビューで大体試験の空気は伝わったと思いますので別の観点での試験お役立ち情報にします。

<筆記試験 東京会場>

りんかい線国際展示場駅で降りました。

1)駅直近のコンビニは激混みなのでやめましょう。時間の無駄になります。少しあるけば2~3件すいてるコンビニあります。お昼はそこで買いましょう。

2)試験会場の開場前はビルの中で座るところが大変少ないです。窓際が幅広く小さなカウンター様になっていて立ち食いソバ的にノートを見ている人が多かったです。

外の広場で座っていて時間になったらビルにはいるのもよいかも。

3)試験終わったら。ちょっと歩けばお台場に行けます(15分くらい)試験に思いをはせながら歩いて遊びにいくのもよいかと。私はダイバーシティにいってきました。

<実技口頭試験>

1)宿泊はやはりポートピアがベスト。ぎりぎりまで部屋でごろごろできます。学会でおさえられなくても試験日近くになるとキャンセルがでるためかじゃらんなどでもとれることがあります。私は学会での予約がすでにとれなくなっていて三宮でホテルおさえていました。直前にじゃらんで部屋がとれたので(同じ値段でかなりいい部屋)変更しました。

2)ポートピアホテルは朝食付きがよいでしょう。2フロア3か所で朝食とれます。主に2階のビュッフェと30?階のビュッフェです。2階は混んでいるし試験官とも顔合わせるのでおすすめではありません(笑)。

3)実技口頭試験はホテルのワンフロアでやります。友人と一緒でも会話NGです。始まりは集合する部屋が用意されていて説明うけますが試験のあとは三々五々で何事もなく無言でエレベーターにいきます。友人とはあらかじめ試験後の集合場所を決めておきましょう。

<青本について>

すばらしくよくまとまっています。専門医試験だけでなく通常のうんちく虎の巻としてもっていてもよいかと思います。とくに答えにまざっているコメントが絶妙です。

本の大きさも持ち歩きにちょうど良いサイズです。ただしその犠牲としてフォントが小さくなっています。ご高齢者にはちょっとキツイです。余白を極力へらしてフォントをもう少し大きくしてもらえるとさらに使い勝手がよくなると思います。

とにかく青本のおかげで今日があります。本当にありがとうございました。

 

体験談⑳

<筆記試験対策>

一年前の専門医試験が終わった頃から、そろそろ勉強を始めようと思い、良い機会だからと生理学を勉強し始めました。
が、日々の臨床業務に忙殺されるなかで、殆ど進みませんでした。このままでは時間切れになると感じ、とにかくまず
過去問を始めようと4月頃に舵を取り直しました。医局の先輩方に聞いた、「ともかく5年分を3周」、という目標です。
はじめの1冊は問題文の意味すらよく理解できず、1問解いて解答を納得するだけで1日の勉強が終わる、といった有り様でしたが、
なんとか1ヶ月ほどかかって1冊が終わりました。覚えるべき事項はノートにメモし、すきま時間に見直せるようにしていました。
その後日常業務がまた忙しくなったこともあり、7月に入るまでほぼ何も勉強できない日々が続きましたが、あと2ヶ月しかないという
ことに気づいてからまたエンジンを入れ直しました。青本もこの頃に購入させていただきました。

2冊目以降は見た事のある問題も多く、1冊目よりはさくさくと進みます。
何冊もやっているとそのまま同じ問題も出てきたりするので、選択肢がX2になっていても答えられるように覚え込んでいきました。
計算問題、生理学の問題はやはり丸覚えだけではきついところもあるので、適宜生理学の本等も読みながら理解しました。
使った本は
・青本(イヤーノート的感覚で使わせていただきました)
・循環・呼吸のダイナミズム(この本に載っている図表を理解できればほぼ生理学の問題は解けるはずです)
・ウエスト呼吸生理学
・学生時代の薬理学、生理学の教科書(学生時代もっとまじめにやってれば、と思う事しきり)
・ミラー(麻酔回路等の話では最も参考になりました)
挫折した本は
・臨床にダイレクトにつながる循環生理(良い本だと思いますが、試験の様々な出題範囲をカバーするためにはやや深く、時間切れ
になる恐れあり。これからゆっくり読み直します。)

