☆お知らせ☆
麻酔科専門医試験体験談

58回麻酔科専門医試験体験談

体験談①

無事に麻酔科専門試験に合格しました。本当に有難う御座いました。
以下体験記です。拙いですが、宜しくお願いします。

麻酔科専門医試験、、振り返るともう2度と受けたくない試験でした。今後受けられる先生はしっかりと準備して臨んでほしいなと思います。

筆記試験
僕は大体1年前から8年分を5 周やりました。
A問題:過去問通り おそらく満点
B問題:全く意味がわかりませんでした。過去8年分みましたが、ある程度は過去問があった印象でしたが、ほぼ顔見知りの問題はなし。手応え的には2~3割程度、、、
C問題:まーこんなもんかな、、7~8割程度

筆記試験に関しては、問題集を徹底的にやるのは当然として、ガイドラインは何度も穴があくほど見た方がいいなと思いました。
正直B問題の感じでは落ちたな、、と感じましたが、自分ができてない時は周りもできていないと考え、諦めずに最後までやりきってほしいなと思います。
休憩時間に答え合わせをするより、次の試験に向けて、自分のノート・参考書・ガイドラインに目を通す。これ本当に大事だと思います。ここに書いてあったな、直前に見ていたなってやつが
結構問題に出ていた気がするので。

口頭試問
Basedow病の甲状腺亜全摘 予定
喘息既往
2〜3日前に咽頭痛あり 現在は改善
卵アレルギー
B型肝炎キャリアー

1)試験管を患者だと思い、本症例の術前診察として必要なことを問診してください。
その後,1)を踏まえていろいろな情報が試験管から提供される。
気管偏位なし・甲状腺ホルモン等血液検査は問題なし 喘息発作は最近なし・喘息に対して投薬なし
2)以上の情報から、本症例の導入方法(薬剤・気道確保)に関して、患者に説明してください。
3)麻酔を維持していると、あなたの同僚が麻酔の交代に来ました。本患者の注意点を踏まえ、適切に申し送りしてください。
4)手術は無事に終わりました。回復室で様子を見ていると、緊急コールがなり、あなたの同僚がいち早く患者対応をしています。頸部の腫脹が著明で、段々と意識は混濁、呼吸・循環停止しました。
同僚が胸骨圧迫し、挿管したところに、あなたは到着しました。その際のバイタルサインを示します。適切に評価し、同僚に指摘してください。
(HR110bpm BP80/40 SpO2出ず EtCO2 2)
→挿管できてない
5)挿管し直しました。適切に換気・挿管されているかどう確認しますか。
EtCO2 Fiberで位置確認
6)外科医に何が起こったのか説明し、どうするか協議して下さい。
術後出血 再手術の相談
7)再手術になりました。手術中の止血確認で、麻酔科医ができることは何がありますか。
意図的に血圧を上げる?
8)再手術は無事に終了しました。一連の流れを家族が説明を求めています。説明してください。

説明してください、協議してください。というコミュニケーション能力を試すな〜というのが印象です。単体で知識を単純に問うのではない感じ。
常日頃同僚や外科医と話ができれば何も問題ない気がします。術前診察、大事にしてください。

実技試験
1)下行大動脈置換でのDLB挿管
・喉頭鏡を使って左用DLBを22cmでまず挿管してください。
・Fiber使用し、適切な位置に留置してください。
・どうして青カフが入っているのが、左主気管支だといえますか?
・下行大動脈置換では、どちらの分離肺換気をしますか。鉗子を用いて換気してください。
・術後にシングルルーメンに入れ替えます。チューブエクスチェンジャーを用いて入れ替えてください。

2)肥満患者 膝の手術で坐位で脊椎麻酔
・何番で穿刺しますか。
・腰椎Xpを出され、具体的にどこから穿刺しますか。
・脊髄円錐はどこのレベルですか。
・消毒から穿刺まで、患者さんに声を掛けながら行ってください。
・局所麻酔薬について聞きます。どのようなものを何ml使用しますか。
・(0.5%ブピバカイン2mlと答えました)→それはブピバカイン何mgですか。
・患者が術後に頭痛を訴えています。診察し、対処方法等を説明してください。

実技試験はどちらも、”研修医に説明するように”と言われました。青本にもありますが、常日頃の診療でも実際に研修医や看護師に伝えながら、手技をやるのが
大事だなと思いました。どちらも試験管がまいてまいて巻きまくりますので、注意!!

最後に、さらりーまん先生の本のお陰で無事に合格できました。この場を借りて感謝いたします。有難うございました。
青本に書いてあることは、今後の臨床においても大事なことでもあるので、一生大事に使用したいなと思います。
それくらい良い本であるので、皆さんも是非活用してください!!検討を祈ります!!!

体験談②

筆記試験

A問題は過去問にほぼ準じていました。 5年分をやっておくといいと思います。
B問題は57回のB問題の過去問の解説をよく読んで理解していればそれなりに解けた問題がちらほらありました。
私はもっと過去問を復習しておけばよかったと試験直後に反省しました。  落ちた・・・ と思うぐらいの出来でした。
C問題は対策の仕方は不明ですが過去問で傾向をつかむことはできたと思います。

口頭試問

5分間 症例の件が書いた紙を渡されて読みました。 ホテルの一室を利用した6畳程度の試験会場でした。
入ると2名の試験官が机を挟んで座っており、試験管を正面として右手にバイタルを表示するモニターがありました。
症例は中年の女性  副甲状腺切除手術の予定  喘息の既往
質問内容

  1. 試験官を患者さんと見立てて事前診察を行ってください
  2. モニター等何を準備しますか?
  3. 術後 PACUで様子をみていたところ頸部が腫れてきたと報告をうけて 現場にいくと同僚がCPAに 対してすでに挿管していて心臓マッサージをしていた。 その時のバイタルを示します。どうしますか? との質問。
    モニター上 Satは表示されておらず CO2はほとんど排出されていなかった → 食道挿管の可能性を疑い 換気時聴診をよくして疑わしければ抜去→再挿管をする  心臓マッサージと呼吸は30:2で行う等返答
  4. 対処後 患者さんは低酸素脳症でICUへその後の説明について耳鼻科医師がこのような状況になれておらず麻酔科医師に家族に説明をしてほしいとの依頼がとの設定で 試験官を家族に見立てて経緯を説明。

内容としては基本的な内容で拍子抜けしました。

実技試験 

  1. 研修医役の試験官とともにDLTの挿管
    • 右肺、左肺の見分け方
    • 分離肺換気の仕方
    • tube exchangerを用いて
    • DLTから8.0のnormal tubeへの入れ替え
  2. 身長約180㎝ 体重約100Kg程度の男性の 脊椎麻酔
    • 一般の成人はどの脊椎レベルで脊髄末端になるか
    • 研修医役の試験官に説明しつつ 脊椎麻酔を座位の部分腰模型に対して施行
    • 何をどのくらいいれるか? 量は?
    • 投薬中の液体の中にはブピバカインはどのくらいの量はいっているか? → 紙とペンがあったら計算間違いはしないと思いますがspainalを施行しつつ緊張しながら回答したので(ccとmgがごっちゃになりました)誤回答をしてしまい「落ちた・・・」と思いました。
    • 翌日患者さんが頭痛を訴えています。 考えられる病態と説明を患者さんにしてください。

総じて基本的なものでした。 過去の口頭試問や実技試験内容をみているとかなり難易度が高い質問等がでていたので何を聞かれるか恐れていましたが 基本的、本質的なものを問いている印象でした。

自分が受けた印象では筆記試験が一番難しく感じましたが筆記試験の合格者数が451名と一番多かったので意外でした(口頭は396名、実技は436名)。
過去問の解答も問題によって年度により同内容の選択肢で〇だったり×だったりするので事実は何かととまどったりしましたが筆記試験はある意味 過去問based medicineと割り切って過去問を5年分勉強されたほうがよいと思います。
実技は私がうけた問題の範囲内からでは日々の臨床を手順の意味を考えながらやっていれば特段の対策は必要ないくらいでした。正直 結果論からいえば さらりーまん麻酔科医さんの対策本はなくても大丈夫なレベルでした(さらりーまん麻酔科医さんごめんなさい(笑)) 学会の方針が変わり、口頭試験や実技試験の内容が易化傾向にあるのかもしれません。 →※
しかし、さらりーまん麻酔科医さんの青本は勉強になりました(直前に400ぺージ近い分量の内容を読むのは苦労しましたが・・・)。ところどころ誤植や索引のページ違いが気になりましたが(是非校正をお願いします)、過去にどのような問題がでてそれに対してどのような回答を一般的に準備しておくべきか知っておくことは精神的な安定剤となりました。ありがとうございました。 皆さんが合格されよりよい麻酔科医としてご活躍されることを願っています。

さらりーまん麻酔科医より
いえいえ(^^;; 精神安定剤としてでも役に立ったのであれば嬉しいです笑。来年度に向けて校正頑張ります٩( ‘ω’ )و

体験談③

筆記試験

後ろ向きに検討してですが、筆記試験はやはり噂どおり5年分はやった方が良いと感じました。そしてそれに付随してここ数年で改定されたガイドラインも読んでおいた方がよかったなと思います。ストックも微妙に設問が異なる問題もあるためです。6年分やりましたがB,Cはさっぱり自信がありませんでした。

口頭試験

口頭試問は術前用紙に以下記載あり

脳梗塞既往患者ので高血圧、(心房細動?大した既往でなかった思いますが記憶なし)の直腸ガン腸管切除予定で術前外来に術前評価依頼です的なことが書かれていました。

口頭試問は術前の問題点で主治医に確認しておくべき事
硬膜外と抗凝固薬に関しても絡めて。
術中モニタリング5つと理由
術中に起こり得るリスクと薬物は何を準備するか、実際にどうやるか口頭で投薬から順に説明するよう言われました。

途中で画面で情報追加あり高度なASで検査データあり

どう評価するかと聞かれ回答、その後心臓外科がどうしても手術を優先させたいと言っているがどう評価回答するかでした。

術後に神経障害がありそう腓骨神経麻痺の画像で患者が硬膜外のせいですかと聞いているが実際に患者に説明するよう回答してくださいと言われました。

その後の治療、薬物投与に関しての質問がありました。

実技試験

実技は二問で硬膜外麻酔で研修医に説明するように穿刺してくださいと言われました、しかも患者にも実際に注意する点があればその都度追加するようにとのことでした。
疾患で下部消化管手術であなたならどこに穿刺するかと理由。硬膜外の際の注意点。迷入する箇所を4箇所だったと思います。術前抗凝固薬の中止期間など。実際に硬膜外留置して終了し時間は十分に余りました。
清潔操作や穿刺針の抜去など針、カテーテルの向きなど同じブースの人で注意のような指摘があった人もいたそうです。自分は口頭で言っていましたが指摘なしでした。

二問目が急性喉頭蓋炎で緊急気管切開でファイバー画像見せられ(上下反転、電気不点灯で自分でする)導入はどうするかと術前評価。これまた試験管を研修医に見立てて説明しながらでした。
実際に患者が起きているていで説明からファイバー挿管しました。他のデバイスなどを上げさせられ利点と欠点でした。マッキントッシュ喉頭鏡の利点は単体で聞かれました。ここで時間が取られたと思います。
8分しかなく丁寧に説明すると時間がありませんでした。そういうのはいいから的なことも言われました。

実際に人形に挿管(口頭でチェックポイント言いながらやれと言われました)直後に質問で挿管困難でdeSpo2になったらどのように対応するかがありました。
緊急コールから気管切開までの一連の流れ。

その後、輪状甲状穿刺を人形に実施に施行、そこで穿刺する利点と注意点、これまた研修医に説明するようにでした。

後半ブースはファイバーと穿刺で明らかに時間が足らず青本通り早口で喋りましたがガイドワイヤーを留置した時に時間切れになりましたが、留置までさせて頂きことなきをえました(と言っても20s程度で次があるのでそんなにはしてくれないと思います、もしかすると採点PADの不具合がありスタートが遅れたので延長していないかもしれません)。

後で聞くと同じブースの人はみんな時間ギリギリであったそうです。

他のブースは無痛分娩があったようです。

結果としてですがやりすぎなような程度まで言わないと聞かれた数がにに合わないので青本を読み込み、実際にそれに即して回答を準備する方がいいと思いました。

体験談④

口頭試験

【問題文】
78歳女性。
3年前の直腸癌術後、化学療法中に頸部痛あり頸部メタ指摘で、後方固定術施行予定。円背がある。

【入ってすぐの画面】
めっちゃ首の曲がったmri
よく見るとc2に転移あり、、、気づかず。

【一問目】
画像の所見を。
【二問目】
気道確保における問題点は?
【三問目】
気道確保のための術前診察は?
【四問目】
肺にメタが見つかりました。
追加で必要な検査や情報はあるか。
【五問目】
導入方法は?
【六問目】
途中で気道内圧が上がって、図のような気道曲線になりました。

何を考えるか3つ答え、それぞれに対する対処を述べよ。
【七問目】
8時間のope後、無事終了。がっつり頸椎が5、6個固定されたMRI画像。
この後、術者は神経所見をすぐとりたいと言われるが、どう考えるか。試験官を主治医に見立てて。
いつまで挿管するつもりか。
家族になんと説明すればよい?

覚えている限りではこのような感じでした。

一つ一つの固定の質問は減っているようですが、
こちらの返答に対しての質疑応答が長々続く感じで、
結果的に時間がちょうどか手前でギリ足りないくらいだったようです。
導入方法でawake挿管を提案すると、
結果その副作用を減らすためにどうするかとか、
要は手順を話す感じになりました。
とにかく時間がないのは百も承知だったので、
早く次の問題に行きたいのに行かせてくれないもどかしさがありました。

正直自信はないのですが、
この問題で答えられるベストだった気はします。

先生の参考書が最後の最後まで僕のお守りであり、
唯一の寄る辺でした。
57回の解答例の速やかな配布なども本当に感動しました。
先生への感謝は筆舌に尽くし難いものがあります。
結果はまだではありますが、
本当に本当にありがとうございました!

 

体験談⑤

口頭試験1問

最初の紙の情報
高齢女性,小柄な設定で腹痛と嘔吐の症状あり
PCIの既往,DMの既往,あと未治療だがおそらく高血圧だったであろうとの記載あり

「この患者にどのような麻酔導入方法があげられるか」
→ラピッドシークエンスインダクションもしくは意識下ファイバー挿管
「あなたならどちらを選択するか,理由とともに述べよ」
→RSIを選択.意識下挿管では腹痛により意識がもうろうとしている可能性もあり,意識下で行っても協力してもらえない可能性,慣れないファイバー操作で逆に嘔吐反射を誘発してしまう可能性がある.ビデオ喉頭鏡などのデバイスが充実しており,自分が普段やり慣れている方法で行うのが安全と考える.
「この患者に術中起こり得ること3つ重要なものから順番に,それぞれに対する予防法も」
→1.PCI後であり冠動脈狭窄を起こす可能性があるため,予防法としては昇圧薬の準備,必要であれば持続投与を行い血圧を高めにキープする.またシグマートの持続投与も行う.
2.未治療の高血圧があったことから評価はされていないが,頸動脈狭窄の存在も考えられ,脳梗塞のリスクが高いと考えられる.予防法としては先ほどと同じだが,血圧を高めに維持するように努める.
3.糖尿病があることから術中高血糖や低血糖の可能性がある.予防法としては適宜血糖測定を行い,高血糖に対しては180以下になるようにインスリンを投与する.

患者は腸穿孔を起こしており,腸切除を行うことになった.
WBCやCRPなどの炎症の値が上昇,血ガスでアシドーシスを認めるデータを出されて,何かを聞かれた記憶があるが覚えていない.

手術開始30分後のデータとして
尿量0,出血量0,血ガスでアシドーシスの進行所見など
を見せられて
「この患者の現時点で考えられる病態とその評価方法」
→循環血液量減少.採血を行いHb,フィブリノゲン値,凝固機能などを確認.値に応じて輸血の準備や投与を開始する.出血量0とあるがカウントがちゃんとできていない可能性があるため術野に血液が溜まっていないかなど確認.尿量0はそれほどまでに循環血液量が減少しているのか,尿バルーンが正しく挿入されていない可能性,管が屈曲などしていないか,などを考え必要であれば入れ直す.
代謝性アシドーシス.血ガスでpH,PaO2,PaCO2,HCO3,BEで評価する.

「収縮期血圧が60に下がった,考えられること3つとそれぞれの対応法」
→1.狭心症発作.TEEもしくはTTEで心機能を評価し,壁運動の異常など疑われる所見を認めた場合は術者に報告し,最低限の手術内容で手術を切り上げてもらい,狭心症に対する治療に専念する.
2.循環血液量減少性ショック.太い静脈ラインの確保,急速輸液,必要に応じて膠質液や輸血
3.敗血症性ショック.アシドーシスの補正,ノルアドレナリンの投与で血圧維持
腸管牽引,アナフィラキシーショック,術野での血管圧迫などを答えた友人も.

心エコーで明らかに心内容量の減少所見,尿ケトン体(+)などの所見
を見せられて
「何を考えるか,その治療法」
→心エコーからも心内容量が足りてないことから輸液輸血の継続とノルアドレナリンによる血圧の維持が困難な場合はバソプレシンの投与を検討
ケトアシドーシスに対してはインスリン投与

手術が終わり患者を搬送中にモニターがこうなっていた,とvfの心電図を出されて
「どう対応するか」
→ACLSに基づいて答えた.
搬送中であったためどこでCPRを開始するのかについてちゃんと言わなくてはいけなかったよう.その場ですぐ開始の場合は安全な場所にベッドを移動したり,胸骨圧迫しやすいように板を入れたり.ICUに急いで搬送してからCPRをすると答えた友人も.
設定としてAEDが来るまでに何をするかだったようで,新しいガイドラインの改定で搬送中のvfに対してはAEDが来る前にリドカインを投与していいとされたそう.私は答えられませんでしたが,友人がそういっていました.

実技試験

①DAM
太った人の挿管を研修医と行う設定
薬を入れて換気不良の場合,ガイドラインに沿った対応を答える.
実際にラリマを入れさせられる.
ラリマ越しにファイバーを用いて挿管.
チューブエクスチェンジャーを用いて挿管チューブを残したままラリマを抜く.
ファイバーで左右気管支の同定方法.

②CV・スワンガンツ
エコーガイド下にCV挿入.説明しながら.ガイドワイヤーが血管内に入っているかを確認させられる.
何センチ留置するか.逆血を確認したが,固定後に逆血ない場合どう対応するか.
スワンガンツの挿入.波形を出されてどこにあるときにどの波形かを選ばせられる.

口頭試問が1問になったことから,問題を外したら終わる,と思いました.初日に受けた方々の情報から,自分は素直でひねりのない問題を引いたラッキーパターンだと思いました.初日の方が癖のある問題が多かったように感じました.
また今年はACLSを実技でやらせるのではなく口頭試問の終盤をACLSにする,方法にしたのだと思いました.

感想
筆記試験に全精力を注いだため,正直筆記試験が終わって初めて口頭実技対策を始めました.1週間もない中で筆記試験の疲れもあり仕事もある中で,もちろん十分な対策をすることはできず,受ける直前まで不安でいっぱいでしたが,その短い間で最大限の対策をできたのは青本のおかげだと思っています.問題と解答がまとまっており,他の教科書などを調べたりする手間はなく,胸部外科だとこれが頻出!など頻出項目などのコメントもちょこちょこ書いてあったのでその項目に関しては完璧に答えられるように友人と練習しました.学会ホームページの過去問を見て一から自分で解答を作っていたのではとても間に合わなかったと思います.どうもありがとうございました.