9月に入ったころ、同期から「過去問は7年分やると一通り出題範囲をカバーできる」という話を聞いて、
それまでの5年分に加えてもう2年やることにしました。C問題は古くなっているところもあるので、どんな疾患が出ている
かチェックしながら流しました。結局5年分×3周、もう2年分×2周はしました。

シルバーウィーク前にたまたまLisaを読み、「この雑誌はひょっとして専門医試験対策レベルに合わせているんじゃないか」
ということに気付き、そこから大急ぎでここ2-3年分のバックナンバーを読み直しました。最近のトピックをカバーするには最適です。
シルバーウィークにタルんでしまうのが怖かったので、毎日同期と医局に来て勉強しました。精神的に一番つらい時期でしたが、
誰か一緒に勉強できる仲間がいる場合には是非やった方が良いと思いますし、それぞれの穴をお互いが埋めることで仕上げにもなります。
前日は計算問題を取りこぼさないよう、計算問題を集中的にやり直し、除外問題の解答を調べ、今までメモしてきたノートを見直しました。
麻酔科学会のHP上のガイドラインにも一通り目を通しました。

<口頭・実技試験対策>
8月頃から青本の過去問、予想問題を紙に書くという練習を始めました。
本番だと2問の紙が配られて5分与えられると聞いていたので、5分間で症例の要点や聞かれそうなことを
メモするという練習です。一通りの頻出項目はチェックしました。紙には書けてもいざしゃべると出てこない
ということもあったので、同期と問題を出し合って練習しました。
実技に関してはCTM穿刺のキットを職場の救急カートで見直したり、CV穿刺する際の注意事項を
ガイドラインで読み直したりしました。
ACLSに関しては医局のインストラクターにお願いして簡単にレビューしていただきました。
麻酔機の始業点検も院内の臨床工学技師さんに依頼して講習をやっていただきました。毎日1回は
フルで始業点検し、体がかってに動くところまでもっていきました。

<筆記試験当日>
東京会場でした。A問題はほぼ過去問通り。歴史の問題でx2だったのがそこですか、という感じがした以外は例年どおりの雰囲気です。7年分やって初見の
問題は1問あったかどうかでした。B問題は新作もいいところで、選択肢の単語すら初見の問題が数多くありました。
C問題は例年と比べてTEEの具体的な所見を問う問題が多発。先天性心疾患のTEEも出ました。
ICU、緩和も具体的な症例問題で逆に一般的な麻酔管理中のトラブルなどはほとんどなかったような。。
手応えはA問題95%B問題50%C問題60%といったところでしょうか。

今年から新専門医制度の研修が開始されたこともあってか、偏りなく経験、勉強するようにとのメッセージを感じました。

ABCの各セクション毎、一定時間を経過すると問題を持ったまま退出できるので、 早く出て答え合わせをしました。
同一疾患が繰り返し次のセクションでも出るので、この見直しは有効だったと思います。

筆記試験当日の夜はさすがに一息入れ直したいと思い、同期と飲みに行きました。

<筆記試験終了~口頭試問まで>
1週間弱ありましたが、筆記試験の疲れと、臨床業務でなかなか勉強する時間を作れず、、
とりあえず青本を行き帰りの電車で読み、同期に会えば問題をだしあって、といった感じでした。

<口頭試問前日>
同期で集まって夕飯を食べ、その後みんなでヤマはりをしました。
青本見ながらブロックの解剖を書いたり、ACLSのおさらいをしていたことが本番でも役にたちました。

<当日>
とにかく集合時間から、呼ばれるまでの時間が長いです。
控え室で資料を読みますが、もう何も頭に入ってはきません。
本を読んでも目の前をさーっと上滑りしていく感じです。

ドナドナエレベーターは満員電車なみの圧迫感あり。
口頭試問の部屋の前で係の方から問題2問を渡してもらうのですが
最初に名前を書くようにと言われても、すっとばして要点を書き始めてしまう程緊張しました。