体験談⑥

初回受験、無事に3科目合格できました。
卒●年目、市中病院勤務で1人受験、●年ブランクあり。共働きで●歳児ひとり。

色々と制限のあるなか、すべて合格できたのは青本とこちらのサイトの体験談の情報がかなり大きかったと思います。とても感謝しています。

試験終了後は特に筆記は手応えがなく落ちたと思いましたが、仲間もそんな感じだったようです。

以下、長くなってしまいましたが参考になればと思います。

<準備編>
1年前 筆記過去問購入
半年前 ポートピア全日程予約
5月 青本購入
6月 書類準備に2週間かかる。郵送後5日位で追加書類の依頼メール。
メールでPDFを送り、当日中に追加書類の受理のメール。
8月上旬 マイページにて書類承認の表示
8/30 受験日程のメールが来る。ホテル他の日はキャンセル。(ギリギリ、キャンセル無料でした)

<勉強>
●筆記 7年分。
子供がいて家では時間が確保しにくくパートナーも激務のため、1年前から仕事の合間などに少しずつ始めました。7月以降は週末に子供と実家に行って時間を確保したり(と言っても2〜3時間が限界)、深夜に家事が終わってから勉強しました。8月末までに5年分5周位はしてました。試験までに直近5年分は間違わなくなるまで。それ以前はミスしたとこ3周位しました。
記憶力・集中力の低下のせいか、いろんなスコアとか診断基準が最後まで覚えられませんでした。

●口頭試問
8月までに5年分、2周。筆記試験の後に1周。
青本、ガイドラインのみ。筆記でも苦手な分野は、青本でも一緒に確認してました。

●実技
3年分。
心エコー、気切など普段やらない事はネット動画で。

筆記試験

自己採点してません。
A問題 みた事ない問題はなかった気がします。5問ミス以下。
B問題 最初の10問位全くわからず、もはや笑えました。感覚としては2−3割。少し調べたら20問以上間違ってました。
C問題 絞りきれない問題も多く、感覚的には4割。
Bがあまりにできなかったので、本当に落ちたと思いました。
東京会場なら近いし、ダメージ少ないので来年の神戸行きだけは回避しようと切り替えました。

<実技など前日〜当日>
前日の木曜の夜に神戸に行き、宿泊はポートピアのクラブフロアにしました。クラブラウンジは‪13時すぎ‬まで勉強で使えます。(他の受験生もおらず、リラックスして復習できました。午後のグループだったので軽いランチもここで済ませました。部屋はリビング、寝室と分かれて広々で23,000円くらい。午後受験なら価値ありと感じました)

当日の業務用エレベーターは体験談のごとくぎゅうぎゅうで、笑ってしまいました。
他にも笑いをこらえてる人がいて、緊張がほぐれました。

口頭試問

バセドウ病 亜全摘
事前に紙を見せられ、5分メモがとれます。
ここでどこまで問題を予測できるかが重要だと思います。
私は焦り過ぎて字が読みづらくなってしまいました。思ったより5分は長いですね。

窓側に審査員のテーブルがあり、入り口側に椅子が一つ置いてあります。
審査の先生方はPCでポチポチ入力していました。

普通体型の40〜50代女性。
いつもの問診、検査、麻酔方法、麻酔法のICなど。
気道狭窄はなく、卵アレルギーです。
その後術後リカバリーにて頸部の膨隆がみられた後の心肺停止、コードブルーで呼び出された設定。
「リカバリールームに駆けつけた時にはすでに挿管されていました」とのことで、
Aライン(80/30mmHg)、SpO2モニター(拾えてない)、ECG(HR110)、EtCO2(数字出てない)の波形を見せられて、
「ほかに何かできる事はありますか?」
チューブの位置異常、末梢側の気管の閉塞?浅い?チューブ押し込む?たん詰まり?CPRで気管内や肺の出血?アドレナリン・・・とか言ってみたものの求めている答えと違うらしく
「うん、血圧は出てると言う事は、胸骨圧迫はいいですよね〜?他は?」
と助け舟も出してくれたけど、食道挿管の言葉が出てこず。
「はい、食道挿管でしたので正しく挿管しました。その後蘇生処置が行われ患者さんの状態は安定しました。家族に説明してください」
ICのところで食道挿管の話を飛ばしたら、
「言うべき事はまだありませんか?」と教えてくれました。
食道挿管で低酸素脳症の可能性あります。→「はい、いいですね。」

となり結果的には時間を余らせての終了となり、雑談。
緩やかに誘導もしてくれる紳士的な先生でした。
もう1人の先生はひたすら頷いてくれてて、安心材料となりました。
先生方も疲れているご様子でした。

実技試験

肥満男性(170cm、120kgとか高度肥満)の下肢の手術
針は7cm,25-23G,クインケ針。
まずXp(L spine)みてどこにさすが教えてください。(正面像のみテレビに映し出されてます。)
成人の脊髄円錐はどこですか?
では消毒から穿刺までしてください。(研修医に説明するつもりで。)
腰だけの人形は骨が触れづらく、よくわかりません。
とりあえず、前の人々が刺したと思われるゴムの裂け目があるとこに穿刺しました。
椎間変えてもくも膜下腔に入らず…
では入ったとして、何を何ml?
(なぜか等比重と答えてしまう)
薬剤は何mg?
ええーと…と、どもってたら「はい、では次に、患者さんが立つと頭痛がするとのことで心配しています。説明してください。」
少しだけ話したら時間切れ。

サドルブロックした事ありますが、整形では坐位でやったことがなく等比重とか言ってしまいました。一発落ちの可能性もありそうで、すごく後悔しました。

●DLTチューブ留置
まず22cmまで挿管してください。
ではファイバーで左右の気管を示し、理由も2つ教えてください。
(ファイバーは机の上にある目の前のモニターで見ながら。電源・ライトはつけてくれる)
膜様部が背側ですと説明。その後右上葉出そうとして、b1-3までは正直よくわからなかったのですが口頭で右の上葉は3分岐があって、とか喋ってたら「はいはい〜いいね。じゃ次は・・・」
と、モニターも見ずにOK出されました。
後は普通に左に挿管、チューブの位置どうしますか?など。
では大動脈乖離の下行置換手術(記憶は定かではありませんが大血管のオペ)のための片肺換気をしてください。最後にチューブエクスチェンジャーでノーマルチューブへ入れ替え。

研修医役の先生も勝手にカフ入れてくれようとするし、すごくやりやすかったです。
時間余って終了。

実技・口頭試問は部屋によってだいぶ雰囲気が違いました。

体験談⑦

口頭試験
巨大甲状腺腫 挿管どうするか。開口一横指。経鼻挿管
患者に説明、手順を実際に説明。
抜管前にアナフィラキシー。ICU帰り、主治医からいつ抜管できるのか問い合わせに対応。

実技試験
分離肺換気
中心静脈カテ、肺動脈カテ

詳細:
「分離肺換気」
下行大動脈瘤の麻酔をします。導入薬を投与しました、まず挿管してください。
場には上半身人形、モニター、ファイバーがある。麻酔器はなく、アンビューマスクで換気する。
ファイバーの確認や調整はしなくて良い
(以前、わざとファイバーのピントが合ってない、ずれてるなどの修正からやった過去問があったようなので念のため聞きました。でもそこが今回の問題でないと分かったら、基本時間が少ないのですばやく次に移ったほうがいいと思います)
問題を出す先生1人、初期研修役の先生1人。初期研修医に教えるようにやってください。

通常の説明しながら自分が挿管20cmくらい挿管してファイバーをみる。
右と左の違いを説明してください。
膜様部の位置、右上葉支の確認など説明、右左セカンドカリーナの説明などしました。
ファイバーで位置確認、カフの量を指定し、研修医にいれてもらう(これが後の罠だと思います)。

では聴診で確認してください。
それぞれクランプして胸のあがりと聴診で確認。

あれ?クランプしてるのに両肺あがってますね。どうしますか?
(?きちんと位置も確認してカフもいれたのにな?)
い、位置確認をします。
でもつい今、位置確認しましたよね。どうしますか。
あれー、じゃあカフを確認しましょう。もう2mlいれてみてください。
(研修医がいれてくれる。)
お、分離になりましたね。(後で気づいたのですが、研修医がずっとカフを握っていたので、わざと気管支側のカフを抜いていたと思います。だってファイバー下で膨らむのを確認したもん、トトロいたもん!)

じゃあこのままでいいですか?どっち肺で換気しますか。
右肺換気にします。
手術の時はどうしますか?このままで手術できますか?
(今まであまりやったことなかったのでよくわからなかった。。)
え、えーと術者の指示でのタイミングで分離肺換気にします。。(みたいにお茶をにごしました。。)
はい、終了です。

同期は分離できないまま終了してしまったようでした(それでも受かってましたが)。

「中心静脈カテ、肺動脈カテ」
はい、この人形にCVいれてください。研修医に説明しながら。アウェイクの患者です。(声かけしながら)
人形とCVキットがおいてある。
ガイドラインにのって説明すれば良いですが、基本時間が短いので、丁寧に説明してしまい時間が足りなくなってしまいました。

まず何度傾ける?
10度くらい、首も左に30度くらい曲げます。でも動脈と重ならないよう調整します。
はい、実際の患者ではこんなビューでした。(モニタ画面にエコー画像が提示)
AとVはどうみわける?
押してつぶれるのがVです!(どや!)
他は?
え、?えーとAのほうが壁が厚い?外側がVで内側がA?
他は?
(カラーをのっけて拍動がある、とか言えばよかったと思います。しつこく聞かれました。なんかもごもごと変なことを答えました。泣)
穿刺で気をつけることは?
動脈刺さない、他の動静脈に気をつける、深く穿刺しない、気胸に気をつけるなどなど言った気がします。
じゃあどうぞ
穿刺角度や深さ、エコーの出し方など声にしながら穿刺。
(逆血がない。。。)
これは血液(赤い液体)がかえってくるもんですか?(人形だったので)
水が入ってます。
(あ、よく見たら水がシリンジに来てる!)
あ、ではガイドワイヤーをいれます。
カテは何センチいれますか。
12センチにします(150cmだったから)
あ!先生今ガイドワイヤー何センチ入ってると思ってるの!?
(どうのこうのしているうちにガイドワイヤーが30cmくらい入ってしまったようです。これは設定ではなく自分の失敗。泣)
ったく!(本当に怒られた。。)じゃあ不整脈でました、どうしますか!時間ないからね!
あ、あー、まず適正距離まで引きます20cm以内。

はい、じゃあ次!肺動脈カテ入れるよ!早く!
手順説明。
どんな波形ですか。
(モニタに波形4種あり、指差して何センチくらいでこの波形みたいに説明した。)
じゃあ肺動脈圧と右室圧波形の違いは。
圧の違いと波形の違いを説明。

終了のチャイム。はい、終わり。

なんか、丁寧に説明しながらだと時間足りないので、ポイントを押さえテキパキ進めるのが良いと思います。本当に。
時間なくなると急かされて、こっちがパニックになりやすいと思います。質問には端的に答えだけで良いのかな。
このブースでは接遇をみてるわけじゃない様子だったのでなおさら丁寧さはいらなかったかな。

全体的に過去問より詳しく(何項目も)聞かれた気がしました。一つ答えても、他は?って聞かれる感じで。
何個か答えを挙げられるのがポイント制になってるのかな。
実技も一通り誰かと練習したほうが良いですね。自分は一人でしゃべりながら勉強してましたが、思ってもなく深く聞かれた気がします。

体験談⑧

大変お世話になりました。口頭実技対策は青本さまさまでした。ありがとうございました。また、webサイトに載っている諸先輩方の体験談も心の支えでした。
筆記Bの難解さ、口頭実技の異常な雰囲気など、「二度と受けたくない」と口を揃えて言われる所以を実感する一方で、まだまだ知識や経験、胆力が足りないなと思わされる試験でした。

やったこと
3ヶ月前から筆記過去問を集めてたまに読む。青本を買う。
2ヶ月前から筆記過去問を本腰で。青本を筆記勉強の合間にパラパラ見る
1ヶ月前から各種ガイドラインを読み込む。筆記終了後に青本ガチ読み。
過去問は5年分何周かしたあと+4年分合計9年分解きましたが、たぶんそこまでいりません。むしろ口頭実技をもっと早めに対策すれば相乗効果があったように思いました。

筆記試験
私服。A問題は見たことないのは1問のみ。B問題は難しかったです。C問題は迷う問題が多かったです。ざっくりA95%B50%C70%程度の手応えでした。

口頭・実技試験
一日目の最終組でした。ポートピアホテルに前泊。スーツ・ネクタイ。
口頭試験20分:
78歳女性155cm45kg、3年前に直腸癌術後。転移の化学療法目的で入院したが、頚部痛があり精査したところ後方固定術の方針となった。円背がある。
・頚椎MRI、CTを見せられ異常所見を述べてください
・軸椎の骨転移による骨折でした。術前に得ておきたい情報はありますか?
・麻酔導入の方法でなにが問題となるでしょうか?
・麻酔導入は具体的にどう行いますか?理由と欠点対応策を加えて。まず頚部カラーを外すかどうか教えて下さい。
・術前検査で肺転移が見つかりましたが知りたい検査3つ
・胸部CT、血液ガス、呼吸機能検査をみせてくれる
・挿管後、腹臥位にするとこんな気道内圧曲線になりました(気道抵抗↑)。わかること2つ。原因とそれに対する対応策3つずつ
・手術後の頚部Xp。頚椎固定されている、挿管されている。主治医は早く麻痺を見たいと言っているがどうするか
→試験官は優しそうな男性二人組で、終始穏やかな雰囲気を出してくださっていました。が、一発目の画像読影で障害部位を派手に間違え頭が真っ白になり、その後は今思い返すとかなり回答不十分な部分がありました。導入方法や術後の対応はカラーつけたまま+意識下ファイバー挿管→挿管のままICUで神経所見をとる、ついでに抜管は気道評価後としたのですが、リアクション的には少数派だったのだと思います。時間が余ったときに「こういう麻酔かける?」「カラーいつもつけてるの?」「手術室では抜管しないの?」と聞かれました。理由が言えればある程度バリエーションは許容されるような印象でした。

実技試験
実技①10分
30歳女性160cm60kgくらい。二週間後に既往帝王切開に対して帝王切開予定。
・術前外来で聞くこと5つ、試験官を患者に見立てて
・換気・挿管困難予測のための検査、所見5つ
・超緊急帝王切開になりました。試験官を研修医としてここにあるもので準備をしてください(普通の喉頭鏡、チューブ、スタイレット、カフ注射器、吸引)
・麻酔導入前に確認すること4つ→術者と患者には何かあります?と誘導あり
・麻酔導入、挿管してください。薬は種類と量も言ってください。
→トリッキーな入りからまさかの流れでした。説明は穏やかな女性の試験官。患者・研修医を演じてくださった試験官は全然リアクションしないタイプの先生だったので少し怯みましたが、超緊急カイザーというワードで一気にこれは
スピード勝負だ!と思いギリギリ挿管までたどり着きました。ちなみに普通の喉頭鏡しかない、BURPが邪魔(自分が指示したのですが…)、テーブル低い、人形固定甘いなど挿管の手技としてはとても難しかったです…。

実技②10分

80歳男性、左人工股関節置換術予定、脊髄くも膜下麻酔で行う予定。試験官を研修医に見立てて説明。患者さんにはいつもどおり声かけを。
・既往に腰椎の変形があります。胸腰仙椎Xpみせられ、どこから穿刺します?
・脊髄円錐って知ってます?通常…→正直に蹲踞の姿勢でスミマセン、恥ずかしながら存じ上げません…と言ったら、じゃあいいやと一瞬で飛ばされました。
・消毒してください。→黙ってしてたら説明してねと注意
・穿刺してください。→入らず
・薬の種類と量は?→その○mlは何mgになるの?
・穿刺できたとして、薬剤投与してください。
・術後病棟で頭痛を訴えています。原因と対応策は?
→全体的に少し急かされる感じで、手際が悪かったのか試験官の先生を苛つかせてしまったかもしれません。穿刺もできず、聞かれた知識もいくつか答えられませんでした。わからないと言うのは諸刃の剣と思いますが、なるべくテンポよく答えさせようとしてくださっているのがわかったので、その流れに乗ってギリギリ最後まで行けたかなあと思います。

体験談⑨

大変お世話になっております。
おかげさまで無事に合格させて頂きました!!

以下、試験の内容などについて

☆口頭試問☆(16分)
78才女性152cm43kg

直腸癌遠隔転移で化学療法予定で入院し、後頚部痛を認め、頸部固定術の予定となった。円背あり。

MRIの冠状断、矢状断が出される
C2あたりに骨転移(軸椎の椎体部分が腫瘍にかわっているような)あり、下肢症状あり
画像評価、術前診察の項目?
→少なくとも3つ言うまで、他には?と言われました。

開口は問題ありません。頚椎カラー着用しており。挿管プランは?
→けいびawakeで、と言ったら、なぜけいび?なぜawake?カラーは?と言われました。後屈が少ない、抗凝固のんでないから、相対禁忌ですらないですよね?って言ってしまって、少し空気が微妙になりました。カラーは整形の医者に聞きます、と言いました。

挿管して腹臥位にしたら、アラームが鳴りました。呼吸のflow/m3グラフの変化と、ガスが出てます。何をチェックし、どんな対応しますか?3つ述べてください。

8時間の手術が終了し、術後の側面CXRを表示されます。外科医は術後の神経症状を確認したがってます。抜管をするかどうかの判断とともに外科医に説明してください。
→当然経口挿管された写真でした。一旦覚醒させて神経症状を見てから、再鎮静させます。
じゃあ、抜管はどうなったらできますかね?
→創部や頚部の浮腫がなくなって、カフリークが出たら、、
他には?
→ファイバーで圧迫所見がなければ良いかと思います。
(後から考えたら、抜管の条件を聞きたかったのかもしれません。)
じゃあ、良いですよ、と終了の3分前に部屋から追い出されました。

実技①(10分)
肥満、既往帝王切開妊婦の37週の、帝王切開の術前外来での問診する事、5項目
。試験官を患者と思って。
→開口とか、挿管困難予想因子とか、既往症とか(何もないよ)、前回麻酔法とか(うーん、下半身だったかな?)、前回何で帝王切開になったのか(覚えてないです)

入院し38週で超緊急grade A
研修医に説明しながら、迅速導入する事になりました。患者さんの入室前に準備するもの5つ。
→麻酔器、薬、挿管チューブ、吸引、胃管、換気困難グッズとか
※なぜか明々と画面のついたファイバーあり。
患者が来てから、何をしますか?
→とりあえず頭上げて、酸素を吸わせる
じゃあ、薬入れてもいい?周りは?
→執刀医、小児科医を確認します。
いればいい?
→手洗い、覆い布、消毒までしてもらいます。
じゃあ、挿管して、周りに指示だして
→カフ10ミリ入れるまで喉押さえてて下さい。
挿管したら、アンビューに繋いで、両肺聞いてる頃終了となりました。

実技②(10分)
大腿骨骨折の麻酔です。画像を見せられる(腰椎がめちゃくちゃ曲がってる)
大腿骨頭置換を腰椎麻酔で行います。
レントゲンを見て、どこからせんししますか?
→かろうじて広そうなこの辺り(L4から)刺そうかな…。
SPiの実技を患者と研修医に説明しながらしてください。先生は清潔手袋をしています、消毒からお願いします。
→消毒します。2回目は狭く。ヤコビ線を触れて、場所を同定します。(真っ直ぐで、めちゃよく触れました。)
薬はどうしますか?
→何のオペでしたっけ?と思わず聞き返し、試験官苦笑。等しい比重のマーカインを3ml入れます。
それは何㎎ですか?
→聞こえない振りをしました。
脊髄円錐はどこにありますか?
→L1-2です!
穿刺したら、すぐに当たりました。
これ、もしあたらなかったら、どうする?
→パラ、座位で?
とりあえず、4方向から逆流を確認して、(スーツに落ちそうになり、逃げた私を見て試験官苦笑)、薬を入れます。
入れ終わって針を抜いたら、

術後訪問の際に、PDPHがあると言われました。原因と治療法を述べて下さい。

適当に話しているうちに時間切れでした。

実技は、のんびり話していると、試験だからね!早くやった方がいいよ!と試験官に笑顔で言われました。

以上です。

体験談⑩

個人的状況
2人の育児中で、育休・実家とはいえ両親にも事情があり完全サポートは困難なため、実は心身ともに限界な状態でした。夜泣きだけで睡眠不足なのに、勉強しないといけないとか、まじでボロボロ、眠れない休めない。今までで一番つらい状況の試験でした。
でも、同期の男子はもう専門医とっていて自分も欲しい!し、新制度までの猶予期間がせまっているし、と踏ん張りました。当直明けふらふらで子守をしてくれた旦那をはじめ、両親もできる限りサポートしてくれ、みんなで乗り越えた感じです。

開始時期
時間がないことが分かっていたため早く開始したかったのですが、ペインの専門医試験も受けたため、それが終わった2月ごろから勉強を始めることとなりました。

参考書
早めにサラリーマン麻酔科先生のサイトから参考書を購入。(ググったら出てくる。皆会場でもこれを持っていた。)
確認などは手持ちの成書で。
B問題、C問題、口頭試問対策にもなるので、ガイドライン(麻酔科学会HP)は読んでおく。
あとLISAであった神経ブロックや症例なども実は試験対策に有用です。(近いのが出てたり)

各試験対策と実際の様子
筆記試験
過去問ベースのA問題、マニアック悶絶級のB問題、臨床C問題の3部作。
過去問は5年から7年解けといわれることが多いようです。問題的には、たしかに7年前のからも出ていましたが、5年分をしっかりやれば合格には十分だと感じました。
Bがめちゃ難しいので、A問題をいかに満点近くとれるかがキーです。あと、BもCも難しい問題ではありますが、意外とガイドラインやLISAに目を通していると分かるものもあります。(それでも分からないのはもう無視でいいと思います)
私は自己採点ではA 95%、B 60%後半、C70%前半 くらいでした。(噂では全体で6割以上が一つのラインらしい(本当かな?))
Bは新作が多くなっていて、試験会場では「Aをもっととれるようにしておけば良かった」とトイレで気の毒なほど後悔している人をみかけました。
試験時間的には見直しもできるはずですが、マークミス、問題の読み間違いは意外とあるので要注意。毎年いるらしいので。(恐怖)

口頭試験
対策はサラリーマン先生の本を2周、直前苦手な分野をもう1周。
確かめたいところは、手持ちの成書で確認。隙間時間でずっとこの作業。
毎年ホテルを2フロアー貸切ってあります。
集合場所から噂のドナドナエレベーターに乗って出荷。タイムキーパーの係の方に言われるがまま動いて受けます。とにかく時間が急いて動きます。大きな荷物はクロークに預けるべき。

大体2-3ブース…なのに、なんと今年は1ブース。(え、これ1つで運命きまるの?!と
焦った)
不愛想な男女2人組の試験管がどーん。
「生後8か月男子 顔面の(顔の皮膚科?形成的な疾患)病気で手術」
「術前母親に聴取したいことは」
「ロタの予防接種をうけていました。どうしますか?母親に説明する感じでどうぞ。」
「超低出生体重児でNICU入院歴があった。(そのほか術前データなどが提示される)」
「この時点でどう導入し、何に気を付けるか」
「導入時、泣き出しで陥没呼吸。換気できなくなった。何が起きたか。鑑別疾患2つとど
う鑑別するか。」
「どうしますか。」
「(この緊急時に)点滴がとれません。どうしますか。」
「術後の抜管、どうしますか。」
「術後何に気を付けますか」
「鎮痛は?3つ」
なんかもっとあったような…気がしますが、流れはこんなでした。
たぶんそこまで間違ったことは言ってなかったはず…ですが、終わった後に、これ言えばよかった!!というのがポロポロ出てきて、「大丈夫かな」と暗~~~い気分でした。
なんとか受かっていたので本当に良かったです。だんまりにならないこと。あきらめずに言えることを言う!!という姿勢(心意気?)が大事なようです。

実技試験
対策は、サラリーマン先生の本と、育休中で臨床を離れて1年だったので、職場に3回ほど
出向き、旦那サマの体をお借りして神経ブロックのおさらい、麻酔器の始業点検も一応し
ておきました。
あたったのは、2つ。
1 無痛分娩の硬膜外
部位となぜそこなのかの理由など、なんか諸々聞かれながら手技をしました。
2 舌癌術後患者の病棟での呼吸苦。開口1横指
気管挿管、どうしますか→意識下経
鼻でします→横に研修医がいるので教えながらやる体でやってください。→必要物品を説明してください(布で隠されていて言ったら出てくる)薬は何をどのくらい用意する?など
実技はすんなりと済み、雑談もありました。