新生児の肥厚性幽門狭窄と、AS合併の出血した胃癌の緊急手術
部屋に入った瞬間、頭が真っ白になる。
試験官は割と若い女性と、ベテランの男性。
いきなり問題を出され、「あの、問1の方ですよね?」と完全にテンパって聞き返す始末。
肥厚性幽門狭窄の症例で、術前に確認する身体所見を問われ、よくわからなかったので
「Hbが~」と話し始めると「身体所見をお願いします」と修正される。
以前どこかで医局の上司に聞いた、「分からなかったら悩んでると時間なくなるから、
降参してさっさと次の問題を出してもらいなさい」というフレーズがあたまをよぎり、
何個答えてください、という問題で数を明らかに満たしていなくても「分かりません」を
連発。しかも電解質補正の基準をど忘れし、明らかに違う基準の数字を答えたのですが
試験官はうなずいてくれるので余計に混乱する。そんなこんなであっという間に
1問目が終了。分かりませんて言い過ぎたかな、と思っているうちにすかさず2問目スタート。
最初が外科医とのやりとりだったためここだけは普段通りの解答ができる。麻酔の手順を具体的に
、と言われてモニターつけて、酸素化して、、と言っていたら「この症例に特化したことを」
と遮られ、また真っ白になる。あとで会場を出てAライン、輸液ルートうんぬんだな、と冷静に気づくが、頭真っ白状態でははっきり言って何も出てこず。分かりませんを連発していた私に、それまでは
さっさと次の問題へ移っていた試験官が術中のST変化の原因について考えられること、を聞いてきた時だけは「他にまだありませんか、他には、?」と粘るように促してきたのでこれかなり崖っぷちなんじゃ?という思いに捉われ、その後聞かれた術後覚醒遅延の原因に関しては7つといわれたがおそらく正解になったのは3つほどしか出てこず、「分かりません」を言うと、「ではこれで口頭試験終了です」と言われあっけなく終了。昨年までの体験談にあるような雑談は一切なしでした。
ああやっちまった、来年もこれ受けるんだろうかと暗澹たる気持ちで部屋を後にしました。
ふと時計をみると時間は4分ほど余っていたのですが、もう凹みまくりで実技を待ちます。

実技は一部屋で2-3個の手技をやるため、とにかく急ぎます。
研修医に説明するようにと言われますが、自分よりはるかにベテランの先生方を研修医とは
とても思えません。素人つれてきてほしいなーと思ったぐらいです。
始業点検は出ず、ACLSは挿管されていないのでマスク換気をするパターンでした
ところどころ研修医役がサボろうとするので、指摘しつつ心マしました。
TEE、ブロックなど万遍なく出ました。

<試験を終えて>
口頭試問で「もう終わった」という気持ちでいっぱいでしたが、試験後に同期と話して
「時間が余っていれば合格ラインはクリアなんじゃない?」と言われ、かすかに希望を持ちなおしました。
それでも合格発表までは気が気じゃありませんでした。
今冷静に考えると、答えられない問題が強く記憶に残るだけで、答えられた問題もそれなりにあったな、と
思い返せますが、試験官があまりの緊張っぷりに同情して点数をくれたんじゃないかとも思います。
筆記、口頭実技を通して感じたことは、
いずれにせよ、専門医試験は長いキャリアの中での通過点であり、合格してもまだまだ勉強が必要である、
ということです。普段どんなヤバい急患でもそれほど緊張しないのですが、あの試験会場ではこれまでにないくらい
緊張しました。普段の力の半分も出せないような状況に陥ってもなんとか切り抜けられるようなレベルにするためには、
普段からの積み重ねしかないのだなと、ひしひしと感じました。そして、試験には青本必須ですね。会場でも
かなり見かけましたし、何をすればよいか分からない直前にはとりあえず青本を開くと精神的に落ち着くと思います。
HP上の体験談とあわせて、本当にお世話になりました。