ホテル
会場のポートピアホテルに泊まりました。
無難だと思います。それっぽい人がいて、なんだか一人じゃないんだと勇気づけられまし
た。

受ける年代は、仕事も人にっては家庭も忙しい、大変な時期だと思います。
苦しい試験勉強ですが、丁寧にやれば実は臨床でもかなり役にたつし、今後のために確実になると思います。
私も何度もくじけそうに…いや、くじけました。そんなよわっちい私が受験し、なんとか受かれたこと、感謝です。
この経験が参考になれば、うれしいです。
特に女医さん!!私のような境遇の方はおられるはず。いろんな逆風があるはずですが、
最後まであきらめずに頑張ってください。

体験談⑪

【筆記試験】
今年5月に出産を控えていたため、1月中旬ごろから筆記試験対策を始めました。
最終的に過去問5年分を6週、6,7年前のものを3周しました。
直前は、間違えた問題を中心に、正解の選択肢を覚える作業をしました。

・A問題
ほとんど見たことがあるものでした。
選択肢の一部が変えられた問題が2,3問あり、解答に悩みました。
自己採点では9割〜9割5分程度は取れたと思います。
時間も余りました。

・B問題、C問題
予想通り、見たことのない問題ばかりで解けた気がしませんでした。
B問題は統計を選ばせる問題や基礎疾患(神経性食思不振症)についての問題など、多岐にわたっていました。正直、対策はできないと思います。日頃の臨床で触れたことのある内容ならばラッキー、といった感じでしょうか。
自己採点では5割は取れたかな、という感じです。
C問題についても同様で、問題文がどのように誘導したいのか、いまいちわからない問題が多かったです。
正解がわからないものが多々あったので、自己採点すらできませんでした。

【口頭試問】20分×1問でした
対策は出産後、6月ごろからはじめました。
なんとか青本を一読し、そのあとは過去問を見て自分で解答を考える→青本の答えを確認する、という作業を繰り返しました。
2回程度、黙読でやったあと、音読込みでさらに2周しました。
合計6年分を見たと思います。

当日の問題ですが、試験会場(ホテルの一室)の前で症例を書いた紙を渡され、5分間、読みました。
5分経ったら問題用紙は一度回収され、試験時間になったら部屋に入室するとともに再度紙を返されました。
部屋には試験監督が2名おられ、左手にモニター(ホテルの備え付けのテレビ)がありました。
口頭試問中は、適宜そのモニターに情報や検査データなどが表示されました。

症例は
・脳梗塞後(片麻痺、嚥下障害の後遺症あり)、直腸癌の患者
・腹腔鏡科手術を予定している。
・合併症は高血圧や心房細動など色々あり。
・若干、肥満気味だったような気がします。

質問内容としては
・脳梗塞に関連して、麻酔をする際に確認すること、注意すべきことは何か。
・麻酔をする際に必要なモニターを5つ(標準的モニター以外で)
・胸痛の既往がある(何か問われた気がしますが、忘れました。追加検査などでしょうか)
→答えた後、モニターに表示あり。弁口面積1cm2以下のASでした。
・ASと直腸癌、どちらを優先して手術するか。理由も含めて述べよ。
→有症状のASを優先する、と答えました。
なんとなく試験官の反応が微妙だったので「術後に抗凝固療法を行う必要があり、直腸癌の手術に支障をきたしてしまう可能性がある。有症状のASであるため、こちらの方が予後に影響すると思われるが、手術によって直腸癌の治療が遅れてしまい、予後が悪くなってしまうかもしれないため、消化器外科の主治医と相談する」と追加したところ、なんとなくOKな空気が流れました。
・直腸癌の手術を優先するということになりました。
・麻酔導入、気道確保をどうしますか。
→ASに関連する内容(頻脈を避ける、必要十分な麻酔、急激な血管拡張を避ける、麻酔導入前にAラインを取る、など)を説明。
その後「この方は嚥下障害がありますが、それについてはどうしますか」と試験官より指摘あり。
嚥下障害があることは口頭で言われたので、すっかり忘れていました。
迅速導入をして欲しかったのかもしれませんが、sever
ASで迅速導入はあまりしたことがなかったので「AS合併患者に迅速導入を行なって安定した循環動態を保つのは、私個人としては困難を感じますので、できるだけ避けます。十分な絶飲食時間を取り、必要ならば麻酔導入前に胃管を挿入し、マスク換気を極力低圧で行なった上で、急速導入を行います」と追加で述べたら、なんとなく許してくれたような気がしました。
・TOFモニターを麻痺側につけますか、それとも非麻痺側につけますか。理由も含めて述べなさい。
→この問題は、過去に出題されたことがなかったように感じます。
麻痺側はAch受容体のアップレギュレーションがあるため、非麻痺側につけます、と答えました。
試験官が大きく頷かれたように思います。

・術後、右下腿外側に疼痛?異常感覚?あり。硬膜外麻酔は抜去済みです。患者は麻酔のせいではないかと思っています。試験官を患者と思って説明してください。
→自己紹介をして、対応。
症状と部位から砕石位による総腓骨神経麻痺かな、と思ったので、麻酔の可能性は否定できないが低いこと、原因としては、充分に気をつけたのだが術中の体位による可能性が考えられること、これから主治医や神経内科の医師とともに慎重に経過を見ていくことを精一杯頑張って説明しました。(緊張しますね)。
追加で、「痛みに対して何か治療してもらえますか」と言われたので、プレガバリンという抗痙攣薬やアミノトリプチンという抗うつ薬などを使用します、と伝えました。

問題は1問だけでした。
全て終わった後で、試験官より「先生は硬膜外膿瘍は疑われませんでしたか」と聞かれました。
ちょっと焦りました。
症状の部位や発症の経緯から、総腓骨神経麻痺を真っ先に考えてしまいました、と言うと、「いえいえ、そうですよね、大丈夫ですよ」とフォローがありました。話して良さそうな雰囲気だったので、背部痛など疑わしい場合は、硬膜外カテーテルを抜去せず、ゴールデンアワーの6-8時間以内に整形外科にコンサルトをし、MRIを施行し、診断がつけば緊急手術を行います、と付け加えていました。

質問は1人がほとんどされていました。
もう1人の先生は少し怖めの顔で黙って見ておられました。
(最後に「お疲れ様でした。退出してください」とおっしゃったときに笑顔が見えたので、受験生を怖がらせたかったのではないとは思います)

【実技試験】10分間×2問でした。
気道確保やACLS、BLS、PALS、NCPRのアルゴリズム、神経ブロックの解剖、気管支分岐の確認をしました。
また、事前にYouTubeで輪状甲状間膜穿刺、切開を確認しました。
育休中だったのですが、一日だけ一時保育が取れたので、直前に手術室を見学させてもらいました。
気管支ファイバーを操作できたのは良かったと思います。
硬膜外麻酔や脊椎くも膜下麻酔、中心静脈カテーテルの手技は、使用する消毒液や局所麻酔薬の種類、用量も踏まえて確認しました。

[実技試験1]硬膜外麻酔
・ワーファリンを内服中の患者。
・腹腔鏡下右半結腸切除術を施行する。
・ワーファリンは何日前に休薬するか。ヘパリンブリッジをする場合、投与量とその目安をどうするか。いつ、投与終了するか。
・硬膜外麻酔はどこから穿刺するか。穿刺部位の確認方法はどうするか。
・実際に研修医に説明するようにして、傍正中法で穿刺してください。

試験官は2名とも、気さくな印象でした。
質問内容が少なかったので、時間が余りました。
しばらく、部屋の中で待っていました。
試験の中で、一番気持ちを落ち着けてできました。

[実技試験2]経鼻ファイバー挿管→輪状甲状間膜切開
後から気付いたのですが、かなり時間が厳しかったようで、終始、試験官は巻き気味でした。

・急性喉頭蓋炎の患者(咽頭ファイバー所見を見せられる)
・手術室で気管挿管をして欲しいと耳鼻科より依頼あり。
・マッキントッシュ型喉頭鏡を使用することの利点と欠点は何か。
→正直、ここで喉頭鏡が登場することに驚いたのですが……
利点としては分泌物があってもビデオ喉頭鏡と違って視野を得られること。
欠点はよくわからなかったのですが、後頭展開が刺激となって気道狭窄が増悪する可能性があること、と言うと、渋々許してもらえたように思います。
・マッキントッシュ型喉頭鏡以外で利用するとしたら、何を使うか。その利点と欠点も。
→ビデオ喉頭鏡を挙げたのですが、あまり反応がよくなく。
気管支ファイバーをあげたら、たぶんそれを言って欲しかったみたいで、利点を言い終わる前に「はい、いいです」と切り上げられました。
(多分、時間に余裕がなかった)

・意識下経鼻ファイバー挿管を行うことになりました。隣にいる試験官を研修医と思い、説明しながらしてください。
→マネキン頭部に、準備されたのは6.0-8.0mmの総管チューブ、ファイバーでした。
これで?意識下?局麻は??という感じだったので、鼻にアドレナリンとキシロカインの混合液につけたガーゼを詰めておきます、と口頭で説明してから(多分いらなかった)7.0mmのチューブがスムーズに入ったので、これを使って挿管しました。
昨年の実技試験で、ファイバーのピントや上下が合っていなかった、と聞いていたので、しつこく確認していたら「上下とかは合っていますので」と突っ込まれました(時間に余裕がなかったんですね)。
無言でやってしまったので、「説明しながらしてください」と言われました。

・ファイバー挿管ができた段階で「呼吸状態が悪化しました。どうしますか」と言われ「耳鼻科医に気管切開を依頼します」と言ったら「輪状甲状間膜切開ですね。やってください」と返されました。(正直、耳鼻科医より上手にできる気はしませんでした)。
・そこで、布で隠されていた輪状甲状間膜切開のキットが登場しました。
・デモでも2回程度しかやっていなかったのですが、なんとか成功。
・この時点で終了時間を若干過ぎていたので、終わり次第、終了、退室となりました。全体的に、時間がギリギリだったようです。

口頭・実技試験は「これでダメだったら来年以降もできる気がしない」と感じました。できた方は多かったと思います。
落ちるとしたら筆記試験のB, C問題が極端にできなかったせいだな、と思っていました。
無事に全て合格できて、ほっとしています。ありがとうございました。

体験談⑫

3試験とも合格することができました。
筆記試験
全体的に例年どおりの印象です。
A問題は過去問通り、ほぼ5年以内ですが、何問かは6,7年前からの問題も。5年分の答えさえわかれば9割以上は取れるはずです。
B問題は新作問題中心、まあ無理でしょう(笑)
C問題も例年通りですが、実際に解くと作者の気持ちを考える必要性に迫られます。現代文かよ。明らかに割れ問になること請け合いな問題もあり、もうちょっと練ってほしいなあと。ただ難易度自体は例年より低いか?
私自身3か月前からのろのろ進め、学会などもはさみつつ(言い訳)、過去問5年分3周しました。5年分がほぼ解けるのであれば口頭試問対策も含め、ガイドラインを勉強するとよりB,Cの初見問題が解きやすくなる印象でした。あとは7年分やってA問題を100%近く解けば精神的に余裕が出ると思いますが、もっと有意義に時間を使った方が…

口頭試問
1週間ではとても青本、ガイドラインの通読は無理です!もっと早くから対策しましょう!!
今年から口頭試問は20分間(だったような)1問のみになったようです。そのため問題によっては積みます。私はたまたまスタンダードな問題であり合格できましたが、日ごろあまりやらない新生児症例などが当たると危なかったかもしれません。青本で慣れていない分野をしっかり固めないと非常に危険です。というか時間帯ごとの難易度の格差が半端ないと思うのですが、来年もこのシステムで行くつもりなんですかね?

以下再現 金曜11時台の集合
高齢肥満(BMI30ちょい)女性、逆食、脳梗塞、DM、HTN合併患者のラパ低位前方・術前診察で確かめたいことは?
(左半身マヒ、嚥下障害あり、車いすで自立、右胸骨第2肋間に雑音がわかった、胸痛もあり)
・そのうえでどうする?
(ASが見つかりました、検査所見あり、moderate-severeくらいだった気が、very severeではない。その結果心外がAVR先行してもええよと言う)
・どっちを先にしますか?あなたの意見をどうぞ。←この時癌のステージは?と聞いたら答えてくれませんでした…はっきりどっちか言うまで次の問題に進みません(外科手術を先行としました)
・用いたいモニターは?5つ
・どのように導入しますか?導入量も←逆食の程度にもよりますが普通に換気してやります、といったら逆食が重度だった場合の対応も聞かれました。
(気腹したら血圧下がりました、rSO2も下がりました。)
・どう対応しますか?
(術後右足に痺れが出ました、患者とコミュニケーションをとって対応してください。;総腓骨神経の支配領域)
・なんで痺れたのでしょう、硬膜外が悪かったのでしょうか?←たぶん体位による総腓骨神経麻痺だけど硬麻の影響も完全には否定できません、と答えたらきっちり否定ほしそうに誘導されました
・この痺れは治るのでしょうか?←ちょっと曖昧です
・薬があるのですか?←プレガバリンと答えたら終了のようでした

実技試験
10分×2問 例年通り?
第1問
男性の喉頭蓋炎、実際のファイバー所見を動画で見せてくれる。
・マッキントッシュ型喉頭鏡、あるいはファイバーを用いた挿管のそれぞれの長所、短所
は?
(意識下ファイバー挿管の方針となりました)
・人形使って挿管してください、チューブも選んでください←普通の人形でした
・適切な深さはどうやって確認しますか?
・出血してしまい、視野がとれなくなったと仮定します。酸素化悪くなり意識レベルも低
下しました。どうします?←外科的気道確保をしますと言うと、ミニトラックが出てきま

・外科的気道確保をしてください
チューブを入れたところでちょうど時間でした、ギリギリでした
第2問
右半結腸切除、ワーファリン内服中、硬膜外挿入
・穿刺にあたり何に気を付ける?
・ヘパリンブリッジをしてください、ワーファリンは何日前まで?←APTT云々言ったと
ころで実際の指示みたいに!と言われました。幾つだったら何ml増量、という次元まで答
えるよう求められました。もちろん答えられず。
・何椎間から入れますか?←Th10/11,かTh11/12あたりと答えると、はっきりせいと言われ
ます(笑)
・実際に研修医に教えるよう傍正中法で穿刺してください。←抵抗消失は得られてもチュ
ービングはほぼ無理らしく、以後入った体で
・テストドーズは何を用いますか?
・チューブ迷入がわかるよう声をかけながらテストドーズしてください
ここで終了、時間までは少し余裕がありました。
ヘパリン化に関しては他の受験者はそこまで詳しく聞かれてないそうです(笑)

体験談⑬

58回日本麻酔学会専門医試験を受験して

筆記試験

私は5年分の過去問を3週程度やって試験に臨みました。周囲の同期も同様の年数を通ってから試験を受けましたが、A問題に関しては7年分やっていれば問題はほぼすべて見たことがある問題であったとのことでした。5年分でも9割は問題無くとれていたかと思います。
B問題に関しては例年通り新問でありましたが、A問題と共通した知識で解ける問題も認められました。今回更新された臨床研究法についてはヤマだと思われていましたが、やはりでることとなりました。
C問題に関しては過去問を参考にしましたが、今回の試験内容は依然と比較して難問であったように思います。Cで稼げると思っていた人は難渋したんではないでしょうか。私はここで提供いただいた口頭試問用の資料を読んでいたのでわかった問題もあり、事前に口頭試問対策をしておくことがC問題につながるように思います。

口頭試験

問題の口頭試問ですが、今年は1例のみでした。
私が経験した内容は70代女性、脳梗塞、糖尿病、高血圧、肥満の既往がある方。直腸癌の手術を予定されている方についての問題でした。5分間症例の情報を見せられて、メモ等を書くことが許されていました。事前に聞かれそうなリスクや対応をメモしておけたので、ここでいかに予想して書いておくかが大事だとおもいます。
入室してからは脳梗塞にかかわる内容として、術前に評価すべきことを5つあげよ(抗凝固、血小板について、神経学的所見、拘縮、狭心症などの心臓・大血管合併症、挿管困難疑う初見 とこたえました)ではどんな検査をしますか?
予想通りEpi予定で、凝固、血小板について質問あり。
身体初見では高度労作で胸痛あり、NYHA1度、胸骨右縁で収縮機雑音あり、何をリスクと考え、追加検査するなら何が必要か(ドブタミン負荷エコー、CAG、頸動脈エコー、BNP等の採血と答えました)。ASであり、CAGでASと癌をどちらを優先するかを問われました。
癌を優先することとした、導入方法は何か、使う薬剤は何をどれくらいしようするか。その他導入前に何をモニタリングするか、導入後に必要なモニタリングは何かを質問され、ASに対しての一般的な対応を問われました。筋弛緩についても質問があり、加速度センサーによる筋弛緩について抜管に際して筋弛緩が 残存しているとおもわれる状況についての対応を質問されました(TOFratioが100%でなければ拮抗薬の追加投与が必要等のこと)。筋弛緩をモニタリングする上で片麻痺があるが、正常側と麻痺側のどちらがモニタリングに適しているか、またその理由も問われました。
手術は腹腔鏡下で行われた、術後右総腓骨神経領域のしびれと尖足がありました。患者、家族は硬膜がい麻酔による影響ではないかと訴えている。試験管を患者として対応してください。その上で考えられる疾患と必要な検査は?(硬膜外血腫、膿瘍ならMRI、体位による総腓骨神経麻痺なら電気生理学的検査、神経電動速度の測定と答えました)
網羅はできていないかもしれませんが、以上の質問でした。

実技試験

実技試験は硬膜外麻酔の傍正中法を 開腹右半結腸切除患者に対して行ってください。ヘパリン化 されていましたが、何時間前に中止しますか?正中からどのくらい離して穿刺しますか?研修医に指導しながらやるつもりで解説しながら、かつ患者に対しての接遇も行いながら試行してくださいとのことでした。テストドーズの内容と量まできかれ、チュービングまでして終了でした。硬膜外腔に入りませんでしたが合格でした。同期で硬膜穿刺をしてしまった子は落とされてしまいました。
もう一ブースは喉頭蓋炎の患者で全身麻酔を依頼された例でした。局所麻酔下気管切開のことについては全く触れることなくすすめられ、時間が短いからと急かされながらでした。どのデバイスを使用するかについて質問され、喉頭鏡、マックグラスについてそれぞれ利点と欠点を質問されました。その後経鼻ファイバー下での挿管をするように言われ、前処置として必要なことを質問されました(キシロカイン噴霧、エピネフリン噴霧浸潤、イソジン消毒 等)。 挿管後にできなかった場合はどうしますかときかれ、外科的気道確保と答えと、ドレープで隠されていた輪状甲状間膜切開キットをわたされ、実際やるように言われました。やりながらCTM同定をするように言われ、そこを選択する理由を問われました(甲状腺がない、声帯を傷つけない、皮下から浅い 等)。全て終わらなくても合格しました。

以上全て合格することができましたが、筆記はやや難化、口頭試問、実技は運が良かった感じがします。参考になるかどうかはわかりませんが、一助になればと思います。ありがとうございました。

体験談⑭

この度は先生の口頭試問対策の教科書を本当にありがとうございました。
おかげさまで無事全ての教科で合格することができ、目標であった専門医を取得することができました。

私のように大学に属しておらず、半ば一人きりで試験に臨むものとしては、先生の教科書のような具体的な指針があることはとても有用でした。

体験談ですが・・・とにかく想像を絶するくらい緊張しました!朝食も喉を通らないレベルです!

筆記試験

筆記試験については5年分を5周しました。1周目から全てノートにまとめとにかく細かく知識を蓄積していきました。最後の4周目と5周目では同じ問題や選択肢が出てできないと悲しいので、とにかく正解を選べるようにという訓練を試験前2週間で最後短期集中で行い、その前の2週間(9月前半)は口頭試問の先生の教科書を見直したり、まとめノートをひたすら眺めたりして筆記試験の問題から離れる期間も作りました。
本番では、A問題は終わってすぐ軽く答え合わせをして9割以上取れていたのですが、B問題とC問題は本当に難しく、終わった瞬間落ちたと思いました。会場全体も本当にざわざわしていて・・・二度と味わいたくない絶望感でした。しかし結果的には合格していたので、やはりA問題が取れている場合には合格レベルまでB問題やC問題も取れるということではないかと思います。

口頭試験
口頭試問は20分で1問でした。
痩せ型(BMI=15程度)の男性の巨大甲状腺腫瘍摘出術。内科的既往なし。5年前に下顎がんで下顎腫瘍切除+皮弁再建+放射線療法を行なった。
という紙を渡されました。

・術前問題点を5つ:痩せ型(低栄養の可能性)、巨大甲状腺腫瘍(上気道閉塞の可能性、甲状腺機能異常の可能性)、下顎がん術後(上気道の解剖異常)、放射線療法後(頸部後屈制限の可能性)など
・術前評価で必要な検査など(3つだったと思います):CT、ファイバー、開口や頸部後屈などの気道所見
・挿管方法と理由:意識下経鼻ファイバー挿管
・挿管方法について患者に説明してください
・挿管チューブは何を使いますか?
・挿管の手順について説明してください
・無事に手術は終わりました。ブリディオンを投与した直後から血圧低下がありました。
鑑別は?供覧の心電図の所見を述べてください
・前胸部に膨疹を認めました。診断は?対応は?
・術者に抜管について相談されました。協議し、方針を説明してください。

という問題でした。特に型通りの回答で聞き返されたり、あとは?という促しはなく、すっきり終わっちゃいました。

実技試験

実技は2ブース、10分ずつ(8分でチャイム)
・ダブルルーメンチューブの挿管、ファイバーでの位置確認、左右の気管支の同定方法、分離の方法、下行置換としてどうやって分離しますか?チューブエクスチェンジャーを使用して入れ替えを行ってください。
・CVC留置(右内頸)、体位区の取り方、どこにエコー当てますか?供覧のエコー所見があってこれをどう思う?血管をどうやって同定する?ガイドワイヤーを留置するところまで実際にやってみて、隣の模型に移ってSG入れてみてください、準備はどうする?実際に挿入してみて、波形これどれが何の波形?