体験談㉑

*口頭試問*
<一問目>
7才女児  普通の体格
嘔吐、歩行時ふらつきを主訴に来院、頭部CTで脳腫瘍を指摘。MRI検査(所要時間は約1時間)を実施することになり、麻酔科へ麻酔依頼があった。
①この女児の症状から考えられる病態は?2つ答えてください。
(→頭蓋内圧亢進、小脳失調が疑われることを答えました)
②全身麻酔を行う際、MRI室で注意すべき事は?4つ答えてください。
(→喉頭鏡の電池はマンガンではなくリチウムを使用する、金属製のコードは使用しない、麻酔回路や点滴ルートを充分に延長しておく、ETCO2をモニターするが赤外線は不可、等々を答えました)
若干答えに詰まっていたら、制限時間が来るまでは、試験官の先生が軽くヒントを与えたり、正答へ繋がるような誘導をしてくれました。
③プロポフォールで麻酔することになりました。
導入量および維持量はどれくらいにしますか?
また、プロポフォール使用上の注意点を述べてください。
(→TCIポンプは使用不可、あるい磁場の外の部屋に置いて使用する、麻酔器・モニターともMRI対応のものを使用する、救急カートを磁場の外に準備しておく、等々を答えました)
その後、部屋のテレビ画面に、撮影されたMRIの画像が提示されました。(→後頭蓋窩に大きな腫瘍を認めました)
脳腫瘍摘出術が予定されることとなりました。体位は腹臥位です。
④ABR、MEPをモニターすることになりました。注意点を述べてください。
⑤術中輸液は何を用いますか?どれくらいの速度で入れますか?
⑥術中、頭蓋内圧を下げるよう、執刀医から依頼がありました。
どのように対応しますか。3~4つ答えてください。
⑦手術は10時間かかって終了しました。どのように対応しますか。
(→抜管するかは慎重に判断し、決して無理をしない旨を答えました。)
⑧未抜管でICU帰室となりました。帰室後、SpO2が急激に低下し、モニター上にETCO2波形が表示されなくなりました。
考えられる原因を4つ述べてください。
(→痰などによる気管チューブの閉塞、肺塞栓、アナフィラキシー等々を答えました)
<二問目>
77才女性 やや肥満体型
イレウスに対し、腹腔鏡下腸切除術が行われることとなった。
高血圧あり。
心房細動、脳梗塞の既往ありプラザキサ内服中。
糖尿病に対しインスリン使用中。
①術前問題点を述べてください。
②麻酔導入はどのように行いますか。何に注意しますか。
③麻酔法は何を選択しますか。
④術中、血糖値はどれくらいに保ちますか。輸液は何を用いますか。
⑤プラザキサの内服は術前どのようにしますか。
その後、部屋のテレビ画面に、術前血液検査データが映しだされました。
(→PT、APTTとも正常値でした)
⑥プラザキサとワーファリンとの違いは?
主治医より硬膜外麻酔の依頼がありました。
⑦硬膜外麻酔実施に際し、術前にチェックしたいこと、主治医に依頼したいことは何ですか。
⑧術後のDVT予防法を4つ答えてください。
⑨この患者のDVT発症リスクはどれくらいですか?またその根拠を述べてください。
術後、DVT予防のため、未分画へパリンを使用することになりましたが、硬膜外チューブを抜く前にヘパリンを始めてしまったと、主治医より報告がありました。
10.主治医に注意点を申し送ってください。
*実技試験*
<一つ目のブース>
①迅速導入
患者は成人男性とのこと
☆必要物品は何か、(気管チューブ、スタイレット、喉頭鏡、吸引、アンビュー、聴診器など)、導入の流れ、薬剤投与量について具体的に聞かれました。
☆男性の場合、チューブサイズは?(机の上には7.0ミリのチューブしか置いてなかったです…)
☆まず酸素化、何分くらいする?
☆プロポフォールやエスラックス、どれくらいいれる?
☆クリコイドプレッシャーについて
☆薬を入れて何分経ったら挿管する?
実際にマネキンに挿管して、アンビューで換気して胸の上がりを確認するところまで実演しました。
②CVCI
☆この患者が、挿管困難かつ、マスク換気もできなかった場合、どんな手段をとりますか?