実技は嵐のように過ぎていきました。私はDLTの方ではやり直していたら時間がなくなりましたが、ちょっと延長してくれてポイント稼がせてくれました。iPadで採点していて、できたらどんどんポイント加算しているような方法でした。なので、できるだけ数多く手技をこなせたほうがポイントもらえますね。

・私は早い時間であったためか、先生方も初めて見る症例、初めて実技やる感じだったので、あたふたしていて、ちょっと受験生側に有利だった印象がありました。少しおまけしてやらせてくれた気もします。助かりました・・・。

少しでも何かのお役に立てればと思います。本当にありがとうございました。

体験談⑮

無事合格しました。ありがとうございます。
以下試験についてです。曖昧なとこもあり、申し訳ありません。

筆記試験
5年分やればよいと諸先輩方から言われていましたが、私は5年プラス腕試し的にもう1年の計6年分やりました。今回のA問題では6年前のものも出ていたので、ほとんど初見の問題はありませんでした。5年分のみの同期は結構苦しかったようです。
Bに関しては内科的なことや社会的なことを知っておこうねというメッセージ性がつよいなと感じました。Cは臨床をやっていればそこそこはとれそうな感じでした。BCは去年までとは少し毛色が違う印象を受けました。
先輩方がいうように、A問題をしっかりとるのが精神安定の上で大事かなと思いました。

実技試験
基本的に2グループで同じ問題 8分×2
試験官は2人

160cm90kg 腹腔鏡手術
開口三横指 後屈問題なし→急速導入を予定する症例で研修医に説明するように導入してください(患者さんは肥満だから〜と研修医に説明するように話始めたら、起きてる患者さんですよ!と言われ、普段はそんなこといいませんと言いました笑)
マスク換気は可能
筋弛緩投与後マスク換気不可→状況を改善させるもの3つ答えなさい エアウェイ挿入・換気2人法・声門上器具
挿管しようとしたけど、挿管不可
ラリンジアルマスク挿入 置いてあったのはi_gelでした。
ラリンジアルマスク越しにファイバー挿管
左右の気管分岐の違いについて説明、挿管長は適切か?(浅かった、分岐部から2cmくらいにすると答えた)
ラリンジアルマスクを抜いてください 押し込み棒つかっていれた
ファイバーは上下逆だった
割と時間はギリギリでした。

おきてる患者さんにcv挿入
研修医に説明するようにやってください
清潔局麻はすでに済んでいるとの設定
体位 解剖動脈静脈の区別の方法
エコーで静脈の後ろに動脈があった場合どあする? 穿刺場所を上下動かしてみるとか貫通させないとか
ワイヤー何cmまでいれてよい? 20cm程度
心室細動おきたらどうする? ワイヤー抜く
次はスワンガンツ入れてください(この辺りで終わりの鐘がなり、ガンツの波形の写真を並べ替えを聞かれて終了しました)

口頭試問
20分で一題 試験官2人
ニグループで同じ問題
入室前に症例の紙を渡され、五分間それをみて考えたりメモする時間あり。

80代女性 140cm台40kg台。
救急外来受診前日から腹痛嘔吐あり
詳細不明だがPCI後バファリンの内服あり
糖尿病薬も飲んでいるようだが詳細不明
血圧も高いようだが内服してるかどうか不明
といったような症例。
穿孔性腹膜炎で緊急手術になりました。

この症例での麻酔導入方法は?
あなたはどの方法で麻酔導入するか?その根拠は?→迅速、ちょっと緊張のためフルストマックだからとだけ答えましたが、もう少し付け足しが欲しそうでした。
この症例での問題点は?(スライド見せられて胸部所見で胸骨左縁で収縮期雑音とかたしか採血など書いてあった気がします)
PCI後・ASもあるかも、フルストマック、バファリン内服中、糖尿病、血圧変動注意

術中開腹して10分で、低血圧頻脈になりました。→低血圧の鑑別は?腸管牽引、筋弛緩もしくは抗菌薬によるアナフィラキシー、新たな心筋梗塞、考えにくいが緊張性気胸・肺塞栓など

術中の途中のバイタルデータや尿量を見せられて必要な検査は?(低血圧、尿量0…)4つと言われた気がします
→TEE、血ガス、尿検査、(何かもう一つ答えたと思いますが忘れました)

術中のデータを見せられて必要な対応は?
(貧血、凝固のびてる、血糖高値、尿ケトン+、心臓が全体的にうごきが悪いとかだったと思います。)
カテコラミン使う、血糖補正、輸血するとか

手術が終わり、退室時に心電図がVF波形になりました。試験管を看護師と思い、必要な指示を出してください。一回除細動かけて終了。

以上です。

体験談⑯

口頭試験
50歳くらい女性? バセドウ病 甲状腺手術
気管支喘息の既往 卵アレルギー HBVキャリア

・試験官を患者さんと思って術前診察してください。
スライドデータを提示、あまり異常値無し
・どのような麻酔を行うか患者さんに話してください。
・では実際どのような麻酔方法を行い、どのような点に注意しますか具体的に説明してください。
・同僚が食事交代に来ました、申し送りをしてください。
手術は問題なく終わりました。
術後リカバリーで呼吸困難と頚部腫脹あり急変コールがかかりました、
あなたはほかの麻酔中だったので同僚が対応し気管挿管し現在心肺蘇生中です。
モニターを見てください。(EtCO2:2mmHg Aline圧は十分 SpO2出てない  食道挿管 ≫心肺蘇生が不十分)
・どのように対応しますか?
その後あなたが気管挿管しなおし、バイタル安定し集中治療室に入室しました。
・主治医から、今回の一連の出来事の説明を患者の夫(試験官)にしてほしいと依頼がありました。試験官えを家族として説明してください。

実技①
分離肺換気 模型
上行大動脈瘤OPE
・まず22㎝まで経口挿管してください。
・となりの試験官は研修医です指導するように行ってください、必要であれば介助を頼んでも構いません。
・次に内視鏡所見からあなたが、左右気管支を同定する根拠を2つ教えてください。
・カフにはどれだけ空気を入れますか?(チューブもファイバーも潤滑材でぬるぬる滑って扱いにくい)
・それでは実際に分離肺換気行ってください。
・では次にチューブエクスチェンジャーで挿管チューブの入れ替えをしてください
(ブジーヤエクスチェンジャーや細長い系のものがいくつか エクスチェンジャめもりの数字消えそうでみにくい)

実技②
脊髄クモ膜下麻酔 坐位模型
100kgこえ 下肢の骨折
・腰のXp どこから穿刺するか教えてください。
・薬は何をどれだけ使いますか?
・では模型を患者さんと思い話しかけながら行ってください。穿刺前の局所麻酔は終わっています。
・あなたが入れた薬の量は何mgになりますか?
・術後頭痛が起きました。患者さんに対応や治療を説明してください。

感想
口頭試験は1症例で過去の傾向と少し違う印象を受けました。
医療面接や患者家族対応など普段行っていないと話せないような内容と思います。

しかし傾向は違えど 購入した資料を声に出して読むことで、細かい質疑応答はすぐに言葉として
対応できるので非常に助かりました。データの蓄積量から言っても高い買い物ではないと思いました。
大きな声で回答し、黙ってしまわないようにだけ注意して臨みました。

余談ですが、私は、筆記試験対策は4月から行い。問題集を直近3年を5周、4-5年前を3周、6-8年前を2周行いました。
口頭試験、実技対策は9月から購入した資料を5周音読するもりが2周しかできませんでした。

口頭や実技は何度かロールプレイを行えば、より緊張せず試験に臨めたのではと少し反省しております。

———————
以上、口頭試験、実技試験、感想になります。
この度は、ありがとうございました。

体験談⑰

筆記試験

3科目とも無事に合格しました。ありがとうございました。
試験対策は大学院の研究のこともあり、約1ヶ月半前から始めました。周囲はすでに過去問を3年分から5年分を2周程度やっていたようで、かなり焦りました。とにかく最低3年分のA、B問題を3周することを目標に始めました。
1周目はじっくり問題と解説を読みながら、ミラーなども参考に理解することに重点をおいて解いていきました。これを3年分やるだけで約1ヶ月要しました。
2周目は1周目をじっくりやった効果があったのか、間違える問題もかなり少なくなりA問題は8割程度、B問題も7割程度の正解率となりました。ここまでで試験まで1週間くらいでした。ここでC問題を3年分やり、約6割の正解率だったので、毎年新問題でもあるため、1周で終わりにしました。残った時間はA、B問題の間違えた問題や理解しづらかった問題などを中心に復習して試験を受けることになりました。

今年のA問題も例年通り過去問から出題されており、印象では4年前までの問題が多かったと思いました。安心してA問題を解くためにはやはり5年分必要かなと思いましたが、3年分でも8割は取れるかなと思う感じでした。A問題90問に対して時間が1時間40分くらいで短いですが、時間は余りました。B問題は例年通り新問題が多く、かなり焦りました。わからない問題が多く、これまでの知識をフル活用してほとんど消去法で選択肢を選ぶような感じでした。しかし、A、B問題をじっくり理解しながらやったことで考えながら解くことができた問題もあったので、時間は多少余りましたが、A問題ほどの余裕はなかったです。C問題は普段の臨床をしっかりやっていれば、6割はいける感じだと思います。

口頭試験
口頭試問対策は筆記試験が終わってからサラリーマン先生の本を使って勉強しました。全ては無理なので、自分が弱い・経験症例数が少ないと思うものを中心に勉強しました。特に心外、小児、産科、気道確保困難症例は出やすい分野だと思うし、勉強していないと回答できないと思ったので、これらを重点的にやりました。あとはアナフィラキシーの対応や悪性高熱症、ショック状態の対応、術中のバイタル変化に対しての鑑別・対応などをおさらいして試験に臨みました。
試験会場では集合場所に約30分前に集まり、試験の説明がある。携帯などの電子機器を机の封筒に入れ、カバンに入れるように指示があった。案内されるまでは本などで勉強することは可能だが、会話は厳禁。トイレは申告して行く。試験部屋の前の椅子に座り、症例と筆記用具を渡され5分間の準備ができる。その後一度症例用紙は回収され、試験部屋に入る直前に渡される。今年は口頭試問1問、実技試験2問でした。

口頭試問問題(D−1)
62歳くらいの男性。BMIが17.7くらい。巨大甲状腺腫瘍に対して甲状腺亜全摘術が予定された。過去に下歯肉癌で手術を受け、皮弁再建され、術後に放射線治療を行っている。その他には特に既往はなく、内服薬もない。

1 この患者の術前に評価することは?
巨大甲状腺腫瘍であり、気道狭窄や気管偏位などの気道評価が必要なので、一般的な術前検査の他にCTなどでも詳しい腫瘍の大きさや気道への影響をみる必要がある。また下歯肉癌術後で皮弁再建と放射線治療を行っているため、気道確保困難が予想される。開口や後屈、普段の呼吸状態(Hugh-Jones分類やSpO2、BGAでPaO2やPaCO2の評価)が必要であり、また気管支鏡で気道の直接評価もやっておく必要がある。痩せがあるので、普段のADLや栄養状態の評価も必要と考える。甲状腺腫瘍なので、念のためホルモン値なども検査しておく必要がある。
頚部CTと気管支鏡の画像が呈示される。(CTでは気管径が7.1mmと計測されている。気管支鏡では皮弁再建した部分とその奥にやや声門が確認できる。)開口は1横指で、仰臥位でも呼吸苦がある。夜も良眠できていない。

2 麻酔法はどうしますか。
甲状腺腫瘍の手術なので、全身麻酔を行いますが、気道確保困難が予想され、呼吸苦もあり、経口挿管が困難と判断し、意識下での経鼻ファイバー挿管を行います。

3 意識下経鼻ファイバー挿管での全身麻酔を行うことにしました。意識下経鼻ファイバー挿管について、試験官を患者に見立てて説明してください。
自己紹介、挨拶。患者、手術内容の確認。全身麻酔が必要であるが、気道確保が困難であることを説明。その対策として意識下経鼻ファイバー挿管を行うことを話す。やり方を説明する。質問を受け付ける。「どんな薬を使う?」、「いつ寝る?」を聞かれました。

4 実際の導入方法を説明してください。
入室後、一般的なモニターを装着。A-lineを挿入する。仰臥位で呼吸苦があるので、ヘッドアップで酸素投与を十分に行う。フェンタニルを25μgずつ、自発呼吸を確認しながら、分割投与。4%リドカインと20万倍アドレナリンの混合液で鼻腔内を局所麻酔。Tubeは6mmか6.5mmのスパイラルチューブを選択し、ファイバーに通した状態で鼻腔から挿入
。ファイバーから咽頭から喉頭蓋全面までを同様に局所麻酔したのち、声門が確認できるところまで進める。吸気に合わせてファイバーを気管内に進めて、チューブを挿入する。その後にプロポフォールで鎮静する。

5 維持はレミフェンタニルとセボフルラン、ロクロニウムで行い、無事に手術が終わりました。覚醒させようとレミフェンタニルとセボフルランを中止し、スガマデクス2mg/kgを投与しました。その5分後に急にSpO2の低下、BP低下、HR上昇を認めました。その時に心電図を示します(ST低下、wide QRS)。何を考えますか。4つ挙げ
てください。
アナフィラキシーショック、再出血による出血性ショック、冠血管疾患(ACS)、ショック状態による冠動脈血流の低下、手術による気管損傷による閉塞、術操作による気胸が緊張性気胸となったなど

6 前胸部に発赤と膨疹が見られます。どう対応しますか。
アナフィラキシーショックと考えられます。人を集め、アドレナリン0.3mgを筋注、ショック状態であり、FiO2を100%にする。緊急性が高いので、アドレナリンを筋注ではなく、0.1mg程度を静注してもいいかもしれない。輸液を負荷して血圧を回復させる必要がある、フェニレフリンやエフェドリンを使用し、必要に応じてノルアドレナリンの持続静注も開始する。冠血流の低下があるので、ニコランジルの持続静注や血圧が低いので使いにくいですがニトログリセリンの持続静注も考慮します。循環の回復の後に心電図が改善しない場合はACSの可能性を考え、循環器内科への相談も必要となる。

7 治療により安定しました。抜管するかどうかなど今後の対応について試験官を主治医
と見立てて説明してください。
おそらくスガマデクスによるアナフィラキシーショックと考えられる。循環は落ち着いたが、遅発性に再度アナフィラキシーの症状が出る可能性があり、また頚部の手術でもあったため、気道に影響が出た場合、もともと気道確保困難の患者でもあるので再挿管することは非常に困難となることが予測される。挿管のままICUで経過をみて、遅発性のアナフィラキシーショックなどが出ないことを確認し、気道浮腫などの術後の気道への影響が出ていないことを気管支鏡などで確認した上で、リークテストをして抜管することが安全と考えます。

口頭試問は以上です。例年より、試験官に説明する問題が増えた印象でした。

実技試験
実技試験は口頭試問の後に、隣の部屋へ移動して行われました。
もともとの試験内容が気道確保、区域麻酔、ライン確保、心肺蘇生と4つに決まっていましたので、気道確保は普段あまりやらないファイバー挿管のやり方、LMAから挿管するなどを中心に勉強しました。DLTの気管支鏡の所見や、気管支鏡の画像で上下や左右、分岐した気管支の特徴なども説明できるようになっているといいと思いました。区域麻酔は穿刺点の決め方、脊椎レベルの目安(ヤコビー線、肩甲骨下端、C7など)、神経ブロックでのエコー画像の解剖を説明できるようにしておき、電気刺激装置の使い方、刺激した時にどこが反応するかなども勉強しておくといい。ライン確保はCVとSGカテーテルと山をはりました。心肺蘇生はACLSとPALSを復習しておくといい。実際の試験時間は8分でかなり時間がないので、ある程度スピードが必要でした。自分はDLTの挿管、気管支鏡で気道の解剖の説明、チューブエクスチェンジャーでノーマルチューブへの入れ替え。もう1問はCV穿刺とSGカテーテルの挿入(挿入して行く際の波形の説明)でした。他の人はLMAから挿管する、太った人(背骨が触れない場合どうする?)のルンバール、ACLSなどがあったようです。

体験談⑱

今回麻酔科専門医試験に合格しました。
①筆記試験対策に勉強したこととしては過去問5年分、特にA,B問題は何度も繰り返してやりこみました。青本を読むことも対策になると思います。
②口頭試問対策には青本を使用させていただきました。単元ごとにまとまっており使いやすかったです。

口頭試験

口頭試問は1ブースでした。

高齢女性で腹腔鏡下腸切除
脳梗塞既往
胸痛(の既往だったと記憶しています)
逆流性食道炎
がある患者に関しての質問でした。

脳梗塞患者に関して術前評価すべきことを述べなさい。
胸痛に関して術前に確認すべきことを述べなさい。

そのあと心エコー検査がだされ、重度AS患者でした。
ASと腸切除(大腸がんだたっと記憶しています)のどちらを先行させるか、あなたの意見を述べなさい。

腸切除を先行となりました。
使用するモニターを標準モニター以外に5つ述べなさい。
導入に使用する薬剤及び量を述べなさい。

実技試験

③実技試験に関してはこれといった対策はしていません。普段の臨床をきちんと行っているかが問われると思います。
実技試験は2ブースでした。
わたくしの場合は
ⅰ硬膜外麻酔
ⅱ経鼻ファイバー挿管および輪状甲状間膜切開
でした。

ⅰ硬膜外麻酔
脳梗塞がありワーファリン内服しています。未分画ヘパリンへのスイッチの時期や硬膜外麻酔施行の何時間前にヘパリンは中止するか聞かれました。
机に左側臥位で人形が置かれておりました。
試験管を研修医とみて説明しながら硬膜外麻酔をしてくださいと言われました。
ヤコビー線からTh11/12を予想して穿刺しました。生理食塩水を用いた抵抗消失法で行いました。
説明しすぎて時間が無くなってきたのかチューブ挿入後に、試験管から、残り少ない時間になったのですぐにTouhy針を抜いて次に行ってくださいと言われました。
焦ってしまいTouhy針と一緒にチューブも抜去してしまい、試験管から普段からそのようにしているのか聞かれました(笑)
その後はチューブが入っているものとしてやってくださいと言われtest doseして終わりました。

ⅱ経鼻ファイバー挿管および輪状甲状間膜切開
経鼻ファイバー挿管の際はマックグラスとマッキントシュ喉頭鏡が置かれており、それぞれの利点と欠点を述べるように言われました。
疾患は喉頭蓋炎の想定でした。
意識下挿管で使う薬を聞かれました。
経鼻ファイバー挿管が終わったあとに経鼻ファイバー挿管ができなかったらどうするか聞かれました。
意識を回復させる及び外科的気道確保と答えました。
横のテーブルに輪状甲状間膜切開のセットが隠されておりでてきました。輪状甲状間膜切開は時間が足らなかったです。

振り返ってみて、4月から過去問を解き始めました。8月からは青本も並行して読むようにしました。
合格できて非常にうれしいです。お世話になりました。ありがとうございました。

体験談⑲

ママさん麻酔科医で、小さい子供がおりどうしても1回で合格したかったので、青本には助けられました。結果全て合格しておりました。ありがとうございました。

用意としては1年前から少しずつ過去問を始め、結局7年分を6周ぐらいしました。最後は反射でa!ぐらいまで出るようになっていました。
実技と口頭試問は青本を1周読んだぐらいしかしておらず、筆記が終わってから急いで友人と一日中かけて色々問題だしあったりしました。実際に出し合った方が絶対いいと思います。自分が抜けてるところがよくわかりました。

以下覚えてる範囲の内容ですが

筆記試験
A問題は3問間違いぐらいにとどめました。新しい問題は2問?ぐらいだったように思います。
B問題はさっぱりわからず、自信を持って答えられたのは5問程度で、あとは勘でときました‥。おそらく3割も無いと思います。
C問題も、時間がなくなってマーク見直しもできず、意味不明な問題も多く5割くらいしか手応えがありませんでした。

口頭試問
8か月男児の顔面の獣皮用母斑の切除術でした。
-最初に問診で確認しておきたいこと

早産児で挿管歴がある、3日前にロタワクチンを接種した。手術に関して母親に説明してください
副作用について説明して、延期しますと答えると、
何日延期しますか?
2週間と言うと、2週間でいい?と聞かれたので間違ってるんだなと思い、1か月と言い直したら、
1か月後に延期されました。と進んでいきました。
前投薬と術前の飲水指示も質問あり。
導入はかんじょ導入で行いました。と進んでいき、途中で陥没呼吸、暴れてると言うストーリー提示があり
何を考えますか?
こうとうけいれん、
他には?2つ。
ごえん、喘息

その鑑別で何をしますか?
最後に抜管時にも暴れる可能性があります。どうやって抜管しますか?と。

全て終わったあと、もう一問あると思っていたので、身構えていたら
これで終わりですと言われたので、もう一問ないんですか?聴くと
今年は1問なんです、なので今のでもう先生の合否は出てるんですよって笑いながら言われました。
わからなかったことを聞くと教えてくれたので、なんとかなってそうだなと思いました。
間違っていたら、ん?って聞き直して誘導してくれました。ヒントになるような事も言ってくれたしおそらく当たりの試験官だったんだと思います。

実技試験
無痛分娩のエピ
分娩時の痛みのために硬膜外麻酔を入れることになりました。子供に影響がないのか心配してはります。妊婦さんに説明してください。からスタート
消毒してあります。実際に模型に抵抗消失法で穿刺してください。どこから挿しますか?声かけも普段のようにしてください。
局麻はどれくらいいれますか?

意識下の経鼻ファイバー挿管
開口が1cmの設定。
どうして意識下でしないといけないかから患者さんに説明。
用意物品、実際に手技させる。
こちらもマギールかんしという名前が突然出てこなくなって、困っていたら、
ま?まぎ?と誘導してくれました。ファイバーも光源がついてないことを教えてくれました。時間が足りなくなるみたいで、試験官の先生もやや焦っていました。

体験談⑳

結果→合格!

筆記試験
A問題→ほぼ過去問だけど、初見の問題もあり。過去問は、B問題がAに降りてきている傾向。

B問題→例年通り難問だらけの印象。解けなくても受かってるんじゃないかと思われる。

C問題→ほぼ初見。でも、全くわからないというわけではない。

実技試験

実技:8分×2ブース

①無痛分娩希望の妊婦に硬膜外麻酔(エピの人形あり)
入室すると、人形が目に入り、脊椎麻酔か硬膜外麻酔のどちらかだなと、すぐに判明。少し安心。

☆まず、どの椎間を選びますか(L3/4や、4/5)
☆その理由は?(分娩の進行に伴って、会陰部の痛みもカバーする必要があるので)
☆妊婦さんから、麻酔をすると分娩の進行になにか影響があるか?子供に何か副作用があるのではないか?と心配していると言われたら、どう説明しますか?(麻酔自体のリスクはあるが、分娩への特別な影響なし、児に対しても同じ。ただ、分娩が停止したり、児がしんどいサインを出した場合は、帝王切開になる可能性はあると思う。それは、無痛分娩だからというわけではなく、硬膜外麻酔をしない場合も同じリスクあります。みたいなことを述べた気が。)
☆では、実際にエピいれてください。
その際、試験官を研修医として、手順やポイントを説明しながら行ってください。消毒は済んでいて、抵抗消失法でやってください。(何か痛い事をする場合は声かけてからする、状況を説明しながらする、など、基本的なことをしたらいけます。)

②意識下経鼻ファイバー挿管

入室すると、人形が布で覆われており、なにの実技ブースかわからなくて、ちょっと焦る。
試験官より説明開始。

舌部分切除後のおじいさん。ラパ腸切除のオペすることなった。
開口1横指のため、鎮痛、鎮静を行って、意識下経鼻ファイバー挿管することにした。
ほかにも頸部郭清してるとか、なにかあったようななかったような。かなり早口で説明をばーーーっとされる。とりあえず、気道確保困難以外あんまりきにする必要なし。

☆患者さんに、意識下で挿管することの必要性と妥当性を説明してください。
☆準備物品を5つあげてください。

答え終わると人形の布はがされる。

☆では、試験官を研修医として、説明しながら準備してくだい。患者さんにも説明しながらお願いします。
☆実際、ファイバー使って経鼻挿管してください。

口頭試問:今年は1問!約20分

廊下で待っている時に、問題書いた用紙を渡される。メモしてよし。特に書くことないけど。
5分見たら一旦返すが、入室時にまた渡される。

[問題用紙]
8か月男児。67㎝、8㎏
右顔面から頸部にかけての獣皮様母斑があり、その初回手術。

入室

☆まず、術前にきくこと、確認すべきことを述べてください。
(妊娠中経過に問題なかったか、正期産だったか、出生時の体重や、その時に何かあったかどうか、その後の児の成長発達の様子、既往歴、アレルギー、喘息の有無など。)

ここで、スライド見せられる。

早産、1800グラムで生まれたけど、その後の成長発達に問題なし、RSウイルスにかかった既往あるけど、その他は特になし、風邪はひきやすい。
術前採血やレントゲン問題なし
みたいなことが書かれてる。

☆手術前に、母親から、3日前にロタウイルスワクチンを飲ませたことを思い出したと申し出がありました。どう対応しますか。根拠も述べて。
(なんでやねん。。と思いつつ、ロタウイルスワクチンは、生ワクチンのため、4週間あけることが望ましく、今回の手術は命に関わるような緊急を要するわけではないことを考慮して手術延期を提案します的なことを述べる)

延期して、手術することにしました。

☆術前の絶飲食指示、鎮静の前投薬指示など出してください。
清澄水2時間前、母乳4時間前、ミルク6時間前、固形物(離乳食)8時間前に止める。
気道トラブルが予想されそうなので私は前投薬
しません。と答えた。

☆準備する挿管チューブのサイズと、挿入長はどうしますか?式も言って。

またスライド
セボでスロー導入、(笑気もだったかな??)入眠したが、ルートをとる前に、換気不能になり、サーチが下がり始めた。(めっちゃ嫌なパターン)

☆まず、なにが起きていると考えて、どうしますか?
上級医よびます。純酸素に切り替えて、ルートを確保できるように人員を増やします。できる限り換気できるように試み、エアウェイやアイジェルなどを試してみるのもいいかも?
舌根が落ちた、喉頭痙攣、喘息などでしょうか?

☆それらを鑑別するのはどうしますか?
なんて答えたかな。。聴診するとか、持続陽圧かけてみるとか言ったような。

喉頭痙攣でした。

☆その場合、どういう対処の方法がありますか?
換気できるまで圧かける。筋弛緩投与、下顎のどこか押すみたいな手技も聞かれた。

☆なんとか換気、挿管できました。どこにチューブ固定しますか?気をつけることは?
右が術野なので左口角固定で、子供は抜けやすい、チューブがへしゃげやすいのでそのあたり注意。

お疲れ様でした。今回は、口頭試問が、1問になったことが最大の変更点かと思う。

以上です。
ありがとうございました。

体験談㉑

3科目とも合格することが出来ました。ありがとうございました。
先生の青本にはとても助けていただきました。
下記に私の体験談を送らせていただきます。口頭試験と実技試験の内容も覚えている範囲で送ります。

【体験談】
3科目とも合格でした。ありがとうございました。
試験対策は3月から本格的に始めました。まず3月から筆記試験の過去問を解き始めました。私は5年分やりましたが、今回のA問題は6年前の52回からも多く出題されており、せめて6年分やっておけばと試験会場で後悔しました。自己採点ではA問題は9割あったかギリギリだと思います。
口頭試験対策は、6月から筆記試験対策と並行して開始しました。過去問を4年分やったのに加えて、ペイン、ICU、心臓外科など苦手な範囲を重点的に対策しました。青本がとても役に立ちました。
実技試験対策は、9月に入ってから青本の実技対策のところを読みました。あとは日頃の臨床の中で、手技を一つ一つ確認しながらするように心がけました。

【実技試験と口頭試験】
☆口頭試問(20分)
71歳女性、BMI32の肥満。直腸癌に対して腹腔鏡下直腸切除術を予定された。
既往に8年前に脳梗塞を起こしている。高血圧と糖尿病もある。逆流性食道炎で治療中である。
この患者の術前診察依頼があった。

質問
この患者で術前に確認したいことを5つ述べよ。
問診したところ、最近は胸痛発作があるというが、どうするか?
重度のASが見られた。関係各科でカンファレンスすることとなった。心臓血管外科は先にASの手術をしてもいいと言っている。どちらの手術を先にするか、麻酔科としてどのように発言するか?(試験後に尋ねたところ、どちらの手術が先と答えてもOKらしいです)

実際には、直腸癌の手術を先行することになりました。
この患者でモニターはなにを用いるか?
導入方法を述べよ。
脳梗塞で片麻痺だが、麻痺側と非麻痺側のどちらに神経刺激装置をつけるか、またそれはなぜか?
手術後に下腿外側にしびれがある。硬膜外麻酔を抜去したが改善しない。原因は何か?治療はどうするか?(NSAIDsやアセトアミノフェンと答えさせたいようです。しびれだけで痛みはないので、プレガバリンじゃなくて、メチコバールやビタミンB12と答えさせたかったようです)

☆実技1 (8分)
お尻の模型がある。71歳男性、普通体型の人。開腹で結腸切除を予定された。
術前にワーファリンを内服しているが、いつ止めるか。ヘパリン置換はどのようにするか。硬膜外麻酔をする前にヘパリンは何時間前に止めて、どんな検査をしてから硬膜外麻酔を行うか。
その後、パラメディアンで硬膜外麻酔を入れるよう指示された。どの高さから入れるか。研修医に説明するように。試験投与には、何パーセントの何を何ml投与するか。カテが迷入していたら、試験投与で何が起こるか。

☆実技2 (8分)
挿管練習用模型がある。急性喉頭蓋炎で耳鼻科から挿管依頼。耳鼻科が録画した経鼻ファイバーで急性喉頭蓋炎の映像を見せられる。マッキントッシュ型喉頭鏡の利点と欠点、マッキントッシュ型喉頭鏡以外の挿管デバイスの利点と欠点を説明させられる。
経鼻ファイバー挿管をすることになった。手順を説明しながら実際に経鼻挿管せよ。確実に気管に入っていることを確認する方法を述べよ。ファイバー挿管をしやすくする工夫を述べよ。

実際は口腔内が血まみれ?て挿管できなかった。マスク換気も出来ない。どうするか。
輪状甲状膜穿刺をすると答えると、頸部の人形が登場した。人形で輪状甲状膜の場所を示せ。他の場所ではなく、輪状甲状膜を選択する理由を3つ述べよ。キットが2つ置いてあるので、好きな方のキットで実際に輪状甲状膜穿刺をせよ。2つキットが置いてあり、クックのキットと、あともう1つは何か確認出来なかった。とにかく時間がなく、忙しかった。

体験談㉒

大変お世話になりました、無事合格しました。
今回テストを通じての体験談です。

筆記試験
まず、筆記ですがA問題以外ほとんどわかりませんでした。A問題だけ8~9割取れれば受かるのかなと思います。私は5年分、4周しましたがそれ以外は全く触っていませんでした。

口頭試験
口頭試問、実技ですが、一つ一番後悔したことは会場に行くまでにスーツケースを預けなかったことです。移動、試験の部屋の入室に手間取りました。ぜひクロークによってから行くことをお勧めします。私以外にも何名かいらっしゃいました。
初日午前でしたが口頭試問は肥満、脳梗塞既往、DM、HT、GARDの直腸癌症例でした。
脳梗塞に関する術前評価、麻痺則にTOFをつけて良いか、胸痛心雑音あり精査は?、ASであればどちらのオペを先行?、直腸癌先行でのモニタ、麻酔導入の仕方、術中のETCO2変化の原因は?。術後下肢しびれ疼痛あり原因は?、どこの神経か、対応は?
上記流れですが、時間は十分で余りました。試験管は他に答えるべき内容があれば促してくれました。

実技試験
実技は①硬膜外 ワーファリン使用患者のヘパリン化の流れのやり方、術前中止の仕方、刺す前の評価、研修医に教えるように実演でした。刺さらず、位置を変えましたが刺さらず、そしたらできたものとして進ませてくれました。留置の長さ、テストドーズの仕方、いれる時の患者説明でした。
②困難気道 急性喉頭蓋炎の画像を見て、喉頭鏡の利点欠点、その他のデバイス一つ選び利点欠点、アウェークファイバーを研修医とやるように実演、その後失敗して換気できない時の手段、ミニトラックかもう一つどちらかを実演
ファイバーをゆっくりやりすぎて、ミニトラックは穿刺したら時間オーバーでしたが大丈夫でした。試験管は少し早口だったのはそういう理由だったかもしれません。でも実技はできなくても説明できればいいようです。以上体験記でした。
ありがとうございます。

以上になります。

 

体験談㉓

口頭試問 1問20分

巨大甲状腺腫、BMI15 下顎骨腫瘍摘出後、放射線治療後、他に既往なし
と書いてある用紙を渡され、5分時間を与えられる「メモ可」
面接部屋に案内され、受験番号、名前を言うよう試験監に言われる
Q1 この患者の問題点
巨大甲状腺腫、下顎骨腫瘍摘出後てradiation後、痩せている
と答えたら、次の質問にうつった
Q2 この患者で知りたい情報 5つ?だったと思います。

頸部のCT
血液検査
挿管困難所見 開口制限、頸部後屈制限など
仰臥位で寝れるか
ADL

Q3 患者は起坐呼吸しかできず、開口も1横指しかあかない、頸部CT〈画面にだされる〉気管圧排7mm程度になっているどうやって挿管するか

覚醒下挿管 経鼻スパイラルチューブ6.5mmベッドヘッドアップで

Q4 具体的にどうするか、教えてください
喉を局麻、フェンタニル少量投与 25μg程度ずつ、声帯見えたら再度局麻、気管内に入っているところをファイバーで確認後、ロクロ、プロポ投与
DAMカート準備

Q5患者に覚醒下挿管を説明

試験監が患者役

Q6 手術は無事終わって、ブリディオン投与した。血圧低下、頻脈〈具体的なバイタルを言ってましたが覚えてないです〉となりました。心電図提示 II誘導のみ
この心電図の所見は?

ST上昇
何を鑑別するか、5つ

アナフィラキシーショック、出血、心筋虚血、モニター異常 aライン抜けたとか、肺塞栓

Q7 覆布をとると膨疹
何を考えるか
アナフィラキシーショック

Q8 どのように治療するか
急速輸液、アドレナリン100倍希釈1mlずつiv
ヒスタミンブロッカー、ステロイド
→試験監の指摘が入る
他は?→私 ヒスタミンとかトリプターゼ測る?
→随分余裕あるね、笑
→私 呼吸音聴診?
わかりました
→以後雑談

ST上昇していることを失念していました
おそらく12誘導心電図、心エコーなどを言えば良かったのかもしれません。
アナフィラキシーショック+急性冠攣縮性狭心症 kounis症候群でした。

実技 8分×2問

1 覚醒下cv穿刺 研修医に教えながら
清潔操作、局麻まで終わっている状態からガイドワイヤー挿入まで
aとvの区別はどうするか、2つ
何センチガイドワイヤー入れるの?
不整脈でたときの対応
固定は何センチ?

スワンガンツ挿入
入れる前に確認すること、波形が画面にでて、それぞれを説明

2 ダブルルーメンチューブ挿管を研修医に教えながら
ダブル→シングルへの入れ替え

以上です。おかげ様で合格することができました。ありがとうごさいます。

体験談㉔

口頭試問
症例:71歳女性、直腸がんに対して腹腔鏡下直腸切除を行うこととなった。身長150cm、体重72kg。既往歴として、8年前に脳梗塞、高血圧、糖尿病、逆流性食道炎がある。

・脳梗塞について確認することは何ですか?5つ応えてください。
脳梗塞に絞っての問題だったと思います。問診項目を中心に答えていたら?「検査は?」と誘導されました。

・患者は左半身麻痺(左だったと思います)があり、誤嚥性肺炎を起こしたことがあります。ADLは車椅子移動が可能となっています。さらに追加する検査を4つ教えてください。
患者説明はもう少し言っていたかもしれませんが、頭が真っ白で覚えていません。むしろ問題も違ったかもしれません。

・術前検査で心エコーをしていたら、以下のデータが認められました(severe AS)。どのような異常がありますか?

・どのような検査を追加しますか?

・これについて心臓血管外科は先に手術をしても良いと言っています。どちらを先に手術しますか?
心臓を先にやると抗凝固が必要なので直腸を優先すると答えてほしかったみたいです。「もし心臓を先にやるとどのような問題がありますか?」など誘導されましたが、「外科執刀医が急がないのであれば心臓」で押し切ってしまいました。結局「なら、消化器外科が急ぐと言ったらどうですか?」という誘導で直腸を応えました。

・先に直腸を手術することになりました。どのようなモニターを用意しますか?5つ答えてください。

・どのような導入を行いますか?具体的に答えてください。

・手術中にTOFモニターを使用することにしました。健側と患側のどちらにつけますか?また、その理由も答えてください。
同期が健側と答えたら違うと言われ、「○○とかいう効果が有るらしいんだけど知ってる?」「知りません」「だよねー」というやり取りをしたそうです。彼は合格しています。
自分は「健側。患側の方は筋弛緩薬の効果が弱まっている可能性があるため」と答えましたがスルーでした。模範解答は「患側」だった可能性が高いですが、多分みんな健側と答えています。

・導入後血圧が低下しました。どのように対応しますか?3つ答えてください
ファーストの昇圧薬も聞かれました。

・手術中rSO2を付けていましたが、低下が認められました(具体的な数値も言っていましたが忘れました)。どのように対応しますか?3つ答えてください。

・術後に以下の領域に麻痺が認められました(全身の模式図があり、下のサイトの総腓骨神経領域くらいに斜線が引いてありました)。患者は背屈ができないと言っています。
https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/92/c4a6f9f5b39ec0884f9f54592e789abd.png
・これから私が患者としていくつか質問をします。それに対して返事をしてください。

・今回は硬膜外麻酔をしていましたが、それが原因なのですか?
図の領域は膝から下のみだったので、違うという想定だと思います。

・何という神経がやられたのですか?
総腓骨神経の想定だと思います。

・なぜこのようになったのですか?
砕石位のために麻痺がおこった旨の説明をするための問題でしょう。

・なぜそのような体位を取る必要があったのですか?

・これからどのような検査をする予定ですか?
神経伝導検査をするが、神経内科に紹介するので、そちらの判断が優先される旨を説明しました。

・他にはどのような検査が必要ですか?
上の回答で不十分なための誘導かもしれません。一応腰部MRIを回答しましたが、他の回答をした人も受かっていました。

・0どのような薬を使うのですか?
ビタミンB12、プレガバリン、三環系抗うつ薬くらいを出しました。

・他にはどのような治療法がありますか?
ブロックについての質問だと思います。

全体的に親切に誘導してもらいましたが、特に前半の「実は直腸から手術する」というところで沈黙が多くなりました。それ以外はそんなにややこしい問題はなかったと思います。

実技試験
1問目
・耳鼻科から急性喉頭蓋炎の患者がおり、呼吸困難を起こしているため挿管してほしいという依頼が来ました。画像は以下のようになっています(ここで急性喉頭蓋炎のビデオ画像)。

・挿管するとしたらどのような方法で行いますか?
マックグラスで展開しながらの意識下経鼻挿管を回答しました。

・マッキントッシュ型の喉頭鏡とファイバー挿管について、それぞれメリットとデメリットを語ってください。

・では実際に挿管してみてください。

・(挿管した後)この際、適切な深さかを測る方法としてどのようなものがありますか?
カリーナにファイバーの先端を当て、チューブ入口部のファイバーを持ち、そのままファイバーをチューブの先端が見えるところまで引いてきて、チューブの先端からカリーナの距離を測る。成人なら1~2cmとする、と答えています。

・今回は無事挿管できましたが、仮に喉頭蓋で声門が十分見えない時、どのような方法がありますか?
マックグラスで展開する、と答えました。

・それでも挿管できず、換気ができなくなりました。どうしますか?
DAMガイドラインに沿って、ラリンギアルマスクを答えたら「喉頭蓋が腫れた患者にラリンギアルマスクを入れるの?」みたいに言われました。「心肺停止になればCPR」などと余計なことを言ったのでちょっとグデりましたが、「バイタルに余裕があるなら輪状甲状間膜穿刺」と答えてリカバーできました。輪状甲状間膜穿刺を答えると、隣の怪しげなシーツが剥がされ、輪状甲状間膜穿刺の模型とキットが出てきました。

・では好きなキットを選び、輪状甲状間膜穿刺を行ってください。
2種類の輪状甲状間膜穿刺キットと、模型がありました。これは特に何も聞かれず、入れていくだけでした。

2問目
・S状結腸の手術を開腹で行うことになり、硬膜外麻酔をいれることになりました。
・どこから入れますか?
入れる椎間を答えます。

・では、その椎間を教えてください。
模型を触って指定した高さを当てます。

・では、傍正中法で硬膜外麻酔を入れてください。もう一人の試験官を研修医と見立てて説明をしながら、患者さんにも声掛けをしてください。なお、消毒や局所麻酔、ドレープかけはすでに済んでいると仮定してください。
傍正中法の指定がありました。カテーテルを通すところでストップです。

・では、試験投薬をしてください。ふりだけで結構ですが、使用する薬物とその量を答えてください。

・試験投薬をしたら何を確認しますか?患者さんに声掛けをして確認してください。

問題自体は普通の硬膜外麻酔でした。緊張してカテーテルを逆に入れてしまいましたが、「普段深さを確認するときはどうやりますか?」と誘導され、目盛りを見るをことで、逆であることを誘導してもらいました。カテーテルは気を付けるふりをしてそのまま抜きましたが、試験上は問題なかったみたいです。

今回は筆記試験を含む試験全体を通してハード、という感想が多かったです。実際、受験生の数はわかりませんが、例年の麻酔科学会の受験生と合格者数がそれぞれ550人程度、420人程度なのに、口頭試問の合格者が396人なので、合格率はかなり絞られたのかもしれません。まあ、受験生が少なかった可能性もありますが。
また、非公式情報ですが、地雷問題を作ろう(口頭試問で鑑別できなかった時点で不合格)という動きもあったらしいです。
大きく動きがあるかもしれません。

体験談㉕

筆記試験

過去問7年分ABC勉強した

実際の試験でA問題は2問ミスでほぼ満点

B問題は新規の問題が多く、ほとんど勘です

対策は立てられない 試験中寝た 2割位しかできなかった差はつかないと思う

Cも新規だが過去問と似た問題も多く出ていた 5割は取れた

確実に受かりたいなら7年分お勧め

口頭試問

甲状腺巨大腫瘍 +口腔内癌オペ後 放射線療法後? 開口1横指

スライドで、頸部CTと、口腔内の写真が提示される

①術前診察で何を確認する?

AMPLE
L/D 胸部X線 ECG 心エコー
気道評価
呼吸機能 スパイロ ヒュージョーンズ
NYHA METs
SAS

頸部CTにて気管の狭窄はなしを答えたら、他には?と試験官から。気道確保困難のリスクがあると言ったら怪訝な顔をされる。後から他の受験生に聞いたらマランパチー4と答えて欲しかったっぽい

②導入時注意点を述べよ

応援の麻酔科
DAMセット
十分な酸素化

を答えたら、他には?→答えられれず

②導入方法は? →経鼻ファイバー

③じゃあそれを詳しく説明して
青本の通りに答える

④オペが終わってブリディオンを入れたら血圧50 HR100?です 何を考えますか?鑑別を述べよ
アナフィラキシー 肺塞栓 心筋梗塞

他には?
気胸? 自信なく答えた

⑤スライドに心電図を見せられる この所見は?
よく分からず、頻脈とST上昇があると答えた
後から調べたらKounis症候群?かも

⑥じゃあ対応述べて
アナフィラキシーの対応を述べる

⑥抜管する?
しません ICUへGO

時間余って試験官と雑談

先生はアナフィラキシーの経験ある?
アナフィラキシーに遭遇すると固まる人いるからちゃんと覚えておいてね
雑談中に、導入時の注意点の正解をさりげなくきいたら、頭部挙上が正解っぽい

実技試験

①分離肺換気 過去問どおり

人形に、ファイバーで分離する

左右の見分け方は?