→輪状甲状間膜穿刺
そこで別のマネキンの前に移動し、実際に行ってみてくださいと言われました。
キットは二種類用意されていて、どちらでも慣れているほうを使っていいとのことでした。
☆挿入する解剖学的場所は?
☆なぜそこがよい?
実際に挿入完了するところまで実演しました。
<二つ目のブース>
③カイザー 腰硬麻
☆エピは何番目の脊椎間から入れる?
☆実際に清潔操作で手袋をはめてください
☆消毒をしてください。注意点は?
そして実際に穿刺し、生食でロスオブレジスタンスを確認し、カテーテルを入れるところまで実演しました。
④傍脊柱管ブロック
☆エコーで肋骨横断面を出してください
☆肋間神経はどこを走行している?
☆肋間にある筋肉を三つ言ってください(この質問は採点には関係ないからね~とのことでした)
<三つ目のブース>
⑤ACLS 成人 気管挿管済み
心電図モニター上は洞性頻脈で、患者の脈は触れない状態とのこと
☆この波形を何といいますか?
☆どうしますか?
☆そうこうして二分経ったら、モニターのように波形が変わりました(→Vfの波形)。どうしますか?
☆二分後、モニター画面は再度Vf。どうしますか?
→DCした後、CPRを始めたところで終了となりました。
<四つ目のブース>
⑥大腿神経ブロック
模擬患者の男の人がベッドに横になっていて、実際にエコーをあてて大腿神経を描出してくださいと言われました。エコー画面を見ながら、指示棒を使って、解剖(二つの筋膜や腸腰筋、動静脈)について答えさせられました。どこらへんから刺入して、どの方向に針を進めていくか、運針についても聞かれました。薬剤注入手順についても聞かれました。
⑦筋弛緩モニター
まず、実際に模擬患者の尺骨につけるよう指示されました。
☆流す電流はどれくらい?
☆尺骨以外に筋弛緩をモニターできる場所は?
⑧エコーガイド下中心静脈穿刺
右内頚静脈の場合
☆静脈を刺しやすくするためにすることは?
☆エコーガイド下穿刺を実際にやってみてください
☆ガイドワイヤーは何センチくらい入れる?何に注意する?
⑨コンニャクへのエコーガイド下穿刺
☆エコー画面上に針をしっかり描出してください。
☆薬は目標物のどのあたりから入れていく?
以上です。
9月突入後、筆記試験までに青本の口頭・実技試験の過去問は一応一通り目をとおしてはいましたが、読み込むというレベルまでには時間的余裕がなく到達できていませんでした。
そんな中、筆記試験終了後は予想していた以上に疲弊困憊となり、一週間後の口頭・実技試験まで、日々の日常業務をこなすのに精一杯で勉強が思うように進まず、気持ちだけが焦る追い込まれた状況となりました。
そんな中、先生の青本の存在には本当に助けられました。
一週間のうちになんとか青本の過去問をもう一読し、解答をできる限り頭に入れることだけに集中して過ごしました。
自力で解答を作る時間的余裕がなかった私にとって、問題だけでなく模範解答を載せてくださっていたのが、本当にとてもありがたかったです。
そして、試験までに何とか一周り読み終えられたことで、本番でも自分なりに何とか答えを絞り出して、力を出しきれるようには頑張れるはず、という自信を身につけて、本番に臨むことができました。
実際、口頭試問二問のうち一問は過去問と非常に類似した問題だったので、青本を購入し、読んでおいて良かったなと心の底から思いました。
青本の存在なくしては、私の合格はあり得なかったように思います。サラリーマン先生には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
心より御礼申し上げます。
大変な重責のお仕事だとは思いますが、お体にはくれぐれも気をつけられて、私のように、今年も一人でも多くの受験者が先生の手によって合格へ導かれますように、先生のさらなるご活躍を祈念しています。
これからも先生のブログを楽しみに拝見させていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。