やってみて

最後シングルチューブにかえて

②CVの模型

エコーみて刺すだけ

・注意点は? エコーで長軸も確認する
・逆血がない時考えることは?
皮下、胸腔内 先あたり
ちょっと引いて、X線とる

③ガンツのシーズ入ってる チェックからやって

バルーン膨らませて、破けてないの確認

CVPとPAの圧ラインにつないで0点とって下さい

心拍数に合わせてすすめる
バルーンを膨らませた所で、

スライドにRA RV PA PAWPの波形が順番バラバラにのってる

どれがどれ?順番に説明して

終了

体験談㉖

自分が勉強をし始めたのは4月、まずは筆記試験の過去問から手を付けました…が、あまりの解けなさに失速。結局本腰を入れたのは5月中旬頃からでした。
筆記の過去問は5年分解いておけば大丈夫、と先輩に聞いていたので、自分は結局「5年分をまるまる4周+4周目に解けなかった問題のみ5周目」という勉強量で臨みました。しかし、スラスラ解ける予定であったA問題で、見たことのない問題と大量に遭遇。5年分の知識で正解を導ける問題もあり、全てを落とす事態には陥らなかったものの、嫌な汗をかきました。試験後に確認しましたが、6年前の過去問から出題された問題は11問もありました。過去問は最低6年分解いておくことをオススメします。
口頭試験については、8月下旬頃から筆記試験の対策と並行して勉強を開始しました。自分はかなり不完全な状態で試験に突っ込んでしまい、対策を始めるのが少し遅かったと感じます。知識だけではなく、試験官を前にして喋るトレーニングが大事だと思い、考えを自分の言葉にして伝えるイメトレを繰り返しました。今年からさらに実臨床に近付いた出題になった印象ですが、普段から麻酔をかける際に患者の問題点をしっかり把握して、その対策を考える、という工程が身に付いているか?が重要だと思います。
実技試験に関しては、勤務先の物品を出来る限り見たり触ったりして「見たことないからこの器具は扱えない…」という風にならないようにしておくべきです。あとは局所麻酔薬の投与量(mLではなくmgで)、ガイドラインに書いてあるような細かい数字も結構聞かれるので、細部までしっかり覚えておいた方がいいです。
そんな自分ですが、結果としては合格することが出来ました。勉強量なんて、それはそれは人によってまちまちでしょうが、絶対量ではなく「自分はこれだけやったから大丈夫」と自信が持てるまでやるというのが大事なんだと思います(自分はA問題で焦りましたが、5年分の過去問については1問も間違えない自信があったので精神的に大崩れせずに済みました)
来年度以降受験される方のご武運をお祈りします!

【出題】
●口頭:1題で20分
80代女性、145cm,45kgくらい。前夜から腹痛、嘔吐あり救急受診、緊急手術に。既往はPCI後でアスピリン内服中、内服詳細不明の糖尿病、詳細不明の高血圧。
・導入方法は?考えられる方法を全て挙げてください(意識下挿管?)。→自分だったらどう導入するか。
・検査データ供覧(vital signs、L/Dなど)異常値だらけ。→この他に何の検査が必要だと思うか。
・手術は試験開腹、洗浄ドレナージ、人工肛門造設。→術中に起こる可能性がある合併症のうち、重要なものから3つ挙げてください。
・術中データ供覧(L/D、vital signs、UCG、呼吸器設定など)。敗血症に移行している。→具体的に補正すべきところを補正する。使うカテコラミン(ノルアドレナリン)、呼吸条件の調整(TV多すぎ、酸素濃度高すぎ)、何を循環の指標として調節していくか(動的指標、乳酸値など)。
・終刀後、挿管のままICU帰室。自分がジャクソンリースを押している。搬送中に心電図がこの波形に(供覧されたのはVF)。→自分ともう1人?2人?(試験官)がいるので、指示をしてください(人を呼ぶ、除細動器と救急カート、胸骨圧迫)。

●実技①:8分
CV穿刺。取る体位(10-20度の頭低位、穿刺と反対側に顔を30度回旋)、研修医に説明しながら模型を穿刺。エコーでの静脈の見分け方(拍動するのが動脈、押すと潰れるのが静脈)。用意されたスキャン画像を見て、気を付けるべき点を指摘(押し付けすぎor体位が甘くて静脈が虚脱気味、真下に動脈のドプラあり)ガイドワイヤー留置で終了。
PAC挿入。シースはすでに留置されている。バルーンの破損を確認した上で挿入、バルーンをインフレートしたところで手技は終了。4択で右房圧、右室圧、肺動脈圧、楔入圧が示されるので、出てくる順番と何の波形かを言う。

●実技②:8分
肥満の中年男性。腹腔鏡下胆嚢摘出術が予定されている(=挿管しないといけない)
診察の結果通常導入が出来ると判断し、導入しました。換気を試みたが困難、自分が改善すべき点3つ(エアウェイ、triple airway manuever、両手法など)、看護師への指示2つ(挿管の準備、人を呼んでください?)。それでも換気困難、どうするか(一度挿管を試みる)。挿管失敗しました、どうするか(声門上器具挿入)。声門上器具が2種類用意されているので、どちらかを選んで挿入(恐らくi-gelとair-Q、4番)。ここから挿管チューブに入れ替えてください。ファイバー(ピントもライトも合ってました)、6.0-8.0mm?のカフ付きチューブ、押し棒を用いて挿管する。バッグバルブマスクで換気確認したところで終了。

 

体験談㉗

筆記試験

過去問を6年分5-6回ほどやりました。7年前以降の過去問はやはり内容が古く、あまり参考にならない、というより、逆に過去問の回答が近年の過去問の回答と違っていたりするのでむしろ頭が混乱しました。新しいガイドラインなどで回答が異なってくるのだろうと思いました(特にB問題やC問題)。

今年のA問題はほぼ9割以上は取れたかなという実感で、ほとんどがこの6年間の過去問からのプール問題でした。ほんの僅かに見たことのない問題が数問あったと思います。またB問題ですが、こちらは本当に冒頭の一問目から悶絶する内容で‥自信を持って解答できたと感じる問題は2、3問?終わる頃にはもう落ちたなと青ざめました。そしてC問題ですが、こちらは比較的答えやすい問題が多かった気がします。難解すぎて理解しにくい問題というよりここ数年は良問が多い気がします。今年のc問題も良問(上から目線で失礼ですが・・)が多かったと思います。こちらの出来はよくわかりませんが、半分から6割程度は解けていたのかなという感じがします。

会場は寒いと聞いていましたが、そこまででもなく、それでも一応ひざ掛けを持参しました。他に腕時計を持参しましたが、会場にちゃんと掛け時計があったので問題ありませんでした。私は耳栓も持参し(笑)休憩時間などの周囲の感嘆する声を封じてました(笑)。トイレの数が少ないので特に女性の方は休憩時間が始まるやいなやトイレに走っていく方が多かったです。飲み物、最低限の筆記用具を卓上における以外はすべて厳密にしまうように指示をされました。耳栓の容器をおいておいたら、これは???とすぐに注意されたほどです。
お昼時間も比較的少ないので、皆サンドイッチや簡単な昼食を会場に持参している方がほとんどでした。解答用紙はマークシート形式で、小さな紙なので、マークミスに注意しながら丁寧に解答しました。特に回答する数が2つ、3つ、あるいは1つとばらばらなので、慎重にチェックしながら解答する必要があると思いました。丁寧に見直すと意外と時間がギリギリで特にB問題は見直す時間がほとんどない状態でした。C問題も時間的には熟考しているとギリギリという印象でした。

体験談㉘

口頭試問
45歳女性 154cm 50キロくらい
バセドウ病に対し、甲状腺亜全摘術が予定された。既往に気管支喘息があり、卵アレルギーがある。

①この患者について、一般的な検査以外にチェックしておくべき事は何か?

②この患者様に、術前の麻酔計画について術前説明をしてください。

③この患者について、術中にどのような検査・モニターを行いますか?

④甲状腺が摘出され、止血に入りました。麻酔科として協力できる事を挙げてください。

⑤手術は終了し、患者はPACUに搬入されました。2時間後、患者が急変し、あなたは至急コールでPACUに呼ばれました。ついたところ、心肺蘇生がなされており、あなたの同僚が気管挿管を行ったところで、モニターはこのような状態でした。(心電図:asys またはpVT 胸骨圧迫の為基線がゆれている?動脈圧波形:脈拍あり。胸骨圧迫の為?SpO2:感知せず。ETCO2:0でflat)今の状況を判断して、どのように対処しますか?
⑥患者はROSCし、ICUに入室しました。外科Drより患者家族に説明を求められました。試験官を家族として、患者説明をしてください。

周りの話だとここがゴールみたいでした。

試験後の偉い人達の話だと、はっきり食道挿管というワードを言って、患者家族の時に食道挿管が原因でCPA(低酸素脳症?)に至っているという旨の説明が無ければ0点にする、という厳しい先生がいらっしゃるようです。国試の禁忌肢みたいですね。流石に大反対した先生もいらっしゃたようですが。どのように採点されているかは不明です。

来年以降も地雷のブースができるのかもしれないですね。2年続けて踏まないように祈るしかないです。合格率は他のブースが9割越え、このブースのみ8割を切っていたそうです。試験前からこのブースはちょっと厳しいんじゃないかとの声もあったようです。僕の周りではこの問題に3人が当たり、3人共不合格でした。

実技試験
①座位のルンバール
170センチ?103キロ 下肢の骨折に対し、座位のルンバールを行います。
術前の腰部レントゲンを提示され、解剖学的メルクマールを示して、どのように穿刺するか示してください。その後、研修医に説明しながら消毒。ドレープと局麻は飛ばして穿刺。ルンバールの薬は何を使いますか?→高比重ブピバカイン3mlと答えたところ、mgで教えてくださいと言われ、1.5mgと答えてしまいましたが合格してました。人形に声かけも必要です。

②下降置換術が予定された患者にダブルルーメンチューブを挿管します。研修医に説明しながら挿管。正しい位置である解剖学的指標を2つ提示してください。(膜様部と右上葉枝であっていたようです)聴診器はないので、胸郭の上がりで片肺換気を確認してください(!)。次に手術が終了し、ノーマルチューブに入れ替えます。チューブエクスチェンジャーを用いて研修医に説明しながら入れ替えを行なってください。入れ替えて、聴診器はないので胸郭の上がりで挿管を確認(!)したところで終了。

時間は口頭試問20分1問
実技各8分2問

口頭試問終わったあとに、まあ、大丈夫ですよってメインの先生に言われたんですが落ちてました。その先生のせいで落ちたわけではないですが、不安な人間を上げて落とすなんてちょっと人間性を疑うなという感じです。

体験談㉙

口頭試験
62歳男性 175Cm?46kg?BMI15.5
巨大良性甲状腺腫瘍にたいして甲状腺全摘術が予定された。4年前に左下顎肉腫にたいして放射線治療と遊理皮弁術をうけている。

その他の既往、アレルギーはなし。

①この患者で術前に注意しておかなければいけないこと4つ

開口
Mallanpatiの確認
前回の麻酔で問題は無かったか
喫煙歴
など答えた気がします。

②頚部CTと口腔内の写真あり
声門上の気管径は7.1mm
声門下は狭窄なしとする
マランパティは4

挿管はどうしますか?(導入での準備は?だったかもしれません)

意識下挿管
人手を集めておく
外科と相談してPCPSの準備

③意識下挿管を行うことにしました。
試験官を患者に見立てて、説明を行ってください。

自己紹介と、患者の名前の確認(試験官は名乗っていただけなかったので)
意識下挿管の説明(しどろもどろだったので途中で切られました)

④手術が終了し、スガマデクスを投与しました。直後から血圧が50/40?、脈が130?になりました。顔面には膨疹が広がっています。何が考えられますか?具体的に。

ショックの分類を4つ答えていたら、「もう少し具体的に」と言われました
スガマデクスによるアナフィラキシー
心筋梗塞
緊張性気胸
創部からの出血

⑤心電図(Ⅱ誘導でST上昇)提示あり
何を考えて、どう対処しますか?

アナフィラキシーの薬を投与
冠血流減少による心筋虚血だと思いますが、循環器にコンサルト

少し時間が余って、他になにか言いたいことはありますか?と聞かれました。

口頭試問は受かっていました。

実技試験
①下行大動脈置換術にむけて、DLTの挿入と、ICU帰室する際の気管チューブ入れ替え
②CV穿刺とSWカテーテル挿入

体験談㉚

医師8年目、産休・育休を経て1年遅れの受験でした。

無事3科目合格しました。
青本なしではあり得ませんでした。本当にありがとうございました。

育児をしながら約1年前から筆記をパラパラと見始め、7年分を10周しました。
口頭試問は最新の青本が届いてから声に出して答える練習を3周ほど行いました。
実技試験は2カ月ほど前から青本と体験談を読み、質問事項と手技の手順を確認しました。

心臓外科や呼吸器外科の手術などには妊娠時からほとんど入っていなかったために、特に口頭試問と実技試験が自信がありませんでした。

実際には筆記試験のB問題とC問題が本当にできず、口頭試問と実技は無難な感じで終了したために、速報まで筆記が落とされていないかドキドキでした。

口頭試問では入室5分前にお題を渡された時に一気に聞かれそうなことをメモしておきました。
この聞かれそうな事を予想する反射神経は青本で鍛えられたものだと思います。苦しみながらも読んでおいて良かったです。
実際、入室前にメモしていた内容は全部聞かれました。これで頭が真っ白にならずに済みました。
試験官の先生は積極的にヒントを出してくれるわけではないものの、追い詰めてくるタイプではありませんでした。

実技試験は質問にいくつか答えたら初めて人形が出てきました。口頭試験より和やかな雰囲気で、不安そうにしていると、「できてるから大丈夫よ」と声をかけてくださいました。質問内容は青本とほぼ同じで助かりました。

育児しながら勉強するのは今年いっぱいで限界だと最後の方は精神的に追い詰められました。
青本と家族の協力でなんとか1度の受験で終わって良かったです。

本当にありがとうございました。

体験談㉛

筆記試験
恐らく例年通りだったと思います。
東京受験でしたが、トイレの数は少なかったです(他の階のトイレも利用OKと貼り紙が出
ていましたが)。
B問題では、医局の先生がヤマをはっていた臨床研究法が出ていました。その年のtopicsは
チェックした方がいいのだなあと思いました。

口頭試験
例年2題出題されていましたが、今年は1題のみ、時間は20分でした。
試験室に入室前に症例の紙が渡されてメモはOK等の試験そのものの流れは例年通りでした

どうやらkey wordが言えないとその時点で-20点という採点基準があったようです…。
第1問
【用紙に記載されていた内容】
40代女性、体形は普通。
バセドウ病に対して亜甲状腺摘出術予定。
気管支喘息、卵アレルギーあり。
B型肝炎ウィルスキャリア。飲酒・喫煙歴なし。
数日前に咽喉痛があったが、改善傾向。
【試験官からの質問事項】
・患者への問診、身体診察、(一般的なものに加えて)検査でチェックしたい項目。
・(術前診察として)術前から術中、術後の流れを患者に説明。
・導入時に必要な準備、物品。
〈スライド〉バイタル、採血データ、胸部レントゲン写真が示される。
・導入の方法。
・昼食交代の際の申し送り(試験官を交代の麻酔科医に見立てて)。
無事抜管して回復室で経過観察中にCPAとなり、CPRを開始。他の医師が気管挿管をした
後に呼ばれました。
〈スライド〉CPR中のモニタでのバイタルサイン(ABP、HR、SpO2、etCO2)が示される

・モニタを見て状況説明。するべき対応は?
再度挿管し、今度は気管内に挿管されました。ICUに入室することになりました。
・(試験官を家族に見立てて)ご家族に説明。
⇒状況説明の際に“食道挿管”というkey wordが出ないと厳しいようです。ご家族への説明の
場面で平易な言葉で、と思いkey wordを使わずに説明すると危ない目に遭うかもしれませ
ん…。

実技試験
実技試験は2室10分ずつ計20分でした。
ここも流れは例年通りだったと思います。
<気道管理>
下行大動脈瘤に対して下行置換術予定の患者さんに対して
ダブルルーメンチューブを挿入して下さい。
⇒マッキントッシュ喉頭鏡を用いて喉頭展開をして挿管。22cm挿入したところで試験官か
らストップがかかり、気管支鏡を使うように促される。
気管支鏡を挿入し、気管分岐部で一旦ストップ。
・左右の気管支の同定、その根拠は?
分離肺換気ができるように気管支鏡を使って適切に挿入し、実際に換気してみる。必要時
には深さ調節。
・(術式を考慮して)どちらで換気しますか?実際にやってみて下さい。
手術終了後、ICU入室前にノーマルチューブへの入れ替えを行う。(テーブルの上にはガ
ムエラスティックブジーがある。)

<脊髄くも膜下麻酔>
30歳台の男性。肥満。下腿の手術に対して座位で脊髄くも膜下麻酔を行います。研修医に
説明するように施行して下さい。
その前に…
〈スライド〉腰部レントゲン写真が示されている。
・成人の脊髄円錐の下端は?
・実際に穿刺する場合、どこから穿刺しますか?その場合のメルクマルは?
模型の前に座る。患者さんに声掛けをして行って下さい。
(消毒等は済んでいるとして)座位の患者さんに脊髄くも膜下麻酔を行う。
・注入する薬液の種類と投与量は?
・mLで答えた場合、mgで換算する。
・このような肥満患者での脊髄クモ膜下麻酔で、座位以外で成功率を高めるための工夫は

・患者さんはPDPHを心配しています。患者さんに説明をして下さい。

体験談㉜

口頭試問

症例:8ヶ月男児、体重8kg、顔面の巨大母斑の手術。

質問1:術前で把握、聴取してくべきことはなんですか。
→出生歴、既往歴、風邪とか引いてないか、アレルギー、一般術前検査などを答えました。

症例続き:◯週に1900gで出生。RDSの診断で人工呼吸器管理されていた。数日前にロタウイルスの予防摂取(シロップ)を内服している。

質問2:今後手術をどうすべきか、面接官を両親に見立てて説明してください。
→緊急性はない為、1ヶ月延期。呼吸器合併症のリスクが高いことを説明。

症例続き:1ヶ月延期になりました。麻酔導入は緩徐導入としました。

質問3:前投薬はどうしますか。薬の種類と量を教えてください。
→ミダゾラムシロップやセルシンシロップなど。投与量が間違っていたのか、何度も聞き返されました。

質問3:導入後点滴確保前にマスク換気が困難となりました。この状態は何が考えられますか
→喉頭痙攣。

質問4:喉頭痙攣でした。どうしますか。
→ルート確保前なので、ルート確保を急ぐ。頚部などの圧迫により喉頭痙攣を助長させる行為を見直す。下顎挙上させマスク換気の質を保つ。

質問5:喉頭痙攣は解除されました。挿管にあたりチューブのサイズと深さを教えてください。

質問6:Sevとレミフェンタニルで麻酔維持し、手術は終了しました。術後鎮痛はどうしますか。種類と量を教えてください。
→静注アセトアミノフェン7.5mg/kgとフェンタニル1-2ug/kg

実技試験

実技試験1

成人男性の意識下経鼻挿管。研修医に教えながら行うもの。
ファイバーやチューブ、ゼリー、カフ用シリンジが用意されていた。鎮痛用の綿球はありませんでした。
質問は、チューブのサイズと種類を聞かれました。

実技試験2

無痛分娩での硬膜外麻酔の手技を研修医に教えながら行うもの。
消毒等は終わっている。
質問は、局所麻酔薬が胎児に与える影響は何か、どこから穿刺するか、穿刺後の局所麻酔薬は何をどれくらい使うかなどを質問されました。

ご参考になればと思います。

体験談㉝

◆筆記試験
例年通り、A問題90問、B・C問題55問ずつの計200問でした。
A問題はほぼ過去問通り。私は5年分×3周しましたが、それでも見たことない問題は数問ありました。9割以上は正解していると思いました。
B問題は新作問題で4〜5割くらいの出来。C問題は6〜7割くらい?
過去問をしっかりやり込めば、A問題はほぼ9割確保できると思います。私は、5年分を3周するのが標準と聞き、それを目標にしていましたが、実際に3周目が終わったのは、試験前日でした。それでも実際に試験を受けると、諦めずにやり続けて良かったと思えるものでした。麻酔科は問題と解答だけでなく、解説がついた過去問集があるので、対策はしやすいと思いました(少なくともA問題については)。間違えた問題や暗記したい箇所は適宜、解説箇所の図や表をコピーしてまとめていました。また、麻酔科学会が発行している各種ガイドラインは、確実に目を通しておきたいです。私は計算問題が苦手だったので、過去問の中から計算問題だけを抜粋して、解法と一緒にまとめて何度も見直しました。

◆口頭・実技試験
根本的な対策は、実臨床の積み重ねなのかと思います。ハイリスクで一筋縄ではいかない症例に対して、指導医クラスと術前から実際の対策を議論したり、同僚が挑んだ難症例に対するアプローチを参考にさせてもらった経験が活きました。しかし、施設により症例に偏りがあるかと思いますので、青本を読んで模範的な解答を用意しておく必要があると思いました。同僚や先輩と青本に掲載されている問題を出し合って、実際に答えられるかどうかの練習をするのがよいと思いました。

◆口頭試問:20分
症例:73歳 女性 150cm 45kgくらい
直腸癌に対して直腸切断術後。術後化学療法を施行していたが、後頚部痛が出現。精査の結果、頚椎後方固定術を施行予定となった。円背を認める。
試問内容
多発の肺転移も認めている。
●この患者の全身麻酔を担当することになリました。術前にどんな情報を知りたいですか
(一般的な検査以外に)?
・呼吸機能検査(無理なら血液ガス分析)
・Hugh-Johns分類
・開口できるか、動揺歯ないか
・頚椎の可動性、可動で神経症状が出現or悪化しないかどうか
・CTなどで他に転移病変がないか、胸水貯留はないか
●頚椎MRI(矢状断)、頚椎CT(冠状断)が提示→この画像から得られる所見は?
・C2椎体にメタあり(本番では気付かず、椎弓が癒合している…などと答えてしまったが、次の設問の時に教えてくれた)
・脊髄には病変が及んでいない?ように見えます。
●患者は下肢の痺れ(病変が及んでいました…)を訴えており、頚椎カラーを装着中です。どのように全身麻酔を導入しますか?
・頚椎カラーが開口の邪魔にならないなら、装着したまま導入する。邪魔になるようなら、助手に頚椎を用手的に保護してもらいます。
・頚椎の可動性不良、また後屈により神経症状が悪化する危険性があるため、意識下経鼻ファイバー挿管を選択します。
・十分酸素化し、プレセデックス0.2〜0.7μg/kg/hで投与、フェンタニル25μgずつ少量分割投与します。呼吸数が10/分を下回らないように、過量投与に注意します。鼻腔をポビドンヨードで消毒し、リドカインゼリーにE入りリドカインを混ぜたもので前処置します。チューブを先行させ、助手に愛護的に下顎を挙上してもらいファイバーで声帯を確認できたら挿管します。
●挿管し、VCVでTV450ml、呼吸回数12回/分くらい?…の設定で人工呼吸を開始しました
。腹臥位にしたところ、気道内圧アラームが鳴りました。気道内圧曲線は図のように変化しました。この図から分かることを2つ述べてください。
・ピーク圧が上昇しています
・プラトー圧は変化していません
●どのような状態を考えるか、対応と共に述べてください。
・まずは手動換気にして、バッグの抵抗を直接確認します。
・チューブの屈曲、位置異常がないか確認します。
・痰詰まりがないかどうか吸引してみます。
・胸部の聴診を行い、wheezeなどが聴取されるどうか確認します。
●吸痰を行い、アラームは治まりました。手術は8時間に及びました。術後の頚椎側面X線写真を提示(後頭骨〜C3くらいまで後方固定、スパイラルチューブで経口挿管されている)します。術後、下肢の動きを確認したいため、主治医は早期の抜管を望んでいます。私(試験官)を主治医と想定し、担当麻酔科医としての対応を述べてください。
・長時間の腹臥位手術後であり、咽頭、喉頭の高度な浮腫が予想されます。抜管により、気道閉塞を来す可能性が高いため、本日は挿管管理のままICUへ入室していただきたいです。ステロイドや利尿薬投与を行い、浮腫が軽減してから、カフリークテストなどの評
価を行い、抜管を検討するべきです。
○試験官は男女1人ずつ。幸運なことに2人ともとても親切で、こちらが答えたことに対して頷きながら反応してくれたので、雰囲気は非常に良かったです。画像所見は、TVモニターに映し出され、近寄って見ても大丈夫です。私が早口だったせいか、半分くらい時間が余ってしまい、残り時間は雑談していました。

◆実技試験①
37歳 既往帝王切開の妊婦。今回妊娠37週(くらい)で出産予定のため、入院。麻酔科外来へ紹介された。
●術前に確認したいことを4つ述べてください
・アレルギー歴→なし
・既往歴→なし
・内服薬→なし
・非妊娠時の体重
・棘突起が触れるか
・ラインが取れるか
・一般的な気道評価
●挿管困難を予測する所見を4つ述べてください
・Mallampati分類
・Upper Limb bite test
・甲状–頤間距離(名前を忘れてジェスチャーで答えたが、○にしてくれた印象)
・頚部の可動性
●この妊婦が胎児徐脈のため、超緊急帝王切開になりました。これから手術室へやってきますので、試験官を研修医として、どんな物品を準備するか述べてください。末梢ラインは確保済みです。
・挿管チューブ:6.5mm(6.0~7.0mmが置いてあった)
→どのサイズを選択するか問われたので、妊婦は気道浮腫があるため、通常よりも1サイズダウンすると答えました。
・スタイレット
・シリンジ
・マッキントッシュ型喉頭鏡
☆なぜか気管支ファイバーも置いてある(電源も入っている)…
●全身麻酔を導入する前に確認しておくべきことを4つ述べてください。
・モニターが装着され、バイタルサインが表示されているか
・末梢ラインがちゃんと滴下するか
・輸液バッグの残量が十分か
・薬剤が全て準備されているか
・執刀医、ナースの準備が完了しているか
(答えませんでしたが)末梢ラインと逆側にマンシェットが巻かれているか
☆自験例では、末梢ラインと同側にマンシェットを巻いてしまい、薬剤が入りきるまで予想以上に時間がかかってしまった経験があります…
●これから全身麻酔を導入します。どのように導入するか、使用する薬剤名や投与量も含めて述べてください。
・迅速導入します
・純酸素を流し、マスクを密着させて深呼吸してもらいます
→何回ですか?と聞かれたので、8回と答えました
・プロポフォール2mg/kg、ロクロニウム1.2mg/kgを投与し、生食で後押しします。1分経ったら挿管します。
●では、実際に挿管してください。
・挿管→換気して両肺が膨らむことを確認されて終了(挿管困難かと思ったが、いたって普通の人形であった)
○入室すると、挿管練習用の人形とその周りに色々なグッズが置いてありました。特に気管支ファイバーはご丁寧に電源が入れられ、さも使ってくださいと言わんばかりでした。終わった後、時間が余ったのでファイバーについて尋ねましたが、「ふふふ…」と言われて誤魔化されました…

◆実技試験②
70歳台の男性。変形性腰椎症の既往あり。右大腿骨骨幹部骨折に対して、脊椎クモ膜下麻酔で観血的骨折修復術を行うこととなった。手術時間は1時間予定です。
●(変形した腰椎X線写真を見て)術前のX線写真です。どこから穿刺するか、画像を指し示してください。
・L5/Sで穿刺します
●ちなみに成人の脊髄の尾側はどこまでありますか。
・L2です。
●では、実際に患者さんに対して行うように声かけをしながら、消毒する段階から麻酔を施行してください。
・(L5/Sを中心に広めに消毒。消毒のやり方、範囲が評価対象の模様)
●ドレープがかかり、局麻を行いました。実際に穿刺してください。
・(声かけしながら穿刺)
・髄液が引けてきたら、針を段階的に360°回して、逆流が滞りなくあることを確認
●薬剤は何を投与しますか(人形は左側臥位)。
・等比重ブピバカインを3ml投与します。
→それは何%ですか?:0.5%です。
→それでは、何mg投与することになりますか?:15mgです。
・髄液のバックフローを①投与前、②半量投与後、③投与終了直前に確認
●穿刺が困難な場合、どんな方法がありますか。
・傍正中法という方法があります。
●術後、患者は起立性の頭痛を訴えています。担当麻酔科医として、どのような対応を取るか、試験官を患者と見立てて説明してください。
・術前の説明にもあったかと思いますが、麻酔による低髄圧症候群を発症していると考えられます。
・まずは、飲水の励行をしていただきます。必要に応じて補液を行い、水分を補充します。
・改善なければ、カフェインを300mg/日程度から内服していただきます。
・それでも改善なければ、自己血パッチと呼ばれる方法があります。
・側臥位になっていただき、無菌的に採取した血液30ml程度を背中から刺した針へ注入することで、髄液の漏れている箇所を塞ぎ、低髄圧を是正します。

○L4/5で穿刺→困難なら棘間を変える、という方針でも良かったかもしれません。意外にも消毒の範囲や方法を細かく評価されていた印象を受けました。消毒液の種類については問われませんでした。穿刺針の太さや針先の形状については問われませんでしたが、今後問われるかもしれません(あくまで個人的な感想ですが)。

体験談㉞

口頭試験

40歳代160cm 50kgくらいの女性
バセドウで亜全摘予定
喘息あり、卵アレルギー
先日、軽度の咽頭痛
HBVあり

Q.問診と術前検査せよ
A.ホルモン値、心エコー、服薬は?
CTで気道評価
発作の頻度、重さ、服薬
アレルギーの検査は?卵白?卵黄?症状は?
肝機能は?ウイルス定量と治療は?感染経路は?
咽頭炎の症状は?
→結局、メルカゾール服用、SABA吸入のみ。他異常なし。卵アレルギーは咽頭浮腫みたいな

Q.準備と導入は?
A.DAMset
ミダゾラムとセボでslow
βblocker、ハイドロコートンをスタンバイ
スガマ800mgスタンバイ
SABAスタンバイ

Q.導入、挿管楽勝。同僚が昼交代。申し送りしろ
A.基礎疾患とHBV気をつけて

Q.術者が止血中。何かサポートできることは?
A.無影灯を当てる(失笑)
血圧少し上げる(笑顔)

Q.退室後のリカバリーで喉が腫れた。同僚が挿管したところに駆けつけた。モニターを解釈せよ。HR110,sBP 80台、SpO2 でない、CO2波形はV3
A.shock index1.5で出血1500くらい
CO2波形は、喘息、肺塞栓かも採血しつつ、SABA吸入。それから聴診(少し顔が曇る。聴診が遅過ぎた)

Q.食道挿管。挿管し直してICU 家族に話せ
A.術後出血で気道閉塞。今は人工呼吸… ここでタイムアップ

実技試験
一つ目せきま
35歳の100kgごえの下腿おりふ 座位の人形に刺そう
その前にレントゲンを見ろ。どこに刺す?レベルと刺すところを指差せ。
4/5で刺突起間を指差すと、凄い不快な顔つき。椎弓間隙を指差して欲しかったらしい。
消毒せよ
同心円二回。
比重は?濃度は?量は?
等比重、0.5%、3.4ml
何mg?
17mg
刺せ
2回目で逆流。陰圧かけて逆流見ながら、注入
PDPH どうする?
時間切れ 答えられず、出て行く

落ちたと思ったが受かった

実技2つ目 下行置換の分離肺換気
研修医が手伝うとのこと
気管支鏡、ピント、ホワイトバランス弄ろうとすると、正常だから早く挿管しろと まず22cmにしろ
人形は挿管楽勝
左に進めろと 気管支鏡ガイド下に進める。軟骨部と膜様部を示せ
左に入れて、換気。分離できているのを確認した。(聴診ではなく人形がわざとらしく、胸が片方が上がる)
それから右を覗いて、深さ調節。側臥位だから、少し深めにしますね
右気管支の特徴は?上葉枝の分枝を述べろ
肺尖枝と外側枝と前側枝
下行置換ではどちらをブロック?
初めて… 仰臥位症候群を思い出して、左が下行!左をブロック!試験官、笑顔
タイムアップ だけど急いでエクスチェンジゃーでシングルにしろ
青側からエクスチェンジゃー、慌ててシングルに

合格した

 

体験談㉟

遡ること9ヵ月前、12月になったものの当職は割り当て業務が終了する時間は連日21〜22時、加えて直前の日曜が当番、金曜は朝抄読、AMから深夜まで肝移植の全麻という勉強をしたくても出来ない状況となってしまいました。しかし当職はそういう不利な条件でも何とかしてやると思いながら試験に臨みました。

試験では当初の予定であった9月まで勉強していたこともあり、受けたときの感じは大丈夫そうに思っておりました。
18/12/21の夜に一緒に受検した同僚(彼はその年全通しして専門医として仕事しています)から連絡があり試験に落ちたことを知りました。
同僚が当職の受検者番号を知っていたため、それを確認しました。
その時当職は山奥にお勤めに出ておりました。山奥で発表を見て、帰りのパーキングロットの中で1時間憮然としていましたが何とか帰らねば(翌日ペインクリニック外来があったため)と思い失意のうちに戻ってきました。これを聞いた回りの方々も“何故???”という反応でした。

当該年度試験の全貌が判明する3月までは自暴自棄になり「自分は救いようのないアホなのか」と思っていましたが、それは先輩医師が即否定してくれて有り難かったです。
3月に試験問題と回答例が公開され自己採点してみたところA問題71%、B問題50%、C問題56%でした。
通した同僚達はA問題80〜90%でB/Cには差が無いことが判明。思いの外A問題を間違ったのか・・・と思いました。
また、口頭諮問では大問1は完璧に答えられていたものの、大問2の最後2問で事故抜管が分からず、申し送りがしどろもどろになりそこが決め手となって落ちたと確信しました。
(患者の命に関わること、コミュニケーションが取れないと見なされると、こういう事があるのです。この年、当職の受けた実技試験はDLT・CV・Lumbarでこれは通りました。)
今回落ちれば医局の皆さんに大迷惑をかけることになるため、根本的に勉強のやり方を変えて試験に臨む事にしました。

まず、専門医を持つ別の同僚も書いている教科書「麻酔科研修ノート3版」から昨年度試験委員長である澤先生(仮名)のページを読みました。
澤先生は“A問題は過去問をベースに作成されているが、過去問集(年度別のあれですね)を利用して過去問題の問いの本質を学習理解しておくことが正しい回答を得るためには必要となる。また、合格するためにもう一つ条件を挙げるとすればB/C問題で正解を出来るだけ多く得ることである。新しい薬剤やモニター・GLといった最近の話題を学習することが得点に繋がる。”と書いています。
また、前年度当職の前の席にいた先生(この先生も全通し)は書き取りをして試験に臨んでいました。

ということでそれに倣い、18年度分は間違った問題の正誤をハッキリさせておくために書き取り、さらに18年度の残りを含め5年分の全ての問題を書き取りました。
当職には纏めノートを作る力量はありませんが、書き取りで憶えるという作戦を通しノートは8冊に及びました。ファイル3冊になり合計11冊という纏めに・・・。
ここまで勉強しなくても通る先生はいるのですが、結果的に通ったのですから正攻法だと思います。
過去問集に載っているグラフィックはミラー麻酔科学第8版(英語)からのもので、該当ページとその前後の解説にチェックを入れました。自治医大版の研修ハンドブックも麻酔科研修ノート3版も良いです。
(当職、麻酔スタンダードは持っておりません。)

さらりーまん先生も書いているようにGL・わかりにくいグラフィックをスマホやコンピュータといったIT機器を活用。ダウソして印刷・ファイルに取っておきそれも憶えていきました。
何故書き取りが必要かというと、過去問集で解説が難しいものも結構あるからです。特に計算問題。
麻酔歴史や統計は5年間の過去問に出たものはその本質を押さえておくと良いと考えます。
それを自分なりに理解するためにこの作業が必要になるのです。
6月から3ヵ月でやりました。B問題の過去問で良問はA問題に採用されることがあるのです。
C問題についても書き取りをしたのですが、これは口頭諮問の対策を兼ねて行いました。
(昨年と合わせるとこれで6周した事になります。)
そして、9月に入ると対策は口頭諮問も並行して行います。

澤先生によると「マーク試験における記憶を問う評価とは異なり、専門医として相応しい考え方やその理論的根拠が関わる思考を評価される。これへの対策としては市販本等(C.ギャラガー原作 稲田英一編 ボードスティフ3 もちろん当職はさらりーまん先生の本も)を参考にし、術前評価、術前内服薬への対応、困難気道対処、産科麻酔、併存症をもつ患者への対応、術中急変について特に論理的な構築が出来るようにトレーニングしておくことが必要である。」と言うことです。
問題の後半で問われていることには資料無しには思いつくことが少なくて愕然としますが、それを思い出せるトレーニングをする必要があります。
口頭諮問にも対策をしておかないと危険なのです。
幸いマーク試験の2週前、今年一緒に受けて全通しした当職の同僚が昨年全通しした上記同僚に協力を求め、通し練習を行ったのです。
これに当職も参加し問題点を話し合いました。
これへの練習として2018年度の口頭諮問と回答例を書き出すということを行いました。
さらりーまん先生の本には18年度分も載っていますが、発行当時は問題が公開されていなかったため復元問題での回答例が載っていたと思います。
それを実際出された問題を自分で検証して回答例を書き出す作業を行いました。 また、今回は年次を2種類の試験に対応するため分割し最後に勉強できる時間を確保し、神戸でマーク試験を受けました。アリストン→ポートピアで準備をしておりました。

そうして迎えたマーク試験。自分で持参した鉛筆と念のため学会からお借りした鉛筆とでマークを。
A問題はマークミスを見直す時間がありました。ここでマークミスを訂正。
秒殺で解ける問題は確実に増え、計算問題も確実にしていました。
B問題は・・・いじめレベルですね(苦笑)。
C問題も何とか。時間が足りなくなるのでは?と思う場面もありましたが、全体を通して昨年とは違う感じを持ちました。
受検後、学会スタッフに御礼を言い質問したところ、今年の試験委員長の先生と話しをする事が出来ました。
「コンピュータで読み取れれば良いと思うんだけど先生は大丈夫だろ?」と言われました。
小生「恐らく大丈夫と思います。」、委員長先生「そうか。とりあえずは、お疲れ様。」と会話し、飛行機・電車を乗り継いで帰りました。

翌日は当直。当直明けの仕事をして再び神戸に。
有馬温泉→ポートピアで、残り4年分の回答例を書きだし声に出して勉強を続けました。
当日、いよいよ待合室です。
待合室からは、あの業務用エレベータで8階に着きます。
この移動は「声を出すな」という場面であるためドナドナを歌う人はおりません(絶対に無理です)。

口頭諮問が1問(・実技試験は2問)に減りました。
審査員の先生はリアクションも少なく誘導はありませんでした(これは審査員による)。
当職は頸椎転移腫瘍の頸椎後方固定について聞かれました。
画像から読み取れる所見(C2が責任病変)と問題点(当職が出した答えから頚の後屈で神経症状はあることがわかったが、気道困難の度合は意識下挿管レベルではない→)、麻酔の方法(下記に記載)。
気道内圧曲線から読み取れる所見(これはB/C問題の過去問から勉強していました。)を訊かれ答えていきました。
“手術は無事に終了したが時間は8時間かかった。神経機能をみたいがどうすれば良いか?審査員が主科医師役になるので接遇として答えること。”という質問がありました。
これに対し当職は“2つの場合が考えられカフリークテストを行い抜管できる場合は抜管して直後に神経機能をみます。抜管できない場合はconscious Sedation(DEX 0.5x[BW]μg/H)を行いPRとRemiを切り(全麻は通常導入・頸椎コルセットを着けたままビデオ喉頭鏡を用いて気管内挿管しTIVAで維持。)従命反応ができる様にして確認します。”と丁寧に答えました。
最後に、“換気困難の時どうするのか?筋弛緩剤は使うのか?”を聞かれ“使った上でスーパーバイザーへ応援を頼み2人法、oral AWやLMAで換気を試みます”と言いましたが“それでも換気不能だったらどうする?”→“気管内挿管を試みます。“何を使う?”→ビデオ喉頭鏡です。と答え終了。
正直心がやられますが、やけくそになったら不合格となるのです。

実技試験もそうですが、冷静に考えて色々と答えを出していくことが求められるのです。
澤先生の言葉を借りますと「受検態度の悪さや接遇問題での不適切な対応は口頭諮問においては自動車運転免許試験における転落レベルの評価が下され不合格とされる」ということです。
翌日、伊丹空港で飲み食いして飛行機、電車を乗り継いで帰りました。

今回、先週末に結果が公表されました。教授の指令を受けた別の同僚が確認しに来たので、受検者番号を伝えました。それで同僚が確認したところ昨年落とした2つの試験に合格していることが判明。
これを知って当職は男泣きしてしまいました。笑顔無き合格でしたが、この9ヶ月間は過酷でした。
しかし、澤先生の言うとおりにやれば大丈夫と思いますし、このような勉強をする必要がある人もいるという事を解っていただければ良いのかと思います。
2年にわたり、さらりーまん先生にはお世話になりました。どうもありがとうございました。
そして今まで当職が師事した地元の診療部長と歴代副部長、現在勤務中の病院の先生方とマネージャーさん、教育関連病院の診療部長、副部長、応援医師の皆様に感謝しています。

〜追記〜
今年の実技試験では無痛分娩がでたそうです。これは昨年のマーク試験にもB問題で出て当職も苦戦しました。
それで苦戦した同僚がいたことも報告させていただきます。
この試験の前後では2週間前、重症肥満症妊婦さんの臨時カイザーや合格を知った日が当番日であったことから心筋梗塞の臨時on pump CAB(夕方から夜明け前)がありました。心臓麻酔は半年ぶりだったのでそれに対応できる同僚と2人でやってました。昨年も心臓麻酔の経験があったから肝移植の全麻も割り当てられるわけで、今後そういったものも再び経験していくことになると思います(が、さすがに試験直前は無理です)。
昨年受けた同僚から“おめでとうございます。”と言われ、近日試験お疲れ様会を開くことが出来ます。
繰り返しますが、さらりーまん先生どうもありがとうございます。
温泉での缶詰勉強を行うにあたって大いに参考にさせていただきました。

また、口頭諮問の間の情報も2つ。
審査員 麻酔をしていくうちに気道内圧曲線が変化しました。これは何を意味しているのか?
当職 ポイントの1つめはPpeak 30に上がっていること、2つめは傾きが急になっていることです。
と答えられましたが、3つめは解りませんでした。Pplatが延びた・上がったといいましたが誤答でした。
しかし、気道抵抗が上がっていることが考えられますと答えました。(これは15年度のB/C過去問で問われた内容です。)
審査員 ではどうやって確認する。
当職 この手術の体位は腹臥位ですが、主科の先生に断りを入れ下に潜って聴診法で確認します。
審査員 痰の詰まりによると思われる喘鳴が聞こえ、吸引を行ったところ、喀痰が多量に引けて気道抵抗は改善しました。(画像で肺転移か痰詰まりの無気肺が示されていたかと思います。)
という問答がありました。そこから、手術は8時間に〜というところに繋がります。

体験談㊱

※送ってこられたPDFのままの方が見やすいと思い、ダウンロードリンクを掲載します。

エコーや心電図、肺動脈カテーテルの画像は体験談著者様自作の画像ではないため、念のため塗りつぶしております。

https://drive.google.com/file/d/1tOxF0hMcaf2lAZRQNrQHqBB78ZjDIoET/view?usp=sharing