体験談㉒

1、はじめに

試験対策としては過去問です。青本は筆記、口頭、実技の対策として重宝します。他の教材などは好みだと思いますが、国家試験の時とは異なり、日常業務に忙殺される中で挑む試験だということをあらためて認識して損はないでしょう。蛇足ですが過去問1年分は筆記だけで200題315分です。貴重な休日即ち試験対策という一定の時期を覚悟しましょう。

2、目標は当然合格ですが…

資格試験なのか競争試験なのかは不明かと思います。「下2割に入らず60%以上得点」という俗説がありますが、全体合格率66.6%(2011年度)という過去もあります。不明瞭な合格ラインに達するべく準備は出来るだけやる他ありません。

3、筆記試験

朝10時開始ですが試験会場のホテルに前泊して時間的ストレスを回避しました。ただし外国人集団観光客らしいのがずっと廊下で騒いでいて非常に不愉快でした。予期せぬ事態は付き物でしょうか、備えるべきはメンタルのゆとりかもしれません。

当日朝のチェックアウトは無い方がいいので夕方までの延泊をお勧めします。昼休みのトイレ渋滞が回避出来ますし、独りになって気分転換も出来ます。試験が終わってからゆっくり荷をまとめて帰れます。

・A問題100題10:00~12:00(60分):例年過去問類似問題です。A問題90%で合格という俗説もありますが、そんなに出来る人はB・C問題もそれなりに出来ます。つまりそこまで「まんま」では無いと言えるでしょう。

・昼休憩12:00~13:00(60分):A答案回収とB問題配布を除き正味40分程度。弁当は学会サイトから頼んでも自分で用意しても良いと思います。

・B問題50題13:00~14:30(90分):例年新作問題です。余りの難しさにC問題は簡単なんだろうと信じて微力を尽くしました。30分後に打ちのめされましたが…。

・C問題50題15:00~16:45(105分):臨床問題です。試験中は絶望というよりもはや恥ずかしくなりました。

自己採点を踏まえた反省として、試験対策に諸々余裕が無いのでしたらA70B25C25を目指すのは危険なのでA90B15C15くらいのつもりで、つまりAを兎に角取りこぼさないように準備するのが良いかもしれません。

4.筆記から口頭試問・実技試験までの一週間

一夜明ければ日常業務に戻りますし、筆記に比べて試験対策がしづらく感じほぼ手が付きませんでしたが、青本が役に立つ時かとは思います。一応ACLSと始業点検だけは一人寂しく少し練習しました。

5.口頭試問&実技

前泊しましたが、新幹線車内環境が劣悪だったので一晩かけてコンディションを戻しました。前泊しなければそうならなかったのかは定かでないですが、会場までの旅程には時間も気持ちも余裕をもつことが重要な気がします。

さて、当日はまず待合部屋で決められた席に座り、順次グループ毎に試験場に呼ばれます。グループによってかなり待ちが生じます。

会場はホテルの一室です。口頭試問は部屋の前の廊下で着席し症例2題が記された紙を渡されメモの時間が与えられます。部屋に入ると試験管は2名。それぞれが1題づつ、問題呈示担当と採点担当を交替で行ってました。2題+接遇問題の3部構成ですが、反省としては兎に角テンポよく答えられないと時間はあっという間に過ぎてしまい、最後まで辿りつけないということです。

筆記に続いて落第を確信せざるを得ない状況下、実技試験へと向かいます。

同じ階の異なる4室で各10分の試験を淡々とこなしていきます。

1.まず虚ろな気分でACLS。試験管の要求に応えきれないまま終了。

2.エピ実演とエコーを用いて肋骨描出、肋間筋名称3つ、血管神経の名称と位置。

3.ディフィカルトエアウェイとCV穿刺。

4.エコーを用いて後方TAP実演詳述、大腿神経ブロック実演詳述、ファントムで神経ブロック実演詳述。

何といっても超音波ガイド下神経ブロックの頻出に驚きました。毎日のように各種神経ブロックを行っている当方はそれなりの手応えでしたが時間的にはかなりタイトでした。準備してないと苦しいでしょう。

6.最後に

Salaryman-anesthesiologist先生の青本とサイト(体験談等)は大変参考になりました。一発合格も本当にお陰様です。この場を借りて感謝の辞を述べますとともに、今後受験される方々の健闘と祈ります。