体験談㊲

口頭試問
不合格でした。
1部屋1問。脳梗塞で不全麻痺嚥下障害、逆流性食道炎、高血圧、糖尿病ありの直腸癌で低位前方切除の症例。問題点、導入、薬剤量、実はASあり、心臓外科はAVRしますと言っていますがどちらを先にしますか、循環モニタリングは、筋弛緩モニタ-は麻痺側非麻痺側どちらに、術後総腓骨神経麻痺起こり説明を。
オーソドックスな問題だと今でも思いますが、考えすぎて導入法で余計なこと言ったり、自分の考え2転3転したり、結局神経障害の説明では最後まで行かず、結果はダメでした。正直落ちるほどとは思っていませんでした。
実技試験
合格でした
2部屋で1つめが開腹結腸切除で胸部硬膜外麻酔を行う症例。ワーファリン内服中。ヘパリンブリッジ、穿刺部位の質問、実際の硬膜外カテーテル留置の手技。研修医に説明しながら、かつ実際の患者さんにするように(声かけながら)言われました。
抵抗消失がわかる人形でした。カテーテルは入りづらく、入ったところまででよいと言われました。留置後血管内やくも膜下腔への迷入を除外するような質問を求められました。
2つめの部屋は急性喉頭蓋炎の症例、実際に動画(腫脹した喉頭蓋)を見た後、喉頭鏡の利点欠点を聞かれました。この症例での質問と考えて、回答しましたがやや不満そうでした。一般的なことを答えるべきなのか?と思いました。ほかのデバイス、マックグラス、ファイバ-についても利点欠点を質問されました。そののち実際にファイバー挿管の手技。実際に挿入しすぎて迷子になったときどうするか、チューブを正しい位置に留置する方法を聞かれました。
その後挿管できなかったとして緊急気動確保の手技、輪状甲状間膜穿刺の手技でした。デバイスはミニトラックとMelkerのものがありました。
実際の留置するチューブとダイレーターは合体させて挿入し、その後ダイレーターのみ抜去が正しい手技ですが、別々に挿入してしまいチューブが入ったかどうかよくわからない時点で時間がきてしまいました。
筆記試験
合格でした。
昨年と同じ形式、問題数でした。Aは過去問通りがほぼですが、2問ほど見たことないのがありました。細かいところまで覚えておかないと絞れない選択肢も散見されました。過去問ではBのものが今回Aにきているのも多数ありました。Bは難しいのは予想していましたが想像以上でした。20問目くらいでようやく自信をもって回答できた問題が出てくるような状態でしたが、心を折られないようにと言い聞かせながら解きました。正直考えても分からない問題がほとんどでした。Cも難しく、でもBよりかはまだ考える余地があるような問題でした。
筆記は7年7周を目標に、 びびりなのと直前で追いこむ馬力がないので早めに2月中旬頃から取り組みましたが それで大方良かったと思っています。過去問が出るのはABなので直前の勉強はABのみでよいと思いました。
実技口頭試問は青本を8月にさらっとよみつつ、3年分の口頭試問過去問をときました。9月に模擬面接を上級医にやっていただきました。筆記試験後はまた青本を熟読、声に出す練習をしました。
8割方合格する試験で不合格だったのが情けなく、悔しい気持ちはおそらく一生消えないと思います。しかし実力不足とうけとめて来年また受験します。
青本はかなりまとまっており、不合格の自分が言うのは変ですが、必要不可欠と思いました。来年も使わせて頂きます。

体験談㊳

<筆記試験>
とにかく過去問に尽きると思います。私はゴールデンウィーク明けからA・B問題は7年分、C問題は5年分解きました。最初のうちはほとんど解けず凹みながら1題1題調べて解説を読み進めました。最終的には7周位しました。5年分という人が多かったです。本番ではA問題で見たことないものが2問程度でした。5年分だと見たことない問題が5問程度あるという感じでした。5年分しっかり解いていれば問題ないと思います。
B問題は対策の仕様がないと思います。漢方薬の問題が出題されたりしていて逆に諦めがつきました。専門医になっても勉強は必要だよという学会からのメッセージだと思います。自信をもって答えられたのは片手程度でした。
C問題は大学病院規模の施設で研修し日々どれだけ1例1例を大切にしているかが問われていると感じました。6割から7割程度の出来だと思います。
結局はA問題をいかに満点近く取れるかの試験だと思います。メンタル的にはきついですが、3科目の中で一番対策がしやすいです。
<口頭試験>
青本を購入し8月くらいから科別で読み始めました。
75歳でやや肥満の女性の腹腔鏡下直腸切除術の問題でした。
既往歴に脳梗塞による片麻痺・逆流性食道炎など
・術前に確認しておくべきこと
ASの心エコー所見を提示されて麻酔科として心臓手術を優先させるべきかどうか。AS手術を優先すべきと答えたら直腸手術をする流れで問題は進み、しまったーと思いましたがラパロを優先すると答えた同期は”こんなに心臓悪いのにするの?大丈夫?”と言われたそうです。
・麻酔導入法とモニターすべきもの
・TOFは麻痺側と非麻痺側どっちに付けるのか
・術中INVOSが低下し低血圧になった。どう対応するか
・Epiが抜去された状態で下腿外側のしびれを訴えている。どう説明し治療するのか
他の時間帯の問題と比べると普段よく遭遇するような症例でした。試験管も温厚な先生で助かりました。
わからなくてもとにかく最後まで答えきるというのが大事だと思います。間違っていたとしても加点方式なのでどんどん思いついたことを言うと良いと思います。
<実技試験>
1.耳鼻科医から急性喉頭蓋炎の気管挿管を依頼された。
・直視下喉頭鏡とビデオ喉頭鏡の長所と短所3つずつ。
・実際にファイバー挿管
・ファイバー挿管したけど換気不能になりました。どうしますか。
・輪状甲状膜穿刺をその場所で刺すメリット3つ
・実際に輪状甲状膜穿刺
かなり急かされて3つ答えられないまま次の問題に行く感じでした
2.ワーファリン内服中の硬膜外麻酔
どれくらい前に中止するべきか。ヘパリンブリッジはどうするのか
腹腔鏡下結腸切除に硬膜外麻酔を施行することになった。傍正中法でやってみてください。
口頭試験、実技試験は一緒に受ける人と青本片手に問題を出し合うのが一番良い勉強法だと思います。
専門医をもっていなくても麻酔はできるという人もいますが、集中的に勉強する良い機会ですし今までいかに自分が何も知らずに麻酔をしていたか痛感しました。専門医あるかないかで給与が変わる病院もありますし、専門医の有無をモノサシにしている人をたくさん見てきました。しっかり対策して取得しておく価値がある資格だと私は思います。ありがとうございました

体験談㊴

筆記試験

筆記試験は1年ほど前から始めて(本気で頑張り始めたのは半年ほど前からです)A問題、B問題は7年分をすべての選択肢が即答できるまで間違えたところを徹底的に解きました。今回の試験に関しては5年分では足りず、一番古い2年分から多く出ていたような印象でした。過去7年間では見たことが無い問題があったので、95%弱正答したかなと思います。体験談では3周と書いてありましたが、私は10周くらいしたかもしれません。1周目はほとんどの分かりませんでした。5周くらいすると1年分(A問題、B問題)は数時間で解けるようになりました。選択肢が年によって正解だったり不正解だったりすることがあって、混乱して無駄な時間を使いました。C問題をどの程度するのが効率的なのか結局わかりませんでした(不安だったので3周くらいしました)。

口頭試験

小児(8ヶ月)の母斑の手術(形成)の麻酔で、普段経験していましたが緊張してうまく答えられませんでした。
・予防接種(生ワクチン)を手術の3日前に受けたと聞き母親に説明するよう言われましたが、自分が普段している説明が試験官にできませんでした。過去に自分なりに調べて手術延期に関するエビデンスはないと思っていましたが、自分の答えをもっとまとめておけばよかったと思いました(結局手術は1か月後に延期されました。)
低出生体重児でNICUで1ヶ月気管挿管されていたと思いますがそれに関して麻酔での注意点を述べるタイミングが分かりませんでした。
・挿管チューブの太さ、深さが聞かれたので数式を答えました。
・喉頭痙攣が麻酔導入時に起きたと思います。抜管時、深麻酔での抜管もあるのではないかと試験官から聞かれましたが、私は学会で聞く機会はあったが行ったことがないので慣れている普段の方法で覚醒させようと思いますと答えました。
全ての解答が終わって試験官から言い残したことor訂正はなかったと聞かれて術後鎮痛のアセトアミノフェンの量を正確に言い直す機会を与えられました。座薬に関しては術後鎮痛として20mg/kg投与していますが、2㎎/kgと最初に答えたのだと思います。
試験の最後に試験官に緊張しますよねと優しく声をかけられました

実技試験

①試験の部屋に入った時、試験官の女性の先生が無痛分娩で有名な先生だったので、無痛分娩がでる、やばいと思いました。無痛分娩を行ったことがありませんし、試験には出ないと思って勉強しなかったのでとてもテンパりました
まず無痛分娩の胎児への影響について母親に説明しなさいといわれました。その後無痛分娩の硬膜外麻酔を正中法で初期研修医に説明しながら行うという問題でしたが、どの位置からするかと聞かれて、よくわからないと思いながら答えました。数回無痛分娩の講演を聞いたことがあったので(たまたま試験官の先生の講演でした)、思い出しながら行いましたが初期研修医への説明は多分全然できていませんでした。
②経鼻ファイバー挿管は前年度同僚の試験に出て、実際試験前に症例を経験したのでできました(経鼻挿管の症例を当ててもらって、喉頭鏡でもできる症例でしたがファイバーでさせてもらいました。チューブ先行法で行いました)。前年度はファイバーのピントがあってなかったと聞いたので、ピントを合わせていたら「ピントはあっていますし、時間が足りなくなるので次の手技をするように」と試験官から言われました。
口頭試験、実技試験対策のために先生の青本を3回ほど読み、今回一緒に試験を受ける同僚と問題の出しあったり、足りない部分の資料を同僚と共有しました。青本が使い古したようになりましたが、試験会場で新品のような状態の青本を持ってらっしゃる先生が多かったので私はやりすぎたかもしれません。今回、口頭試験1問、実技試験2問でしたが今回の試験に関しては青本を頑張って勉強しても、しなくても差はつかなかったかもしれません。しかし青本の勉強は、今までの麻酔の復習と専門医として必要な知識を習得するいい機会になりました。ありがとうございました。

体験談㊵(実地試験)

10月初旬のうちに合格発表があり、受験者約500名のうち、実地再試験を行う6名の中に自分の番号がありました。
筆記、口頭試問合格者の中に番号はありましたが、実技合格者の中にはありませんでした。
10月後半に学会事務局から直接メールがあり、『実地再試験の日程を決めるので、麻酔科と病院(施設)の都合の良い日を教えてください。』ということでした。さらに、おそらく落ちた原因であろうDLTを用いた麻酔症例のある日が決まっていれば教えてほしいとのことでした。
ちなみに、本試験の際の実技は
①DLT挿管
②CV穿刺&SGカテーテル操作および波形の移り変わり(4枚の圧波形の画像が示され、順番を答える)
でした。
DLTの位置決めの際、白カフを完全脱気せずに動かしたことが、非常に危険と判断されたと噂で聞きました。
実地再試験は、11月初旬に予定され(できるだけ早いほうが良いような事務局の対応でした)本試験で担当した試験官2名が直接当施設へ来られました。
学会事務局のスタッフなどは同伴されませんでした。
偶然呼吸器外科が学会中で症例が無かったため、午後からの産婦人科の麻酔(全身麻酔+硬膜外麻酔)を担当しました。
DLT症例が無いのであれば、なんでも良いようで、試験官の先生方の移動時間を加味して午後スタート症例になりました。
10時ごろ到着

手術着に着替え案内

控室で患者情報のプレゼン

麻酔器の準備(始業点検)、麻酔導入を後ろから見られる

手術開始後、安定してから麻酔を当施設スタッフに交代し、控室に戻り講評
この講評が曲者で、
まず、硬膜外穿刺をhunging drop法でやったのですが、
「なぜloss of resistance法でやらなかったのか(確実に陰圧を確認するためです)」
「なぜ水滴をシリンジでつけたのか(そう習ったからです)」
「注射針を使ってTuohy針を満たさなかったのはなぜか(初耳でした)」
「留置後のコネクタを他のルートと絡まらないようにする工夫は」
(コネクタは患者の帽子の中に入れていたのですが、それは不潔になるためNGだそうです、私のいないところで部長がそのように言われたそうです。)
挿管も喉頭鏡で声門が見えづらい人だったので、早めに諦めてMacGrathを使ったのですが、
「挿管困難を想定していたか(術前診察のカルテでマランパチ2でした)」
「挿管困難時の対応は(DAMのフローを答えました)」
「この患者は、MacGrathでなくても、枕の調整で挿管できた気がする(感想ですか??!)」
「この患者に(身長150cm総義歯の痩せ形女性に7.0mmの気管チューブで21㎝固定)21㎝は浅すぎると思わないか(思いません。そもそもMacGrathでカフ上のマーカーが声門を超えるのを確認して留置したわけですから)」
など、試験官の感想なのか、試験としての質問なのかよく分からない中で30-40分ほど話をして帰って行かれました。『本試験の時は緊張されてたんですかね?』と気遣いをいただく程度には、『これは受かったな。』と分からせてくれる方式でした。
結果は12月~1月の間に事務局からメールが届くということでしたが、12月20日に正式な合否通知をいただきました。
手技だけを見にきて判断されるのかと思っていましたが、
症例のプレゼンから、麻酔器の始業点検から、逐一確認され、口頭試問も合わせて受けたような感じでした。
試験官との相性もあると思いますが、実技は絶対に本試験で受かっておくことをオススメします。本試験の10倍くらい疲れました。
さらりーまん麻酔科医先生、お世話になりました。

体験談㊶

<筆記試験>
夏までに5年分の過去問を解くのに時間を費やしまいました。こちらの体験談を読んだところ、7年分の過去問を解いている方が多く、焦ってそこから2年分必死に解きました。過去に遡ると、問題の内容も少し違い時間がかかってしまいました。。
が、結局、実際の試験ではA問題でこの6、7年前の問題が多く出ていたように感じます。
会場でも、この問題初めて見る!やら、5年分しか解いてなかったのに!って声がよく聞こえたように感じました。
B問題、C問題は当たって砕けろ精神で解くしかないように思います(笑

<口頭試問>
もうここに体験談を書かれている人と同じ形式です。
会場の雰囲気に圧倒されますが、周りの人はみんな緊張していたように思うので、大丈夫です。
去年と比較して1問に減っていたのかな?
蓋を開けてみると、症例パターンはそんなに多くないように感じました。その症例から、回答次第でどのように膨らませるかは試験官の先生次第かもしれませんが、私が当たった試験官の先生はカンペみたいなものを見ていました。
1人の試験官の先生が質問して、もう1人の先生は私の方をよく見つめて査定されていたように感じます(笑
圧迫感はありませんでした。

<実技試験>
今年から実技試験も減っていた気がします。
私は2部屋で2つの実技をしました。
•ダブルルーメンチューブの挿管
•肺動脈カテーテル挿入、波形の変化でどの位置にあるか
みなさん書かれているようにかなり時間を巻かれる印象で焦ってしまいます。
私は間違ったことを言ってしまい、すぐに気づいたので訂正しました。落ちたかと不安でしたが、合格したので、ちゃんと自分で立て直せることができれば大丈夫なのかもしれません。

みんな同じように嫌な試験だと思います。日々の臨床だけではまかなえない、過去問を解くなどといった特別な勉強も必要ですし。今年受ける方頑張ってください。
最後ではありますが、青本には本当に助けられました。
口頭試問で答えられたのも、青本のおかげだと思います。ありがとうございました。

体験談㊷

筆記・口頭・実技試験、いずれも合格致しました。
ただし、十分には勉強できなかった上での体験談ということを御了承下さい

筆記試験は過去問5年分程やったつもりです。
口頭試験は最近2年分ぐらいの過去問・解説を読ませて頂きました。
実技試験は根拠なく行けるだろうと思っていたので、普段やらないことを少
し確認したぐらいでした。。
反面教師や合格最低ラインの参考にでもして下さい。

《筆記試験》

●A問題
潔いぐらいの過去問集でした。過去問5年分をやっていましたが、うろ覚えな
ところが多く不確実でした。気持ち的には8割ぐらいで良いかなーと楽観的
にみていましたが、満点を目指さないとダメだったのかなと思います。
過去問7年分やった人は見たことのない問題はなかったそうです。

※ 結果84.2%でした。

●B問題
Aとはうってかわって新問集でした。過去問だけしかやっていないと、新問ば
かりで焦るかもしれないです。
少しでも点を取ろうと思ったらガイドラインの細かいことや臨床的なスコア
・診断基準(58回ではCHADS2,KDIGO…)に目を通しておいた方が良いと思
います。私はできませんでしたが、他者との知識の差を埋めるという意味で
は、青本を少しでもサラッとでも目を通していればもう少し違ったのかなと
思います。

※ 結果53.7%でした。

●C問題
新問集。
時代の流れで臨床的に新たな技術や概念などが出てくるかと思いますので、
出題者の意図を理解できるかが大事なのかなと思います。。

※ 結果65.5%でした。

《口頭試問》

※ あんまり覚えていません。。すみません。。。

● バセドウ病患者の甲状腺亜全摘術
● 既往に喘息
● 卵アレルギー
● B肝キャリア

◯試験管を患者に見立てて問診
→各ポイントに沿って質問しました。何個か言ってたら勝手に切り上げられま
した。
・ バセドウ病ですが、動悸などの症状はありますか?
・ 喘息の症状はどうですか? →吸入している。
・ 日常生活で制限あるか
・ 卵アレルギーの程度 →口が痒くなるとかだった。
・ B肝 →検査して言われただけで症状ない。
◯検査など
・ 頸部の所見
・ 気道評価 →特に問題なかったような
・ 呼吸機能検査
・ 甲状腺ホルモンの値 →正常だったような
・ 心電図
◯麻酔計画?
・ 導入はミダゾラム、レミフェンタニルで行います。→維持の事は忘れてい
た。
・ 吸入薬は手術室に持参して下さい。→試験官の反応良かったような。。
・ 頸部の腫脹で挿管困難な可能性もあるので、ビデオ喉頭鏡を使います。
・ チューブは術者の意向があれば(反回神経)モニタリング用のチューブ、な
ければらせん入りスパイラルチューブを用います。→反応悪かったような
。。

◯外科医が止血確認をしています。麻酔科側からできることはありますか?
→分かりません。と言ったら何か考えてくださいと言われました。
・ 気道(胸腔)内圧をあげます。バルサルバ手技をします。→良い反応だったよ
うな。。もう一つあげてくださいと言われましたが、分かりませんで済ま
せました。シンプルに血圧をあげればよかったのかもしれません。

◯手術は終了し、術後は回復室(PACU?)に入りました。そこで心停止になり、
同僚が対応していました。そこへ駆けつけ、モニターは以下の状態です。ど
うしますか?
◯血圧は80台ぐらい、、脈拍は100超えぐらいで特別頻脈でもなかったような
、、SpO2は”?”でカプノは”V3”の状態でした。。。
・ 挿管できていない可能性があるので、気道確保をもう一度確認して下さい
。声門が見えないようであればデバイス等も使用して下さい。→この時点
で助けやDAMカートなど言えばよかったと思います。
・ SpO2モニターがしっかり付いているかチェックして下さい。
・ (頸部に腫脹があると言われた気がしたので、、)術後出血の可能性がある
ので、耳鼻科医を呼んで下さい。→耳鼻科!?と反応されました。。手術は
耳鼻科じゃなかったのか?(問題用紙には”■■科”とは書いていなかった
。。)クリーゼも頭に置いていたので内科的な応援も考えましたが、結局は
…→術後出血の可能性が高いと考えて耳鼻科と思いました。と、また同じ
ことを言いました。。
◯集中治療室入りました。家族に説明して下さい。
→前の質問で何が起こったかわかっておらずプチパニックだったので、集中治
療室に入ったのかもしっかり覚えてません。。
・ 手術は問題なく終えましたが、気道に近い手術であることと、喘息の既往
もあることもあり、何らかの原因で呼吸状態が悪化しました。的なことを
しどろもどろで伝えられたかどうか。。。
・ しばらく適切な呼吸管理をします。と言うか言わないかで終了しました
。。

※嫌な感じの試験官ではありませんでしたが、あんまりガイドはしてくれませ
んでした。。最終的に何が起こっていたのかもわからないままでした。。。

《実技試験①》

●下肢の骨折、肥満患者、座位での脊髄くも膜下麻酔
※研修医に教えながらと言われましたが、何も教えるようにはしていなかったです。。
まずは、質疑応答から。
◯脊髄※△%□はどこですか?

・ 分かりません!(知っている先生が試験官だったので適当なことを言いたく
なかった…) →後日確認したら”脊髄円錐”でした。。
※脊髄円錐の高位はT11/12~L2/3までと個人差があり、80%はT12/L1~L1/2までに存在するようです。
◯腰部レントゲンを提示され、どのレベルから穿刺しますか?
◯穿刺する場所を画像でも指差して下さい。
・ L3/4から穿刺します。
・ 狙う棘間か椎体間か迷い、狙う椎体間付近を指差しました。。
◯患者に声をかけながら手技を行って下さい。まず消毒をして下さい。
・ 声をかけながら、穿刺点を中心に円を広げていくように消毒しました。
・ 2回目は少し範囲を狭めて消毒しました。
◯実際に穿刺して下さい。
・ 刺入部を局麻する素振りをしたら、済んだ体で大丈夫と言われました。
・ 人形は刺し難かったですが、声をかけながら特に問題なくできました。
◯薬を入れてください。
・ 4mlの液体が入っていたので、そのまま3ml入れました。
◯何をどれだけ入れますか?
・ 高比重ブピバカインを3ml入れます。
◯何%か何mgか言えますか?
・ 0.5%、15mgです。
◯(手技終了後)もし穿刺が難しそうな場合はどうしますか?
・ 最初にエコーで棘間を探します。

《実技試験②》

●下行大動脈置換術において、DLT留置/管理〜チューブ交換まで
◯研修医がつくので、教えながら行って下さい。介助してもらって下さい。
◯まずは模型にDLTを挿管して22cmまで進めて下さい。
◯ファイバーで見ながら調整して下さい。
・ ファイバーを確認しようとしたらピントは合ってます!と言われました。
・ 気管支ルーメンからファイバーを入れたらちょうど分岐部でした。
・ そのまま左気管支に突っ込んで、それをガイドにDLTを挿入しました。
・ 気管ルーメンにファイバーを入れて位置確認しました。

◯聴診で確認する場合はどのように聞こえますか?
・ 鉗子で噛んだらこちらが聞こえる…滞りなく説明しました。
◯片肺換気にして下さい。
・ 下行大動脈の手術なので左を凹ませます。と言って右片肺換気にしました

◯手術が終わってチューブをSLTに入れ替えます。
◯チューブエクスチェンジャーを使って下さい。研修医と協力して下さい。
・ エクスチェンジャーともう一つ似た物品がありましたが、明らかに短いの
で迷いませんでした。
・ 私は喉頭鏡をかけながら行ったので、研修医に色々してもらいました。
・ エクスチェンジャーを気管支ルーメンに十分に突っ込んで(先当りしました
)、DLTを抜こうとしたら試験官が慌てました。私も思い出してカフを抜い
てもらいました。
・ チューブを入れ替えてSLTのカフを膨らませたところで終了となりました

・ 換気まで確認できたかどうか。。。